(DfE:Design for Environment)環境負荷軽減は私たちが生活を持続的に行ううえで重要である。製品設計を行う場合にも、エネルギ消費が少ないこと、リサイクルが行えること及び製造段階においても廃棄物を出さないことが要求される。製品設計段階で機能やコストだけでなく環境を配慮した製品設計を行う必要がある。ライフサイクルアセスメント(LCA)による評価手法などにも適用されている。
プロダクトデータマネジメント
(PDM:Product Data Management)製品開発を行う過程で必要な情報(CADデータ、製作仕様、設計変更履歴など)を、部門を超えて統合して一元的にデータ管理をすること。コストダウンや品質向上が図れるだけでなく、製品の開発期間短縮が可能となる。製品情報管理(PLM)を実現するための支援システムとなる。
(Failure Mode and Effects Analysis)製品・システムの構成要素から取り上げて、製品・システム全体に与える影響を調べる解析手法である。設計段階で考えられる製品・システムに潜在する故障モードを抽出し、その故障モード(破損、断線、短絡、摩耗等)を解析して製品・システムに及ぼす影響を明らかにし、致命的な影響を与える故障を識別するシステム安全工学手法である。
FTA
(Fault Tree Analysis)絶対に起こってはならぬ事故・トラブルをトップ事象として取り上げ、これに影響する故障状態をこれらの関連が明らかになるように論理記号を用いて書き下し、トップ事象から原因となる事象とその事象に対する防衛手段の検討について、段階的にフォールトツリーを作成して実施する手法である。
(QFD:Quality Function Deployment)顧客要望を製品の品質特性、構成要素、プロセス要素に至るまで、それぞれを構成する要素について次元の異なる要素に対応関係をつけて置き換える操作を繰り返して、必要特性を定める操作を行うことで実現し、製品品質確保のための重要な業務や職能を明確化する方法。必要とする特性を定める操作として、品質展開、技術展開、コスト展開、信頼性展開、業務機能展開がある。
DRBFMは「 Design Review Based on Failure Mode 」の略称で、変化点に着目したFMEAです。 某自動車メーカーが開発したツールであり、現代の製品開発プロセスでは広く取り入れられている手法です。製品に変更を加えた際にその変化点から不具合が発生することを防ぐための手法です。 背景として、製品開発期間の短縮により効率的に不具合を防止する必要や、流用設計が多く過去の不具合事例が蓄積されており、それらを活用できる場合があるからです。
Mobility as a Service(モビリティ アズ ア サービス)の頭文字を取った略語。マースと呼ぶ。交通手段の選択肢が今よりも増えていくことで、スマートフォンひとつで自由に移動できる、次世代の移動サービスを指す。
UAM
Urban Air Mobility(アーバン エアー モビリティ)の頭文字を取った略語であり、都心航空モビリティを意味する。垂直離着陸(VTOL, Vertical Take Off and Landing)が可能な個人航空機カテゴリーの一種であり、空を新しい移動通路で利用できるので都心での移動効率性を最大化した次世代モビリティソリューションとして浮上している。
リーン生産方式とは、トヨタ自動車の生産方式である「TPS(Toyota Production System)」を研究し、体系として再構築したうえで編み出された生産方式のこと。 「ぜい肉がなく引き締まって痩せているさま」を意味する英語「Lean(リーン)」に由来し、LPS(Lean Production Systemの略)とも呼ばれる。 1980年代にアメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者らが日本の自動車産業における生産方式(主にトヨタ生産方式)を研究し、その成果を再体系化・一般化した。
ラストワンマイル
物流業でのラストワンマイルとは、最終物流拠点からエンドユーザー(生活者)に物・サービスが到達する物流サービスにおける最後の接点のこと。 「最後の1マイル」とは、距離的な意味でなく、商品を届ける物流の最後の区間を意味する。 (英語:last one mile、last 1 mile)
DfX
DFXとは、組立容易性(Design For Assembly )、環境負荷性(Design For Environment)、製造容易性(Design For Manufacture)、保守容易性(Design For Service)などの総称を指す。
解析主導型設計。Analysis Lead Designの略。 最適な設計案を選択するために変更自由度の高い開発上流から事前検証を重点的に実践する開発手法。構想段階から要求仕様と達成度を明確化し、コンピュータ上で数多くの事前検証を実施してから詳細設計に進むための設計案を選択する。 解析の活用は多くの企業で進んできているものの、詳細設計後の確認検証にとどまっている場合が多く、その効果は限定的になっている。一方、解析主導型設計では、上流から取り組むことで手戻り削減による開発コスト・期間の劇的な改善のみならず、競合他社を凌駕するイノベーティブな製品開発を可能にする。
CFP
カーボンフットプリント(Carbon Footprint of Products)の略称であり、商品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまで、ライフサイクル全体で発生する温室効果ガスの排出量のこと。 製品単位の温室効果ガス排出量が見える化されることで、脱炭素製品・低炭素製品が選択されるような市場創出が期待される。
Concurrent Product & manufacturing Process Developmentの略。 CP/PDとはコンカレント・エンジニアリングを包含するものであり、市場ニーズを正確に製品設計に反映させ、戦略的な製品(Product)と製造プロセス(Manufacturing Process)を同時並行的(Concurrent)に開発(Development)する手法である。製品設計の初期の段階に於いて、複数の設計案と製造プロセス案を主にコンピュータ上のシミュレーションを使用して評価し、製品設計・製造上の課題を早期に洗い出すフロントローディングを実践し、素性の良い設計を生み出す事を目指す。これにより後工程でのモグラ叩き的な問題解決を回避し、ドラスティックなコスト・工数の改善(ブレークスルー)を達成させる。手法の適用は、実機に対してProject by Project、Step by Stepで行う。 具体的な要素技術として、設定目標を設定するTS(Target Setting)、目標性能を達成するSE/ALD(Systems Engineering/Analysis Leads Design)、コスト削減を目指すDFX(Design For X)、信頼性を確保するRG(Reliability Growth)などがある。
MBD(Model Based Development:モデルベース開発)とは、一般には 1D-CAEなどのシミュレーションモデルを用いた事前評価を取り入れた開発のことを指す。 シミュレーションできるモデルに限らず、モデルを広義に捉えて、文書や図面ではない抽象化したモデル(要求や機能を表現したツリーやブロック図など)を共通言語として、段階的に詳細化・具体化しながら進める開発のことを指して使われることもある。その場合は、MBSEとほぼ同義。
Value Analysis(価値分析)の略。 「価値:V」=「機能・品質:F」/「コスト:C」の関係で製品やサービスの価値を捉え、価値を最大化する(必要機能を得るための最小原価を求める)ことを目的とした組織的活動である。 具体的には図面や仕様書の変更、製造方法の効率化、発注先の変更などによってコスト低減を行う。 VAとVE(Value Engineering)は基本的に同義であり、VEの発祥元がVAでもあるが、製品開発(設計検討)段階から、価値の最大化を考えるVEに対して、量産化している既存製品に対して、バリューチェーン全体の視野からコストダウンを行う活動をVAとし、区別する場合がある。
暗黙知
経験によってのみ得られる、言語化しにくい知識のこと。 ハンガリーの哲学者マイケルポランニーは著書 "TheTacitDimension"(暗黙知の次元)の中で、 暗黙知について次のように表現している。 "we can know more than we can tell" (私たちは言葉にできるより多くのことを知ることができる)
平均修復時間(MTTR:Mean Time To Repair):障害が起きたシステムを修復して回復させるためにかかる平均時間。MTTRは修復可能なコンポーネントやサービスの保守性を示す評価基準です。対象デバイスと問題の複雑度によって、MTTRは分、時間、または日数単位の値になります。(MTTRは平均復旧時間(Mean Time To Recovery)や平均解決時間(Mean Time To Resolve/Resolution)を意味することもあります。)
MTBF
平均障害間隔または平均故障間隔(MTBF:Mean Time Between Failures):デバイスやシステムの障害が1度発生してから次に発生するまでの平均稼働時間。システムやコンポーネントの信頼性と可用性を予測するために使用されます。システムやコンポーネントの障害と障害の間の正常稼働している時間を追跡することで算出します。
MTTF
平均障害時間または平均故障時間(MTTF:Mean Time To Failure):MTTFとは、デバイスやシステムに障害が発生するまで予想稼働時間の平均。ITチームは一般的に、このデータを収集するためにシステムコンポーネントを数日または数週間かけて観察します。MTBFと似ていますが、MTTFは通常、バックアップアレイのテープドライブのように交換可能な物に対して使用されます。一方でMTBFは、修復可能な物にも交換可能な物にも使用されます。
MTTD
平均検出時間(MTTD:Mean Time To Detect):問題が発生してから検出されるまでの平均時間。MTTDが示す期間はITチームがトラブルチケットを受領する時点までであり、この時点からMTTRの計測が始まります。
DED(Directed Energy Deposition:指向性エネルギー堆積法)は、溶接の原理を利用して3次元の物体を作る方法です。材料(通常は金属線または粉末)は、レーザーや電子ビームなどの集束エネルギー源によって溶融されます。次に、液体材料がビルドプラットフォームに正確に注がれ、そこで急速に硬化して層を形成します。このプロセスは、オブジェクトの印刷が完了するまで繰り返されます。 DEDの大きなメリットは、単にアイテムを作るだけではなく、既存のパーツやプリフォームを修理したり、素材を追加したりできることです。また、1回の印刷で複数の素材を使用することも可能です。
パウダーべッド方式
(PBF:Powder Bed Fusion) 金属粉末を敷き詰め、造形する部分にレーザや電子ビームを照射し溶融・凝固させ積層させる方法です。複雑形状の高精度製品を造形するのに向いています。 金属積層造形においては最もよく利用されている方式で、航空宇宙分野では、ジェットエンジンの噴射ノズルやタービンブレード、ロケットのエンジン部品などへの適用が進むといわれています。 また、医療分野では、カスタムメイドが可能なためインプラントへの適用が進んでいます。さらには、自動車分野における試作品や小ロット部品、産業機器分野におけるタービンなどの部品への適用が進みつつあります。
MBD(Model Based Definition:モデルベース定義)このMBDとは、全ての製品の定義を3Dモデルに入れることにより“3D正”の設計を実現するもので、その手段として用いられるのが3Dアノテーションです。現在、単一の製品に関する情報は分散されています。例えば、形状情報は3Dモデル、製造情報などは2D図面、検査情報はまた別の2D図面といった具合です。2D図面に入っている情報は、3Dモデル側からは分からず、確認する際は常に複数のファイルやフォーマットをやり繰りする必要があります。また、2D図面が別に存在することにより、図面上の形状が改変されて、3Dモデルと不整合が生じることもよくあります。そうした状態を防ぐためにも、全ての情報を3Dモデルに集約して“3D正”の設計を行うべきであり、それを目指すのがMBDなのです。
技術士 第二次試験「機械部門」のキーワード暗記用です。作成者の選択科目が「機械設計」なので、そちら寄りのキーワードが多めです。