第一回目
start!
①銀行型教育
教師が一方的に話すと、生徒はただ教師が話す内容を機械的に覚えるというだけになる。
生徒をただの「容れ物」にしてしまい、教師は「容れ物を一杯にする」というこ
とが仕事になる。「容物」にたくさん容れられるほどよい教師、というわけだ。
黙ってただ一杯に「容れられている」だけがよい生徒になってしまう。
こうなると教育というものは、ただのものを容れたり貯めておいたりする活動
に終始してしまい、生徒はただものを容れる容れ物、教師はものを容れる人になる。
生徒と気持ちを通じさる、コミュニケーションをとる、というかわりに、生徒にものを容れつづけるわけで、生徒の側はそれを忍耐をもって受け入れ、覚え、繰
り返す。
②問題解決型教育
銀行型教育のトップダウンな垂直型のやり方を打ち破るような問題解決型教は、教育する者とされる者の間の矛盾を超えていかないことにはその実現を見ることができない。対話なくして問題解決型学習はない。
対話を通して矛盾を超えていくところには、結果として新しい関係性が生まれる。教育される側にとっての教育する側でもなく、教育する側にとっての教育さ
れる側でもない、教育する側とされる側は対等な関係として立ち現れてくる。
こういうやり方では、教育する側は単に教育するだけでなく、教育される側との対話を通じて自らが教育しながら教育される。
それは双方にとってお互いが主体となるやり方であり、成長の経験となるよう
なものである(これが非抑圧=権威的でないの意味するところ)。
③ケアワーク
“身体介護”
•入浴、排せつ、食事の介助等
“家事援助”
•調理、掃除、洗濯等
“社会生活の維持、拡大支援”
•移動、外出の介助、レクリエーション、学習等の機会提供
④ソーシャルワーク
“面接、相談など”
• (対象者の)何が問題なのか(どう生きたいのか)をはっきりさせる(一緒にみつける)。
“サービス等の情報提供や利用の支援”
• 問題を解決するために、サービス等の情報提供や利用の支援を行う。
“社会福祉サービスの改善や開発”
• 問題を解決するためのサービスや制度がない場合、新たにサービスや制度等、支援の仕組みを開発する。
○ソーシャルワーク専門職のグローバル定義
• ソーシャルワークは、⑤社会変革と⑥社会開発、社会的結束、および人々のエンパワメントと解放を促進する、実践に基づいた専門職であり学問である。
• 社会正義、人権、集団的責任、および多様性尊重の諸原理は、ソーシャルワークの中核をなす。
• ソーシャルワークの理論、社会科学、人文学および地域・民族固有の知を基盤として、ソーシャルワークは、生活課題に取組みウェルビーイングを高めるよう、⑦人々や様々な構造に働きかける。
• この定義は、各国および世界の各地域で展開してもよい。
○ソーシャルワークが目指す具体的目標
⑧『権利侵害、社会的不正、不平等、貧困の撲滅とソーシャルインクルージョンの実現』
: 人権尊重や社会正義を推進するような政策、組織運営、サービス提供を推進する。また、差別や排除などの社会的抑圧行為がなくなり、すべての人々の社会参加を認め支えることができる社会を目指す。
⑨『基本的ニーズの充足』
• 基本的ニーズが満たされていない人、人権侵害を受けている人や家族、グループを保護して直接サービスを提供したり、社会資源を活用できるように支援することで、ニーズ充足を目指す。困難に直面している人が安心や居心地のよさを感じ、社会に受け入れられ、意味のある生活をおくれることを目指す。
⑩『社会機能の向上』
:ソーシャルワーカーは、障害や疾病、社会的抑圧などによって機能不全となっている人や家族を支援し、社会機能の回復・増進を図る。また、機能不全になるリスクのある人、家族、グループ、組織を適時に支援
することで、問題が拡大・深刻化することを予防する。リスクのない人でも、将来のリスクを回避したり社会参加するために、社会
機能の向上を支援する。
⑪『社会政策や制度、事業やプログラム、サービスの整備』
:人の基本的ニーズを満たし、能力の発達を支えるような社会政策や制度、事業やプログラム、サービスが開発・整備されることを目指す。 ソーシャルワーカーがこれらを立案・企画・実施する場合と、国や自治体、民間組織のにその実施を求め、支えていく場合がある。
⑫『人の基本的ニーズを満
たし、生涯にわたる発達を
支える地域環境の実現』
:住民同士、関係者や関係
機関などがつながり、協
力して問題解決を行うこ
と、あるいは起こり得る問
題の予防に向けて取り組
むことを通して、人の基本
的ニーズを満たし、発達
を支える地域環境の実現
を目指す。
第2回目
start!
①ケースの発見(展開過程の最初の段階)
• ミクロ実践
:ソーシャルワーカーは援助を必要としている人と出会い、援助関係を構築し、問題解決の道筋を協働作業で歩んでいく。
・ メゾ・マクロ実践
:ある一定の人たちが共通の生活上の困難を抱えてい
ることを知り、その解決のために当事者や関係者と問題意識を共有し、解決のための歩みを始めようとする。
☆ミクロ実践における一人の人が抱える困難を、他にもこの困難を抱える人がいるかもしれないと考えること、あるいは実態調査等によってある一定そうの
人たちの存在が浮かび上がってくることで始まる。
★実際には、自らの意志で援助機関を訪れる人が多いわけではない。
②ボランタリーなクライエント
• 自ら相談機関にアクセスする人たちは、自信の状況を問題と認識していたり、何らかの解決策を得たいと考えている。
• その背景には、制度やサービスについて知識があったり、自分と同じような状況にある人が何らかのサービスを利用して問題に上手に対象できていることを知っているかもしれない。
↓(ただし)
• 彼らがサービスに期待していることと、実際にサービスができることとの間に差異がある場合もある。
• ソーシャルワーカーはその人が援助に対してどのような期待をもっているのかにも注意を払う必要がある。
②インボランタリー・クライエント
・専門職に会うことを強制(法的に委任)されたり、会うことに圧力を感じている人たちだと理解される。
↓(こうした人には2つのタイプが考えられる)
(その1)
③『相談を受けることの意味や意義を理解していない』
(その2)
④『援助を受けることに拒否や反発などのマイナスの感情をもっている』
○ストレングスモデルの6原則
(原則1)
⑤『精神障害者はリカバリーし、生活を改善し高めることができる』
(原則2)
⑥『焦点は欠陥ではなく個人のストレングスである』
(原則3)
⑦『地域を資源のオアシスとしてとらえる』
(原則4)
⑧『クライエントこそが支援過程の監督者である』
(原則5)
⑨『ワーカーとクライエントの関係性が根本であり本質である』
(原則6)
⑩『私たちの仕事の主要な場所は地域である』
⑪送致(リファー)
(援助を必要とする人と接触した機関が、自機関の機能では必要とされる援助を提供できないとき、)より適切な機関へと援助を必要とする人を受け渡していく機能。
⑫アウトリーチ
顕在化している利用者のみならず、潜在的にニーズを
持っているサービス対象者や地域に対し、ワーカー及び機関が積極的に関わり、サービス利用を働きかけること。
⑬援助希求力
・こうした人たちは従来は接近困難(hard to reach)なクライエントと呼ばれてきた。
• 援助希求力の弱い人たちは、社会的に孤立している場合が多く、さらにこの
孤立が問題の深刻化をもたらし、それがさらなる孤立につながるという悪循環が起こる。
• こうした人たちの問題は、契約利用制度、制度の狭間、バルネラビリティ(脆弱性、傷つきやすさ)という観点から再考する必要がる。
⑭エンゲージメント
ソーシャルワーカーがクライエントと出会い、これか
らその人の抱える成果う問題の解決を協働作業で取り組んでいくための関係を築いていくことという意味合いをもつ。
• エンゲージメントは、利用者が自分の問題や感情を表出することによってそれらを意識化し、取り組む目標を明確にすること、その過程をとおして利用者とソーシャルワーカーが対等な援助関係を結ぶことを目的とする。
• エンゲージメントとして行われる内容についてデュボワ(Dubois,B.)らはパートナーシップの構築、状況の明確化、方向性の決定が含まれるとしている。
○メゾ・マクロレベルのエンゲージメント
• ソーシャルワーカーが他機関との間で協働関係を構築するためには、これから解決を図ろうとする問題について情報共有するとともに、その問題がなぜ解決さればければならないかという問題意識を共有していく。
• しかし、各機関はそれぞれに異なる役割をもっており、考え方も異なる。その違いが対立を生むのではなく、目標を共有できるように各機関に働きかけるこ
とが求められる。
☆そのためにソーシャルワーカーは、各機関の役割・考え方・立場などを理解し
た上で「その問題解決によって支援対象層となる人たちの生活がどのように改善されていくのか」という⑮ビジョンを共有する。
• そのうえで、問題解決に取り組むことが各機関にとってそれぞれに意義があると感じられるようなWin-Winの関係を築けるように調整していく(それぞれの機関がもつストレングスに目を向けることが大切)。
○二重の不安と抵抗感の理解(アンビバレント)
• 援助を必要とする人が、ソーシャルワーカーとの初めての出会いにおいて二重の不安をもつ。
⇒
⑮『自分自身の直面している問題や、この先についての不安』
⑯『自分と向き合っている援助者が自分自身のことを理解してくれるだろうか
と感じる不安』
• こうした不安に適切に対処しながら関係構築を図っていくことが大切である。
• 援助を求めない人の行動は、通常、問題解決の意欲の欠如と受け取られがちである。
☆しかし、動機づけ面接では、こうした行動を⑰アンビバレント(変化に対して変
化したい・したくない両方の感情が同居している状態)だと考える。
• ソーシャルワーカーは相手の話をよく聴き、そのなかに隠れている「変わりた
い」という気持ちを見つけ出し、それを拡大していくように働きかけていく。
⑰アンビバレント
変化に対して変
化したい・したくない両方の感情が同居している状態
⑱緊急性の判断
ソーシャルワークの展開過程のすべての段階で、⑱緊急性の判断が必要とされる。
• 特に初期段階であるケース発見とエンゲージメント(インテーク)の段階においては、クライエントが緊急に対処すべき問題を抱えてい
るか否かを判断することは非常に重要である。
☆虐待を受けていたり、緊急に治療を要する健康状態である場合、権利や生命の保護がより優先される。
• ソーシャルワーカーはエンゲージメント(インテーク)業務を進めつつ、同時に緊急性の判断を行うことが必要である。
○取り組みに向けての合意形成
ソーシャルワーカーは、相談に来た人、紹介されてきた人に対して⑲『自身が支
援することが適切か確認する』ことが必要である。
• 福祉施設・機関のなかには、一定の要件を満たさなければ支援の対象とならないものがある。また、相談に来ている人が求めているものが福祉サービス以外のものの場合もある(例えば、生活保護にかかわる支援、多くの介護保険サービス、教育委員会、警察、弁護士、医師、など)。
• そのため、最初の段階で相談者の困りごとの概要を把握し、自身が対応可能かどうか確認する必要がある。
• また、ソーシャルワーカーの所属組織の機能とソーシャルワーカーができることを相談者にわかりやすく説明し、相談者が納得するかについても確認が必要である。
• そして、両者の間でともに取り組むことについて合意する(なお、他機関につなげることがより適切であればその支援も行う)。
第3回目
start!
○ソーシャルワークのアセスメント(1)
• ソーシャルワーク実践において、その後の展開を左右するほどに重要な役割を果たすのが①アセスメント(assessment)である。
• 日本語では「事前評価」と訳されることが多いが、②「支援の対象となる人々や地域の状況について把握し、理解する過程」である。
• このアセスメントの結果に基づいて、具体的な支援や働きかけの方法、必要なサービス等の社会資源が明らかになり、ソーシャルワーク実践の過程が展開されていく。
• アセスメントでは、まず支援が必要な当事者・利用者本人や家族、あるいは関係者などから必要な情報を集め、その情報を整理分析する作業を行う。
• 集めた情報をもとに「個人と社会環境および両者の相互作用」への視点から、当事者・利用者本人や家族の生活状況の全体、また地域の状況等も把握しつつ、困難状況に対する認識を深めて、支援の目標やその達成のために取組むべき課題を見出す。
○ソーシャルワークのアセスメント(2)
• ソーシャルワーカーに求められるのは、必要な情報を関係者や関係機関等から的確に集めることができる情報収集力である。
• 何らかの生活困難を抱える当事者や家族から、アセスメントに必要な様々な情報を得るための面接を③アセスメント面接と呼ぶが、何よりソーシャルワーカーが相手にに信頼されていなければ、得られる情報も限られる。
• その意味でも、ソーシャルワークにおける関係者との信頼関係の構築とそのためのコミュニケーションスキルは、ソーシャルワーカーにとって、適切なアセスメントのために欠かせない実践力である。
③アセスメント面接
何らかの生活困難を抱える当事者や家族から、アセスメントに必要な様々な情報を得るための面接
○ソーシャルワークのアセスメント(3)
• 実際に支援を開始したあとでも、本人や家族、地域住民その他関係者とのかかわりのなかで、新しい気づきや発見がソーシャルワーカーにもたらされたり、新たな情報が得られたりして、支援の目標や内容の見直しにつながることがある。
➡④「アセスメントは継続して行う」という理解が大切。
• アセスメントの作業はソーシャルワーカーが一人で行うものではない。当事者
や家族あるいは地域の状況に応じて、ほかの専門職や地域住民、関係者や関係機関等との連携、協働によって行われるという認識が必要。
➡⑤「アセスメントの作業を通しての多職種連携や協働の仕組み、地域におけるつながりやネットワーク構築も重要」
⑥アセスメント
• 人々の生き方やライフスタイル、暮らしの価値観や生活状況は、一人ひとり異なる。いわば、人の数だけ生活や生き方があり、それぞれに個別性と独自性がある人とその生活に、ソーシャルワークはかかわる。
• そのような個々に異なる生活状況の把握と理解を可能にし、それぞれの個人や世帯、地域の状況に応じたソーシャルワークを展開していくための重要な作業が⑥アセスメントである。
• ソーシャルワークは、何らかの生活困難を抱える人々の、その困難状況、すなわち生きづらさや生活のしづらさと、⑦「それを生み出す関係的、社会的、地域的、環境的、構造的な要因への視点を重視する」。
• その実践は、支援を必要とする当事者本人や家族にかかわるだけでなく、その困難状況を生み出す要因となっている社会環境にも働きかける。
• アセスメントの作業においても、それがソーシャルワークの過程における実践である限り、この社会環境への視点は重要である。
第4回目
start!
①状況のなかの人(Person in his/her situation)
• アセスメントは、ソーシャルワーク実践の展開過程(プロセス)を支え、推進するための重要な局面・作業である。
• 支援の対象となる人や家族、あるいは地域とその状況をどう認識するか、受けとめるかのなかに、ソーシャルワークの専門性があるといっても過言ではない。
↓
• ソーシャルワークのアセスメントにおいては、何より「状況のなかの人( Person in his/her situation)」という人間観が重要である。
☆これは、あくまでも「社会関係や環境との関係のなかで、関係的、社会的、構造的に生じた困難状況(生きづらさや生活のしづらさ)と、そのような状況のなかの人(「生活者」としての当事者、利用者、クライエント)」への視点である。
②BPS(Bio-Psycho-Social)モデル
• アセスメントの作業においては、「Bio(バイオ:生物的・身体的)-Psycho(サイコ:心理的・精神的)-Social(ソーシャル:社会的・環境的)」モデル(BPSモデル)」による当事者や利用者への理解も欠かせない。
☆ このBPSモデルは「生物-心理-社会モデル」とも訳され、人間の「生物的・身体的側面」「心理的・精神的側面」「社会的・環境的側面」の3つの側面は相互に影響し、関連し合っていることを示す。
↓
• ソーシャルワーカーは、特に「社会的・環境的面」、つまり家族関係や地域の状況など、その人を取り巻く環境を重視する。
• しかし、その際も、3つの側面の相互性や関連性を視野に入れながら、その人がおかれている状況を総合的に捉え、全体的・総合的に理解する視点が重要である。
③システム理論
何らかのシステムを構成する複数の要素が相互に有機的に関係しあう「相互作用」の現れとして、そのシステムの全体や状態を把握する考え方である。
④生態学的視点
人と周囲の環境との適合状態やその均衡の保ち具合、相互の関係性、影響の及ぼしあいに着目するものである。
☆ システム理論や生態学的支援に基づくソーシャルワークのアセスメントでは、
対象となる人や家族の困難状況、地域の課題等に対して、原因-結果の直線的な因果関係ではなく、様々なことが相互に関係をもち影響しあっている状態として認識する。
⑥マッピングの技法
• ソーシャルワークのアセスメントを支えるツールとして、ジェノグラム(genogram)、エコマップ(ecomap)がある。
• これらは、当事者や家族の生活状況や社会関係を図で表すマッピング技法として、アセスメントの作業や事例検討会などで広く活用されている。
• これによって、例えば文章で表現するとなると非常に複雑になる家族構成や、当事者をめぐる人間関係などを可視化することができ、一目で状況を理解することができる。
⑦ジェノグラム
基本的に3世代以上の家族間の人間関係を図式化したものであり、家族関係や家族模様、さらには家族の歴史を視覚的に把握できる家族関係図である。
⑧エコマップ
支援の対象となる本人と家族との関係、本人や家族を取り巻く関係者や関係機関、また地域の社会資源等との関係を一定の記号で表したもの。
1975年にハートマン(Hartman, A.)によって考案された。
• 本人や家族が経験している社会関係や、おかれている状況を図式化すること
で、その全体を一度に把握することができる。
☆ ジェノグラム、エコマップともに、描き方の統一ルールがあるわけではないが、ここに示した例のような表記の仕方により、クライエントや家族の状況把握やアセスメントの作業に活用されている。
⑨ソシオグラム
グループの成員間の関係を簡潔に記述する図式。
1971年にハートフォード(Hartford, M.)によって開発された。
• こうした図式は小集団・団体を支援するソーシャルワークや集団両方において活用される。
• 通常はソーシャルワーカーが観察に基づいてソシオグラムを記述するが、その際に、集団内の個々の成員間だけでなく、ソーシャルワーカーも含めた関係を図示することになる。
○アセスメントの留意点
⑩『アセスメントにおける個別化の重要性』
:人それぞれに生活や人生は異なるがゆえに、例え同様の生活困難であったとしても、具体的な状況や事情はそれぞれに異なり、解決に向けた方法もそれぞれである。
⑪『アセスメントは継続的に実施される』
: ソーシャルワーカーといえども、誰かとの誰かの生活状況を完全に知り尽くすということはあり得ない。
• アセスメントはソーシャルワーク実践の過程を通して、継続的に繰り返して
行われる。
⑫『関係者との連携・協働によるアセスメント』
:一人の当事者の生活や一つの生活問題に対して、多角的な見方や多様な視点で分析することにより、多くの気づきやヒントが得られ、支援の多様性や柔軟性、幅の広さが生まれる。
⑬『当事者の参加や当事者側の視点の重要性』
• ソーシャルワーカーや支援機関の側からではなく、当事者・利用者本人の側から、家族の側から、地域住民の側からの視点でその状況や拝啓をみようとすることが重要。
⑭『本人や家族、地域のストレングスを把握する』
:本人や家族が問題に向き合う力や生きる力を導くことにもつながり、また地域性や地域の強みを生かした地域支援の在り方を見出すことにもつながる。
⑮『システム理論や生態学的視点から相互関係を把握する』
: ジェノグラムやエコマップ等を活用して、直線的な原因-結果ではなく、様々なことが相互に関係をもち、影響しあっている状況を把握することが重要。
⑯『背景にある社会構造的な課題を見極める』
:ソーシャルワークのアセスメントである限り、社会関係のなかで、関係的、社会的、構造的に生じた生きづらさや生活のしづらさへの視点と状況への理解が欠かせない。
• 個人的なことは社会的なことであり、一人の生活課題は地域の生活課題であり、老自社・利用者の訴えは地域や社会が抱える課題を代弁している。
• ソーシャルワークの使命である社会変革に向けた社会構造的な課題に対する働きかけは、このようなアセスメントに基づいて導かれる。
(補足1)
情報はクライエントにとって意義ある重要な文脈のなかで集める。
(補足2)
アセスメントは可能な限り地域のなかで行う
第5回目
start!
①プランニング
何かをするときに事がうまく運ぶように、目的と目標を定め、そこに到達するための具体的な方法や手順などを考えて計画を立てるこ
とである。
②目的
最終的に目指していることであり、何のために取組むのかという理由である。
☆クライエントの内的世界と自己決定を尊重するため、
⇒目的はできるだけ⑤「クライエントが用いた言葉」で記述する。
②目標
目的を達成した状況をより具体的に示すもの。
☆目標は、目指す点に到達しているかを確認する目印となる。
③計画書
プランニングで検討した結果をまとめたもの。
”ロードマップ”とも呼ばれる。
○ソーシャルワークにおけるプランニング
④アセスメントで得た情報に基づき、クライエントのウェルビーイングの向上を目指して、具体的にどのような取組みをするかを決めていくプロセスである(面談等を通して進められる)。
• プランニングによってまとめられたものは、取組みの根拠となる法律や制度、対象者により、様々な名称で呼ばれる。
↓
• 介護保険のサービス利用者のためのケアプラン(居宅サービス計画)
• こどもケアのための自立支援計画
• 障害者総合支援法の利用者のためのサービス等利用計画
⑥結果期待
何かしたときに、どのような結果になるかという期待である。実行すれば自分が望むような結果になるという期待があるから実行するのであって、そのような期待がないのであれば実行しない。
⑦自己効力感
ある特定の行動をとる自信のこと。
☆バンデューラ(Bandura,A.)は、社会認知理論のなかで、人が行動を起こすかどうかに⑥結果期待と⑦自己効力感がかかわっていることを明らかにしている。
○クライエントの希望を尊重する
●クライエントのなかには、ソーシャルワーカーからみると非現実的と思える目標設定を主張する人がいる。
↓
• ソーシャルワーカーはどのような場合であっても、⑧『倫理綱領』及びバイステックの7原則に基づいて、⑨『非審判的態度』でクライエントの話を真摯に聞いて受容する。
• クライエントが強く望んでいるのであれば、クライエントと公共の福祉に反しない限り、クライエントの希望を尊重して、それを長期目標として設定し、これをもとに実現可能な短期目標を設定する。
↓
• 短期目標に向けて現実的に取り組むなかで、当初の目的(長期目標)が変わってくることもある。
⑩学習性無力感
長期間にわたって過酷な状況のなかで絶望的な日々を過ごしてきた人は、その状況から逃げようとしても逃げられなかったり、助けを求めても得られなかったりする経験を通して、自分の無力感を学ぶ。
〇計画内容について共有し、合意を得る
計画の実施にかかわるのがクライエントとソーシャルワーカーだけの場合は、ソーシャルワーカーが計画(案)の内容をクライエントが理解できているか確認したうえで、両者の合意をもって計画は正式なものとなり、契約が結ばれる。
• しかし、それ以外に参加を求められる人や機関がある場合、関係者の間で連絡をとりあったり、協議できる機会を設けたりする。
⇒このような会合を
⑪ケース会議
⑫ケースカンファレンス
という。
〇倫理的な実践の為に
プランニングでは、常に倫理綱領を遵守したかかわりをすることが必要である。特に、目的や目標、計画内容を決めていく際、自己決定の尊重については十分に注意しなければならない。
• 人はいつも合理的な意思決定をするとは限らない。情報不足のまま、あるいはよく検討しないまま決定をして後悔することがある。他者からの抑圧や他者への遠慮のため、本意ではない決定をしてしまうこともある。
• ソーシャルワーカーは、クライエントが必要な情報に基づいて、長期・短期の
両方の視点から選択肢を充分に吟味し、納得できる意思決定ができるように支援することが必要である。
⇒クライエントの意思決定能力の状態に応じて
⑬アドボカシーや
⑭エンパワメントを行い、⑮パターナリズムに陥らないように自己点検しなければならない。
第6回目
start!
〇変化のステージ
1.⑧前熟考期
:人は変化について真剣に考えてはいない。一方、行動を起こすことを阻む多くの理由が見えている。
2. ⑨熟考期
:人は特定の目標を追求することによってもたらされる利益に気づくようになるが、なんらかの行動を起こすことにアンビバレントな状態にある。
3. ⑩準備期/決定期
:ある目標を追求することで得られる利益が、ある特定の行動に取組む際に生じるコストよりも明らかに勝っている。
4. ⑪実行期
:目標に到達するための第一歩を踏み出す。
5. ⑫維持期/保持期
:目標に到達し、その目標から得られる利益を維持することが日常生活の日課になるところまで進んでいる。
6. ⑬再評価期
:自分と特定の目標との関連性や、自分にとっての重要性を再評価する。
第7回目
start!
○支援の実施における目的
• ソーシャルワーカーは、プランニングによってまとめられた計画を適切に実施していくために様々な実践モデルとアプローチを用いながら、
①クライエント、
②環境、
③「クライエントと環境の関係(交互作用)」
に向けて支援を実施していく。
• ④「支援の実施」とは、ソーシャルワーカーによるこのような働きかけのことであり、計画の記載された目標を達成していくことを主な目的としている。
• なお、これについては
⑤「介入(インターベンション)や」
⑥「実施・実行(インプリメンテーション)」、
⑦「実践活動(プラクティス・アクション)」
などの概念が用いられることもある。
★クライエントに対して
• 社会生活上の問題解決に向けて主体的に取り組むための対処能力を身に着け、強化していくことを目指した支援が実施される。
☆ ソーシャルワーカーは、エンパワメントの機能を果たしながら、クライエント
への⑧『直接的な支援』を実施していく。
• ここでは、ソーシャルワーカーがクライエントとの専門的援助関係を構築していることが重要となる。
• また、クライエントに対してどのような内容、方法、方針等で支援を実施していくのかについて、事前にわかりやすく説明し、同意を得ておく。
★環境に対して
• クライエントにサービスを提供する人・機関の変革、社会制度・政策の修正や開発などを目指した支援が実施される。
☆ソーシャルワーカーはこれらの取組みによって環境を整え、アドボケートの機能を果たしながら、クライエントへの⑨『間接的な支援』を実施していく。
• ここでは、ソーシャルワーカーはケース会議(ケースカンファレンス)などを定期的に開催し、クライエントへの適切な支援やサービスの実施に向けて人・機関の変革に向けた検討を行うとともに、社会制度・政策の修正や開発を促進していく。
★クライエントと環境の関係(交互作用)への働きかけ
• この働きかけは、⑩「クライエントと環境のインターフェイス(接触面)」に向けて行われる。
• ソーシャルワーカーは、クライエントが環境と調和した状態になることを目指しており、クライエントが主体的に社会資源、制度やシ
ステムを活用していけるように、⑪「調整(コーディネーション)機能」を果たしながら支援を実施していく。
⑫モニタリング
計画の進捗状況やクライエントのニーズへの対応状況、目標の達成状況などの観点から、支援開始後の経過を継続的に確認し、評価すること。
☆支援の実施段階で行われるため、ソーシャルワーカーは、モニタリングの結果に基づいて、このまま計画どおりに支援を継続していくのか、あるいは再アセスメントから計画の見直しと修正につなげていくのか、支援を終結していくのかを総合的に判断していく。
○モニタリングの目的
⑬『支援が適切に実施されているかを確認する』
:ソーシャルワーカーは、支援やサービスが計画に沿って適切に実施されているかを継続的に確認するとともに、適切に実施されていない場合はクライエント、さらには支援やサービスを提供している人・機関などからその状況や原因に関する情報を収集し、適切な実施に向けて検討していく必要がある。
• このことはクライエントへの⑭「アドボカシーの実践」や⑮「権利擁護への取組み」の観点からも重要である。
⑯『クライエントのニーズに対応しているかを確認する』
:時間の経過とともにクライエントのニーズが変化していること、あるいは新たなニーズが生じていることがある。
・このとき、ソーシャルワーカーは、クライエントがどのようなニーズに直面しているのかを明らかにするために⑰「再アセスメント」を行い、計画の見直しと修正につなげていくことが求められる。
⑱『クライエント自身の問題解決に向けた取組みが進んでいるかを確認する』
:ソーシャルワーカーは、クライエント自身が認識し、自らの力で解決できる
と考えている社会生活上の問題とその解決目標をクライエントと協働して設定するとともに、クライエントが目標の達成に向けて課題に取組むことを側面的に支援していく。
• クライエントの課題への取組みやその達成状況について定期的に確認し、これらが進んでいない場合は、その状況や原因を詳しく検討して課題の見直しと修正に繋げていく必要がある。
• さらには、ソーシャルワーカーはクライエントが問題解決の主体者であることを認識し、クライエントの問題解決能力を高めるように働きかけていくことも重要である。
○モニタリングを行うことの重要性
⑲『支援やサービスの進捗状況に対するクライエントの考えを引き出す』
:これによって、目標達成に向けた取組みの継続性を高め、あるいはクライエントの失意や失望感を見抜いて、それに対応することができる。
⑳『目標達成までの段階的な進捗状況を観察し、それがプラスの結果を生み出しているかどうかについてフィードバックを提供する』
:これによって、クライエントの動機づけを維持し、援助過程やソーシャルワーカーへの信頼を高めることができる。
○モニタリングにおける留意点
㉑『クライアント、支援やサービスを提供する人・機関、そしてソーシャルワーカーの3者が対等な関係にあること』
:関係の対等性が保障されていることによって、支援やサービスに対するクライエントの認識、満足度などが適切に把握されやすくなり、支援やサービスを提供する人・機関が有機的な連携を行っていくことにもつながる。
㉒『支援とモニタリングは一連のものとして行う』
:モニタリングは支援の実施段階で行われるプロセス(過程)評価であるため、支援の実施モニタリングを切り離すのではなく、一連の流れのなかで把握していく。
㉓『モニタリングの結果を正確に記録しておく』
:モニタリングの記録は、再アセスメントや計画の見直しと修正につなげていくための重要な情報となる。
• 具体的にいは、モニタリングを実施した日時と場所、具体的な内容、記録者の氏名などの情報を記録していくことになる。
• また、記録された情報の管理を徹底しておくことも大切である。
○モニタリングから再アセスメントへ
●モニタリングによってクライエントのニーズが満たされていない、あるいは時
間の経過とともにニーズが変化していたり、新たなニーズが生じていることが判明したときに㉔「再アセスメント」を実施する。
• クライエントのニーズに変化が生じている場合は、その緊急性の有無や程度の観点も含めた対応が迅速に検討され、新たな支援の実施につなげていくことになる。
• そのため、ソーシャルワーカーは、モニタリングの定期的な実施によってクライ
エントに関する情報を多角的に収集し、必要に応じて再アセスメントの場として会議(ケースカンファレンス)を開催していくことが求められる。
☆ モニタリングから再アセスメント、プランニングへの流れが㉕「ソーシャルワークの展開過程」を循環させていく。
㉖効果測定
クライエントへの支援の有効性について科学的に評価すること。
ソーシャルワークでは、㉗「支援のプロセス(過程)評価」および㉘「アウトカム(結果)評価」の方法として位置付けられている。
• ソーシャルワークの評価では、クライエント、支援やサービスを提供する人・機
関が、支援の有効性についてどのように受け止めているかという主観的な評価も大切であるが、㉙「科学的な測定方法」を用いて評価を行うことが重要であ
る。
• なぜなら、ソーシャルワーカーがクライエントに対して行う、支援の有効性に関
する説明には㉚「科学的根拠(エビデンス)が」求められること。
また、それがソーシャルワーカーの専門職としての㉛「説明責任(アカウンタビリティ)」となるためである。
㉜シングル・システム・デザイン(単一事例実験計画法)
単一事例としてのクライエントを対象として、支援の開始前後における対象の「行動」変化の過程を時系列的に観察してデータを収集・分析することにより、支援の有効性を評価していく方法。
• なお、ソーシャルワーカーが観察する「行動」については、クライエントの「活
動」といった表面的な動作のみならず、「思考」「感情」といった内面的な要素も含まれている。
☆支援の開始前である㉝「ベースライン期」、および開始後からの㉞「インターベンション期」を組み合わせて構成されている。
⇒基本形は、ベースライン期(A)のあとにインターベンション期(B)を設定す㉟「ABデザイン」である。
• このデザインによる効果測定は、シンプルで実施しやすいというメリットがあるが、支援の実施がクライエントの問題解決をもたらしたという因果関係を確証させることはできない。
第8回目
start!
〇IPSの8つの理念
①『「競争的雇用」に焦点が当てられている』
:重い精神障害をもつ人たちは目標を一般雇用において、それを達成することができると考える。
㉙『仕事探しをいつ始めるかは「クライエントの選択」に基づいている』
:働く準備ができえているかどうかの評価、診断、症状、不法薬物の使用暦、精神化病院への入院暦、障害の程度または刑事罰を受けた過去などによって、働くことを望む人々を排除しない。
③『「リハビリテーション」と「精神保健サービス統合」』
:IPSプログラムは、精神保健治療チームと統合されている。チームの誰もがIPSを知っており、同じ方針でサポートしている。最高25人までという控えめなケースロードになる。定期的(最低週1回)はクライエントに会って、話し合う。
④『クライエントの好み」を尊重する』
:サービス提供はプロバイダーの判断より、むしろクライアントの好みと選択に基づいている。
⑤『個別の「経済的カウンセリング」』
:就労支援スペシャリストは、クライエントのために社会保障、医療扶助、その他の公的援助について、個人用にカスタマイズされ、分かりやすく、かつ、正確な情報を得るのを援助する。
⑥『迅速な職探し』
•長期にわたる職業前訓練、カウンセリングを行うよりも、むしろ、クライエントが直接仕事を得るのを助けるために迅速な職探しをするアプローチを用いる。
⑦『系統的な職場開拓』
:就労支援スペシャリストは、計画的に地元の雇用者と接触を持つことによって、クライエントの興味に基づく雇用者ネットワークを構築する。
⑧『「無期限」の個別支援』
:クライエントが望み、必要とする限り、フォローアップ支援は個別に判断されて継続される。
第10回目
start!
①ターミネーション(termination)
支援の終結のこと?
〇支援の終結とは何か
●ソーシャルワークの展開過程のなかで、様々な生活課題に対して支援が実施されることにより状況が変化し、さらに新たな情報は加わること等により、当初の想定どおりに支援の終結を行うことができなくなる場合も少なくない。
• 支援の終結はクライエ
ントにとって「援助の
場」から分離していくこ
とが成長に役立つ機会となるよう、ワーカーによって意図的に進められていく援助過程でもある。
• クライエントに即していえば、②「新しい生活のシステムに結び付き、自律的に自らの生活を選び取ってい
く過程」でもある。
〇ブラッドショーのソーシャル・ニード
③感得されたニード(フェルト・ニード)
: クライエント側が支援の必要性を認識したニード。
④表明されたニード(エクスプレスド・ニード)
• クライエントが実際に支援を求めたニード。
⑤規範的ニード(ノーマティブ・ニード)
•:専門家や研究者、行政職員等の支援者側が客観的に評価するニード。
⑥比較ニード(コンパラティブ・ニード)
:支援を受けている他のクライエントとの比較により自らも支援の必要性があると認識されたニード。
〇SWとクライエントの取組みと成果の評価
● 取組みと成果の評価において重要なことは、生活課題を乗り越えたことによるクライエントの成長を評価することである。
☆リッチモンドはソーシャル・ケースワークについて、その終局目標は⑦「人格の発達」に置かなければならないと述べている。
• 支援の終局目標は、クライエントが生活課題を抱えている人から生活課題を解決できた人へと成長することである。
• 現代のエコシステムモデルやバイオ・サイコ・ソーシャルモデルに基づけば、人格だけでなく、環境の変化まで視野に入れて評価することが必要である。
〇SW・クライエント関係の解消
● クライエントは支援の経過のなかで、ソーシャルワーカーをはじめとする専門
職から支援を受け、成果う課題を軽減・解決するための諸制度・サービスを活用している。
• このような環境下での支援の終結は、クライエントとソーシャルワーカーの支援関係が対等であるといえども、一定の依存関係が生じていることは否めない。それゆえ、支援関係の解消は依存関係の解消とも解釈でき、双方の心理に抵抗感と不安を生じさせることになる。
↓
• 支援の終結後の生活課題の再燃の可能性と、新たな課題の発生が予測されるケースにおいては、⑧「終結後の支援再開等の方法」についてクライエントへの説明が求められる。
• 残された課題があり、ソーシャルワーカーの所属する機関で継続支援が困難である、あるいは専門機関での支援が望ましいなど、他機関への送致が必要な場合は、クライエントの相談能力を評価し、その程度に応じた⑧『リファー(refer:つなぐ)』が求められる。
• また、ソーシャルワーカー側においても、クライエントの転移(transference)
に対して私的感情を抱く⑨『逆転移(counter transference)』が起こることもある。
• ソーシャルワーカーには逆転移を統制するための自己覚知が必要となる。
〇結果評価の意義
⑩『支援が役に立ったか否か確認できる』
:ソーシャルワーカーの倫理綱領」にあるように、ソーシャルワーカーには、最良の実践を行う責務がある。 どのような介入により支援の効果が上がったのか、あるいは支援の効果
が上がらず改善の余地が考えられた段階はどの時期であったかなどを明確化することが求められる。これらにより、支援の終結後にどのようなことが起こる可能性があるかを予測し、再支援やアフターケアが必要な場合に向けての準備が可能になる。
⑪『今後のソーシャルワーク実践の向上に役立てることができる』
:個々のケースの結果評価は、担当したソーシャルワーカーの専門性の向上に役立つが、このような結果評価を蓄積することで、ソーシャルワーク全体の専門性の向上に寄与することができる。 社会福祉では、まず担い手が求められ、養成教育はそのあとに行われるようになったという歴史的経緯から、経験主義になりやすいといわれている。プロセス全体の評価(評価研究)は、適切な実践の評価のみならず、理論と実践の結果を対峙させながら互いの進化を活性化させる過程ともいえる。
⑫『アカウンタビリティ(説明責任)を果たす』
• ソーシャルワーカーには、クライエントに対してアカウンタビリティ(説明責任)を果たすことが求められる。 藤井はソーシャルワーカーのアカウンタビリティについて、「クライエントの
もつ問題を解決するために、またはクライエントのニーズを満たすために、専門職である実践者が有効な方法を用いて援助することについて根拠を示して説明すること」と述べている。 これらに加え、支援の効果が得られなかった、あるいは目標を達成できなかった場合にもアカウンタビリティは実行されるべきである。
〇結果評価の視点
⑫『プロセス全体を評価する』
:ソーシャルワークにお
ける支援の結果評価では、支援のプロセス全体を評価する視点が重要である。それは、一連の支援プロセス全体を振り返り、ソーシャルワーク理論に照らしながら(実践に疑念を挟み)支援過
程を確認(一定の手続きに従って現実をよく観察)することである。
⑬『プランニングで設定した目標の達成度を評価する』
:ソーシャルワーク実践によって、プランニングで設定した目標が達成されたか否か、達成できていないのであれば、どこまで達成でき、何が達成できなかったかを評価する。つまり、ソーシャルワーク実践で効果があったかどうかである。
• また目標の達成あるいは一部達成により、ニーズが充足され望ましい変化が起こっているかを確認することも必要である。さらに、目標達成ができなかった場合は、今後に向けての改善のため、その理由についても検討を必要とする。
⑭『意図したこと以外の変化が起こっていないかを評価する』
: 例えば、ソーシャルワーカーが目標達成のために、クライエントのストレングスに着目した働きかけを行うことで、クライエントの言動が変化し、それによって周囲の人々との関係も改善され、もともとソーシャルワーカーが意図していなかったようなサポートを受けられるようになることがある。 一方、公的なサービス利用ができるように働きかけて目標は達成できたが、その結果、これまでのクライエントを支えていたインフォーマルなネットワークを消失させてしまうこともある。つまり、交互作用の結果、思わぬ結果が起こることがある。
〇結果評価の方法
⑮『ソーシャルワーカー自身の自己評価』
:自己評価とは、ソーシャルワーカーが自身の他者とのかかわりや支援展開(エンゲージメントから支援の終結まで)のあり方について振り返り、自身のストレングスや自己能力の覚知と課題の発見等を行うことである。さまざまな場面を思い出し、そのときに自分が何に着目し、何を考えたり感じたりして、何に基づいて判断し、何を行い、その結果、どうなったのかなどを振り返って、それをこれからの実践に活かせるようにしていくことが大切である。
⑯『クライエント自身や家族による評価』
:クライエントや家族にサービスについてどう思ったか、どのような効果があったのか、またソーシャルワーカーやほかのサービス提供者などについてはどのように思ったのかなどを、直接尋ねることでクライエント自身によるサービス評価や満足度を確認する。 遠慮等で直接話すことが難しいこともあるので、そのような場合は、無記名のアンケート用紙に記入の依頼をする。
⑰『ターゲット等の変化についての質的な評価』
:プランニングで設定した目標が達成できたか否か、あるいはどの程度達成できたかを観察したり、クライエントやほかの支援者と話し合ったりして確認する。目標達成だけでなく、それにかかわって起こっている変化にも注意する。
• シングル・システム・デザインは、ミクロ、メゾ、マクロのいずれのレベルで
も活用できる。モニタリングでシングル・システム・デザインを用いている場合は、計画の実施前(介入前)と実施後(介入後)のターゲットの変化を、折れ線グラフの全体で視覚的に確認することで介入の効果があった
かを判断する。
⑱『ターゲット等の変化についての量的な評価』
:地域など広い範囲の状態を把握するためには、量的なデータの活用が便利である。目標が達成できたかを統計分析によって量的に評価するのである。
• シングル・システム・デザインでは、前述のように視覚的にターゲットの変化を確認できるが、介入前のスコアの平均点と介入後のスコアの平均点を統計的に検定することで有意な差があることを証明できる。
⑲アフターケア
• 支援が終結したあと、生活課題の再燃や新たな課題の発生により支援を必要とする状態になった場合は、支援を再開することになる。しかし、心配や不安、気がかりが出てきても、ソーシャルワーカーが少し話を聴いたり、簡単な情報提供をしたりすることでそれらが解消することもある。
☆このように「支援の終結後に包括的なアセスメントやプランニングをしなくても対応できるもの」を⑲アフターケアという。
• 支援の終結時にクライエントは、ソーシャルワーカーとの関係を解消することに不安を感じることがあるが、困難なときには再度支援が受けられること、また、支援を受けるほどでなくても、アフターケアがあることを知ることで、その
不安を和らげることができる。
また、少しの心配や気がかりの段階でアフターケアを行うことで、生活課題の再燃や新たな課題の発生を早期に発見し、早期に介入することが可能になる。
☆ ⑳「インボランタリー・クライエント」の場合、自らの意思でアフターケアを求めることが困難であることが多いことから、クライエントらにかかわってきた(今後もかかわっていく)支援者や周囲の人々が支援の終結後もフォローアップして、必要に応じてソーシャルワーカーがアフターケアをできる体制を地域に備えておくことが重要である。
第11回目
start!
〇対人援助職にとっての面接
• 岩間は、対人援助職が行う面接を「一定の条件下において、ワーカー(面接者)とクライエント(被面接者)とが、相談援助の目的をもって実施する相互作用(コミュニケーション)のプロセス」と定義している。
☆ ソーシャルワーク面接は、一定の要件のもとで①「専門的援助関係」を軸とし、ソーシャルワークの価値・知識・技術(技法)に基づいて開される専門的援助活動である。
〇ソーシャルワークにおける面接の意義
②『面接そのものが援助過程となる』
:援助過程の各段階で面接が実施されるが、面接におけるやりとりそのものが援助過程であり、クライエントが課題解決に向き合っていく過程となる。
• ソーシャルワーカーの意図的なかかわりを通じて、クライエントが成長し能力を高め、課題を解決する。
③『面接はクライエントとの協働作業である』
:ソーシャルワーカーが課題を解決するのではなく、クライエント自らが課題を解決できるよう援助する。
• クライエントは、ソーシャルワーカーの問いかけに応じていくうちに、課題を整理し、解決方法を模索しながら決定できるようになる。
4面接は信頼関係を形成する過程である
• クライエントは、困りごとが解決するだろうかという不安と、ソーシャルワー
カーは課題解決に役立ってくれるかという不安、2つの不安がある。
• 特に、インテーク面接では、こうしたクライエントの感情に配慮し、継続する
信頼関係を構築し、援助関係を進めていく必要がある。
⑤『面接はクライエントの利益になる』
:クライエントが面接によって自分の感情に気づく、課題への考察を深めるな
ど、何かを得たと感じると、次の援助へとつながっていく。
• 面接はソーシャルワーカーのためではなくクライエントのためにある。
〇面接の目的
⑥『専門的援助関係の形成』
:ソーシャルワーカーの面接における行動一つひとつは、クライエントとの信頼関係構築につながる。
⑦『情報収集とアセスメント』
:ソーシャルワーカーは、クライエントが話す内容を整理し、アセスメントを行い、不足している情報を収集するために意図的に応答する。
⑧『課題解決・ニーズ達成』
:面接はクライエントの問題解決能力を高め、自己決定を支援し、課題解決への動機づけを達成する過程である。
〇面接の形態
⑨個別面接
:ソーシャルワーカーとクライエントが1対1で面接を行う。
⑩合同面接
:クライエントを含む家族など、複数人とソーシャルワーカー1人が面接を行う。
⑪並行面接
:親子など1つのケースで個々のクライエントと担当ソーシャルワーカーがそれぞれ面接する。
⑫協同面接
:1つの面接に複数のソーシャルワーカーが参加する。
〇面接の場所と機会
⑬『面接室での面接』
:部屋の広さや窓の有無、室温、静かさなどの環境に加え、ソーシャルワーカーとクライエントが適切な距離をおいて着席できるように机やいすの配置にも気を配る。
⑭『施設外や機関外での面接』
:ソーシャルワーカーは、施設外であってもクライエントが援助を求めてきた際には、面接を開始するという心構えをもって対応する。
• 秘密保持や専門的援助関係の枠組みを保つために、面接は予定された時間や場所で行われることが重要である。
⑮『生活場面面接』
:クライエントの居室や自宅をソーシャルワーカーが訪ねていく生活場面面接は、クライエントにとっては出かけるための時間的・身体的・経済的負担がなく、慣れた環境で緊張せず面接に臨める。
• ソーシャルワーカーにとっては移動にかかわる負担が発生するものの、クライエントの自宅周辺や室内の様子などからクライエントの生活へのイメージを膨らませ、様々な情報を得る機会となる。
• 部屋に飾ってある置物や写真を手掛かりにクライエントの生活歴や価値観を知ることができ、家族のやりとりから家族全体の関係性などを知ることもできる。
〇面接の留意点
⑯『傾聴する』
: ソーシャルワーカーは、身体をクライエントに向けて“傾ける”など、姿勢や態度を用いて「聴いて」いることをクライエントに伝える。
• 自分の話を聴いてもらっていると感じたクライエントは安心し、話しやすくなる。
⑰『知的な理解と情緒的なかかわりのバランス』
:ソーシャルワークでは、理論やモデルに基づく根拠によってアセスメントが進み、解決方法を模索するために様々な客観的事実の情報が必要となる。
• また、クライエントと協働するためには、クライエントを受容し、クライエント
の感情表出を促し、共感的にかかわることが重要となる。
• 面接では、知識に支えられた知的な理解と情緒的なかかわりの両方にバランス良く焦点を当てる。
⑱『動的な過程』
: 取り扱う援助過程によって差はあるが、1回の面接時間は1時間以内が適切だといわれる。
• 面接はソーシャルワーカーの五感と考察力を活用してクライエントの変化を敏感に捉え、アセスメントしながら意図的に対応する行為である。
• 長時間の面接ではクライエントが疲弊し、また、ソーシャルワーカーの集中力が続かない。
• 面接の過程は、チェックリストに沿って質問を重ねるのではなく、ソーシャルワーカーとクライエントの相互作用によって変化する動的な過程である。
⑲『必要なことを伝える』
:面接ではクライエントに語ってもらうことが中心となるが、ソーシャルワーカーからクライエントに伝えることも重要である。
• 伝える内容は面接の展開過程や面接の内容によって異なるが、どのような場合でも伝えるタイミングに留意する。
⑳『肯定的に捉える・ストレングスを活かす』
:様々な困難に直面するなかで、孤独感や無力感に支配され自己効力感が低くなっているクライエントも存在する。
• ソーシャルワーカーは面接を通じて、クライエントが自分自身の力や能力、そして環境に存在する資源などのストレングスに気づけるようにかかわる。
㉑『専門的視点と倫理(不利益や危機の回避)』
:ソーシャルワーカーは対人援助専門職であり、ソーシャルワーカーの倫理に基づいてソーシャルワーカーとしての行動を決定する。
• ソーシャルワーカーは専門的価値・知識・技術(技法)を身に着けた専門職として、クライエントと対等に協働して課題を解決していけるように両者の関係を構築する。
• これと同時に、両者の関係は「同じ」ではなく、専門職としての視点を活用し、クライエントに不利益や危機状態が生じるのを回避する責任がある。
• 面接ではクライエントの心身の状態に注意し、時にはクライエントの自己決定を制限することでクライエントを守ることもある。
〇面接環境の構造
㉒『面接時間、頻度、回数』
:面接日時を約束する際には、開始時間と終了時間を決めておく。
• 面接時間を決めておくことで、限られた時間をクライエントのために効率的に有効活用することをソーシャルワーカーとクライエントが合意し、意識化できる。
• 面接の頻度や援助過程の終結までにどの程度面接を重ねるかについては、援助の内容によって異なるため、援助の開始時に決めることが難しい。
• 援助過程の終結が近づいた際には、ある程度の残り回数に目途がつく場合もあり、その場合は、事前に予告したうえで、面接終了に向けて準備することができる。
㉓『面接空間』
:面接は、面接室や相談室など面接専用の部屋で実施されるのが基本形である。
• 組織の事情による限界はあるかもしれないが、クライエントが部屋に入った瞬間に、気持ちが落ち着き相談に集中できるように配慮する。
• 面接はクライエントの生活空間で実施されることもあるが、自宅や居室でも相談に集中できる環境をつくり出せるように工夫する。
㉔『ポジショニング』
:ポジショニングは、物理的な位置関係と、援助過程へ参加する動機やソーシャルワーカーとクライエントの心理的関係という2つの要素を含んでいる。
• ソーシャルワーカーは、クライエントとの距離や位置などの物理的環境に配慮することで、クライエントとの心理的関係を構築する。
• なお、クライエントが親密さと安心を感じ、心地よいと感じる距離には個人差があり、また、そのときの心理状態によっても異なる。
〇インテーク
「どのようなご相談でしょうか」というような、クライエントが解決したいと望んでいる課題(㉕主訴)を訪ねる質問から始まることが多い。
〇コミュニケーション
・音声による話し言葉、文字による書き言葉、そして手
話などによる㉖「言語的コミュニケーション」
・言葉がどう伝えられるかという㉗「非言語コミュニケーション」
の2つに大別できる。
〇言語的面接技法
★場面を構成する
• 面接の導入では「今日はよくいらしてくださいました」などの言葉でクライエントへのねぎらいや㉘「感謝」を表現する。
★機関や自分の職務内容や範囲の説明、秘密保持を伝える
• 初回面接では、ソーシャルワーカーが何をする職種なのかをわかりやすく、簡潔に伝えたうえで、相談内容に応じて詳細に説明を加える。
• ㉙「秘密保持」については、面接の初回段階で明確に伝える。
★話を促す
• 「それで」「ふーん」「なるほど」などの、いわゆる㉚「あいづち」は言葉自
体が短いため、姿勢や態度と同時に用いることで、クライエントが話続けるよう促す技法となる。
• ㉛「繰り返す」ことでクライエントの話を聴いていることを伝えられるだけでなく、クライエントが話した複数の事柄のうち、ソーシャルワーカーが必要とする情報へ焦点化できる。
★面接を深め、進める
㉜『開かれた質問と閉じられた質問』
:開かれた質問と閉じられた質問を使い分ける。
㉝『言い換える』
:クライエントの話した「事実」や「感情」を、簡潔に別の言葉に置き換えて
伝え返す。クライエンは、聞くことで自分が話した内容をあらためて認識し、再検討し、応答する。
㉞『要約する』
:クライエントの話をまとめて伝え返す。話の流れが混乱し、とりとめがなくなってきたときに整理する。
★クライエントの感情をつかんで応答する
• ソーシャルワーカーは、クライエントの感情を敏感に感じ取ったうえで、どのように感じ取ったかをクライエントへ伝え返すことで、クライエントへの㉟「共感」を示す。
第12回目
start!
〇記録の意義
• どのような場面でソーシャルワーカーとして記録を残すことが求められるか?
➢記録を残す必要があるのは、①「専門職としてかかわった場合」。
• 専門職として作成する記録は、誰が読むことを想定して書けば良いか?
➢自分(SWer)のための備忘録と考えがちであるが、実は、②「説明を求める第三者に読まれるためのもの」である。
〇記録の目的
㉟『ソーシャルワークの質の向上』
:適正な記録を作成すると、ソーシャルワークの質は向上する。文章にすることで漠然と考えていたことが整理でき、また、文字にした内容を目にすることで自分の言動や判断を客観視できる。
④『アセスメントと支援計画』
:支援を開始するにあたって、まず問題を把握して状況を判断し、介入方法を決定する必要がある。
• 自分が選んだ支援計画と、なぜその計画が良いと判断したのかの裏付けになるアセスメントを明確に示して、自分自身のソーシャルワーカーとしてのかかわりが妥当であると説明するのが記録の役割である。
⑤『サービスの提供』
:提供されたサービスがソーシャルワーカーの独りよがりや思い込みでないとわかるように、サービス提供の実績を正確に記録し、専門家としての介入を第三者に伝えるようにする。
⑥『支援の継続性、一貫性』
:ケアマネジメント(ケースマネジメント)の基本は、必要十分なケアを、途切れることなく必要なときに提供することである。
• 記録を活用し、関係者と適正に情報共有することで、対象者へのケアに継続性や一貫性が生まれ、その場しのぎなものでなくなる。
⑦『教育、スーパービジョン、研究』
:教育の手段として文字化した記録を振り返ると、この作業がより進めやすくなる。また、記録にすることで考えが整理されて、より学習が深まる効果も期待される。
⑧『サービス評価』
:提供されているサービスが対象者のニーズに合っているか、記録をもとに評価し、さらにその実績を記録に残すことが必要である。
⑨『機関の運営管理』
:ソーシャルワーカーの記録は、ソーシャルワーカー個人だけでなく、所属組織の運営管理を円滑にするうえでも重要なツールである。
• ソーシャルワーカーが所属する機関が組織としてソーシャルワークを実践したという証明にもなるからである。
⑩『アカウンタビリティ(説明責任)』
:専門家としての判断やその根拠、そこから導かれた介入が様々な立場の人に明確に伝えられるような記録が望まれる。
※アカウンタビリティ(説明責任)については、ソーシャルワーカーの専門職団体が、それぞれ明確に⑪「倫理綱領」などで言及している(テキストpp216-
217)。
〇記録の内容
⑫『支援計画に沿った進捗の記録』
:支援計画はソーシャルワーカーが専門職として「あなたにこのような支援提供します」と対象者と交わしている契約なので、その進捗を記録するとが求められる。
⑬『リスクマネジメントの実績』
:例えば、虐待のおそれがあるとアセスメントがなされれば、支援計画には被害者の保護と再発防止が含まれるであろうから、その支援計画に沿って介入することでリスク対応ができる。
• そのような支援計画があり、実際それに沿ってサービスが定期的に提供されたということを、その都度記載する。
⑭『支援の根拠』
:記録に際しては、ソーシャルワーカーとしての判断はもちろんのこと、その
判断を裏付ける根拠とともに記載する。
⑮『標準化された記録』
:記録の内容や分量は標準化されているべきで、(例えば誰かの、あるいはいつかの記録が)その基準を大幅に外れる場合にはその理由の説明が必要である。
★家族や第三者に関する記載
:第三者に関してどこまで個人情報を書くかを判断する基準は、⑯「その情報が対象者自身のケアに関係するかどうか」である。
⑰『具体的で明快な用語選択』
:記録が第三者に読まれるものだという前提を踏まえると、読まれない記録は存在価値がない。、あた、読んだだけでは理解されない記録では、後で補足説明をする手間を増やしてしまう。
⑱逐語録
プロセス記録、プロセスレコードなどとも呼ばれ、面接中の会話や行動を含むす
べてのやりとりを、テープ起こしのように一語一語忠実に記録する。
⑲要約記録
面接中のやりとりや介入
を逐語ではなく要約して
記録する。
⑳進捗記録
日々の支援のなかでの支援計画の進捗と、支援計画をそのまま継続するのか、修正するのかという判断、そして、それに対してどうアクションをとるかである。
• そのため、まずそのかかわりの契機となった「報」、支援をしようと考えるに
至った専門職としての「判断」、実際行った、あるいはこれから行う「対応」の
3点について記載する。
※なお、「情報」「判断」「対応」の3つの要素w表現する書き方として様々な
フォーマットが提唱されており、SOAPノートはその1つである。
第14回目
start!
①ストレス状況(ストレッサー)
「ストレスのもの」のようなもの、ストレスを与えて来る様々な環境要因(状況、出来事、他者とのかかわり、など)
②ストレス反応
「ストレス状況」が個人に与える様々な影響や「ストレス状況」によって個人のなかに引き起こされた様々な反応。
○認知行動療法の4つの領域
③認知
:頭のなかに浮かぶ考えやイメージ
④気分・感情
:心で感じるその時々の感覚や気持ち
⑤身体反応
:身体の内側や外側に現れる、主に生理的な反応
⑥行動
:外側から見てわかるその人の動作、振る舞い、動き方
⑦WRAP(元気回復行動プラン)
• Wellness(元気)
• Recovery(回復)
• Action(行動)
• Plan(計画)
苦痛を伴う困難な心身の症状を自分自身でモニタリングし、意識的な対処によってそれらの症状を軽減、改善または除去するための系統だった日常生活と健康の自己管理の手法である(小林
2018)