petersagan 2024年03月04日 カード12 いいね0

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単語カード

  • 虚偽表示の撤回
    私は当事者の合意により虚偽表示の撤回は認められるが、虚偽表示の外形を撤去しない限り、撤回の効力を第三者に抵抗できないと解する。なぜなら、単に合意がなされたに過ぎない場合に撤回の効力の対抗を認めると、残存している虚偽表示の外形を信じ、撤回を知らずに取引した第三者が不当な損害を被る恐れがあるからである。
  • 94条2項(虚偽表示)の「第三者」
    94条2項の趣旨は、虚偽の外形を信じて取引関係に入ったものを保護することにあるから、「第三者」とは、当事者及びその法定承継人以外のものであって、虚偽表示によって生じた法律関係につき新たに独立した法律上の利害関係に入った者をおいうと解する。
  • 94条2項(虚偽表示)の「第三者」の保護要件(善意)
    善意のみで足りると解する。なぜなら、条文上「善意」しか要求されておらず、又、虚偽表においては表意者の帰責性が大きく、第三んしゅあ保護の要請が特に強いからである。
  • 94条2項(虚偽表示)の「第三者」の保護要件(登記)
    虚偽表示における本人と第三者とはそもそも対抗関係に立たないので、177条における対抗問題としての登記(引渡し)は不要である。又、善意の第三者は、帰責性のある本人との利益衡量上、保護に値するから、保護要件としての登記(引渡し)も不要とする。
  • 94条2項(虚偽表示)の「第三者」と転得者
    94条2項の「第三者」には転得者も含まれると解する。なぜなら、虚偽表示を行った帰責性の大きい本人との利益衡量上、転得者であってもこれを保護する必要性が高いからである。
  • 虚偽表示と二重譲渡の取扱
    登記がなくとも善意であれば保護されるのは帰責性のある表意者との関係においてであり、虚偽表示と何ら関係のない二重譲渡者との関係では、一般取引法のルールに伴い、その優劣は登記具備の先後によって決するのが公平である。又、第三者が保護される場合であっても、表意者と相手方の虚偽表示が二重譲受人との関係まで有効となるものではないから、第三者と二重譲受者が二重譲渡の関係に立ち、対抗問題になるとみるべきである。
  • 「善意の第三者」からの転得者が悪意の場合
    一旦善意の第三者が介在した以上、その後の転得者は悪意であっても保護されると解する。なぜなら、転得者は、前主の取得した「善意の第三者」たる地位を承継するためである。
  • 94条2項(虚偽表示)の類推適用(通謀・意思表示を欠く場合)
    表意者と相手方には何ら有効な譲渡行為が行われていないから、Bは無権利者である。そして我が民法は登記に公信力を認めていないから、たとえ第三者が登記を信頼して取引しても権利を取得できないのが原則である。又、94条2項は通謀による虚偽の意思表示に関する規定であり、通謀及び意思表示の存しない場合に適用することはできない。しかし、権利者に虚偽の登記作出についての帰責性がある場合でも常に登記への信頼が保護されないとすることは、取引の安全を害し妥当ではない。又、そもそも94条2項の趣旨は虚偽の外観が存在する場合にその外観作出につき帰責性のある者に対して、その外観を信頼したものとの関係で外観通りの責任を負わせて、第三者の信頼、すなわち取引の安全を保護する点にある。従って、通謀および意思表示は存在しないが、虚偽の外観を作出した点に表意者の帰責性が認められる以上、第三者が登記を信頼したのであれば、94条2項の類推適用により、第三者は保護されると解するべきである。
  • 94条2項(虚偽表示)の類推適用の場合の保護要件
    「第三者」が94条2項の類推適用によって保護されるためには、善意のほかに無過失まで要求されるかが問題となるが、肯定すべきである。なぜなら、94条2項の類推適用が問題となる場合は、本人の帰責性は必ずしも大きいとはいえないから、その点で第三者保護の要件を厳格化し、無過失まで要求されると解するのが、本人と第三者との利益衡量上妥当であるからである。
  • 96条3項(詐欺)の「第三者」
    96条3項の「第三者」とは、詐欺による意思表示よって生じた法律関係に基づき、取消し前に新たな利害関係に入った者に限られると解する。確かに条文上制限はないが、同条項は、詐欺による取消しの遡及効を制限することによりよって第三者の保護を図った規定と考えられるからである。
  • 96条3項(詐欺)の「第三者」の保護要件(登記)
    対抗要件としての登記は不要である。なぜなら、第三者が96条3項で保護される場合、権利は表意者から相手方、相手方から第三者へと移転しており、表意者は第三者にとって前々主の立場にあたり、そもそも対抗関係に立たないからである。保護要件としての登記も必要でないと考えられる。なぜなら、被詐欺者には騙された点に落度が認められるので、帰責性のある被詐欺者と善意・無過失の第三者との利益衡量上、第三者は保護に値するからである。
  • 96条3項(強迫)(反対解釈)
    96条2項、3項の反対解釈から、強迫には同条項は適用されず、表意者は、第三者の強迫の場合、相手方が善意無過失であっても取消しうるし、取消し前の善意無過失の第三者に対しても取消しを対抗しうると考えられる。
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