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312条2項は、「裁判所は、審理の経過に鑑み適当と認めるときは、訴因又は罰条を追加又は変更すべきことを命ずることができる」と規定するところ、判例(最大判40.4.28【百選A23】)は、「検察官が裁判所の訴因変更命令に従わないのに、裁判所の訴因変更命令により訴因が変更されたものとすることは、裁判所に直接訴因を動かす権限を認めることになり、かくては、訴因の変更を検察官の権限としている刑訴法の基本的構造に反するから、訴因変更命令に右のような効力を認めることは到底できないものといわなければならない」としている。
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256条6項は、「起訴状には、裁判官に事件につき予断を生ぜしめる度のある書類その他の物を添附し、又はその内容を引用してはならない」と規定する(起訴状一本主義)。刑事訴訟法が「起訴状一本主義」を採用したことにより、公判における事実審理を裁判所が主導して行う「職権主義」は実際上困難となり、当事者による証拠調べ請求(298条1項)や交互尋問304条3項,規則199条の2)など、「当事者主義」による訴訟追行が原則として行われることとなった。
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「挙証責任」(客観的挙証責任、実質的挙証責任)とは、ある要証事実の存否が不明であるときに、これによって不利益な判断を受ける当事者の法的地位をいう。現行刑事訴訟法においては、犯罪事実については、その存在が証明されたとの心証を裁判所が抱いたのでない限り無罪が言い渡されるという意味で、検察官が「挙証責任」を負うとされ(「疑わしきは被告人の利益に」(利益原則)),犯罪事実の存在が合理的な疑いをいれないまでに立証されない限り、被告人は無罪とされる(無罪推定)。
もっとも,「職権主義」の下でも、ある要証事実の存否が不明であることはあり得るところ、その際に当事者のどちらに不利益を負わせるかは別個の政策判断である。したがって、「職権主義」の下では、検察官が犯罪事実について「挙証責任」を負うことはないとはいえない。
次のⅠ群のアからウまでは、強制処分の定義について述べた見解であり、日ⅡのAからDまでは、強制処分の適法性又は強制処分以外の処分である任意処分の適法性について述べた見解である。これらの見解を適宜組み合わせた立場から、「民家に対する放火と思われる火災が発生し、犯人の特定・情報収集のために、警察官が現場周辺に集まっていた者の写真を撮影した。」という捜査手法の適法性について述べた後記の記述のうち、誤っているものはあるか。
【Ⅰ群】
ア.強制処分は、有形力を行使する処分である。
イ.強制処分は、何らかの権利侵害を伴う処分である。
ウ、強制処分は、個人の意思を制圧し、重要な権利に制約を加えて強制的に捜査日的を実現する処分である。
【II群】
A.強制処分は、法で定められた処分以外行うことが許されない。
B.法で定められていない強制処分については、緊急性,必要性、相当性などを総合的に考慮して適法性を判断する。
C. 任意処分は、その実施に特段の制限はない。
D. 任意処分も、無制限ではなく、緊急性、必要性、相当性などを総合的に考慮して適法性を判断する。
ア,Cの見解において、この捜査は違法となる場合がある。
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見解アは、強制処分は、有形力を行使する処分であるとするところ、写真撮影は、有形力を行使する処分ではないから、見解アによれば、本問の捜査手法は任意処分となる。そして、見解Cは、任意処分は、その実施に特段の制限はないとする。よって、本間の捜査手法が違法となることはない。
次のⅠ群のアからウまでは、強制処分の定義について述べた見解であり、日ⅡのAからDまでは、強制処分の適法性又は強制処分以外の処分である任意処分の適法性について述べた見解である。これらの見解を適宜組み合わせた立場から、「民家に対する放火と思われる火災が発生し、犯人の特定・情報収集のために、警察官が現場周辺に集まっていた者の写真を撮影した。」という捜査手法の適法性について述べた後記の記述のうち、誤っているものはあるか。
【Ⅰ群】
ア.強制処分は、有形力を行使する処分である。
イ.強制処分は、何らかの権利侵害を伴う処分である。
ウ、強制処分は、個人の意思を制圧し、重要な権利に制約を加えて強制的に捜査日的を実現する処分である。
【II群】
A.強制処分は、法で定められた処分以外行うことが許されない。
B.法で定められていない強制処分については、緊急性,必要性、相当性などを総合的に考慮して適法性を判断する。
C. 任意処分は、その実施に特段の制限はない。
D. 任意処分も、無制限ではなく、緊急性、必要性、相当性などを総合的に考慮して適法性を判断する。
ア、Dの見解において、この捜査は違法となる場合がある。
O
見解アによれば、本問の捜査手法は任意処分となる。そして、見解Dは、任意処分も、無制限ではなく、緊急性、必要性、相当性などを総合的に考慮して適法性を判断するとする。よって、緊急性、必要性,相当性などの程度によっては、本問の捜査手法は違法となる場合がある。
次のⅠ群のアからウまでは、強制処分の定義について述べた見解であり、日ⅡのAからDまでは、強制処分の適法性又は強制処分以外の処分である任意処分の適法性について述べた見解である。これらの見解を適宜組み合わせた立場から、「民家に対する放火と思われる火災が発生し、犯人の特定・情報収集のために、警察官が現場周辺に集まっていた者の写真を撮影した。」という捜査手法の適法性について述べた後記の記述のうち、誤っているものはあるか。
【Ⅰ群】
ア.強制処分は、有形力を行使する処分である。
イ.強制処分は、何らかの権利侵害を伴う処分である。
ウ、強制処分は、個人の意思を制圧し、重要な権利に制約を加えて強制的に捜査日的を実現する処分である。
【II群】
A.強制処分は、法で定められた処分以外行うことが許されない。
B.法で定められていない強制処分については、緊急性,必要性、相当性などを総合的に考慮して適法性を判断する。
C. 任意処分は、その実施に特段の制限はない。
D. 任意処分も、無制限ではなく、緊急性、必要性、相当性などを総合的に考慮して適法性を判断する。
イ,Aの見解において、この捜査は適法となる場合がある。
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見解イは、強制処分は、何らかの権利侵害を伴う処分であるとするところ、写真撮影は、「個人の私生活上の一つ」である「みだりにその容ぼう・袋態を撮影されない自由」(最大判昭44.12.24)を侵害するものであるから、見解イによれば、本間の捜査手法は強制処分となる。そして、見解Aは、強制処分は、法で定められた処分以外行うことが許されないとするところ、写真撮影は、刑事訴訟法で定められた処分ではない。よって、本間の捜査手法が適法となることはない
次のⅠ群のアからウまでは、強制処分の定義について述べた見解であり、日ⅡのAからDまでは、強制処分の適法性又は強制処分以外の処分である任意処分の適法性について述べた見解である。これらの見解を適宜組み合わせた立場から、「民家に対する放火と思われる火災が発生し、犯人の特定・情報収集のために、警察官が現場周辺に集まっていた者の写真を撮影した。」という捜査手法の適法性について述べた後記の記述のうち、誤っているものはあるか。
【Ⅰ群】
ア.強制処分は、有形力を行使する処分である。
イ.強制処分は、何らかの権利侵害を伴う処分である。
ウ、強制処分は、個人の意思を制圧し、重要な権利に制約を加えて強制的に捜査日的を実現する処分である。
【II群】
A.強制処分は、法で定められた処分以外行うことが許されない。
B.法で定められていない強制処分については、緊急性,必要性、相当性などを総合的に考慮して適法性を判断する。
C. 任意処分は、その実施に特段の制限はない。
D. 任意処分も、無制限ではなく、緊急性、必要性、相当性などを総合的に考慮して適法性を判断する。
イ,Bの見解において、この捜査は適法となる場合がある。
O
見解イによれば、本問の捜査手法は強制処分となる。そして、見解Bは、法で定められていない強制処分については、堅急性、必要性、相当性などを総合的に考慮して適法性を判断するとするところ、写真撮影は、刑事訴訟法で定められた処分ではない。よって、緊急性、必要性、相当性などの程度によっては、本問の捜査手法は適法となる場合がある
次のⅠ群のアからウまでは、強制処分の定義について述べた見解であり、日ⅡのAからDまでは、強制処分の適法性又は強制処分以外の処分である任意処分の適法性について述べた見解である。これらの見解を適宜組み合わせた立場から、「民家に対する放火と思われる火災が発生し、犯人の特定・情報収集のために、警察官が現場周辺に集まっていた者の写真を撮影した。」という捜査手法の適法性について述べた後記の記述のうち、誤っているものはあるか。
【Ⅰ群】
ア.強制処分は、有形力を行使する処分である。
イ.強制処分は、何らかの権利侵害を伴う処分である。
ウ、強制処分は、個人の意思を制圧し、重要な権利に制約を加えて強制的に捜査日的を実現する処分である。
【II群】
A.強制処分は、法で定められた処分以外行うことが許されない。
B.法で定められていない強制処分については、緊急性,必要性、相当性などを総合的に考慮して適法性を判断する。
C. 任意処分は、その実施に特段の制限はない。
D. 任意処分も、無制限ではなく、緊急性、必要性、相当性などを総合的に考慮して適法性を判断する。
ウ、Aの見解において、この捜査は適法となる場合がある。
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見解ウは、強制処分は、個人の意思を制圧し、重要な権利に制約を加えて強制的に捜査目的を実現する処分であるとするところ、本問の写真撮影は、現場周辺(公道上)でなされたものであるから、憲法35条の保障する「私的領域に『侵入』されることのない権利」(最大判平 29.3.15【百選30】) という重要な権利に制約を加えるものではないから、解ウによれば、本間の捜査手法は任意処分となる。そして、見解Aは、強制処分は、法で定められた処分以外行うことが許されないとするものであり、任意処分とは関係がない。よって、本問の捜査手法は適法となる場合がある。
次のⅠ群のアからウまでは、強制処分の定義について述べた見解であり、日ⅡのAからDまでは、強制処分の適法性又は強制処分以外の処分である任意処分の適法性について述べた見解である。これらの見解を適宜組み合わせた立場から、「民家に対する放火と思われる火災が発生し、犯人の特定・情報収集のために、警察官が現場周辺に集まっていた者の写真を撮影した。」という捜査手法の適法性について述べた後記の記述のうち、誤っているものはあるか。
【Ⅰ群】
ア.強制処分は、有形力を行使する処分である。
イ.強制処分は、何らかの権利侵害を伴う処分である。
ウ、強制処分は、個人の意思を制圧し、重要な権利に制約を加えて強制的に捜査日的を実現する処分である。
【II群】
A.強制処分は、法で定められた処分以外行うことが許されない。
B.法で定められていない強制処分については、緊急性,必要性、相当性などを総合的に考慮して適法性を判断する。
C. 任意処分は、その実施に特段の制限はない。
D. 任意処分も、無制限ではなく、緊急性、必要性、相当性などを総合的に考慮して適法性を判断する。