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()夜明け近くの()をすぎると「明日」となる「丑の時」()近くの「丑の時」をすぎると()となる
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宮中では季節・昼夜を問わず一日を十二等分した()で、民間では昼と夜とを六等分した()が使われたので、季節によって昼夜の長さが違う()では()を問わず一日を()した「定時法」で、()では()とを()した「不定時法」が使われたので、()によって()の長さが違う
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()一番どりのなく時刻。未明のあたりがまだ暗い時刻。デートをしていた男女の別れ、遠くに旅立つときの時刻。「暁」
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()一日のはじめに、今日の平安を神仏に祈るために朝起きるとまず手を洗って身を清める「手洗ひ」
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()男性貴族は仕事に行く前に昨日の出来事を漢文で記す。「日記」
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()北東の方角、陰陽道では「鬼門」といって不吉な方向である「艮」()では()という
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()一月29か30日、一年354日のため、同じ月を繰り返す、二度目の月のこと「閏月」
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()夕方にはすでに出ている月「夕月夜」
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()十五日頃の月、()の中で最も美しいとされる「八月十五日の月」を()という「望月」望月の中で最も美しいとされる()を「中秋の名月」という
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()夜が明けても空に残っている月、特に二十日過ぎ「有明の月」
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()春とともに「立つ」景物「霞」()の景物
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()春の景物、「糸」に見立てられる「柳」()の景物
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()春の景物、香りを楽しむ、白梅の花は「雪」や「白波」に見立てられる、鶯の宿「梅」()の景物
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()春の景物、「花」といえば()のこと、満開から散るまでの様子を楽しむ、「雪」や「白雲」に見立てられる「桜」()の景物、()といえば桜のこと
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()晩春から初夏にかけての景物、花房が風に揺れる様子を「波」に見立てられる、和歌では「淵」をかけて詠む「藤」()から()の景物
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()春の景物、手入れをしないと生い茂る、「蓬生」という、荒廃した家の様子、物語では男の訪れの絶えた女の家を表す「蓬」()の景物
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()晩春の景物、水辺に咲くことから、水に写った花の様子を楽しむ、花の色が梔子色であるところから、「梔子」に「口無し」をかけて詠む「山吹」()の景物
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()天皇が臣下を集めて催す宴のこと、正月に限らず宮中ではさまざまな()が催されたが、新春には「元日の()」や「白馬の()」が催された「節会」
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()大臣以外の役人の任命式、春の地方官の任命式を()、秋の中央官の任命式を()という「除目」()の()の任命式を「春の県召の除目」、()の()の任命式を「秋の司召の除目」という
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()正月最初の子の日に、末永い繁栄にあやかるために野に出て「若菜」「小松」を引く行事「子の日の遊び」
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()夏の景物、和歌では「幼い愛しい子」の意味をかけて詠む「撫子」()の景物
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()卯月の景物、花の色が白であるから、他の「白いもの」に見立てられる、郭公の宿「卯の花」()の景物
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()夏の景物、香りを楽しみ、昔を懐かしむ、郭公の宿「橘」()の景物
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()夏の景物、五月五日(端午の節句)に、香りで邪気を払うため、いたるところに飾られる、()の長さを競う「根合はせ」が催される、和歌では「文目(物の道理)」をかけて詠む「菖蒲」()の景物
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()夏の景物、初音を楽しむ、卯の花や橘に訪れる、「時鳥」「子規」「不如帰」「杜鵑」とも書く「郭公」()の景物、()、()、()、()とも書く
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()夏の景物、()の光は、燃える思いになぞられる、()の火を「思ひ」の火と見る「蛍」()の景物
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()夏の景物、今の「梅雨」、和歌では「長雨」に「眺め」をかけて詠む「五月雨」()の景物
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()夏の景物、あっという間に明けてしまう夏の短い夜、恋する男女は夜に逢って夜明け前に別れる、夏は早く夜が明けるので、まだ逢っていたいのに別れなければならない「短夜」()の景物
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()四月中酉の日に行われる上賀茂神社・下鴨神社の祭り、「葵祭」とも言う、都中が葵で飾られる、和歌では「逢ふ日」とかけて詠む、「祭り」といえばこのこと「賀茂の祭」()とも言う
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()旧暦四月一日と十月一日に季節に合わせて()をした、()のときは衣服ばかりでなく、室内の調度も改める「更衣」
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()秋の景物、八月十五日の月のこと、「中秋の名月」と言われる、九月十三日の月も賛美される「名月」()の景物、()と言われる
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()秋の景物、春の「霞」と区別される「霧」()の景物
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()秋の景物、月や霧と取り合わせられる、鳴き声(雁が音)に耳を澄ます、手紙を運ぶ鳥「雁」()の景物
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()秋の景物、牡鹿の鳴き声を、妻を求めてなく声と聞く「鹿」()の景物
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()秋の景物、「儚い命」や「涙」の比喩になる、()とは袖を濡らす涙のこと「露」()の景物、「袖の露」とは袖を濡らす涙のこと
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()秋の景物、「尾花(薄)」とともに風に揺れるさまが手招きしているように見えるところから、人の訪れを待つ姿に見立てられる、「招き」にも通じる「荻」()の景物、()とともに風に揺れるさまが手招きしているように見えるところから、人の訪れを待つ姿に見立てられる、
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()秋の景物、秋の七草の一つ、「をみな」からの連想で、和歌では女性に例えられる「女郎花」()の景物
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()秋の景物、秋の七草の一つ、「露」のおりる場所、()の露は儚さの象徴、露が「おりる」ことを古語では「置く」という「萩」()の景物
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()秋の景物、野の草を分けて吹く秋の強い風、今の台風「野分」()の景物
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()秋の景物、()の花の露は飲むと長生きするとされ、九月九日「重陽の節句」に()の花を浮かべて酒を飲む、この日以降も「残()」として枯れるまで花の色の移ろいを楽しむ、()はその年最後に咲く花だから「菊」()の景物、菊の花の露は飲むと長生きするとされ、九月九日()に菊の花を浮かべて酒を飲む
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()七月七日の夜、牽牛と織女が天の川のほとりで年に一度のデートをする、そこから、この日は男女の間で恋文がやり取りされる「七夕」
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()冬の景物、晩秋から初冬にかけて降る雨、一雨ごとに紅葉が深まり、落葉を促す、雨の音を楽しむ「時雨」()の景物
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()冬の景物、()が「おりる」ことを古語では「置く」という、()は「白髪」に見立てられる、「皺」は「波」に見立てられる「霜」()の景物
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()新春の賀の景物、常緑樹であることから長寿の象徴とされる、池の中島に植えられる「松」()の景物
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()冬の景物、「梅の花」や「桜の花」に見立てられる、あたり一面に降った()を降り注ぐ「月の光、に、降り注ぐ「月の光」をむらなく積もった()に見立てることもある「雪」()の景物
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()毎年旧暦十一月に行われる宮中の祭礼で催される舞、舞姫には貴族の未婚の子女が五人選ばれる、美しい少女は天皇をはじめ高貴な男の目に留まる「五節の舞」
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()大晦日の夜、宮中で行われた悪鬼を追い払う行事、鬼に扮した男を桃の弓と葦の弓で追い払う、これが後に民間にも伝わり、節分の豆撒きの行事になった「追儺」
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()隙間のある垣根「透垣」
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()男が女を覗き見ること「垣間見」
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()物語では()に導かれて男が美しい女を発見する場面が多く描かれる、女はひとり琴をひいている「琴の音」
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()薄くすいた紙、二枚重ねで用いる、配色に心を配る、「懸想文」に使われる「薄様」()に使われる
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()紙を細く巻いて蝶ネクタイのように結んだ手紙、恋文の多くはこの形、季節の植物を添えて送ることもある、正式の手紙は「立て文」として送られる「結び文」正式の手紙は()として送られる
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()男が女に求愛すること、和歌の詠まれた求愛の手紙を贈る「よばふ」
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()「衣衣」とも記す、一つに重ねられていた男女の衣が2つに分かれること、そこから、男女が共寝をした翌朝に別れること、またその朝をいう、別れる際、お互いの衣の一つを交換することも逢った「後朝」()とも記す
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()「後朝の別れ」の後で男から女に贈る手紙のこと、早く贈るのが礼儀、女は()を待ち望む、来なければ女にとって大変な恥「後朝の文」
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()男は女と初めて契りを結んだ後、相手のもとに三日続けて通うのが礼儀、その最後の三日目の夜のこと、男の誠意が明かされたことになり、女の家で結婚の祝儀が行われる「三日の夜」
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()今の結婚披露宴、二人が結ばれたことを親族・知人に公表する「所顕し」
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()結婚してしばらくすると男は生まれ育った家を出て妻の家に住み込む、妻の両親はわがやの()殿として手厚く男の面倒をみる、こういう結婚のあり方を「()取り婚」という「婿」
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()皇后・中宮・女御になる人が正式に内裏に入ること「入内」
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()子供が生まれてから三、五、七、九日目の夜に催す祝宴「産養」
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()子供が生まれてから五十日目を祝う儀式、同様の儀式は生後百日目に「百日の祝い」という「五十日の祝い」子供が生まれてから五十日目を祝う儀式、同様の儀式は生後百日目に()という
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()「打ち出での衣」ともいう、御簾や几帳、牛車の簾のしたから女房の衣の一部を出すこと、装飾のためにするが、財力の誇示にもなる「出だし衣」()ともいう
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()食べ物を盛る、長い脚の付いた台、当時の貴族は一日二食「高坏」
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()幼児が初めて袴をつけて成長を祝う儀式、三歳から七歳ごろまでに行われる「袴着」
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()子供は男女ともに同じ髪型で、髪を真ん中で分けて方のあたりで切りそろえた、成人すると男性は髪を頭上で束ねて糸で結ぶ「振分け髪」
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()女子の成人式で、初めて裳をつける儀式、十二、三歳頃に行われる「裳着」
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()貴人の子供を養育する係の女性、()の実子を「乳母子」という、「乳母子」は貴人の子供と兄弟のように育ち、成人後は腹心の部下として仕える「乳母」乳母の実子を()という
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()男子の成人式で、初めて「冠」をつける儀式、十二歳を過ぎた頃に行われる、成人後には男子は人前に出るときは「冠」や「烏帽子」をかぶる、頭の天辺を見せることは失礼であり、恥ずかしいことだった「初冠」男子の成人式で、初めて()をつける儀式、十二歳を過ぎた頃に行われる、成人後には男子は人前に出るときは()や()をかぶる、
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()長寿の祝のこと、四十を皮切りに九十まで十年ごとに行われる「算賀」
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()「無常」は「死」の意味、花を散らし、草木の露を吹き飛ばす風を、人の命を奪う「死」に例えた「無常の風」
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()遺体を埋葬したり火葬したりすること、貴族は普通仮想され、その煙が歌で詠まれる、「煙」を「霊魂」とみて故人を偲ぶ、葬送の地は特に「鳥辺野」「化野」が有名「野辺送り」葬送の地は特に()()が有名
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()喪に服すこと、灰色に染めた「墨染めの衣」を着る、()のときは衣だけでなく、御簾などの調度品も灰色のものを使った「服喪」灰色に染めた()を着る
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()人が死んだ後の四九日間のことで、この間に次にどこへ生まれ変わるかが決まる、「中有」「七七日」ともいう、この間に行う仏事を「のちのわざ」という「中陰」()()ともいう、この間に行う仏事を()という
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()「今内裏」ともいう、内裏の外に設けられた天皇の臨時の御所で、内裏が火事で焼けた時などに移り住む、多くの場合、摂政関白の屋敷があてられた、今の「京都御所」も()の一つ「里内裏」()ともいう、今の()も里内裏の一つ
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()古文で()といえば「比叡山」のこと、「比叡山」にある「延暦寺」のことをいうときもある「山」古文で山といえば()のこと、()にある()のことをいうときもある
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()賀茂氏の氏神を祀る京都最古の神社、「賀茂の祭」で有名「上賀茂神社・下鴨神社」()で有名
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()内裏だけでなく里内裏にも長く住んだ、後に里内裏が日常の御所となった、天皇が変わると、天皇のいる御所も変わる「一条天皇」
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()本尊は観世音菩薩、観音は現世利益の仏なので、この世の願い事を叶えてもらうために多くの人が参詣する「清水寺」
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平安京には皇居及び諸官庁の所在する()があり、皇居を()という「大内裏」「内裏」
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()平安時代から火葬場があった、「化野」にも火葬場・墓地があった「鳥辺野」()にも火葬場・墓地があった
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天皇が「内裏」にいて、南を向くと東が左、西が右に当たることから、京の東半分を()、西半分を()という、()よりも()のほうが栄え、高級住宅も多くは()にあった天皇が()にいて、南を向くと東が左、西が右に当たることから、京の東半分を「左京」、西半分を「右京」という、「右京」よりも「左京」のほうが栄え、高級住宅も多くは「左京」にあった
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()天皇の側近の武官の役所、大将・中将は「上達部」が兼務する「近衛府」大将・中将は()が兼務する
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()京の治安維持や訴訟・裁判を担当する役所「検非違使」
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()今の関東地方、鎌倉幕府のことを指すこともある、皇居のある都のほうが幕府のある鎌倉や江戸よりも上なので、京から鎌倉・江戸に行くことは「下る」、そこから京に行くことを「上る」という、荒々しい関東の武士を「えびす」という「あづま」皇居のある都のほうが幕府のある鎌倉や江戸よりも上なので、京から鎌倉・江戸に行くことは()、そこから京に行くことを()という、荒々しい関東の武士を()という
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()内裏の北側に広がる、天皇の妻たちなどが住む所、「弘徽殿」などの「殿」と呼ばれる所が7,「飛香舎」などの「舎」と呼ばれる所が5,合わせて十二の「殿舎」があった、ただし、天皇に常時十二人の妻がいたわけではない、「弘徽殿」や「飛香舎」は「上の御局」に近い所にあり、中宮や女御など、有力な妻が暮らす「後宮」()などの()と呼ばれる所が7,()などの()と呼ばれる所が5,合わせて十二の()があった、()や()は()に近い所にあり、中宮や女御など、有力な妻が暮らす
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「飛香舎」には壺に藤があることから()、「淑景舎」には壺に桐があることから()と呼ばれる、「弘徽殿」や「飛香舎」に住む妻は、天皇に召されても他の妻たちに知られることはありませんが、「上の御局」から最も遠いところにある「淑景舎」に住む妻は知られてしまう、源氏物語の光源氏の母は()に住む「更衣」だったので、他の妻の嫉妬を買った()には壺に藤があることから「藤壺」、()には壺に桐があることから「桐壷」と呼ばれる()や()に住む妻は、天皇に召されても他の妻たちに知られることはありませんが、()から最も遠いところにある()に住む妻は知られてしまう、源氏物語の光源氏の母は「桐壷」に住む()だったので、他の妻の嫉妬を買った
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()内裏にある、天皇が日常住む所、()の南側にある「上達部」や「殿上人」の控えの間を()といい、会議も行われた、「蔵人」は()で働く「清涼殿」清涼殿の南側にある()や()の控えの間を「殿上の間」といい、会議も行われた、()は「殿上の間」で働く
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()「清涼殿」の北側にある部屋、「後宮」にある部屋とは別に、后たちに与えられた部屋で、誰の部屋というわけではない、天皇は妻と会うときはこの部屋で会い、妻は天皇のお召を受けると、後宮にある自分の部屋からここに赴く「上の御局」()の北側にある部屋、()にある部屋とは別に、后たちに与えられた部屋
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()「南殿」とも言う、内裏の正殿で、天皇の即位式などの重要な儀式が行われる、「御階」の東側には桜が、西側には橘が植えられており、()という「紫宸殿」()とも言う、内裏の正殿で、天皇の即位式などの重要な儀式が行われる、()の東側には桜が、西側には橘が植えられており、「左近の桜・右近の橘」という
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()主人から与えられた「女房」の私室、「女房」は宮仕え先に住み込む、()から主人のもとに行くことを「上る」、主人のもとから()に下がることを「下る」という「局」主人から与えられた()の私室、()は宮仕え先に住み込む、局から主人のもとに行くことを()、主人のもとから局に下がることを()という
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()「帝」ともいう、()はその位を譲ることができる、譲位後は、宮中から別の御所に移り住み、「上皇」と呼ばれる、出家すると「法皇」、それらのことを「院」ともいう「天皇」()ともいう、譲位後は、宮中から別の御所に移り住み、()と呼ばれる、出家すると()、それらのことを()ともいう
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()「東宮」ともいう、皇太子のこと「春宮」()ともいう
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()天皇の兄弟・皇子のこと、天皇の姉妹・皇女は「内親王」という「親王」天皇の兄弟・皇子のこと、天皇の姉妹・皇女は()という
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()臣下の中で一番権力を持っている人、多くは「摂政・関白」で、「左大臣」のときもある「一の人」多くは()で、()のときもある
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幼い天皇に代わって政治を行う人を()、天皇の政務全般を補佐する人を()という、娘を入内させ、天皇との間に生まれた皇子を帝位につけて摂関になろうとする「摂政」「関白」
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()「宰相」ともいう、大納言・中納言に次いで国政を審議する重役、三位・四位の者の中から選ばれる、やがて国の重鎮となるはずの有望な人物「参議」()ともいう
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()「雲の上人」「雲客」ともいう、清涼殿の殿上の間に上るのを許された人、四位と五位の人の一部、六位の蔵人がそれに当たる、()は一代限り、天皇が変わると選抜し直される「殿上人」()()ともいう
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()清涼殿の殿上の間に登るのを許されていない人、主に蔵人を除く六位以下の官人「地下」
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()天皇の側近、()は六位でも殿上の間に上るのを許された、()は天皇の着任を得た男がなり、エリートコースを歩む者のスタート地点「蔵人」
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()「蔵人頭」、つまり蔵人所の長官の略称、原則二名で、弁官と近衛中将から一人ずつ任命され、前者を「頭の弁」、後者を「頭の中将」という「頭」()、つまり蔵人所の長官の略称、原則二名で、弁官と近衛中将から一人ずつ任命され、前者を()、後者を()という
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()「人の国」の長官「守」のこと、この階級の家からは平安時代の文学を担った女たちが多く生まれた、多感な少女時代に都とは違う「人の国」の自然や人間に触れたことが彼女たちの世界を広げ、文学として結実した「受領」()の長官()のこと、この階級の家からは平安時代の文学を担った女たちが多く生まれた、多感な少女時代に都とは違う()の自然や人間に触れたことが彼女たちの世界を広げ、文学として結実した
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()「官職」と「位階」のこと、「官職」は職務、「位階」は貴族社会における地位のこと、給与は位階に応じて支払われ、職についていると臨時収入があった「官位」()と()のこと、()は職務、()は貴族社会における地位のこと、給与は位階に応じて支払われ、職についていると臨時収入があった
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()「皇后」の別称、天皇の正妻は「后」「皇后」()と呼ばれる、ほかに「女御」「更衣」と呼ばれる妻がいる「中宮」()の別称、天皇の正妻は()()「中宮」と呼ばれる、ほかに()()と呼ばれる妻がいる
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()天皇の寝所に侍る婦人のこと、中宮の次に位した「女御」
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()天皇の寝所に奉仕する女官で、「女御」に次ぐ位、もとは天皇の着替えの役目を持つ女官の職名「更衣」()に次ぐ位
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()天皇のそば近くに仕える女性、「蔵人」を天皇の私設秘書とするならば()は内侍司という役所で働く国家公務員、内侍司にも「尚侍」「典侍」「掌侍」という序列があった「内侍」()を天皇の私設秘書とするならば内侍は内侍司という役所で働く国家公務員、内侍司にも()()()という序列があった
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()宮中や院の御所、貴人の屋敷で働く地位の高い女性、多くは「受領」の娘、本名ではなく縁のある男性の官職名や任国名で呼ばれる「女房」多くは()の娘
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()地方のこと、「県召の除目」で任命された者は、任国へ下る、任期は普通四年、長官「守」を「受領」という「人の国」()で任命された者は、任国へ下る、長官()を()という
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()寝殿造りの屋敷には「寝殿」という屋敷の詩人たちが住む正殿の左右や後ろに付属する離れの建物のこと、成人した娘や婿として夫を迎えた娘夫婦が暮らす「対の屋」寝殿造りの屋敷には()という屋敷の詩人たちが住む正殿の左右や後ろに付属する離れの建物のこと
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()寝殿造りの2つの建物をつなぐ屋根付きの廊下「渡殿」
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()邸宅において、主人の居所として中央部に設けられた施設のこと「寝殿」
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()土で築いた塀、土でできているため、崩れたり、草が生えたりする、手入れもせず、そのままにしている屋敷には、経済的に余裕のない人が暮らしている「築地」
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()寝殿前の庭に流れている小川「遣水」
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()四季の移ろいを楽しむために庭に植えられた様々な植物「前栽」
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()池に臨んで立てられた建物、夏の納涼の他、花見・月見・雪見などをする所、詩歌管弦の遊びが行われることもある「釣殿」
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()開放的な寝殿造りの室内の中で唯一壁に囲まれている場所、普段は物置だが、古文では難を逃れて身を隠す場として描かれる、霊が住んでいることもある、寝殿造りの中は時と場合に応じて「几帳」や「屏風」などを配置して間を仕切る「塗籠」寝殿造りの中は時と場合に応じて()や()などを配置して間を仕切る
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()目隠しのための移動式のカーテン、親しい人と会うときも()を隔てて会った、恋人はそのかぎりではない「几帳」
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()部屋の中の一段高く作られている中央部分、周りの低い所は「廂」という、主の女性は普段は()にいる「母屋」周りの低い所は()という
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()肘掛け、前において寄りかかったり、うつ伏せてうたた寝をしたりすることもある「脇息」
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()高貴な人が寝る所、母屋の中に置かれている、台の上に畳を敷き四隅に柱を立てた箱型のものに帳を垂れたもの「御帳台」
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()母屋の外側に付加された細長い下屋部分「廂」
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()今のブラインド、竹で作られている、日よけと目隠し、女性は訪れてきた男性と会話するときには()越しに行った「御簾」
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()格子を取り付けた板戸、上部に蝶番をつけ、外または内側に水平に釣り上げて開ける「格子(蔀)」
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()高床式の建物の周りをぐるりとめぐっている濡れ縁「簀子」
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()庭から屋内に登って入るときに使う階段「階」
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()女性は()を長く伸ばして背中に垂らす、額の()は左右に分けて肩の下辺りで切り揃える、「額髪」や「下がり端」という、女性の()は美しさの条件の一つ「髪」女性は髪を長く伸ばして背中に垂らす、額の髪は左右に分けて肩の下辺りで切り揃える、()や()という
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()女性は毛抜で眉毛を全部抜いて()で眉を書いた、実際の眉の位置よりも上のあたりにぼかしながら太く書く「眉墨」
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()鉄を参加させた液である「鉄漿」で歯を黒く染めること、女性ばかりではなく男性も黒く染めた「お歯黒」鉄を参加させた液である()で歯を黒く染めること
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()仰いで風を起こす、男性は音を立てて人の注意を引いたり、音楽の拍子を取ったりする、女性は顔を隠すときにも使う、メモ用紙として使うこともある「扇」
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()重ね着のこと、衣装に制約の多い男性に比べて女性は自由に着こなせる、どんな色目のものを何枚重ねて着るのかは自由、女性にとって衣装は自己主張の一つ、配色に気を配り、センスを競い合う「襲」
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()香りの良いお香をたくこと、その香りから人柄がはかられる、自分が着る着物などにも焚きしめ、その香りを知っている人は、姿を見なくても誰か分かる、そういうお香を持ち寄って、香りの優劣を競う遊びを「薫物合」という「薫物」お香を持ち寄って、香りの優劣を競う遊びを()という
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()晴れの装束である「唐衣」「裳」を身に着けない、普段着「小袿」の姿「袿姿」晴れの装束である()()を身に着けない、普段着()の姿
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()平安時代以降の朝廷の男子の正服、文官は下着に小袖、大口の袴をつけ、単、衵、表袴を重ね、さらに下襲を加え裾を引き、石帯、冠をつける「束帯」
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()貴族の平常の服装、位による色目、文様の制限がない、通常「烏帽子」と「指貫」の袴を用いる「直衣」通常()と()の袴を用いる
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()出かけるときに乗る、男性は後ろから乗って前から降りる、女性は乗り降りは後ろから、乗り降りするところには簾が二重に垂れている「牛車」
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()高貴な人が外出するときなどに「オオ」「シシ」「オシオシ」という声を発すること、「殿上人」のものは短く、「上達部」のものは音を長く伸ばして発する、家の中にいてもどういう身分の人が通っているのかが分かる「警蹕」()のものは短く、()のものは音を長く伸ばして発する
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()牛車の牛を扱う者のこと、子供の格好をした大人「牛飼童」
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()女性が外出するときに乗る牛車、女性専用の車があるわけではなく、牛車の簾の下から女性の衣の一部を出す、風流を好む男がこれを見かけると、和歌を詠みかける、()は優先して通ることができ、中を改められることもないので、身分を隠したい男が悪用することもある「女車」
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()身分の上下によって鳳輦、葱華輦、四方輿、網代輿、板輿などの種類がある「輿」
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()貴人が外出するときに警備のためにお供する人、近衛府の役人「随身」
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()歌謡の一種、宴席や儀式の場で、楽器を伴奏として歌う、「篳篥」「笙」「横笛」は管楽器の一種、「篳篥」は縦笛、「笙」は立てて吹く楽器「催馬楽」歌謡の一種、宴席や儀式の場で、楽器を伴奏として歌う、()()()は管楽器の一種、()は縦笛、()は立てて吹く楽器
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()「笛」と「琴・琵琶」のこと、男性は()を演奏できるが、女性は「琴・琵琶」だけ演奏できる、()の道は、文の道と並んで男性貴族の必修科目「管弦」()と()のこと、男性は管弦を演奏できるが、女性は()だけ演奏できる、
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()文字を書く練習、習字のこと、和歌を思い浮かぶまま書くことを言うときもある「手習ひ」
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()漢字のこと、「男手」「男文字」ともいう「真名」()()ともいう
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()ひらがなのこと、「女文字」ともいう、かなには他にカタカナがあり、それは漢文の世界で使われた文字「女手」()ともいう
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()大学教授のこと、中国の詩文や歴史を学び、漢詩文を作る学科「文章道」の教授、()は菅原家や大江家から任命された「文章博士」中国の詩文や歴史を学び、漢詩文を作る学科()の教授
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()今のひらがなとは形が違う「変体仮名」
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()複数の歌人を左右の組に分けて和歌の優劣を競い合う遊び、勝負の数を「番」という「歌合」勝負の数を()という
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()一首の和歌を二人で作る遊び、相談せず、一人が575を詠んだら、もうひとりが77と句を付ける、先に77が詠まれることもある、一首の形で終わらず、更に長々と句を連ねていくこともある「連歌」
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()鹿の革でできた鞠を地面に落とさないように蹴る遊び、蹴る回数だけでなく、蹴った鞠の高さ、蹴るときの姿勢も問われる「蹴鞠」
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()平安時代中期に起こった、和歌とは違う新しい様式の流行歌謡、主に「白拍子」と呼ばれる女が男装して舞いながら歌い、その舞を「男舞」という「今様」主に()と呼ばれる女が男装して舞いながら歌い、その舞を()という
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()秋や冬に、調教した鷹を使って野で鳥や小動物を取る遊び、野での遊びには他に、春や秋に桜や紅葉を求めて郊外に出かける「桜狩り」「紅葉狩り」や「子の日の遊び」などがある「鷹狩り」野での遊びには他に、春や秋に桜や紅葉を求めて郊外に出かける()()や()などがある
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()天文や暦、物事の吉凶を占うことを目的とした学問で、これを修めた人が「陰陽師」、人々は何かを行う時「陰陽師」に相談して行う日を決めた、平安時代の安倍晴明が有名「陰陽道」天文や暦、物事の吉凶を占うことを目的とした学問で、これを修めた人が()、人々は何かを行う時()に相談して行う日を決めた、平安時代の安倍晴明が有名
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()未来の予兆で、気になる()を見たときは「夢解き」に「夢合はす」をしてもらう、合わせ方次第で、いい()にもつまらない()にもなる「夢」気になる夢を見たときは()に()をしてもらう
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()陰陽道でその日その方角へ行ってはいけないという「方塞がり」のときにその方角に当たるところに行くために、前夜別の場所に泊まって、方角を変えてから向かうこと、あることをしてはいけない日を「凶日」という「方違へ」陰陽道でその日その方角へ行ってはいけないという()のときにその方角に当たるところに行くために、前夜別の場所に泊まって、方角を変えてから向かうこと、あることをしてはいけない日を()という
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()凶事を避けるため、一定期間外出を慎むこと、不吉な行為を慎むことを「こと忌み」という「物忌み」不吉な行為を慎むことを()という
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()言葉に宿っている能力、言葉は発せられると、言葉通りのことを実現しようと活動する、不吉な言葉を口にすることは慎まれ、これも「こと忌み」という、悲劇的な話は若い人向きではない「言霊」不吉な言葉を口にすることは慎まれ、これも()という
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()干支で庚申に当たる日に徹夜をする習俗、この日眠ると身体の中にいる三尸という虫が抜け出して、日頃の罪料を天帝に密告する、起きていると抜け出せないので眠気覚ましに様々な遊びがこのよる催された「庚申待ち」
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()宗教的に汚れていること、「死」「出産」「病気」などが当たる、()には伝染性があり、当人以外の人にも感染する、()を受けた人は一定期間神事に携わったり参内したりすることができない、神に祈ったり水につかったりして「禊」をすることで()を除く、()を受けた人に接するときは、その人のいる室内に入らず、立ったままで要件を済ますと感染しない「けがれ」()()()などが当たる、神に祈ったり水につかったりして()をすることでけがれを除く
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()氏族が一族の神を祀る所、氏族によって祀る神が違うため、崇める神社も違う、天皇家は「伊勢神宮」、藤原氏は「春日大社」、平家は「厳島神社」、源氏は「八幡宮」を崇める「社」天皇家は()、藤原氏は()、平家は()、源氏は()を崇める
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天皇家は未婚の皇女を伊勢神宮と賀茂神社に神に奉仕する巫女として送り出す、伊勢神宮に仕える方を()、賀茂神社に仕える方を()という「斎宮」「斎院」
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()人に取り憑いて重い病気にしたり、死に至らせたりする悪霊、生霊と死霊がいる「物の怪」
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()恨みを抱いたまま人の怨霊で、神として祀られたもの、大宰府に流され、その地で亡くなった「菅原道真」の()が有名、異変が相次ぎ祟られた人々は恐れ、北野天神として祀った「御霊」大宰府に流され、その地で亡くなった()の御霊が有名
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()密教僧が真言を唱えて願いが叶うように仏に祈ること、悪霊を調伏したり、重い病を治したりするためによく行われる「加持祈祷」
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()加持祈祷をして霊験をあらわす行者のこと、()は険しい山を踏破したり、滝に打たれたり、荒行をすることで不思議な力を獲得する「験者」
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()この世のものは絶えず生滅変化し、常在することはないという考え、死を表しているときもある「無常」
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()この世のこと、仏教ではこの世はあの世(古語では「後の世」)に行くまでの一時的な生でしかない、「仮の宿り」ともいう「仮の世」仏教ではこの世はあの世(古語では())に行くまでの一時的な生でしかない、()ともいう
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()俗世を離れて仏道に入ること、その際、髪を剃る、熱心に仏道修行に励んでいても、剃髪していなければ()とはみなされない「出家」
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()出家するときに女性が完全に髪を剃るのではなく、髪を肩や背のあたりで切りそろえた髪型「尼削ぎ」
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()仏の住む清浄な世界、あちらこちらにたくさんある、その中で、阿弥陀仏の住む「極楽」が多く人々の信仰の対象となった、西の方角にあるので「西方浄土」ともいう「浄土」その中で、阿弥陀仏の住む()が多く人々の信仰の対象となった、西の方角にあるので()ともいう
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()極楽浄土のこと、極楽往生すると極楽の池に咲く蓮の上に生まれる「蓮の上」
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()南無阿弥陀仏と唱えること「念仏」
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()極楽往生できずに、6つの迷いの世界、地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上のどれかに生まれ変わること、悟りを開いた者だけが、この輪の回転から逃れて、極楽往生する「輪廻転生」
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()極楽往生を妨げる行い、古文の世界では現世への執着が()として描かれる「罪」
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()出家して極楽往生しようとする人の思いを妨げて、その人を俗世や現世に引き戻そうとするもの、古文の世界では家族が()として描かれる「ほだし」
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