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瓶にさす藤の花ぶさみじかければたたみの上にとどかざりけり正岡子規
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清水は祇園をよぎる桜月夜こよひ逢う人みなうつくしき与謝野晶子
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我が母よ死にたまひゆく我が母生まし乳足らひし母よ斎藤茂吉
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昼ながら幽か(かすか)に光る蛍一つ孟宗の(もうそう)の藪を出でて消えたり北原白秋
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幾山河越えさり行かば寂しさの終てなむ国ぞ今日も旅ゆく若山牧水
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やはらかに柳あおめる 北上の岸辺にみゆ 中区が田中ごとくに石川啄木
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岡に来て両腕に白い帆を張れば風はさかんな海賊の歌斉藤史
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ふるさとの訛りなくせし友といてモカ珈琲はかくまでにがし寺山修司
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たちまちに君の姿を霧とざし或る(ある)楽章を我は思ひき近藤芳美(よしみ)
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君のため空白なりし手帳にも予定を入れぬ鉛筆書きで俵万智(たわらまち)
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窓のやうな待つ少女だつたのぞけばしんと海が展けて(ひらけて)河野裕子
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えーんえんとくちからえーえんとくちから永遠解く力を下さい笹井宏之(ささいひろゆき)
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