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かくとだにえやはいぶきの さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを 藤原実方朝臣 後拾遺集
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明けぬれば暮るるものとは 知りながら なほうらめしき 朝ぼらけかな 藤原道信朝臣 後拾遺集
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嘆きつつひとり寝る夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る 右大将道綱母 拾遺集
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忘れじの行く未までは かたければ 今日を限りの 命ともがな 儀同三司母 新古今集
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滝の音は絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ 大納言公任 千載集
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あらざらむこの世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢うこともがな 和泉式部 後拾遺集
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めぐりあひて見しやそれとも わかぬ間に 雲隠れにし 夜半の月かな 紫式部 新古今集
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有馬山猪名の笹原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする 大弐三位 後拾遺集
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やすらはで寝なましものを さ夜ふけてかたぶくまでの 月を見しかな 赤染衛門 後拾遺集
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大江山いく野の道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立 小式部内侍 金葉集
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