統合失調症では死後脳でグルタミン酸系の低下が認められる
○ 統合失調症においてグルタミン酸系の低下が見られる理由は、グルタミン酸仮説に基づいています。この仮説は、統合失調症の症状がグルタミン酸の作用が弱まることで生じると考えています。 グルタミン酸は、興奮性の神経伝達物質です。これらの細胞間の信号伝達はグルタミン酸を介して行われます。グルタミン酸の作用が低下すると、これらの神経伝達機能に障害が生じ、統合失調症の症状が現れるとされています。 具体的には、フェンサイクリジン(PCP)などの薬物がグルタミン酸の受容体であるNMDA受容体をブロックすることで、統合失調症に似た症状を引き起こすことが知られています。このことから、統合失調症ではグルタミン酸の作用が不十分であることが症状の一因であると考えられているのです。
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