One 2022年08月16日 カード14 いいね0

国内での感染状況に特に注意したい。括弧内は暗記しなくてよい部分。

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単語カード

  • 病原菌
    Mycobacterium avium subsp.paratuberculosis
  • 病原菌の性状
    グラム陽性短桿菌
    抗酸性を有し菌塊状を呈する
    好気性
    普通寒天培地に発育できない
    マイコバクチン加ハロルド培地で3~4カ月で微小集落を形成する
    (マイコバクチンを発育に要求する)
    好中球やマクロファージ内で殺菌されずに増殖が可能な細胞内寄生菌
  • 宿主
    牛・緬羊・ヤギ・水牛・シカなどの反芻動物
    野兎、キツネ、テン、カニクイザル等の発生報告も認められている
  • 疫学(世界)
    世界各国で発生
  • 疫学(日本)
    1930年英国から輸入したショートホーン種で発生
    以後輸入牛でのみ散発発生が認められていたが1980年国産牛、特に北海道で発生
    それ以降全国規模の発生に至る、現在でも年間500頭近くが確認されている。
    1998年に家伝法一部改正によって5年に1回以上の搾乳牛および種畜の検査が義務付けられた。
    ただ、肉牛は検査対象外である。
    (5年間も生きていないから)
  • 感染経路
    糞便や乳汁を介した経口感染
    胎盤感染
    年齢により感受性に差はあり、6カ月齢以下の子牛は発症の危険性が高いとされる。
  • 感染環
    感染牛の糞便に含まれる大量の菌により同居牛ないし子牛が感染。
    無症状の状態で数か月から数年間過ごし、突然発病する。
  • 発病機序(機序が図示できると〇)
    本菌を経口摂取した後、回腸パイエル板のM細胞より侵入。
    マクロファージによる貪食を受けるため、パイエル板、付属リンパ節に初期病巣(小肉芽腫)が形成される。
    細胞性免疫の誘起が起きるが、長い潜伏期間の後に環境の変化によりマクロファージ内において本菌が増殖する。
    これにより細胞性免疫が徐々に低下、発症に至る。
  • 症状(臨床的)
    削痩、乳量の低下或いは泌乳停止、2~3週間の間欠性下痢~持続性下痢、
    下顎部浮腫、衰弱死
    乳牛は3~5歳の発症が多く、分娩後1~数週間後の下痢により認識される。
  • 症状(病理的)
    【簡単に書くと】
    肉芽腫性炎による回腸粘膜の肥厚=わらじ状皺壁
    【詳しく書くと】
    類上皮細胞肉芽腫の形成とリンパ流うっ滞によって腸管粘膜組織が肥厚する。
    類上皮細胞内には抗酸菌染色陽性の多数のヨーネ菌が見られる。
  • 診断(細菌学的)
    ①直接鏡検:糞便の直接塗抹標本の抗酸菌染色による菌検出
    ②菌分離:病変部位をマイコバクチン添加ハロルド培地で37℃3~4か月培養
    ③PCR:ヨーネ菌に特異的なDNA(IS900)を検出
  • 診断(血清学的)
    ELISAや補体結合反応
    遅延型過敏反応を示すヨーニン反応、
    インターフェロンγ検査
  • 治療
    化学療法は困難、治療も行わない
    5年に1回以上の検査が法律で義務付けられており、摘発・淘汰を行う。
  • 予防
    子牛の衛生管理・成牛の糞便との接触を避け、汚染物の徹底した消毒が有効。
    欧米では死菌ワクチンがあるが発症予防効果のみ
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