本質的安全設計方策の第一原則として、危険源への対応で最も優先される行為はどれか。
A. 危険源を保護方策で覆う
B. 危険源のエネルギーを低減・除去する
C. 警告ラベルを貼る
D. 教育訓練を強化する
【回答】B:危険源のエネルギーを低減・除去する
【参照】ISO 12100:6.2.2(a); 6.1 リスク低減の体系
【解説】本質的安全設計は保護や警告より優先され、危険源そのものを減少・排除する設計を採る。
正の機械作用(ポジティブ・メカニカルアクション)の目的として最も適切なものはどれか。
A. 警報が確実に鳴るようにする
B. 動作が要求通り機械的連結で確実に実現される
C. 電源喪失時に自動停止する
D. 人の接近を検知する
【回答】B:動作が要求通り機械的連結で確実に実現される
【参照】ISO 12100:6.2.2(f)
【解説】正の機械作用は機械的連結により意図した動作のみを許容し、誤動作やバイパスを防ぐ設計概念。
フェイルセーフ設計の典型例として最も適切なものはどれか。
A. 停電時にクランプが開放される
B. 停電時にブレーキが作動し停止保持する
C. 停電時にモータが加速する
D. 停電時に非常停止が無効化される
【回答】B: 停電時にブレーキが作動し停止保持する
【参照】ISO 12100:6.2.2(e)
【解説】フェイルセーフは故障時に安全側に遷移する設計。ばね保持ブレーキなどが代表例。
危険源の分離・隔離に関する本質的設計方策の説明で正しいものはどれか。
A. ガード設置を指す
B. 操作部を危険部から物理的に離す
C. 警告表示を明確化する
D. PPEの着用を義務化する
【回答】B:操作部を危険部から物理的に離す
【参照】ISO 12100:6.2.2(b)
【解説】操作位置や人の動線と危険部を物理的に分離する設計(遠隔操作、配置工夫)は本質的安全方策に該当。
エネルギー源の低減の例として最も適切なものはどれか。
A. 保護装置の追加
B. 材料変更による質量増加
C. 可動部の速度・力・圧力の上限設定
D. 警報音量の上げ幅設定
【回答】C:可動部の速度・力・圧力の上限設定
【参照】ISO 12100:6.2.2(a)
【解説】危険の根本強度を落とす(速度・力・圧力・温度などの上限制御)は本質的安全設計の中核。
形状・配置の工夫による危険低減の正しい例はどれか。
A. 鋭縁を面取りし指挟み空間を設けない
B. 保護カバーに警告ラベルを追加
C. 操作手順書を改訂
D. 作業者教育を強化
【回答】A:鋭縁を面取りし指挟み空間を設けない
【参照】ISO 12100:6.2.2(c)
【解説】形状・配置の最適化(面取り、すきま管理、到達性制限)は危険源を生じないようにする設計。
材料・部品選定の観点で本質的安全設計に当てはまるものはどれか。
A. 耐熱塗装を追加
B. 破損時に鋭い破断を生じない材料選定
C. ガードの色を黄色にする
D. 発注先の変更
【回答】B:破損時に鋭い破断を生じない材料選定
【参照】ISO 12100:6.2.2(d)
【解説】破断様式・摩耗・腐食特性を考慮し、危険な破損/飛散を招かない材料選定は本質的安全。
冗長化設計はISO 12100における「本質的安全設計方策」に該当するか。
A. 常に該当する
B. 場合によって該当する
C. 該当しない(保護方策/制御系に属する)
D. 規格では言及なし
【回答】C:該当しない(保護方策/制御系に属する)
【参照】ISO 12100:6.2.2 と 6.2.3 の区別
【解説】冗長化は安全関連制御系や保護方策に属しやすく、本質的設計とは区別されることが多い。
視認性・可視化の改善が本質的安全に寄与する場面として最も適切なものはどれか。
A. 色分けした表示灯により状態を誤認しない
B. 取扱説明書に注意書きを追加
C. 教育訓練で注意喚起
D. 耳栓配布で騒音低減
【回答】A:色分けした表示灯により状態を誤認しない
【参照】ISO 12100:6.2.2(c)
【解説】視認性・操作系の識別容易性は誤操作を構造的に防ぐ設計。色・形・位置の設計は本質的安全。
安定性確保の設計として適切なものはどれか。
A. 低重心化と支持面拡大により転倒を防止
B. 警告ラベルで転倒注意喚起
C. 点検頻度を増やす
D. 転倒センサで警報発報のみ
【回答】A:低重心化と支持面拡大により転倒を防止
【参照】ISO 12100:6.2.2(c)
【解説】構造安定化(低重心化、支持面拡大、アンカー設置)は危険事象の根本発生を抑止。
人間工学(エルゴノミクス)配慮が本質的安全設計に含まれる理由はどれか。
A. 教育が不要になるため
B. 人の限界や認知特性に合わせて誤操作・過負荷を防ぐため
C. 保護装置と同義のため
D. 保守費用を下げるため
【回答】B:人の限界や認知特性に合わせて誤操作・過負荷を防ぐため
【参照】ISO 12100:6.2.2(c); 5.4 ユーザ特性
【解説】人の到達・視野・握力などに合わせた設計は誤操作や過負荷を構造的に減らす。
機械の停止保持の設計で本質的安全に当てはまるものはどれか。
A. 電磁石のみで保持し停電時は解放
B. ばね力で機械的に保持し駆動時のみ解放
C. ソフトウェアで保持制御
D. 保守手順で注意喚起
【回答】B:ばね力で機械的に保持し駆動時のみ解放
【参照】ISO 12100:6.2.2(e)
【解説】エネルギー喪失時に安全側へ落ちる機械的保持(ばね保持)はフェイルセーフの一種で本質的安全。
危険な予期せぬ始動防止の本質的設計として適切なものはどれか。
A. 警告ラベルで注意喚起
B. 二手操作(両手押し)による操作要求
C. 保護柵設置のみ
D. 鍵管理の徹底
【回答】B:二手操作(両手押し)による操作要求
【参照】ISO 12100:6.2.2(f); 6.2.2(c)
【解説】正の機械作用や二手操作など、意図しない起動を構造的に防ぐ設計が本質的安全。
挟まれ危険のすきま設計で適切な考え方はどれか。
A. 可能な限りすきまを拡大して挿入を容易に
B. 人体寸法に基づき挟み込みが生じない寸法関係にする
C. 注意喚起のみ
D. 保護具着用により対応
【回答】B:人体寸法に基づき挟み込みが生じない寸法関係にする
【参照】ISO 12100:6.2.2(c); 5.5 参照データ
【解説】人体寸法や到達範囲を用いて、挟み込みが起きないすきま・クリアランスを設計する。
制御系によらずに危険源を無効化する設計の例はどれか。
A. ソフトインタロックの追加
B. 機械的ストッパでストロークを制限
C. アラーム履歴の保存
D. アクセス権限管理
【回答】B:機械的ストッパでストロークを制限
【参照】ISO 12100:6.2.2(a)(c)
【解説】機械的ストッパや形状による到達制限は制御に依存せず危険源そのものを弱める。
視認性確保のための色・形・位置の設計はどのカテゴリに属するか。
A. 保護方策
B. 本質的安全設計方策
C. 情報付与
D. 追加的安全装置
【回答】B:本質的安全設計方策
【参照】ISO 12100:6.2.2(c)
【解説】混同しやすいが、操作子の識別容易化・誤操作防止を形状・配置で実現するため本質的安全に分類。
高温危険の本質的安全設計の例として最も適切なものはどれか。
A. 断熱手袋の配布
B. 警告標識設置
C. 熱源の表面温度を規定以下に設計し断熱ガイドを設ける
D. 高温時に警報
【回答】C:熱源の表面温度を規定以下に設計し断熱ガイドを設ける
【参照】ISO 12100:6.2.2(a)(c)
【解説】熱源自体の出力制限や断熱・遮熱形状で接触時の温度・伝熱を低減する。
ISO 12100におけるリスク低減の優先順位は「①本質的安全設計方策 → ②(a) → ③情報提供(警告、表示、取説)」である。
【回答】保護方策(安全防護・補助保護)
【参照】ISO 12100:6.1; 図1
【解説】保護や情報は補助であり、まず危険源そのものをなくす設計が最優先。
故障時に安全側へ遷移する設計を(a)という。
【回答】フェイルセーフ
【参照】ISO 12100:6.2.2(e)
【解説】エネルギー喪失や故障時に危険事象を避ける設計思想。
意図した動作のみが可能となる機械的連結による設計を(a)と呼ぶ。
【回答】正の機械作用(ポジティブ・メカニカルアクション)
【参照】ISO 12100:6.2.2(f)
【解説】誤操作やバイパスを物理的に排除する設計。
可動部の速度・力・圧力・温度などの上限設定は(a)の低減に該当する。
【回答】エネルギー源の低減
【参照】ISO 12100:6.2.2(a)
【解説】危険の強度を源から下げる設計。
鋭縁の面取りや到達性の制限は(a)の工夫による本質的安全である。
【回答】形状・配置
【参照】ISO 12100:6.2.2(c)
【解説】形状と位置関係の設計で危険源の発生を防ぐ。
人体寸法や認知特性を考慮した設計配慮は(a)の観点で重要である。
【回答】人間工学(エルゴノミクス)
【参照】ISO 12100:5.4; 6.2.2(c)
【解説】ユーザ特性に合わせることで誤操作・過負荷を防ぐ。
電源喪失時にブレーキが作動し停止保持する設計は(a)の例である。
【回答】フェイルセーフ
【参照】ISO 12100:6.2.2(e)
【解説】安全側に落ちる保持機構(ばね保持など)。
操作部を危険部から物理的に離す設計は危険源の(a)に該当する。
【回答】分離・隔離
【参照】ISO 12100:6.2.2(b)
【解説】遠隔操作や配置工夫により人と危険部の物理的距離を確保。
機械的ストッパでストロークを制限することは制御系に依らない(a)の例である。
【回答】本質的安全設計方策
【参照】ISO 12100:6.2.2(a)(c)
【解説】形状・物理的拘束で危険源を弱める。
破断様式を考慮した材料選定は危険な飛散や鋭利破断を避ける(a)の一種である。
【回答】本質的安全設計
【参照】ISO 12100:6.2.2(d)
【解説】材料・部品選定により危険事象の性質を変える。
本質的安全設計方策(inherently safe design)と保護方策(guards/protective devices)の違いを、実務の設計判断観点で説明せよ。
【模範回答】本質的安全は危険源自体の除去・低減(形状・配置・強度・エネルギー制限・フェイルセーフ・正の機械作用等)で、保護方策は残留リスクに対し物理的ガードや安全関連制御で人を守る。前者優先で適用し、後者は補完として選定する。
【参照】ISO 12100:6.1; 6.2.2; 6.2.3
【解説】リスク低減の優先度に沿い、設計段階で危険源の根本対応を行い、残留リスクに保護・情報を重畳する。
正の機械作用(ポジティブ・メカニカルアクション)を用いた誤操作防止の設計例を二つ挙げ、適用時の留意点を述べよ。
【模範回答】二手操作や機械的インタロックで意図しない起動を物理的に阻止する。留意点は、バイパス困難性、操作力・到達距離の人間工学適合、保守時の一時解除手順の明確化、故障モード分析により安全側へ遷移する構造とすること。
【参照】ISO 12100:6.2.2(f); 5.4
【解説】機械的連結により機能要求を満たすと同時に、バイパス・故障時の安全性を確認する。
フェイルセーフ設計を熱源や駆動系に適用する場合の代表的手段と、適用限界を述べよ。
【模範回答】熱源は出力上限・表面温度制限、遮熱・断熱構造で安全側へ。駆動系はばね保持ブレーキや重力落下防止ラチェット等。限界は、全ての故障で安全側にできない場合や、停止が新たな危険を生む場合で、リスク評価と補完方策の併用が必要。
【参照】ISO 12100:6.2.2(a)(e); 7 リスク評価
【解説】フェイルセーフは強力だが万能ではない。停止時危険や非安全故障の検討が不可欠。
形状・配置の最適化による挟まれ・巻き込まれ危険低減の手順を、人体寸法データの利用も含めて述べよ。
【模範回答】危険部の到達性分析→人体寸法(手指径、到達距離)と作業姿勢の把握→すきま・クリアランス設計基準の設定→面取り・カバー延長・ストローク物理制限→試作評価で検証。必要に応じて遠隔操作や低速度化を併用する。
【参照】ISO 12100:6.2.2(c); 5.5
【解説】ISOの人体寸法参照や関連規格の寸法値を用い、設計段階で到達性を根本制御する。
人間工学配慮を本質的安全に織り込む際の評価観点を列挙し、設計レビューでのチェックポイントを示せ。
【模範回答】視認性(表示・色・位置)、操作力・ストローク、到達距離・姿勢、誤認識防止(形状識別)、反復作業負荷、エラー許容度の向上。レビューでは実ユーザの代表性、照度・騒音など環境条件、想定外使用の洗い出し、試作段階でのユーザテストを確認する。
【参照】ISO 12100:5.4; 6.2.2(c)
【解説】ヒューマンファクタの系統的評価により誤操作や過負荷を構造的に減らす。