【漢検1級】大見出語（意味付き）

酖溺 酒や女など不健全なことに夢中になって、他をかえりみないこと。

曬書 書物を日にさらして虫干しをする。

閾値 反応を起こすための最小限の刺激値。限界値。

煢独 身寄りのない独り者。兄弟や子がなく孤独なもの。

畏懼 勢いなどをおそれ、おののくこと。

茶鐺 茶の湯に使う湯をわかすかま。口が狭く、つばがついている。「茶釜チャがま」に同じ。

倡優 芝居･演劇の役者。倡わざおぎ。

藐視 軽んじて見ること。軽視すること。みくだすこと。

震撼 ふるえ動くこと。また、ショックを与えること。「世界を―させた事件」

霈然 雨が激しく降るようす。「雨が―と降る」

崔嵬 ①岩石がごつごつした険しい山。 ②山や建物が、高くそびえるさま。大きくりっぱなさま。

瑕釁 ①きず。あやまち。過失。②人に対するうらみ。仲たがい。

彎月 ①弓のような形の月。ゆみはりづき。弦月ゲンゲツ。②陣立ての名称。隊列を①のように配置したもの。

袿袴 一八八四（明治一七）年に制定された婦人用の和装礼服。袿うちぎ･単ひとえ･袴はかま･小袖こそで･檜扇ひおうぎなどからなり、宮中の儀式に着用した。

臚列 並べること。つらなり並ぶこと。

鴉鷺 ①カラスとサギ。②黒色と白色。

淹滞 ①物事が順調に進まず、とどこおること。②能力のある者が、いつまでも下の地位にとどまっていること。

嗤笑 あざけりわらうこと。あざわらい。

痂皮 傷が治るときにできるかたい皮。かさぶた。

嗄声 かすれた声。しわがれ声。しゃがれ声。

哄笑 大勢の人が大声で笑うこと。どよめき笑うこと。「腹をかかえて―する」

戯謔 ふざけること。おどけること。たわむれ。

髫齔 おさなご。幼児。

紕繆 あやまり。まちがい。

標榜 ①主義･主張を公然と掲げること。「ガンジーは非暴力･不服従を―した」②人の善行をほめ、それを札などに記して公衆に示すこと。

乂安 世の中が治まって安らかなこと。

楔状 ①くさびの形。くさびがた。②「楔状骨」の略。頭蓋骨ズガイコツの蝶形骨チョウケイコツ。③「楔状文字」の略。くさびがた文字。

千仞 山などが非常に高いこと。また、海や谷が非常に深いこと。「―の谷」

昇汞 塩化第二水銀の別称。無色透明で針状の結晶。猛毒。染色･消毒･写真材料などに用いる。「―水は消毒に使う」

褪色 色がさめること。

簷滴 のきからしたたり落ちる雨だれ。

乗羃 同じ数や文字･式を何回か掛け合わせること。また、掛けたその積。羃。

腓骨 脛骨ケイコツの外側にある細い骨。ひざからくるぶしにかけての骨の一つ。

翩翻 旗などがひらひらと風にひるがえるさま。「青空の下、日章旗が―とひるがえる」

澆漓 人情が薄いこと。

?咤 ①大声でしかること。「―しても畏縮イシュクするだけだ」②しかるような大声を出して指導すること。

惻怛 悲しみいたむこと。「怛」も悲しみいたむ意。「―の情」

妃嬪 ①天子のそばに付き添う女性。②身分の高い女官。

腋窩 わきのしたのくぼみ。えきわ。

藩屛 ①防ぎ守るための垣根や囲い。②皇室を守ること。また、その人。③直轄の領地。

倉廩 穀物を入れておく、くら。米ぐら。

茯苓 サルノコシカケ科のキノコの菌核。キノコがアカマツの根などに寄生して形成する。薬用。まつほど。

馥郁 香りの高いさま。よい香りがたちこめるさま。「梅が―と香気を漂わせる」 「―たる伽羅キャラの香りが立ち籠こめる」

彽徊 物思いにふけりながら、うろうろと行ったり来たりすること。低回。

仏龕 仏像などを納める厨子ズシ。

錙銖 わずか。きわめて少ないこと。

跟随 人を頼り、後ろについていくこと。また、従者。

釵子 昔、朝廷で女性が正装するとき、頭髪につけた飾り。金属製の細長いＵ字形のかんざし。

爍爍 ①光り輝くさま。「―たる太陽」②花が盛んで美しいさま。

喃語 ①男女の仲むつまじいささやきあい。②赤ん坊が発する、まだ言葉にならない音。

涅槃 仏①いっさいの煩悩ボンノウを滅却した、不生不滅の悟りの境地。②死ぬこと。特に、釈迦シャカの死。入滅。

仍孫 自分から数えて七代目の孫。

嫁娶 よめに出すことと、よめをもらうこと。結婚すること。

蜉蝣 カゲロウ目の昆虫の総称。形はトンボに似るが、小さく弱々しい。幼虫は水中で二～三年過ごす。成虫の寿命は数時間と短く、はかないもののたとえにされる。

左袵 衣服の右襟を上にして着ること。左前ひだりまえ。

翁媼 おじいさんとおばあさん。

颶風 ①強風や暴風。②熱帯地方に発生する暴風雨。台風やハリケーンなど。

打毬 ①まりけりの遊戯。けまり。②二組の騎馬に分かれ、つえでまりを打って勝負を争う競技。中国の唐から伝わり、平安時代に宮廷で盛んに行われた。

敗衄 戦いに負けること。

蚯蚓 貧毛類の環形動物の総称。細長い円筒形で、地中にすむ。釣り餌えや生薬に用いる。「―腫ばれ（細長い赤い腫れ）」 「―ののたくったよう（下手な字のたとえ）」

槊杖 小銃の銃身内部を掃除するのに使う、鉄製の細長い棒。

棕梠 ヤシ科の常緑高木。枝はなく、幹の頂上に長い柄を持ち深く裂けた大きな葉を放射状につける。初夏、黄色の小花を多数つけ、球形の実を結ぶ。幹は建材に、幹の毛で縄やほうきなどを作る。

報賽 祈願成就のお礼に神仏に参拝すること。お礼参り。

餞別 門出や送別のときに金品や詩歌･言葉などを贈ること。また、そのもの。せんべつ。「卒業生に贈る―の言葉」「餞はなむけ」に同じ。「転勤の―に時計をもらった」

韃靼 モンゴル系の一部族。のち、モンゴル民族の総称。タタール。

帷幄 ①上から垂らしたりまわりを囲ったりする幕。また、幕を張りめぐらした場所。②戦場で、作戦計画を立てるところ。本陣。参謀本部。「策を―の中にめぐらす」

軋轢 関係が悪くなること。仲がこじれること。不和。「名コンビの二人に―が生じた」

諳誦 記憶している詩歌などを何も見ずに言うこと。そらんじること。「詩を―する」

逕庭 大きなへだたり。差異。

奸佞(姦佞) 心がねじけて悪がしこく、人にこびへつらうさま。また、そのような人。「―な臣下」

倚藉 頼ること。たのみとすること。よりかかること。

槽櫪 かいばおけ。転じて、馬小屋。

屎尿 大便と小便。糞尿フンニョウ。「昔は―を汲くんで肥やしとした」

恍惚 ①うっとりして我を忘れるさま。「―感にひたる」②頭のはたらきが鈍って判断力や理解力が劣るさま。特に、老年になってぼけた状態にいう。「年をとって―の域に入った」

邇来 ①近ごろ。最近。②その後。その時以来。

粗糲 ①精白していない玄米。②そまつな食べ物。

稼穡 穀物の植えつけと刈り取り。農業。

圜繞 ぐるりと取り囲む。

鉄炮 ①火薬の力で弾丸を発射する大砲や小銃の総称。②据え風呂ブロを沸かすための金属製筒形のかま。③相撲で、両手に力を込めて相手の胸を突き飛ばす技。④狐拳きつねケンの一手で、左手の握りこぶしを前に出すこと。⑤あたると死ぬことから、フグの別称。⑥かんぴょうを入れた細いのり巻き。

胡椒 コショウ科のつる性常緑半低木。インド原産。乾燥させた実は代表的な香辛料。

彭彭 物事が盛んなさま。また、多くて盛大なさま。

抃舞 手をうって喜び、舞いおどるさま。

尺牘 文書。手紙。書状。「―文」

槓杆 一点を支点にして自由に回転でき、小さな力を大きな力に変える棒。また、その仕掛け。「てこ」に同じ。

交驩 互いにうちとけて楽しむこと。「来日した使節団と―した」

不埒 人の道や法にはずれること。「―な奴やつ」

谿壑 ①大きい谷。深い谷。②強い欲望。

使嗾 そそのかすこと。けしかけること。

痼疾 いつまでも完治しない病気。ながわずらい。持病。

扁額 室内や門戸にかける横に長い額。「―を掲げる」

坩堝 ①金属などを入れて溶かす耐熱性の容器。②大勢の人が熱狂した状態のたとえ。「会場は興奮の―と化した」③種々のものが入り混じる状態のたとえ。「人種の―」

腎盂 腎臓内の、尿を集めて膀胱ボウコウへ送る袋状の器官。「―炎」

嘔吐 胃の中に入っているものを口からはいてもどすこと。

跫音 あしおと。

諠譁 ①言い争うこと。また、腕力で争うこと。②やかましく騒ぐこと。

炸裂 爆弾･砲弾などが爆発して、はじけ散ること。「ミサイルが―する」

崎嶇 ①山道が曲がりくねってけわしいさま。②世渡りの困難なさま。

擣衣 布をしなやかにし、つやを出すために砧きぬたをうつこと。

戡定 戦いに勝って、敵を平定すること。

沃饒 地味が肥えて作物が豊かに実ること。「何年もかけて―な土地にした」

鬩牆 兄弟げんか。うちわもめ。「」はかきね、家の中の意。

陞叙 上級の官位に任用されること。また、任用すること。

菎蒻 ①サトイモ科の多年草。インドシナ原産で、食用に栽培。地下茎から太く長い葉柄を一本出し、羽状の葉をつける。地下茎は大きな球形。②①の地下茎を粉にしたものを加工し、固めた食品。

箝制 自由を奪うこと。束縛して自由にさせないこと。

鞅掌 休みをとれないほど忙しく働くこと。

鉄枴 鉄でできた杖つえ。鉄杖テツジョウ。

羯磨 仏①作業。働き。②儀式や作法。特に、修行者の受戒や懺悔ザンゲ。③「ー金剛」の略。三鈷サンコを十字形に組み合わせた密教の法具。

臙脂 ①黒みを帯びた赤色。えんじ色。「―色の上着がよく似合う」②ベニバナを原料とした赤色顔料。

喧噪 やかましいさま。騒がしいさま。「巷ちまたの―が聞こえる」

訛伝 まちがって伝えること。また、その言い伝え。

苟且 ①一時的な間に合わせ。その場だけのこと。「―の処置」 「―の恋」②おろそかなこと。軽々しいさま。「―の行動」③ちょっとしたこと。「―の病気」

藜羹 アカザの葉の吸い物。また、粗末な食事のたとえ。

束脩 ①たばねた干し肉。②中国で昔、家臣や弟子になる際に①を進物に用いたことから、入門などのとき持参する謝礼や進物。

絨毯 毛織物の一種で、床に敷く物。カーペット。

臥榻 寝台。ねどこ。ベッド。

僥倖 思いがけない幸運。こぼれざいわい。「―にめぐまれ難をのがれた」 「勝利は―というほかはない」

逋税 税からのがれること。また、滞納している税。

徂来(徂徠) 行き来すること。

弊竇 害のある点。「この法案にはまったく―がない」

癈疾 ①治らない病気。②律令リツリョウ制の規定で、身体に疾病や障害があり仕事ができないこと。また、その人。

揶揄 からかうこと。ばかにして笑うこと。「役人を―する戯画」

瘰癧 頸部ケイブリンパ節結核の古称。頸部などのリンパ腺センが結核菌におかされて腫はれ、しこりができる病気。

肆廛 店。店舗。商店。

滄溟 ひろびろと大きくあおい海。あおうなばら。おおうなばら。

蟾蜍 ①月にすむというヒキガエル。②月の異称。

擒縦 とらえることと自由に放つこと。転じて、自在に扱うこと。

黠鼠 ネズミ。

地窖 地中のあなぐら。参考「」は土の中の深いあなの意。

嗷訴 集団となって訴え出ること。

昊天 ①広く大きい空。大空。天。②夏の空。

蜚語 根拠のない無責任なうわさ。デマ。「流言―」

蜻蜓 トンボ目の昆虫の総称。目は大きな複眼。胴は棒状で、二対のはねは膜質で網状。幼虫は水中にすみ、「やご」と呼ばれる。とんぼ、やんま。

勖厲 精を出して努めはげむこと。「厲」もはげむ意。

疼痛 ずきずきとうずくように痛むこと。また、その痛み。

駢文 四字と六字の対句を用い、音調を整えて故事を多用する文体。内容よりも形式を重んじる。中国、六朝リクチョウから唐の時代に流行した。四六騈儷体シロクベンレイタイ。

櫂歌 船頭が舟をこぐときにうたう歌。舟歌。表記「棹歌」とも書く。

跌宕 細かい物事にこだわらず、のびのびしていること。また、雄大なさま。

猿臂 サルの臂ひじの意から、長く伸ばした腕。「―をのばす」

覘望 遠くからようすをうかがうこと。

燧烽 ①火打ち石などを打ち合わせて発火させる火。うちび。きりび。②敵の来襲などを味方に合図する火。のろし。「燧火」に同じ。

驀進 非常な勢いで、まっしぐらに進むこと。「―する戦車」

盥漱 手を洗い、口をすすぐこと。「」は口をすすぐ意。

駸駸 ①ウマが速く走るさま。②時間や物事の進みが早いさま。

餡蜜 寒天･ゆでたエンドウマメ･果物などをまぜあわせて蜜をかけたみつまめに小豆あずき餡をのせたもの。

望蜀 一つの望みを達すると、それ以上のことを望むこと。［▲隴を得て▲ーをーむ］ロウをえてショクをのぞむ

尨大 非常に大きいさま。規模がふくれあがって大きいさま。

髣髴 ①よく似ていること。ありありと思い出すこと。「往時を―とさせる」②ぼんやりと見えること。「水天―」表記「彷彿」とも書く。

遏絶 ①おしとどめて物事をさせないこと。②たちきること。一族を絶滅させること。

鏗鏘 玉や鐘、琴などの鳴り響くようす。また、その音。

綽約 ①弱々しいさま。しなやかなさま。②女性のたおやかで美しいさま。「―たる風姿」

沽券 ①人の値打ち。体面。品位。「―が下がる」②土地や家などの売り渡しの証券。

燻蒸 ①いぶし、蒸すこと。②害虫などを殺すため、薬剤などでいぶすこと。「―剤を用いて殺虫する」

蟠踞 ①しっかりと根を張って動かないこと。②広く領地を占領して勢力をふるうこと。

耽湎 酒色(しゅしょく。酒と女)にふけり、おぼれること。

錻力 錫すずをめっきした薄い鉄板。「―製のおもちゃで遊んだ」表記「鉄葉」とも書く。

讖文 未来を予言した文書。未来記。

剛愎 意地っ張りで人にしたがわないこと。強情なさま。

白朮 オケラの根茎を乾燥させた生薬。芳香があり、利尿剤･健胃剤用。また、屠蘇散トソサンの材料。

上蔟 成長した蚕に繭を作らせるため、わらなどで作った蔟まぶしにあげること。

鼓譟 戦場で、士気を高めるために太鼓を打ち鳴らして騒ぐこと。鬨ときの声をあげること。

擺脱 束縛･習慣などを抜け出すこと。それらを除き去ること。

丘垤 小さな山。小さな丘。

愆戻 あやまち。また、法にそむいて罪を犯すこと。「戻」はもとる、道理にそむく意。

巫蠱 みこやまじない師。また、神に祈ったり、まじないをしたりして人をのろうこと。

晏駕 天子が逝去すること。天子の柩ひつぎを乗せた車が日暮れてから出発する意。一説に、天子が死んで、朝廷へのおでましがないのを遠まわしにいった語。

澡浴 入浴して身体をきよめること。

魑魅 ①「魑すだま」に同じ。②人間の顔をした化け物。山の神。

掎角 ①前後から敵を攻撃すること。②両雄が相対して争うこと。

懈惰 ①心がゆるんでおこたること。なまけること。「―の心を見破られる」②仏教で修行をおこたること。

綢繆 ①巻きつくこと。もつれ合うこと。②結びしばること。

蓐瘡 病気などで長く寝ているときにできる床ずれ。体の床にあたる部分にできる皮膚のただれ。

蓴菜 スイレン科の多年草。池沼に自生。葉はほぼ円形で水面に浮く。茎や葉はぬるぬるしている。夏、紫紅色の花が咲く。若葉や若芽は食用。ヌナワ。

扞禦 ふせぎ守ること。表記「捍ギョ」とも書く。

警邏 非常事態に備えて見回りをすること。また、その人。パトロール。「歳末の繁華街を―する」

鷦鷯 ミソサザイの漢名。

輻輳 いろいろな場所から物事が一か所に寄り集まること。混み合うこと。「―する交通機関」

欷歔 すすり泣くこと。むせび泣くこと。

康衢 にぎやかな大通り。

輾転 ①車輪が回転すること。②不安や悩みのために、眠れずに寝返りを打つこと。

歇後 成語の下の語を省略し、前半だけで全体の意を表す方法。後略語。「友于兄弟（兄弟いつくしみあい仲良くする）」〈『論語』〉を「友于」のみで「兄弟仲良く」の意とするなど。

燎火 柴しばなどをやぐらに組んで庭でたき、あかりとする火。にわび。燎火リョウカ。「燎かがりび」に同じ。

驚駭 驚きおそれること。「技術の急速な進歩に―する」

宝髻 ①仏像が頭上に結んでいるもとどり。②奈良時代、女官や内親王が礼装の際、髪を高く結い上げ金銀の玉を飾った髪形。

睇視 目を細くして見ること。ちらりと横目で見ること。

巒壑 山と谷。

車螯 シャコガイ科の二枚貝。奄美大島あまみおおしま以南の珊瑚礁サンゴショウにすむ。貝殻はひし形で厚く、灰白色に赤褐色の斑点ハンテンがある。肉は食用。殻は装飾用。

羝羊 おひつじ。雄のヒツジ。

跪拝 ひざまずいておがむこと。

容喙 横合いから口を出すこと。さしでぐち。「他人事に―するものではない」

毛氈 獣毛に熱や圧力を加えて、繊維を織物のように仕上げたもの。フェルト状で、敷物用。「野点のだての席に紅の―を敷く」

歯齦 「歯茎はぐき」に同じ。歯の根を包む筋肉で、粘膜におおわれている層。

忸怩 自分の行いをはずかしく思うようす。「内心―たるものがある」

侏離 外国語の意味がわからないさま。

提挈 ①さげて持つこと。引っさげること。②互いに助け合うこと。

巍峨 山などの高くそびえるさま。そびえ立ってけわしいさま。

諄諄 よくわかるように何度も繰り返し、ていねいに説くようす。「生徒に―と諭す」

豺狼 ヤマイヌとオオカミ。転じて、欲深く無慈悲な人のたとえ。

匹耦 ①相手や仲間になること。また、その相手や仲間。②結婚すること。また、つれあい、めおと。

諤諤 正しいと思うことを遠慮せずに述べるさま。直言するさま。「千人の諾諾ダクダクは一士の―に如しかず」 「侃侃カンカン―」

社稷 昔、中国で建国のときに守り神として天子がまつった土地の神（社）と五穀の神（稷）。転じて、国家。「―墟キョとなる（国家が滅亡する）」〈『淮南子エナンジ』〉

猥瑣 こまかなつまらないこと。こまごまとしたくだらないこと。また、そのさま。「瑣」はこまかい意。「日常生活の―な雑事に追われる」

儔侶 仲間。ともがら。「侶」もともがらの意。

冀求 こうあってほしいと強く願い求めること。こいねがうこと。「平和を―する」

投杼 いつわりの告げ口も、たび重なると人が信ずるようになるたとえ。「投杼」は機はたの杼ひのこと。［曽△参人を殺す］ソウシンひとをころす

疇昔 ①昨日。②先日。昔。

鵝毛 ①ガチョウの羽毛。②白くて非常に軽いもののたとえ。雪など。

霽月 ①雨上がりに出る月。また、晴れ渡った空の月。②なんの曇り（心のわだかまり）もない、心境のたとえ。「光風―」

柞蚕 ヤママユガ科のガ。褐色で大形。繭から絹糸をとる目的で飼育される。

轎夫 かごを担ぐ人。かごかき。こしかき。類輿丁ヨテイ

杪春 春の末。暮れの春。陰暦三月ころ。

嚶鳴 ①鳥が互いに鳴き交わすこと。②仲間を求め合うこと。

撩乱 入り乱れるさま。花などが咲き乱れているさま。「百花―」表記「繚乱」とも書く。

驚愕 予期しなかった事柄に非常に驚くこと。また、驚きおそれること。「突然の訃報フホウに接して―する」類驚駭キョウガイ･喫驚キッキョウ

忖度 他人の心をおしはかること。「友の心情を―する」

瑶台 ①たまで飾られたりっぱで美しい高殿たかどの。②月の異称。

罹患 病気にかかること。「結核の―率が再び増えている」

饑饉 天候異変などによって作物が実らないために、食糧不足になること。

眷顧 ①振り返って見ること。②目をかけること。引き立てること。ひいきにすること。類愛顧

瘋癲 ①定職をもたず、ぶらぶらしている人。②言行錯乱や感情激発など精神状態に異常が見られること。また、そういう症状の人。

銓衡 人物や才能などを調べ、適当な担当者を選ぶこと。「書類―」

麈尾 獣毛などを束ねて柄をつけた仏具。払子ホッス。

雕琢 ①宝石などを刻んで磨きあげること。②詩文を推敲スイコウし、練り上げること。

誡告 ①教えいさめること。②行政上の義務を果たすよう要求する通知。類催告 ③公務員などに対する懲戒処分の一つ。職務違反のとき、本人に直接言い渡しをすること。類譴責ケンセキ

糧秣 軍隊で、兵士の食糧と軍馬のまぐさ。

排泄 生物が、老廃物や栄養を取った残りかすなどの、不用または有害な物質を体外に出すこと。「―物」

褶曲 平らな地層が、地殻変動による横からの圧力で波状に曲がる現象。山や谷ができる。「―山脈」

嗽咳 せき。しわぶき。

緇衣 ①黒色の衣服。②墨染めの僧衣。また、僧侶ソウリョ。

遐壌 遠くへだたった土地。遠い国。

浚渫 水底の泥をさらって深くすること。「―船が川砂利を運ぶ」

嫖客 芸者買いをする男。うかれお。類遊客

炯眼 ①きらきら光る目。鋭い目つき。②物事をはっきりと見抜く鋭い眼力。「首領の―に感服した」

捍格 互いに相手をこばみ、受け入れないこと。表記「扞格」とも書く。

垣籬 竹や柴しばなどで目をあらく編んで作った垣。まがき。

笙歌 笙にあわせて歌うこと。また、その歌。笙は管楽器の一種。

牛蒡 キク科の二年草。ヨーロッパ･シベリア原産。葉はハート形で大きい。根は地中に垂直に長く伸びて、食用。由来「牛蒡」は漢名より。根がウシの尾に似ることから。

泛称 同じ種類のいくつかのものを、一つにまとめていう名称。表記「汎称」とも書く。

毫釐 ほんの少しであること。きわめて微量であること。わずか。参考「釐」は、きわめてわずかな数量の意。

娥眉 ①形の美しいまゆ。②女性の顔立ちの美しいさま。美人。

籒書 漢字の書体の一つ。大篆ダイテン。由来中国、周の宣王のとき、史籒シチュウがつくったとされることから。

馘首 雇い主が雇っている人をやめさせること。首切り。解雇。免職。

塋域 はかば。一般の土地と区別されている墓地。

聳峙 山などが高くそびえ立つこと。類聳立ショウリツ･屹立キツリツ

蝴蝶 チョウの別称。

汪溢 満ちあふれること。「元気が―する」

磊塊 ①積み重なった多くの石のかたまり。②積み重なった不平や不満。③心中が穏やかでないさま。

焼燬 焼きつくすこと。

丱女 髪をあげまきに結った少女。また、幼女。

奠都 みやこをある地に定めること。みやこを建設すること。

匏土 匏と土。それぞれ中国古代の楽器。金･石･糸･竹･匏･土･革･木の八種類の楽器をいう八音のうちの二つ。「匏」は瓜うりをくりぬいて作った楽器で笙ショウの類。「土」はつちを焼いて作った楽器。

冉冉 ①だんだん行き進んでうつりかわるようす。徐々にひたしていくさま。②しなやかでやわらかなようす。

枷鎖 罪人につける刑具で、くびかせとくさり。

孩提 乳児。また、二、三歳の幼児。

豌豆 マメ科の二年草。葉は羽状複葉で、先端は巻きひげとなる。若いさやと種子は食用。エンドウマメ。

疝気 漢方で、下腹部や腰の筋肉が引きつり痛む病気の総称。「他人の―を頭痛に病む」 「―筋すじ」

悸悸 おそれ驚き、胸騒ぎがするさま。「胸中―として暗闇くらやみの中を進んだ」

斧鑿 ①おのと、のみ。また、それで細工をすること。②詩文や書画などに技巧をこらすこと。「―の痕」

砒素 灰白色で金属のような光沢がある、もろい固体。非金属元素の一つで、化合物は猛毒。農薬･医薬の原料。

困窘 困りきって行き詰まること。

輪奐 宮殿などの建物が、壮大で美しいさま。

縷述 こまごまと述べること。詳しく述べること。

先蹤 先人の行った事業の跡。

発矇 ①道理に暗い人を導いて、物事が分かるようにすること。「蒙･矇」は暗い･愚かの意。②覆っているものを取り除くこと。きわめてたやすいことのたとえ。

殄滅 滅ぼす。絶やす。残らず滅びる。死に絶える。

璞玉 鉱山から掘りだしたままで、みがいていない玉。あらたま。

稠密 一か所に多く集まること。びっしりとこみ合っていること。「人口の―な地域である」

胚胎 ①身ごもること。②物事の起こる原因が生じること。きざし。

槐棘 ①エンジュといばら。②「槐門棘路(政界の最高幹部のこと)」の略。

悃誠 真心がこもっていること。

貽謀 子孫のためによい計画を残すこと。また、その計画。

猖獗 ①悪いものが激しい勢いではびこるさま。猛威をふるうこと。「黒死病が―をきわめた」②激しくくつがえること。荒れて失敗すること。

蠹害 ①虫が本や衣服などを食って害をなすこと。また、その害。②物事をむしばみそこなうこと。

炊爨 飯をたくこと。また、食事の仕度をすること。「飯盒ハンゴウ―」

贖罪 ①金品を出して罪を免れること。②罪ほろぼしをすること。③キリスト教の教義の一つ。キリストが十字架にかかり、人々の罪をあがなったこと。

裹頭 僧の頭を袈裟ケサなどで包み、目だけを出した装い。かしらづつみ。

拮据 手や口を動かして、忙しく働くこと。

嶷然 ひときわ高くそびえているさま。ひときわすぐれているさま。

淙淙 水がよどみなくさらさらと流れるさま。また、その音。「渓谷の水は―と流れる」

味醂 焼酎ショウチュウに蒸したもちごめやこうじなどを混ぜて醸造し、かすを絞りとった酒。甘味があり、おもに調味料に用いる。

石磴 石の階段。石段。また、石敷きや石段の続く坂道。

鋩子 刀剣のきっさきの焼き刃。つくられた時代や刀工の流派の特徴を示す。

好逑 よい配偶者。よきつれあい。参考「逑」はつれあいの意。

箏曲 ことを演奏する楽曲。ことで伴奏する声楽曲と、ことと他の楽器とを合わせた器楽曲がある。

湮滅 あとかたもなく消えること。あとが残らないように、消すこと。「証拠を―する」

蜂蠆 ハチとサソリ。小さくても恐ろしいもののたとえ。

希覯 めったに見ることができないこと。「―本」表記「稀覯」とも書く。

轅門 ①軍門。②役所の外門。

静謐 静かで落ち着いていること。世の中が平和に治まっていること。「世は―を取り戻した」

生薑 漢方で、ショウガの根茎を乾かした薬。鎮咳剤チンガイザイや健胃剤などとする。

黎首 人民。庶民。万民。「黎民」に同じ。

明晰 筋道がとおっていて、はっきりしているさま。「頭脳―」

齲歯 口内の細菌が作り出した乳酸によって歯の組織が侵食される病気。また、その歯。「齲むしば」に同じ。

双眸 両方のひとみ。両眼。「鋭い光を放つ―」

枯槁 ①草木の水気がなくなり干からびること。②やせおとろえること。また、おちぶれること。

怙恃 ①たのみとすること。②父母。子がたのみとする者。

恫愒 おどして、怖がらせること。おどかし。「弱みにつけこんで―する」

鯤鵬 果てしなく大きいもののたとえ。参考「鯤」は伝説上の大魚、「鵬」は伝説上の大鳥の意。

慳吝 欲が深く、物惜しみをすること。けちんぼ。しみったれ。

海嘯 ①海鳴り。②満潮時に海水が河川をさかのぼる際、押し寄せてできる高い波。高潮。③地震で起きる津波の旧称。

輒然 ①直立して身動きしないさま。②にわかなさま。突然。

跛行 ①片足が不自由で、引きずるように歩くこと。②物事がつりあいのとれない状態で進むこと。「―景気」

狒狒 ①オナガザル科の大形のサルの総称。アフリカにすむ。鼻口部が突出し、顔が赤く、性質は荒い。マントヒヒなど。②好色な、中年以上の男性のたとえ。「―おやじ」

奢侈 身分不相応なぜいたく。度を超えて金をつかうこと。「―な生活」 「―に流れる」

餬口 生計を立てること。口すぎ。「ついに―の道も閉ざされた」

緊褌 褌ふんどしをきつく、しっかりとしめ直すこと。

縉紳 官位･身分の高い人。転じて、紳士。参考礼装で笏しゃくを大帯にさしはさむ人の意。

秉彝 人が、天から与えられた正しい道を守ること。

魚翅 フカのひれ。中国料理の材料。ユイチー。

嚠喨 楽器の音などがさえわたるさま。「―たる笛の音」

冕旒 冕冠ベンカンの上の冕板に垂らす、珠玉を通した糸縄シジョウ。

肚裡 腹のうち。転じて、心のなか。

螟蛉 ①青虫あおむし。②養子。

霎時 ほんの少しの間。しばし。「―ののち両軍相あい見まみえることとなる」

呻吟 苦しんでうめくこと。なやみ苦しむこと。「病床で―する」 「思うように描けず―する」

瀟洒 すっきりとして洗練されているようす。「洋風の―な家に住んでいる」

畸人 変わり者。風変わりな人。

躁急 いらだって急ぐこと。せっかち。「―に事を決するな」

羈縻 ①つなぎとめること。つなぎとめるもの。②中国が歴代、異民族を統治するのに用いた政策。相手の有力者をうまく手なずけて自治を許し、武力によることなく間接的に治めること。「―政策」

石鏃 石の矢じり。石で作った矢の根。石器時代、木や竹などの柄につけて狩りの道具や武器として用いた。

掣肘 そばから干渉して自由な活動を妨げること。「掣」は引き止めて自由を妨げること。「肘」は、ひじ。

尸諫 しかばねとなって（一命を捨てて）、主君をいさめること。

恪循 つつしんでしたがい行うこと。

鍾馗 中国で、魔を除くという神。日本ではその像を端午の節句に飾る。

棹歌 船頭が舟をこぐときにうたう歌。ふなうた。

真鍮 銅と亜鉛の合金。「―の盥たらい」

咬傷 かまれてできた傷。「犬による―でしばらく病院に通った」

佩帯 刀剣などを身におびること。腰におびること。

千鈞 非常に重いこと。「―の重みをもつ言葉」

穀菽 穀物と豆類。

涕泗 流れるなみだと、はなみず。

阡陌 ①道路。特に、あぜ道。②二本の道路が交差した場所。

結紮 血管をしばって血液の流れを止めること。

妖孼 あやしいわざわい。また、わざわいをもたらす不気味な前兆。

陥穽 ①落とし穴。わな。②人を陥れる計略。「詐欺師の仕掛けた―にはまる」

嘖嘖 人々が口々に言いはやすさま。しきりに言うさま。「好評―」

鬚髥 あごひげと、ほおひげ。「―麗うるわしい好好爺コウコウヤ」

仄聞 風のたよりに聞くこと。ほのかに聞くこと。「―によると彼女は中国にいるらしい」

怱劇 非常にいそがしいこと。気ぜわしく、あわただしいこと。

瓊筵 玉のように美しい敷物。転じて、美しく華やかな宴席。

腥風 なまぐさい風。血なまぐさいにおい。殺伐とした気配。

剽窃 他人の詩歌や文章などをぬすんで、自分のものとして発表すること。「―が判明して入選を取り消された」

焜炉 ①持ち運び可能な土や金属製の炊事用加熱器具。「ガス―」②七輪。

危檣 高い帆柱。マスト。

吶喊 ①大勢が大声で叫ぶこと。鬨ときの声をあげること。②大声を発しながら、敵陣に突撃すること。

怯懦 「怯弱」に同じ。

商估 商人の総称。あきんど。

懊悩 心の奥で、悩みもだえること。「―を訴える」

余喘 今にも絶えそうなかすかな息。虫の息。「―を保つ（絶えそうな命をかろうじて長らえる）」

滲漏 ①しみもれること。にじみ出すこと。②仏ある程度の悟りを得た人に残っている、煩悩の余り。多く、禅宗で用いる。

易簀 賢者が死ぬこと。「易」は替える、「簀」は寝床の下に敷く竹のすのこの意。

不逞 勝手きままにずうずうしく行動すること。「―の輩やからは許さない」

宏謨 遠大なはかりごと。規模の大きな計画。「宏図」に同じ。

蝌蚪 ①「おたまじゃくし」に同じ。②「-文字カトモジ」の略。中国の古代文字の一種。書体がおたまじゃくしに似ている。

癇癪 感情をおさえきれず、怒りやすい性質。また、その発作。癇癪玉。「―を起こす」類癇癖カンペキ

岑岑 ひどく痛むさま。ずきずきと痛むさま。「頭が―と痛む」

眩暈 「読者を―の彼方かなたへ誘いこむ」「めまい」に同じ。

豈弟 楽しみやわらぐこと。

懿徳 非常にすぐれた徳。特に、女性のすぐれた品性･人格。

魏魏 山や岩が高く大きいさま。表記「巍巍」とも書く。

猜忍 非常にねたみ深く、無慈悲なこと。うたがい深く、不人情なこと。

蟷螂 カマキリの漢名。

幽邃 景色などが奥深くて人けがなく静かなさま。「―なる山間に居を構えた」

瞞着 あざむくこと。だますこと。ごまかすこと。「世人を―する」

隕石 流星が大気中で燃え切らず、地球上に落ちてきたもの。

芳芬 ①花の香気。かんばしい香り。②ほまれの高いこと。名声。

浹洽 ①すみずみまで、広くゆきわたること。②互いにうちとけること。やわらいでむつまじい状態になること。

内訌 内部でもめること。うちわもめ。

滔天 水が、天に届くほど満ちあふれること。また、勢力の盛んなたとえ。「―の勢い」

沐雨 雨で髪をあらうこと。雨に身をさらすこと。「櫛風シップウ―（外を走り回り、雨風にさらされて苦労すること）」

宿酲 酒を多量に飲んだことにより翌日に残る頭痛などの症状。ふつかよい。

柳絮 ①ヤナギの種子が、わたのように飛び散ること。また、その種子。ヤナギのわた。②降る雪のたとえ。

畢竟 つまるところ。要するに。結局のところ。参考「」 「」ともにおわる意。

羲和 ①中国の古代伝説上の人物で、羲氏と和氏。暦法を定めたといわれる。②太陽を運行させる御者ギョシャ。転じて、太陽。日月。

椰子 ヤシ科の植物の総称。熱帯地方に多く自生。果実は食用。また、せっけん･ろうそくなどを作るやし油の原料。ふつうココヤシを指す。「―の実」

姸麗 あでやかでうつくしいこと。うつくしくてつややかなこと。

痃癖 首から肩にかけての筋が引きつること。肩凝り。「―で腕が上がらない」

怏怏 心に不平や不満があって、元気のないさま。「―として楽しまず」

瓔珞 宝石を連ねて仏像の頭･首･胸などを飾るもの。寺院内の天蓋テンガイの装飾にも用いる。

抽籤 くじをひくこと。くじびき。「プレゼントが―で当たる」

挌殺 手でうち殺すこと。なぐり殺すこと。

俾倪 ①横目でにらむこと。尻目しりめに見ること。②あたりをにらみつけて勢いを示すこと。「天下を―する」表記「睥睨」とも書く。

舟楫 ①舟とかじ。転じて舟。②舟で荷物を運搬すること。

幽篁 奥深い静かな竹やぶ。

坏土 陶磁器を作る素地きじの土。

靦然 あつかましいさま。恥じる表情のないさま。類恬然テンゼン

誄詞 死者を弔い哀悼の意を表すために、故人の生前の功業を数え上げて述べた歌や言葉。しのびうた。

僻陬 「僻地」に同じ。

儀仗 儀式に用いる形式的･装飾的な武器。

鐫録 心に深く刻んで記憶すること。

創痍 ①刀で受けたきず。切りきず。「満身―」②手ひどく受けた痛手。こうむった損害。類創傷

擡頭 ①頭をもち上げること。②勢力を得てくること。「新人の―」③文章を書くとき、貴人の姓名などを文中で改行し、一字または二字分ほかの行よりも上に出して敬意を表す書式。一字上がるのが一字擡頭、二字上がるのが二字擡頭。

偃蹇 ①高くそびえるさま。②おごりたかぶるさま。③世俗を超越していること。

戒飭 注意を与えて行いをつつしませること。また、自らをいましめつつしむこと。

伉儷 夫婦。伴侶ハンリョ。つれあい。配偶者。「―の約を結ぶ」

彷徨 あてもなくさまよい歩くこと。「夜の盛り場を―する」

朞年 満一か年。一周年。

揺籃 ①「揺籠ゆりかご」に同じ。②物事が発展する最初の時期や場所。「文明の―期」

臥牀 ①ねどこ。②床に入って寝ること。特に、病気で寝込むこと。

慓悍 動作がすばやく、気性がきつくて強いこと。「―な騎馬部隊」

夕暉 夕日。夕日の光。いりひ。

浮萍 ①ウキクサ科の多年草。池沼などの水面に浮かぶ。三個の平らな葉状体の中央から数本のひげ根を出す。②水面に浮かんで生える草の総称。③不安定で落ち着かない生活のたとえ。「―稼業」

颯爽 人の態度や動作などがきびきびして、さわやかに感じられるさま。「名探偵が―と登場する」

書篋 本を入れる箱。

暮靄 夕暮れのもや。夕方に立つもや。

狎昵 なれなれしくすること。なれ親しみ、遠慮がなくなること。

肯綮 物事の急所。重要な点。

明媚 自然の風景が清らかで美しいこと。「風光―」

遽然 急に。にわかに。「―として足音が響く」

冤枉 無実の罪。ぬれぎぬ。「全くの―だ」 「―を晴らす」「冤罪」に同じ。

昴宿 牡牛おうし座にあるプレアデス星団の和名。肉眼では六つの星が確認できる。二十八宿の一つ。六連星むつらぼし。

解纜 纜ともづなを解いて船が港を出ること。ふなで。「纜」は船尾にあって船をつなぎとめる綱。

扣除 金額などを除くこと。特に、収入のうち課税対象額から除外すること。「税金の扶養―」

殲滅 残らずほろぼすこと。ほろぼしつくすこと。みな殺し。

脾臓 胃の左後ろにある楕円ダエン形の臓器。白血球をつくり、古くなった赤血球を破壊し、また血液をたくわえる器官。

鹵莽 ①塩分を多く含んだ土地と草の茂った野原。転じて、土地が荒れ果てていること。②軽率で粗略なこと。

芥蔕 ①とてもわずかなこと。②ほんのすこしのわだかまり。

厖然 むくむくと盛り上がるように大きなさま。表記「厖然」とも書く。

狷介 かたくなに自分の考えを守り、人と妥協ダキョウしないさま。

曩祖 先祖。祖先。

膺懲 外敵を征伐すること。討ちこらしめること。「敵を―する」

面晤 面会すること。また、面会して話すこと。

轆轤 ①「轆轤台」の略。木製の回転する台で、陶器を作るのに用いる。②物を引き寄せたり、つるし上げたりするのに使う滑車。井戸水のくみ上げなどに用いる。③傘の柄の上部にある、骨の集まった開閉の装置。

楮鈔 紙幣。おさつ。

冪冪 霧や雲などがたれこめ、一面をおおうさま。

韜晦 才能･地位･形跡などをつつみ隠すこと。他人の目をくらまし、わからないようにすること。

瞑目 ①目をつむること。「―して思いめぐらす」②安らかに死ぬこと。

襯衫 下着。肌着。「衫」も下着の意。

涸渇 ①水が干上がること。「貯水池が―する」②物がつきて、なくなること。「食料が―する」 「地下資源が―する」書きかえ「涸渇」の書きかえ字。

臀部 体のしりの部分。

馭者 馬車でウマを操り、走らせる者。(御者)

痲痹 ①神経や筋肉の機能が停止したり低下したりすること。「心臓―」②本来のはたらきができなくなること。「良心が―する」

啓迪 教え導くこと。啓発すること。参考「啓」も「迪」も教え導く意。

鍼灸 はりと灸キュウを使って行う治療法。「―師の資格をとる」

醵金 なんらかの目的で必要な金銭を出し合うこと。また、その金銭。

頽唐 ①くずれ落ちること。

瞻望 はるかに仰ぎ見ること。遠く見渡すこと。「山の彼方かなたを―する」

矜恤 あわれんで恵むこと。

阿吽 ①梵語ボンゴの最初の開口音と最後の閉口音。すべての物事の始まりと終わりを指す。②吐く息と吸う息。「―の呼吸」③寺社の山門に置かれている一対の仁王像や狛犬こまいぬの顔つき。一方は口を開き、他方は閉じている。

尽瘁 全力をつくして労苦すること。ほねおり。「社会事業に―する」参考「瘁」は衰えてやせる意。

囈語 ①熱にうなされるなどして無意識に発する言葉。②筋道の立たないとりとめのない言葉。たわごと。

挿秧 イネの苗を植えつけること。また、その苗。田植え。

潑溂 生き生きとして、元気のよいさま。「生気―」

贅肬 ①こぶと、いぼ。無用な肉。贅肉。②余分なもの。無駄なもの。

忻然 よろこんでするさま。よろこぶようす。「―として出発する」

題簽 和漢書などで、題名を書いて表紙にはる細長い紙や布。また、その題字や題名。

狡獪 ずるがしこくて悪知恵がはたらくさま。「―な手段」

噎鬱 気がふさいで晴れないさま。

痔瘻 痔疾の一種。肛門コウモンの辺りに穴があいて膿うみが出る病気。あなじ。

擱筆 筆をおく。特に、文章を書き終えて筆を下におく。「これにて―致します」

追儺 昔、宮中で大みそかの夜、疫病の悪鬼を追い払った儀式。節分の豆まきは、このなごり。

祗候 ①つつしんで貴人のそば近く仕えること。また、その人。②つつしんでご機嫌うかがいに上がること。

坎軻 ①車がつかえて、行き悩むさま。②志を得ないで、不遇であるさま。世に認められず、思うようにならないさま。

孀婦 夫と死別した妻。未亡人。また、ひとりで暮らす女性。「孀やもめ」に同じ。

瀰漫 風潮などが広がりはびこること。「退廃的気分が―する」

贔屭 気に入ったものに特別に目をかけて、力添えをすること。好意を寄せて、後援すること。また、その後援者。「知人の店を―にする」

孵化 卵がかえること。また、卵をかえすこと。「人工―」

均霑 利益や恩恵をみんながひとしく受けること。恩恵が均等にいきわたること。

涕洟 流れるなみだと、はなみず。

大賈 財産の多い商人。大商人。豪商。

奔湍 勢いの激しい流れ。また、流れのはやい川。早瀬。急流。

嵌入 はまり込むこと。また、はめ込むこと。

秕糠 ①しいなと、ぬか。②役に立たないつまらないもの。かす。

噬臍 あとで後悔すること。臍ほぞをかむこと。

胸膈 ①胸と腹との間。また、胸部。②転じて、胸中。気持ち。

偸安 将来のことを考えず目前の安楽をむさぼること。一時逃れ。「―の夢」

籌筴 はかりごと。また、はかりごとをめぐらすこと。類籌画･籌略

胡籙 矢を入れて携行する道具。

吝嗇 必要以上にものおしみすること。けち。「彼はひどい―家だ」

糜爛 ①ただれ崩れること。②世の中の乱れ、人民の疲弊のはなはだしいたとえ。

寒暄 さむさとあたたかさ。「―を叙す（時候のあいさつをする）」

月鼈 二つのものの優劣や高低の差がはなはだしいこと。月とスッポン。

絡繹 人や車馬の往来が絶え間なく続くさま。

目睫 目とまつげ。転じて、きわめて接近した状態。間近まぢか。「大学入試が―の間カンに迫る」

埃氛 ほこりっぽい空気。また、俗世間のよごれた空気。「氛」は気・空気の意。

黔首 中国、秦シンの時代の人民。

荵冬 スイカズラ科のつる性常緑低木。山野に自生。初夏、甘い香りの白い筒形の花をつける。葉は利尿や解熱剤に用いる。

斫断 たちきること。「人世の繫縛ケイバクを―する」

和煦 春の日の、のどかで暖かなこと。

噯気 胃にたまったガスが口から出たもの。げっぷ。

糶売 せり売りの市。売り主が複数の買い手に価格のせり合いをさせる市。表記「競り市」とも書く。

入鋏 乗車券や入場券などに、係員が特別のはさみを入れること。

黯然 ①悲しみでくらく沈んでいるさま。②くらいさま。

脳漿 ①脳の外側や脳室内にある液。髄液。②知恵や頭脳。「―を絞る（もっている知恵を出し尽くす）」

螽斯 ①イナゴまたはキリギリスの漢名。②子孫が繁栄すること。由来②イナゴが子をたくさん生むことから。

轗軻 ①道が平坦でないさま。②志を得られないこと。世に入れられず不遇なこと。「―数奇」

旻天 ①空。天空。②秋の空。秋の天。

薫蕕 ①香気のある草と、悪臭のする草。②善人と悪人。君子と小人。また、善悪のたとえ。

呱呱 乳飲み子の泣く声。「北国の片田舎で―の声をあげた」

縟礼 こまごまとわずらわしい礼儀作法。「繁文ハンブン―」

隘路 ①せまくて通行が困難な道。②物事を実行する上での妨げ。支障。さしさわり。「この制度が業界発展の―となった」

上膊 腕のひじから肩までの間。二の腕。

壙穴 死体を埋めるあな。塚あな。墓あな。

鷸蚌 シギとハマグリ。または、シギとドブガイ。

穹窿 ①大空。天空。②弓形または半球状のもの。アーチ形。円天井･ドームなどおもに建造物についていう。

拇印 親指の先に朱肉または墨をつけて指紋を押し、印鑑の代わりとするもの。爪印つめイン。「―を押す」

頷聯 漢詩で、律詩の第三句･第四句。対句をなす。前聯。

衾褥 ふすまと、しとね。掛けぶとんと敷きぶとん。夜具。

炳乎 光り輝くさま。また、あきらかなさま。類炳然ヘイゼン

橙皮 ダイダイの皮を乾燥させたもの。芳香・苦味があり、健胃剤･防臭剤として用いる。

薬莢 真鍮シンチュウ製の筒に火薬を入れたもの。銃砲に取り付けて弾丸の発射に用いる。

溘焉 思いがけず急に起こること。突然のこと。「―として逝く」

睥睨 ①横目でにらむこと。流し目で見ること。②城壁のくぼみから敵情をのぞき見ること。転じて、周囲をにらみつけて勢いを示すこと。「天下を―する大名」

瘠地 地味がやせていて、作物がよくできない土地。やせ地。

騏驎 ①太平の世に現れるという中国の想像上の動物。②すぐれたウマ。

佶屈 ①物や体の一部が折れ曲がって伸びないこと。②文字や文章が、堅苦しくてわかりにくいこと。

一粲 白い歯を見せてひと笑いすること。「―を博す（自作の詩文などを贈るときのへりくだった言い方。どうぞお笑いくださいの意）」

混淆 異質のものが入り混じること。「玉石―」

保姆 養護施設や保育所などの児童福祉施設で、幼児や児童の保育にあたる女性職員の通称。

憮然 失望や不満でむなしい気持ちになるさま。がっかりしてぼんやりするさま。「―として立ちつくす」

皺襞 しわと、ひだ。衣服のしわ、山肌に刻まれたひだなど。

迂叟 わたくし。

臘日 一年の最後の日。おおみそか。

篆刻 石や木、金属に文字を刻むこと。

筐筥 竹で編んだ四角いかごと丸いかご。

天譴 天のとがめ。神のおしかり。天から下される罰。

奇譚 めずらしい不思議な話。おもしろい言い伝えや物語。「譚」は話・物語の意。「異聞―を収集する」

慊焉 ①あきたりなく思うさま。②満足するさま。

諢名 あだな。ニックネーム。

神籟 神の声。

上﨟 ①仏年功を積んだ高位の僧。②身分の高い者。③「上﨟女房」の略。宮中に仕えた高位の女官。④身分の高い女性。

熙熙 なごやかに楽しみ合うさま。ゆったりと楽しげなさま。「衆人―として楽しむ」

愧赧 深くはじて赤面すること。「―の念を抱く」

塹壕 ①城の周囲のほり。②敵の攻撃を防ぐために、地面を掘りさげて一段と低くしたからぼり。

諱忌 いみきらうこと。おそれ避けること。また、その事柄。

篳篥 奈良時代に中国より伝来した、雅楽用の管楽器。竹製のたて笛で、表に七つ、裏に二つの指穴があり、縦に構えて吹く。音色は哀調を帯びて高い。

紆曲 ①うねうねと曲がりくねるさま。②遠回しなこと。「―の弁解」

脛骨 膝ひざと足首との間の二本の骨のうち、内側の太い骨。

韋編 書物。書籍。

贅疣 ①こぶと、いぼ。無用な肉。贅肉。②余分なもの。無駄なもの。

専擅 上の命令などを聞かず、自分の思うとおりに行うこと。

慠慢 いばって人を見下すさま。

闡明 はっきりしない道理などを明らかにすること。「本義を―にする」

彷彿 ①よく似ているさま。はっきりと思い浮かぶさま。「亡父の面影が―とする」②姿や形などが、ぼんやりと見えるさま。

樽俎 ①酒樽さかだると料理をのせる台。②宴会の席。

烏滸 愚かなこと。ばかげたさま。「―な話」

猊下 仏①高僧の敬称。また、各宗派の管長の敬称。②僧への書状の脇付わきづけに用いる語。③高僧のそば。

恬澹 あっさりとしていて執着しないさま。無欲でとらわれないさま。「金銭に―としている」

綜絖 織機の部品。縦糸を上下させて横糸の杼ひを通すための器具。あぜ。

熄滅 ①消えてなくなること。②物事がやむこと。また、やめること。

溽暑 ①むし暑いこと。②陰暦六月の異名。

諷詠 詩歌をよんだり、吟じたりすること。「花鳥―」

狂瀾 ①荒れ狂う大波。②ひどく乱れて手のほどこしようもない情勢。〖---を既倒に廻めぐらす〗どうしようもなく衰えた形勢を挽回バンカイすること。荒れ狂う大波が倒れ伏したのをもとに押し返す意。「既倒」はすでに倒れたこと。〈韓愈カンユの文〉

繧繝 同系統の色を濃いものからしだいに淡いものへ並べていく彩色法。また、そのような紋様の織物。

棺椁 内と外と二重になったひつぎ。

足趾 あし。また、あしあと。

輓近 ①近ごろ。近年。②古代に対して、最近の世。

盍簪 友人どうしが速く寄り集まること。転じて、友人の集まり。

弩弓 古代中国の武器で、ばね仕掛けで大矢や石を発射する強い弓。「弩いしゆみ・おおゆみ」に同じ。

饅頭 小麦粉などをこねて作った皮の中に、あんや肉などを入れて蒸した食べ物。

躋攀 よじのぼること。「攀」はよじのぼる意。

桎梏 ①足かせと手かせ。②自由をさまたげるもの。「家庭が―となることもある」

朦朧 ①ぼんやりかすんで見えるさま。朧気おぼろゲに見えるさま。②確かでないさま。「意識が―とする」

伎倆 物事を行う手なみ。腕前。技量

琥珀 ①地質時代の樹脂が地中で化石になったもの。ふつうは黄褐色で透明。装飾品に用いる。「きれいな―色の酒を飲む」②「琥珀織」の略。平織で横にうねを表した絹織物。着物の帯などに用いる。

瑕疵 ①きず。欠点。「―のある商品だ」②法的に欠陥や欠点があり、完全な条件を備えていない状態。

偕老 ともに老いること。夫婦が仲良く老年まで連れ添うこと。「―同穴」

新禧 新年の喜び。

旱魃 長い期間雨が降らず、水がかれてしまうこと。ひでり。

刪潤 詩文の悪い部分や不要な部分をけずり、足りないところを補うこと。「潤」はかざる、つやを出す意。「詩稿を―する」

躑躅 ①足踏みすること。ためらうこと。②ツツジの漢名。

拿捕 とらえること。特に、軍艦などが領海を侵犯した外国の船舶をとらえること。「密航中の貨物船を―する」

相剋 ①対立･矛盾するものが互いに争うこと。「理性と感情とが―している」②五行説で、木は土に、土は水に、水は火に、火は金に、金は木に勝つこと。対相生ソウショウ

慴伏 おそれしたがうこと。おそれひれ伏すこと。

闃寂 ひっそりと静かでさびしいさま。

揩鼓 昔、雅楽に用いられた打楽器の一種。胴の両側に革をはり、ひもで締めたもの。こすったりはじいたりして音を出す。

婬奔 性に関してだらしのないさま。色ごのみ。

噫気 胃にたまったガスが口から出たもの。げっぷ。

軽佻 軽はずみなさま。考えが浅くうわついていること。

敝履 やぶれたはきもの。転じて、惜しげもなく捨てられるもの。「―のごとく捨てる」

曚昧 ①光がおおわれてうす暗い。うす暗くて見えない。②無知であること。道理に暗いこと。

塵寰 俗世間。

駱駝 ①ラクダ科の哺乳ホニュウ動物。野生のものはほとんどなく、家畜として飼育。背中のこぶに脂肪を蓄え、それを分解して水にすることができるので、砂漠の生活に適している。乗用や運搬用。乳や肉は食用。毛は織物用。ダバ。②ラクダの毛で作った繊維。また、その織物。

糺弾 罪悪･失敗などを問いただして責めたてること。「今更失敗を―しても仕方ない」

翔集 ①鳥などが、樹上などにとび集まること。また、群れをなしてとぶこと。②かけ回って集めること。広く集めること。

虧盈 欠けることと満ちること。満ち欠け。「潮は月の―にしたがう」

樊籠 ①鳥獣を入れるおりやかご。②自由を束縛された境遇のたとえ。「―の身を嘆く」③仏煩悩ボンノウに縛られるたとえ。

絛虫 扁形ヘンケイ動物で、脊椎セキツイ動物の腸内に寄生する虫。体は平たく、多くの節があり、真田紐さなだひもに似ている。

槎牙 木や石が角ばって、突き出たりからんだりしているさま。

荼毘 仏火葬にすること。「亡骸なきがらを―に付す」

硅素 非金属元素の一つ。化合物として地殻中に大量に存在する。半導体に用いる。シリコン。

踰越 ①のりこえること。②身分に過ぎたことをすること。また、本分をこえること。

僮僕 召使いの少年。しもべ。

惨憺 ①あれこれと心を悩ますさま。「苦心―してようやく入手した」②いたましく悲しいさま。「―たる結果に終わる」

自剄 自分で自分の首を切って死ぬこと。

渙発 詔勅ショウチョクを、天下に広く告げ知らせること。「大詔―」

胯下 またの下。

酩酊 酒を飲んでひどく酔うこと。「すっかり―する」 「―者を保護する」

濫觴 物事の最初。起こり。起源。

蓁蓁 草木の葉が盛んに生い茂るさま。「―と生い茂った杉木立」

婀娜 美しくしとやかなさま。また、女性の粋いきで色っぽいさま。「―っぽい女」 「―めいた身のこなし」

砂嘴 潮流･風などの作用で、砂地が湾の一方の端から海中に細長く堆積タイセキして堤状になったもの。駿河するが湾の三保の松原が有名。

誅戮 罪を犯した者をころすこと。罪をただしてころすこと。

考覈 物事をしらべ考えて、明らかにすること。

破摧 破れくだけること。くだくこと。こなごなにすること。「鉱石を―する」

渣滓 液体の底に沈んでいるかす。沈殿物。おり。

料峭 風が肌寒く感じられること。「春寒―」

蘆筍 アシの若芽。

秋霖 秋の長雨。停滞前線の影響で降る梅雨に似た雨。秋雨あきさめ。

赭顔 あからがお。日焼け、酒焼けなどで赤みをおびた顔。

蹈襲 それまでのやり方を受け継ぐこと。「古いしきたりは一切―しない」

徘徊 あてもなく歩き回ること。ぶらつくこと。「夜の街を―する」

竭尽 使いつくすこと。つきてなくなること。

馳騁 ①ウマを速く走らせること。ウマでかけ回ること。また、狩猟をすること。②あるものを支配すること。

恂恂 ①まことあるさま。まじめなさま。②おそれつつしむさま。

髑髏 風雨にさらされて白骨だけになった頭蓋骨ズガイコツ。

攫取 つかみとること。手に入れること。

逍遥 気ままに歩くこと。そぞろ歩き。「川べりを―する」

戍卒 国境を警固する兵士。城砦ジョウサイを守備する兵卒。類戍兵

涓滴 しずく。水のしたたり。転じて、小さなもの。わずかなもの。「重露―と成る」 「―岩を穿うがつ（小さなことでも続ければ大事を成すたとえ）」

刮目 目をこすってよく見ること。注意してよく見ること。注目すること。「―に値あたいする仕事」

怫然 むっとして怒りを表すさま。むっとして顔色を変えるさま。「―として席を蹴ける」

炬燵 暖房器具の一つ。炭火などの熱源の上にやぐらをかぶせ、上を布団でおおったもの。「―で猫が丸くなっている」

隴畝 ①はたけ。②いなか。③民間。

甲冑 よろいとかぶと。武具で、武士が戦いのとき体につけるかたい防具。

閭巷 ①村里。いなか。②ちまた。また、民間。

枳棘 ①とげのあるカラタチといばら。②悪者･じゃまもののたとえ。

画舫 絵をかいたり色を塗ったりして、美しく飾った遊覧船。

邂逅 思いがけず出あうこと。運命的な出あい。めぐりあい。「親子は二十年ぶりに―した」

干戈 ①たてとほこ。また、武器。②戦争。「―を交える（戦争をする）」

蹲踞 ①相撲や剣道で、相対して礼をするときの姿勢。つま先立ちのまま腰をおろし、ひざを開いて姿勢を正した形。「―して仕切りに入る」②うずくまること。しゃがむこと。参考「蹲踞」は「つくばい」と読めば別の意になる。

飆風 つむじ風。はやて。また、暴風。

蝸廬 「蝸牛廬カギュウロ」の略。カタツムリの殻のように狭い家。自分の家をへりくだっていう語。

謇謇 ①言いにくいことをはっきり言うさま。特に、目上の人に向かって正しいと思うことをそのまま言うさま。②ひどく苦しむさま。難儀するさま。

酥油 乳から作った、バターに似た油。食用･薬用。また、密教で護摩木をたいて仏に祈る際にも用いる。

睾丸 哺乳ホニュウ動物の雄の生殖器官。陰囊インノウ中に左右一対あり、精子を作る。精巣。きんたま。

屠腹 腹を切って自殺すること。切腹。割腹カップク。

齏粉 こなみじんになること。転じて、身を粉にして働くこと。粉骨砕身。

儼乎 おごそかなさま。威厳があり、りっぱなさま。「―たる恩師の態度」

矻矻 ①たゆまずに精を出して働くさま。②疲れ果てるさま。

幷吞 他の勢力を支配下に置くこと。

悋気 男女間のやきもち。嫉妬シット。「―は損気」類悋惜

推敲 詩や文章を作るとき、より適切な字句や表現を求めて、練り上げること。「―に―を重ねる」

僉議 多くの人で評議すること。多人数で相談すること。

沮喪 気力がくじけ、元気をなくすこと。気落ち。「最初の失敗で意気―する」

鏡匣 鏡を入れるはこ。かがみばこ。

晨旦 あさ。あした。早朝。朝早く。晨朝シンチョウ。

開闢 ①天地が開いた始まり。この世の始まり。②物事の始まり。「―以来の出来事」

萎靡 なえてしおれること。元気がなくなること。「士気が―する」

螻蟻 ①ケラとアリ。②ちっぽけな、つまらないもののたとえ。

眼睛 ①ひとみ。くろめ。②眼球。まなこ。また、目。

朶頤 ①あごを下げ動かして、物を食べようとするさま。②物欲しげなさま。

駑駘 ①のろいウマ。鈍いウマ。②鈍才。劣った人。類①②駑馬

砲熕 大砲。おおづつ。

均沾 利益や恩恵をみんながひとしく受けること。恩恵が均等にいきわたること。

蒿里 ①死んだ人の魂が集まるという中国の山。転じて、墓地。②庶民の葬式にうたう挽歌。

貝勒 貝殻で飾ったウマのくつわ。

悖戻 道理にそむくこと。

撈魚 魚をすくいとること。いさり。すなどり。

執拗 ①意地を張り、自分の考えをあくまで通そうとするさま。「―に論評を続ける」②しつこいさま。「―に追及する」

噴嚔 くしゃみ。「嚔」はくしゃみの意。

薨去 昔、皇族や三位サンミ以上の人が死ぬこと。

勁捷 つよくて動作がすばやいこと。

齟齬 物事がくいちがうこと。行きちがい。「両者の感情に―をきたす」

灑泣 涙を流す。

怡悦 楽しみ喜ぶこと。喜んで満足すること。

沈淪 ①深く沈むこと。「孤独に―する」②落ちぶれること。「不幸な境遇に―する」

鶺鴒 セキレイ科の鳥の総称。水辺にすむ。スズメよりやや大きく、羽色は黒白や黄色など。長い尾を上下に振って歩く。

鵄尾 宮殿や仏殿などの棟の両端にとりつける飾り。後世のしゃちほこなどの原型。

膏肓 人間の心臓と横隔膜の間の部分。体のもっとも奥深い所で、薬も針もとどかず治療しにくい部分。「病―に入いる」

鯨鯢 ①クジラの雄と雌。または、小魚を食う大魚のたとえ。「鯨」は雄のクジラ、「鯢」は雌のクジラの意。②大悪人。

明礬 硫酸アルミニウムとアルカリ金属などの結合物で、無色透明の正八面体の結晶。染色･医薬･製紙などに使用される。

緞帳 ①刺繡シシュウで模様をあしらった厚地の布。仕切りなどに用いる。②劇場で、巻いて上げ下ろしする厚地の幕。

羂索 ①鳥獣を捕らえるわな。②仏仏や菩薩ボサツが衆生シュジョウを救うために用いる、五色の糸をより合わせて作った縄。

皚皚 雪や霜などで、あたり一面が白く見えるさま。「白ハク―たる銀世界」

甄別 はっきりと区別すること。はっきりと見分けること。「正否を―する」

令尹 ①中国、周代、楚ソ国の最上位の官。転じて、宰相。②地方長官。

黜陟 功績のない者をしりぞけて、功績のある者を昇官させること。「ほしいままに大臣を―する」 「―幽明」

褊狭 ①度量が狭いこと。「―な考えは捨てよ」②土地などが狭いこと。

南鐐 ①上質の銀。また、銀の別称。②江戸時代の貨幣、二朱銀の別称。

抒情 詩文などで、自分の感情をのべること。

郢斧 詩文の添削を頼むときに使う語。

諂諛 こびへつらうこと。おもねりへつらうこと。

鷙鳥 ワシ･タカなど、他の動物を捕食する鳥。また、性質のあらい鳥。猛鳥。猛禽モウキン。

成蹊 徳のある人のもとには自然に人が慕って集まることのたとえ。

朝暾 朝日。

朱脣 赤く美しいくちびる。特に、口紅を塗ったくちびる。

改悛 今までの悪行を悔いて、心を入れかえること。「―の情が顕著である」

顫動 寒さや恐れのために、小刻みにふるえて動くこと。

潭潭 ①水を深くたたえているさま。②奥深いさま。

俊髦 才能や人徳が人並以上にすぐれた人。

螺鈿 漆工芸の技法の一つ。オウムガイやアコヤガイなどの殻から真珠光を放つ部分を切り取った薄片を物の表面に埋めこみ、装飾とするもの。

輜重 ①軍隊の荷物。食糧･武器など。「大河の前で―隊は動けなかった」②旅行者の荷物。また、荷物を運ぶ車。

鈑金 ①金属を薄く板のように打ちのばしてつくること。また、そのもの。いたがね。

榕樹 クワ科の常緑高木。熱帯･亜熱帯に生え、日本では沖縄･屋久島に自生。葉は楕円ダエン形で厚く光沢がある。幹･枝はよく分枝して多数の気根を垂れる。ガジマル。

嬖臣 主君に、特にかわいがられる臣下。気に入りの家来。

弄璋 男の子が生まれること。

幺麼 小さいこと。取るに足りないこと。また、そのような人。「幺」も「麼」も小さい意。

廃墟 建物･城郭･街などの荒れ果てた跡。「戦争によって街が―と化す」

縲絏 罪人として獄に入れられること。縄目にかかること。「―の辱はずかしめ」

大逵 広く大きな四辻よつつじ。大通り。大路おおじ。

慟哭 ひどく悲しみ、大声をあげて泣くこと。「父の訃報フホウに―する」

詬罵 ののしり、はずかしめること。

咫尺 ①きわめて近い距離。「目的地は―の間だ」②貴人に間近で会うこと。「―の栄を得る」③短いこと。簡単なこと。「―の書」

嶄絶 山が険しく切りたって、そびえたつさま。

詆毀 そしること。人を悪く言うこと。

棍棒 ①丸い木の棒。「―を振りまわす」②体操競技で使用する、とっくり形の木の棒。インディアンクラブ。

膏腴 地味が豊かで肥えていること。また、その土地。

壅塞 ふさぐこと。ふさがること。さえぎること。

鹹湖 塩分を含んだ湖。水一リットル中に五〇〇ミリグラム以上の塩分を含むもの。鹹水湖。

青鞜 婦人解放を主張する学識のある女性や女流の文学者。

惴惴 恐れおののいて、びくびくするさま。

喧囂 やかましいこと。

苞苴 ①「苞苴つと」に同じ。②わいろ。まいない。

諡号 生前の偉業をたたえ、死後につける称号。諡号シゴウ。空海を「弘法こうぼう大師」という類。「諡おくりな」に同じ。

官衙 役所。官庁。

広袤 土地の広さ。面積。

朴訥 口数が少なく、飾り気のないこと。

麦稈 刈り取った麦の茎。また、それを乾燥したもの。むぎわら。

闌干 ①「闌てすり」に同じ。②涙が、とめどなく流れ落ちるさま。③星や月の光が、きらめくさま。

久闊 長い間会わないこと。久しく便りをしないこと。「―をわびる」

喇叭 ①金管楽器の総称。真鍮シンチュウ製で、一端に細い吹き口があり、もう一方の端が大きく開いている。トランペットなど。②大げさな話。ほら。「会議でまた社長が―を吹いた」

鮓荅 ウマ･ウシなどの胆石や腸内の結石。解毒剤として用いる。牛黄ゴオウ。

琺琅 金属器や陶磁器の表面に、さび止めや飾りとして焼き付ける釉うわぐすり。また、焼きつけたもの。瀬戸引き･七宝焼など。「―の鍋なべで煮る」

觝触 ①さしさわること。法律などにふれること。「規約に―する」 「校則に―する行為」②ふれたりぶつかったりすること。③くいちがうこと。矛盾すること。書きかえ「牴触･觝触」の書きかえ字。

殷賑 非常ににぎやかで、活気にあふれること。「―を極める」類繁華

馬楝 木版刷りの用具。平らな円形の芯シンを竹皮で包んだもので、版木にのせた紙の上をこする。

庠序 学校。類庠校由来中国で、地方の学校のことを、殷イン代には「序」、周代には「庠」といったことから。

邯鄲 ①カンタン科の昆虫。山地にすむ。体は細長く、淡い黄緑色。雄は「ルルルル」と美しく鳴く。②中国河北省の都市名。昔、都として栄えた。

金襴 錦にしきの地に金の糸を織りこんで模様とした豪華な絹織物。

狡猾 ずるがしこくて悪知恵がはたらくさま。「―な手段」

践祚 天皇の位につくこと。天皇の地位を受けつぐこと。

倦憊 あきて疲れること。

媾和 交戦国が話し合いによって戦争をやめ、平和をとりもどすこと。「―会議」

黽勉 つとめ励むこと。精を出すこと。

翡翠 ①カワセミの別称。②カワセミの羽に似た鮮やかな青緑色で半透明な宝石。硬玉の一種。古くから装飾品に用いられる。「―のブローチ」

刎頸 首をはねること。首を切ること。斬首ザンシュ。

恟恟 おそろしくて生きた心地のしないさま。びくびくするさま。

皓歯 しろくてきれいな歯。転じて、美人。「明眸メイボウ―」 「口許くちもとから―の輝きがこぼれる」

斟酌 ①事情をくみとって、ほどよく処理すること。「被告人の立場を―する」②条件を照らし合わせて、適当に処理すること。③遠慮すること。「何の―もあるものか」

蹶起 決心して行動をおこすこと。「反対の―集会を開く」

脚絆 昔、旅行や作業のとき、あしを守り動きやすくするためにすねに当てたり巻きつけたりした布。ゲートル。

譬喩 特徴がはっきりした他の似ているものを引き合いに出して、わかりやすく説明する表現方法。たとえ。たとえばなし。

奕葉 代々。よよ。世を重ねること。「奕世」に同じ。

蛹虫 「蛹さなぎ」に同じ。完全変態をする昆虫類の発育の一段階。幼虫が成虫になる前に、食物をとらずかたい殻でおおわれてじっとしているもの。蛹虫ヨウチュウ。「―が羽化する」

杞憂 心配しなくてもいいことを、むやみに憂え心配すること。「心配は―に終わった」

于役 君命によって、使者として他国に行ったり、国境の警備などに行ったりすること。

檻穽 檻おりと落とし穴。

耨耕 手すきで田畑の雑草を除き、耕すこと。

鏡匳 鏡を入れるはこ。かがみばこ。

鼇頭 ①書物の本文の上にある余白。また、そこにつけた注釈。②中国で、科挙に主席で合格した者。

黥面 顔に入れ墨をすること。また、入れ墨をした顔。

御諚 貴人からの命令。また、お言葉。「飽かぬは君の―（主君の命令はどんなこともいやと思わない）」

跋扈 権威をほしいままにして、のさばり、はびこること。また、思うがままに振る舞うこと。

旗幟 ①昔、戦場で自分の存在をはっきりさせるために立てた、はたとのぼり。はたじるし。②態度。主義主張。

甸服 中国、古代の五服（五つの地域）の一つ。王城の周囲、各五〇〇里以内の天子に直属した地。畿内キナイ。

舅姑 しゅうととしゅうとめ。配偶者の父母。

艙口 船倉ふなぐらに荷物を出し入れするため、甲板カンパンにあけた四角い穴。ハッチ。

驟雨 突然降り出してすぐにやんでしまう雨。雷が鳴り、雷雨となるものが多い。夕立やにわか雨。

矍鑠 年をとっても心身ともに元気なさま。「―たる老夫婦」

渺茫 ①水面や平原などが果てしなく広いさま。「―たる砂漠」②遠くかすんでいるさま。

景迹 ①行状。行跡。②推察する。おしはかる。

匱乏 衣食などの足りないこと。欠乏すること。

菁莪 人材を育成すること。また、それを楽しむこと。「菁」は青く茂るさま、「莪」はヨモギの類の草の総称。

校讐 二人で書物を比較し、誤りを正すこと。

襤褸 ①使い古した布切れ。また、古くなって破れた衣服。②古くなって、いたんでいるもの。「―車を愛用している」③欠点。短所。「―が出る」

光芒 光の放射。光の筋。きらめく光。「―を放つ」

岌岌 ①山が高くけわしいさま。②見るからに危険なさま。

蚩蚩 ①律儀で情にあついさま。②おろかなさま。③乱れそむくさま。

芳菲 草花などがかぐわしいこと。また、かぐわしい草花。

皴法 東洋画の技法で、山や岩のひだを立体的に描く筆づかい。

別墅 本宅以外の郊外に設けた家。

廃址 建物･城郭･街などの荒れ果てた跡。「戦争によって街が―と化す」

追躡 あとから追いかけること。追跡。

慫慂 そばから誘いすすめること。また、すすめそそのかすこと。「―されて立候補する」

悄愴 ①気がめいって心が痛むさま。②ものさびしいさま。

苗裔 遠い血筋の子孫。後胤コウイン。末裔。末孫。

霄壌 天と地。また、天と地のように非常に隔たりのあるたとえ。「―の差」

繙閲 書物を開いて、読み調べること。

殯宮 天皇や皇族の棺を、葬送のときまでに安置する御殿。かりもがりのみや。あらきのみや。

滂沱 ①涙がとめどなく流れるさま。「涙―として流る」②雨が激しく降るさま。「雨が―と降る」

艟艨 軍艦。いくさぶね。

壟断 ①切り立って高い丘。②利益をひとり占めにするたとえ。「利権を―する」

端倪 ①物事のはじめと終わり。②物事のなりゆきをおしはかること。推測すること。

淅瀝 風雨や霰あられ･落ち葉などがたてる寂しげな音のさま。

鞫訊 罪を取り調べてただすこと。

教誨 教えいましめること。教えさとすこと。

蒼氓 人民。庶民。参考草木があおあおと茂っている意から、多くの人民にたとえていう。

抜萃 文章や楽曲などから、必要な部分だけを抜き出すこと。また、抜き出したもの。「新聞から関係記事を―する」

藕糸 ハスの茎や根の繊維。ハスの茎や根を折ったときに出る糸。「―の孔あな（きわめて小さいもののたとえ）」

野衲 ①田舎の僧。②僧侶ソウリョが自分を謙遜ケンソンしていう語。拙僧。

畛畦 田のあぜ。田と田のさかい。転じて、へだてがあること。そのへだて。「畛」も「畦」もあぜの意。「智愚チグ一視して―を設けず」

瑜伽 仏呼吸を整え、心を静める修行によって得る、主観と客観の融合した境地。また、その修行法。ヨガ。ヨーガ。

奎文 文学･文章のこと。

覬覦 身分不相応のことをのぞみねがうこと。また、そのようなのぞみやもくろみ。

篝火 夜間の警備や漁猟に照明としてたく火。かがり。「―であたりを照らす」

丕業 大きな事業。大業タイギョウ。

喟然 ため息をつくさま。嘆息するさま。「―として嘆く」

嗜好 たしなみ好むこと。各自の好み。特に飲食物についていう。「―品」

逬発 勢いよく発すること。ほとばしり出ること。「―岩」

研鑽 学問などを深くきわめること。地道に研究を続けること。「日々―を積んだ成果」

蝗虫 イナゴの別称。

杲杲 日の光が輝いて明るいさま。

棺槨 内と外と二重になったひつぎ。

甕天 かめの中の天地。転じて狭い世間の意で、見識の狭いことのたとえ。

鑞接 金属を、はんだなどでくっつけること。鑞付け。

煥発 火が燃えるように、輝き現れること。「才気―」

神饌 神にそなえる飲食物。イネ･酒･米や野菜･魚介類･塩や水など。御饌みけ。

剪裁 ①布などをはさみで裁つこと。②文章に手を入れて練り直すこと。

褒貶 ほめることとけなすこと。「彼については毀誉キヨ―が激しい」 「筆削―」

訓詁 古典などの古い字句の読みや意味の解釈をすること。「―学」

霏霏 雪や細かい雨がしきりに降り続くさま。「―として雪が降る」

装幀 書物をとじて表紙をつけ、一冊の本として整えること。また、書物の表紙などのデザイン。「本の―を画家に依頼する」

嚆矢 ①かぶら矢。鳴りひびく矢。②物事の最初。起源。おこり。「その学説の提唱は博士をもって―とする」

味蕾 舌の表面や口の中にあって、味覚をつかさどる器官。味覚芽ミカクガ。

柩車 「霊--」の略。死体を納めるひつぎを乗せて運ぶ車。

痙攣 筋肉が急激に収縮し、ひきつること。ひきつり。

已然 すでにそうなっていること。もはや終わっていること。

遯竄 逃げ隠れすること。どこかへ逃げうせること。

挑撥 ①事をひき起こすようにしかけること。「相手の―に乗るな」②欲情を起こすようにしむけること。「―的な服装」

寿夭 長生きと若死に。長寿と夭折。「人の世は貧富―さまざまだ」

嫣然 あでやかににっこりと笑うさま。

游弋 ①艦船が海上をあちこち見回って警戒すること。②鳥をとる遊猟。

黄櫨 ウルシ科の落葉高木。暖地に自生。初夏、黄緑色の花を多数つけ、楕円ダエン形の実を結ぶ。実から蠟ロウをとる。紅葉が美しい。ハゼ。リュウキュウハゼ。

涵養 自然に心にしみこむように育てること。徐々に育成していくこと。「道徳心を―する」

綏撫 なだめて、安らかにすること。安んじいたわること。

稟賦 生まれつきの性質。天から授かった性質。「―の才能」

鏖殺 みなごろしにすること。

乞丐 物ごいをすること。また、その人。こじき。

瞠若 驚きあきれて目を見張るさま。「天下を―させる」

茗宴 茶会。茶をたてて客をもてなす茶の湯の会。

顰蹙 顔をしかめて不快感を表すこと。「―を買う（相手にいやがられる）」

慇懃 ①ねんごろなこと。礼儀正しくていねいなこと。「―に答える」 「―無礼」②うれえいたむさま。③よしみ。特に、男女の思慕の情。「―を通ず」

鶴唳 ①ツルが鳴くこと。また、その声。②悲しげな文章や言葉。ツルの鳴き声が悲しげなことから。

兌換 紙幣を正貨と取り替えること。「―紙幣を発行する」

俯瞰 高い所から見おろすこと。「―図」

騙詐 だましていつわること。巧みな口調で騙かたること。

濾過 液体や気体をこして、固形の不純物を取り除くこと。「雨水を―する」

崛起 ①にわかに起こり立ち、群を抜いていること。②山などがそびえ立つこと。

瞿然 目を見開いて驚くさま。びっくりして顔色を変えるさま。

藹然 ①勢いよく盛んなようす。②気持ちが穏やかなさま。③雲が集まるさま。

娑婆 ①仏この世。人間界。現世。②獄中や兵営などの拘束された世界から見た、外の自由な世界。「―にもどる日が近づいた」

無礙 障害や邪魔をするものが何もなく、自由なこと。「融通―に活動する」

閹人 昔、中国で宮廷に仕えるために去勢された男性。

啓蟄 二十四節気の一つ。三月五、六日ころ。

謳歌 ①声をそろえて多くの人がほめたたえること。②恵まれた環境や状況にあることを十分に楽しむこと。「青春を―する」

妻孥 妻と子ども。家族。

啖呵 ①威勢よく、歯切れのよい言葉。「―を切る」②香具師やしなどが品物を売るときの口上。

収攬 うまく自分の手に集めて、にぎること。「人心を―する」

倔強 ①たくましく力が強いこと。②強情で容易に人の言うとおりにならないさま。

雲鬟 ①豊かで美しいまげ。美しく結った髪。女性の髪を雲にたとえた語。②遠くに見える山。

扠首 切妻屋根の両端に、棟木むなぎなどを支えるために、合掌ガッショウ形に組んだ材。社寺などに見られる。

錚錚 ①「錚然」に同じ。金属のぶつかり合う音の形容。また、楽器の澄んだ音の形容。②人物がすぐれてりっぱなさま。「―たる顔ぶれが集まった」

顧眄 ふりかえって見ること。周囲を見ること。

繻子 「繻子織」の略。縦糸を長く浮かせた、光沢のある地の厚い織物。多く、帯地に用いる。サテン。

騾馬 雄のロバと雌のウマの間にできる雑種。ウマより小形。粗食で耐久力があり、丈夫。一代かぎりで繁殖力はない。労役用。

瑩徹 明るく透きとおっていること。澄みわたっていること。

夥多 非常に多いこと。おびただしいこと。

闖入 突然、無断で入りこんでくること。「見知らぬ者が―してきた」

屹度 ①必ず。確かに。「―うまくいくだろう」 「―来てくださいね」②きびしく。きっぱりと。表情に強い感情を表すさま。「―にらみつける」

擂盆 すりばち。また、すりばち形の容器。

肥胖 太っていること。また、そのさま。肥満。「―症」

鄙陋 身分･行動･品性などがいやしいこと。下品なこと。

駮議 他人の意見を批判してただすこと。また、その議論。

櫟社 クヌギを神木としてまつった社やしろ。また、大きな神木を氏神とし、その根もとに祠ほこらをつくって社としたもの。

驕佚 自分はすぐれていると威張って、勝手気ままに振る舞うこと。「―に流れる」

鮟鱇 アンコウ科の海魚の総称。沿岸の海底にすむ。全長一メートルにもおよび、大きな頭と大きく開く口をもつ。前頭部に小魚をおびきよせるための突起がある。食用。「―の吊つるし切り」

驢馬 ウマ科の哺乳ホニュウ動物。野生種がアフリカとアジアにいるが、古代エジプトですでに家畜化されていた。耳が長く、尾はウシに似る。性質はおとなしく、粗食に耐える。

蒹葭 ①水辺にはえるオギとアシ。「蒹」はオギ、「葭」はアシ。②アシの生長しきらないもの。ヒメヨシ。

芍薬 キンポウゲ科の多年草。アジア北東部原産。初夏、茎頂にボタンに似た大形で美しい紅･白色の花を開く。観賞用。根は薬用。

邁進 勇敢に突き進むこと。「一路―あるのみ」 「勇往―（目的に向かって勇ましく突き進むこと）」

麕至 むらがってやって来ること。むらがり集まること。

篩骨 頭蓋骨ズガイコツの一部。鼻腔と前頭蓋骨窩カ･両眼窩との間にある複雑な形の骨。その一部に多数の嗅キュウ神経の通る小さいあなが篩ふるいのように開いている。

肛門 腸の末端部で、直腸の終わるところにある大便の体外への出口。しりのあな。

旁午 ①往来が激しいこと。縦横に行き交うこと。②込み入って煩雑なこと。

富贍 財力や知識が富んで豊かなこと。

輦轂 ①輦てぐるまのこしき。②天子の車。天皇の乗り物。「―の下もと（天子のおひざもと。首都）」

鑰匙 かぎ。錠の穴に差しこんで錠を開閉する金具。

硼酸 硼素酸化物が水の分子と結合したもの。無色無臭で、光沢のあるうろこ状の結晶。うがい薬･化粧品･防腐剤などに用いる。

繽紛 多くのものが入り乱れるさま。また、花や雪などが乱れ散るさま。

捐館 身分の高い人の死。

放屁 屁へを放つこと。おならをすること。

蜻蛉 トンボ目の昆虫の総称。目は大きな複眼。胴は棒状で、二対のはねは膜質で網状。幼虫は水中にすみ、「やご」と呼ばれる。

寒柝 冬の夜に打ち鳴らす拍子木。また、その音。

瑇瑁 ウミガメ科のカメ。熱帯･亜熱帯の海にすむ。甲羅の長さは約一メートル。甲羅を鼈甲ベッコウ細工の材料にする。

麤笨 あらくておおまかなこと。また、そのさま。

俘囚 戦争でいけどりにした敵。とりこ。

微醺 少し酒に酔うこと。ほろよい。「―を帯びる」

蹌踉 よろめくさま。足元がふらつくさま。

迢迢 はるかなさま。はるかに遠いさま。また、はるかに高いさま。

霹靂 ①引き裂くような激しい雷。また、雷鳴。「青天の―（突然起こった大事件）」②激しい音が響くさま。「―たる雷鼓」

煖衣 衣服をたくさん着て、体をあたたかくすること。また、あたたかい衣服。「―飽食（安楽な生活を送るたとえ）」

兵燹 戦争により起こる火災。

鮑魚 塩づけにした魚。また、干した魚。

宦官 昔、中国などで去勢されて後宮コウキュウに仕えた男の役人。

蝦蟇 ヒキガエルの別称。ヒキガエル科のカエル。大形で動作が鈍い。背は暗褐色でいぼがある。皮膚から分泌される毒液は「がまの油」といい、薬用。ガマガエル。イボガエル。

眇目 ①やぶにらみ。すがめ。また、片目が不自由なこと。②目を細くして凝視すること。

搨本 石碑などの文字を、墨などで刷り写したもの。石ずり。また、それを集めた本。

褫魄 たましいをうばうこと。心を驚かすこと。「魄」はたましい・こころの意。

玲瓏 ①玉のように輝くさま。美しくすきとおるさま。「―たる宝玉」②金属や玉が触れ合って澄んだ音で鳴るさま。また、そのような人の声のたとえ。「―たる美声で歌う」

徒跣 履物をはかずに、はだしで歩くこと。はだし。

証憑 ある事実を証明するよりどころ。根拠。「―書類」

聘問 贈り物をたずさえて訪問する。

靉靆 ①雲がたなびいているさま。②雲が空をおおって暗いさま。③暗く陰気なさま。

泯滅 ほろんでなくなること。尽きてなくなること。

耆宿 経験豊かで学徳の備わった老人。「歌舞伎カブキ界の―」

嗚咽 息を詰まらせながら泣くこと。むせび泣き。「病室から―がもれる」

蓖麻 トウゴマの別称。トウダイグサ科の一年草。アフリカ原産。ひまし油をとるために栽培。

蒼惶 あわてふためくさま。あわただしく急ぐさま。「―として逃げ去った」

滾滾 水などが尽きずにあふれでるさま。「―と泉が湧く」

浣濯 あらいすすぐこと。

翹楚 大勢のなかの、特に優秀な人材。

縊殺 ひもやなわなどで首を絞めて殺すこと。絞殺。

傅育 守り育てること。かしずき育てること。「王子の―を任とする」

蜿蜒 ①ヘビなどがうねり進むようす。②うねうねと長く続くようす。

兢兢 おそれてつつしむさま。おそれてわななくさま。「戦戦―（びくびくするさま）」

鞏固 しっかりしているさま。強くてかたいさま。「意志―な人」

憔悴 心痛や病気のため、やせておとろえること。やつれること。「―しきった顔」

霍乱 日射病。また、暑気あたりによって吐きくだしをする病気。「鬼の―」

膾炙 広く世間に知れわたること。「人口に―する（世間の評判になる）」

謦咳 ①せきばらい。軽いものを「謦」、重いものを「咳」という。②話したり笑ったりすること。「師の―に接する（お目にかかる）」

濁醪 発酵させただけで、かすをこし取らない白くにごった酒。にごりざけ。もろみざけ。

閼伽 仏前に供える水。また、それを入れる容器。

劈頭 物事の始まり。まっさき。冒頭。「開会―からもめる」

聊頼 安心してたよりにすること。

咀嚼 ①食べ物をかみくだくこと。「よく―して食べる」②物事や文章などを深く味わい理解すること。「理論を―する」

華胄 貴い家柄。名門。

抉剔 えぐりだすこと。隠れているものをほじくりだすこと。

旄牛 ヤクの別称。ウシ科の哺乳ホニュウ動物。ヒマラヤなどの高地にすむ。

婉容 しとやかな姿。穏やかでおとなしい態度。

胥吏 ①役所の小役人。②中国、宋ソウ代以降、役所の長によって採用された下役人。

薀蓄 深く研究し、身にたくわえた知識。「―を傾ける」

茶筅 ①抹茶に湯を注ぎ、かき回して茶をたてる竹製の道具。②「茶筅髪」の略。後ろに束ねてひもで結び、先を茶筅のようにした髪の結い方。男子は中世から、女子は江戸時代に普及した。

濛雨 たちこめる霧雨きりさめ･小雨こさめ。そぼふる雨。ぬかあめ。

鰥寡 妻を失った男と夫を失った女。

慷慨 ①世の中の不正などをいきどおり嘆くこと。「国を憂えて悲憤―する」②意気盛んなこと。

潦水 雨が降って路上や庭などにたまった水。②大水。

嬌艶 なまめいて美しいこと。あでやかなこと。

攘斥 はらいのけること。はらいしりぞけること。類排斥

篇帙 書物を保護するために包むおおい。また、その書物。

傀儡 ①操り人形。でく。「祭りに―回しが来た」②平安時代以降、各地を放浪した芸人。男は曲芸をしたり人形を操ったりし、女は流行の歌謡曲を歌うなどした。②他人に操られる者。「―政権」

車輛 乗客や荷物を輸送する自動車や列車、電車などの総称。「―故障で発車が遅れた」

罨法 炎症や痛みなどを和らげるために、患部を冷やしたり温めたりする治療方法。

嚮導 ①人々の先に立って導くこと。また、その人。②軍隊などで、整列や行進の基準とされる者。

擯斥 しりぞけてのけものにすること。

瑕瑾 きず。欠点。短所。

膵蛭 キュウチュウ目の寄生虫。ウシ･ブタ･ヒツジなどの膵管･胆管に寄生する。人体にも入る。

樸実 飾り気がなく誠実なこと。質朴。「―な好青年」

蹂躪 権力や腕力で相手の権利などをふみにじること。「人権―」

眈眈 鋭い目つきでねらい見るさま。すきあらばとねらうさま。「虎視コシ―と好機をうかがう」

漾漾 ①水がゆれ動くさま。「―ときらめく波」②水が満ちあふれるさま。水流が限りなく広がるさま。洋洋。「―として流れる大河」

辮髪 周囲の頭髪をそり、中央の髪をあんで長く後ろに垂らした男子の髪形。古くからアジア北方民族の習俗で、中国、清代に広く行われた。

檄文 檄が書かれた文章。檄書。

贓吏 賄賂ワイロを受け取る役人。

跼蹐 おそるおそる歩くこと。非常におそれるさま。「跼天蹐地」の略。

銷金 ①金属をとかすこと。また、とかした金属。②金箔キンパクを散らして飾ること。③金銭を浪費すること。

蜷局 縮まって進まないさま。背をまるくして伸びないさま。転じて、順調でないさま。

啼泣 声をあげて泣くこと。「接戦の末敗れて―した」

復辟 君主の地位を退いた者が、再びその地位につくこと。

旌表 人の善行をほめたたえて世に広く表示すること。

驕奢 財力や権勢などをたのんで贅沢ゼイタクを尽くすこと。「―な趣味」 「富貴なれば―を生ず」

鬱悒 心にかかることがあり気がふさぐこと。

巾幗 女性の髪をおおう飾り布。また、頭巾。転じて、女性。

鴃舌 モズの鳴き声の意から、意味が分からないために、ただやかましく聞こえる外国の言葉。

槿花 ①ムクゲの花。②アサガオの花の古名。

渾沌 ①この世の初め、天と地が入り混じっていた状態。②入り混じって区別がはっきりしないさま。

颱風 夏から秋にかけて、北太平洋南西部に発生する熱帯低気圧の一つ。暴風雨をもたらす。

縹緲 ①かすかに見えるさま。はっきりしないさま。②かぎりなく広いさま。「海原が―として眼前に広がる」

彗星 太陽を焦点として、楕円ダエン･放物線などの軌道上を公転する天体。ガス状の白い尾を引く。コメット。

跏趺 「結跏趺坐ケッカフザ」の略。座禅をするときの足の組み方。

浩瀚 ①水などの広大なようす。②書物のページ数や巻数が多いこと。

匆匆 ①そわそわしていそがしいさま。②手紙の末尾に添えて走り書きであることを詫わびる語。

警蹕 天子･貴人の通行や神事の際、先払いが声を掛けて人々を静めること。また、その声。みさきおい。「―の声がかかる」

骨骼 筋肉をつけて内臓を保護し、動物の体を形成し支える骨組み。また、からだつき。「たくましい―の青年」

雷霆 激しいかみなり。

睚眥 ちょっとにらむこと。憎らしそうににらむこと。「万目―」

花卉 ①花の咲く草。②観賞するために栽培する植物。「―園芸」

山巓 山のいただき。てっぺん。頂上。山頂。

檠灯 燭台ショクダイにともされたともしび。灯火。

黄疸 胆汁の色素が血液中に増加し、皮膚や粘膜などが黄色くなる症状。

万斛 きわめて多い分量。

裂帛 絹を引き裂くこと。また、その音。鋭い掛け声や女性のかん高い叫び声などの形容。「―の気合い」

褻衣 ①ふだん着。平服。けのころも。②肌着。ねまき。

高廈 高く大きい、りっぱな家。

箴諫 欠点を指摘していましめること。また、そのいましめ。

幫間 ①宴席などに出て客の機嫌をとり、座をにぎわすことを職業とする男性。②人の機嫌をとって、うまく世渡りする人。人にへつらい、機嫌をとるのに懸命な人。「あいつは部長の―だ」

兵站 戦場の後方にあって、車両･食糧･弾薬など軍需品の補給や輸送、また連絡の確保にあたる機関。「―基地」 「―線」

拱手 ①手のひらを合わせて指を組んで曲げ、胸元で上下する中国古代の敬礼。②腕組みをする意から、事が起きているのに何もしないでただ見ていること。袖手シュウシュ。「―して黙視するのみ」

蛔虫 カイチュウ科の線虫で、寄生虫。卵が生の野菜などについて人や家畜の体内に入り、胃や腸でひも状の成虫となる。

一揆 ①心を一つにすること。団結すること。②室町時代から江戸時代にかけて、領主や代官など支配者の圧政に対し、武装して一斉に立ち上がった農民や一向宗徒たちの集団。また、その行為。「土―」 「百姓―」

詭計 人をだます計略。ペテン。「―を巡らす」

衮冕 天子の礼服と礼服を着たときにかぶる冠。

匕首 つばのない短刀。九寸五分クスンゴブ。

犂鋤 ①からすきと、すき。②すきで耕作すること。

罵詈 ののしること。悪口を言うこと。

祀廟 祖先や先人を、神としてまつった建物。おやしろ。

雲鬢 女性の豊かな髪の美しさを雲にたとえた言葉。転じて、美しい女性。「―花顔カガン金歩揺キンホヨウ」〈白居易の詩〉

駻馬 気性のはげしいウマ。あばれウマ。

狙猴 サルの別称。

蹣跚 よろめきながら歩くさま。「酔歩―」

髀胝 股もも肉が、厚く堅くなったもの。しりだこ。

華鬘 仏①仏堂の欄間などを飾る装飾具。花鳥などを透かし彫りにした、うちわ形の金銅製･革製のもの。②古代インドで、生花をつなぎ、首や体にかけて装飾としたもの。

劬労 苦労して働くこと。ほねおり疲れること。つかれきること。「母子―す」

繃帯 医療で、疾患部の保護や固定のために、おおったり巻きつけたりする布など。

鷁首 ①ゲキという鳥の頭。②水難よけのために、ゲキの頭の形を船首に刻んだり描いたりした船。「竜頭―」

礫岩 小石が水底で、砂や粘土とともに固まった堆積岩タイセキガン。

搏景 「物の影をうつ」ということで、捕らえることのできないことのたとえ。また、手ごたえのないことのたとえ。「景」は影。

蔬菜 野菜。あおもの。

梵砌 寺院の境内。

遑遑 うろうろと落ち着かないさま。あわただしく忙しいさま。

闕掖 御所。宮中。