水管橋の設計時における調査・検討内容
(1)基本情報の調査
河川、道路、鉄道等を横断して管路を布設するルートを選定した後、水管橋を設置する場所の地形、地質、障害物、交通状況、河川水位や河床、将来的な都市整備計画等について調査する。
(2)形式の検討
水管橋の形式としては、パイプビーム式と補鋼式がある。パイプビーム式は、管をリングサポートで支持する方式で、支管長、口径が小さい場合に採用する。補鋼式は、補鋼材を管に設置する方式で、支管長、口径が大きい場合に採用する。
パイプビーム式は、両端固定式、単純支持式、一端固定一端自由式等の種類があり、支間長や地盤状況を考慮して、最適なものを採用する。
(3)強度・構造等の検討
水管橋は、管本体、リングサポート、上弦材、斜材、吊材、管理歩廊、橋台、橋脚等で構成され、適切な強度を確保するため、管の自重、管内水の重量、管内水圧、地震力、風圧等、設計上考慮するべき荷重と構造について検討する。
震災対策の観点から、橋台付近の埋設管には、可とう性のある伸縮継手を設け、屈曲部には必要に応じて防護工を施し、可動支承部や桁端部には落橋防止を講じることについて検討する。橋脚が河川内に設置する場合、必要に応じて衝突物に対する防護工を施す。
管本体に鋼管を採用する場合、溶接接合による一体構造化を図り耐震性を確保する。防食措置として塗装を行い、布設環境を踏まえて適切な塗料を採用する。