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この山に籠もりゐてあと、やむごとなき人のかくれ給へるもあまた聞こゆ。高貴だ
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ゆゆしき身に侍れば、かくておはしますも、忌々しう、かたじけなくなむ。不吉だ
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帝の御位は、いともかしこし。恐れ多い
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その日の、髪上げうるはしき姿、唐絵ををかしげに描きたるやうなり。端正だ
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鳥辺山谷に煙の燃え立たばはかなく見えし我と知らなむ頼りない
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取り立てて、はかばかしき後見しなければ、ことあるときは、なほよりどころなく心細げなり。しっかりしている
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いみじうやさしかりける人の妻になりにけり。優雅だ
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いといはけなき御ありさまなれば、乳母たち近くさぶらひけり。幼い
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すべて、いとも知らぬ道の物語したる、かたはらいたく聞きにくし。見苦しい
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心地の悪しく、物の恐ろしきを知り、夜の明くるほど、いと心もとなし。待ち遠しい
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熊谷、あまりにいとほしくて、いづくに刀を立つべしとも覚えず。かわいそう
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かかる人も世に出でおはするものなりけりと、あさましきまで目を驚かし給ふ。驚きあきれるほど
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夕暮れのいたう霞たるにまぎれて、かの小柴垣のもとに立ち出で給ふ。とても
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やすからず思されけれど、なほつれなく同じさまにて過ぐし給ふ。平然として
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まだきに騒ぎて、あいなきもの恨みし給ふな。筋違いだ
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あぢきなきことに心を占めて、生ける限りこれを思ひ悩むべきなめり。どうにもならない
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さるさがなきえびす心を見ては、いかがはせむは。性質が良くない
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遅桜、またすさまじ。興ざめだ
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聞きしよりもまして、言ふかひなくぞこぼれ破れたる。どうしようもない
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あらぬよしなき者の名乗りして来たるも、返す返すもすさまじといふはおろかなり。関係がない
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今日はいと便なくなむ侍るべき、都合が悪い
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この酒をひとり食べんがさうざうしければ、申しつるなり。物足りない
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女君は、暑くむつかしとて、御髪すまして、少しさはやかにもてなし給へり。うっとうしい
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一人はいやしき男の貧しき、一人はあてなる男もたりけり。身分の高い
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世になく清らなる玉の男皇子さへ生まれ給ひぬ。美しい
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