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あいきゅうおくう愛及屋烏 偏愛のたとえ。
ある人を愛すると,その人の家の屋根にいるカラスまでも愛することから -
あいこうへんや哀鴻遍野 いたる所に戦いに敗れた兵士や難民がいるさま。
訓読「あいこう野にあまねし」 -
あいまいもこ曖昧模糊 物事がはっきりとせずあやふやなさま。
?明々白々(めいめいはくはく) -
あいようように愛楊葉児 物事の心理を深く探求しようとしないこと。
幼児が黄色くなったやなぎの葉を見て黄金と思い込み大切にするということから -
あさせあだなみ浅瀬仇波 思慮が浅い人は小さなことにも大騒ぎすることのたとえ。
深い淵より浅瀬のほうが激しく波立つことから -
あたらしんみょう可惜身命 体や命を大切にすること。
「可惜」はこのままにしておくのは惜しい,もったいない,という意味 -
あびきょうかん阿鼻叫喚 非常に悲惨でむごたらしいさまのたとえ。
阿鼻地獄に落ちて悲痛な叫び声をあげることから -
あふげいごう阿附迎合 相手に気に入られようとしてへつらいおもねること。
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あんこうきゅうへい按甲休兵 戦いをやめること。
訓読「こうをくだし,へいをやすむ」 -
あんしゃほりん安車蒲輪 老人をいたわり手厚く遇するたとえ。
「安車」は老人や婦人用の車。「蒲輪」は蒲の穂で車輪を包み振動を抑えたもの。 -
あんずさくしゅん按図索駿 実際には役に立たない考えや意見。
訓読「図をあんじて,しゅんをもとむ」 -
あんせんしょうじん暗箭傷人 闇討ちや中傷などの卑劣な行い。
訓読「あんせん,人をきずつく」 -
あんちゅうもさく暗中摸索 手がかりがないままにあれこれやってみること。
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あんぺいふどう按兵不動 好機の到来を様子をうかがいながらじっと待つこと。
「按兵」は兵を引き止めること -
いいせいい以夷征夷 他人の力を用いて利をはかること。
訓読「いをもって,いをせいす」,外敵を利用して外敵を制する外交戦略のこと -
いきけんこう意気軒昂 意気込みが盛んで奮い立つさま。
「軒昂」は奮い立つこと -
いくいくせいせい郁郁青青 香りが盛んで青々と生い茂るさま。
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いけんいっせつ夷険一節 順境でも逆境でも信念を変えないこと。
「夷険」は平らな場所と険しい場所のこと -
いしゅうやこう衣?夜行 出世しても故郷に錦を飾らなければ誰も知る者がないたとえ。
中国楚の項羽が「富貴な身分になっても故郷に帰らないのは,錦を着て夜歩くようなものだ」と言った故事から -
いちいんいったく一飲一啄 人が分を弁えて多くを求めないことのたとえ。
ちょっと飲みちょっとついばむ,ささやかな飲食の意味 -
いちじゅうさいじゅう一入再入 布を幾度も染めること・染色の濃いこと。
「いつじゅうさいじゅう」とも読む -
いちぼうせんけい一望千頃 一目でかなたまで広々と見渡されること。
「頃」は面積の単位 -
いちやけんぎょう一夜検校 ごく短い間に裕福になること。
「検校」は最上級の官名で,お金を積んで一夜にして検校になった者を呼んだ言葉 -
いちりょういっちょ一竜一猪 学ぶと学ばぬとで著しく賢愚の差ができるたとえ。
「竜」は賢者,「猪」は愚者のたとえ -
いちれんたくしょう一蓮托生 事のよしあしにかかわらず行動や運命を共にすること。
同じ蓮の花の上に生まれ変わり,身をたくす意味から -
いっかん(の)ふうげつ一竿風月 自然の中で悠々自適に過ごすこと。
一本の釣竿を持って,俗事を離れ風流を楽しむということから -
いっきょいちえい一虚一盈 常に変化して予測しがたいことのたとえ。
あるいはむなしく,あるいはみちるの意味 -
いっきんいっかく一琴一鶴 役人が清廉なことのたとえ・旅支度が簡易なことのたとえ。
ある役人が赴任する際,琴一張りと鶴一羽だけを携えていった故事から -
いっこけいせい一顧傾城 絶世の美人のたとえ。
美人がひとたび振り返れば君主が惑わされて国を傾けるという意味 -
いっこせんきん一壺千金 普段は価値がないものも時と場合によっては役立つこと。
おぼれた際にひょうたんひとつが浮袋代わりになるということから -
いっしゅいっぺい一種一瓶 気心の知れた者同士の肩のこらない宴会。
一種類の肴と一瓶の酒を持ち寄って行うことから -
いっしょうふぼん一生不犯 仏教の戒律で一生男女の交わりをしないこと。
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いっせい(の)ぼくたく一世木鐸 人々を教え導く人のこと。
「一世」はこの世にいる人たちのこと -
いっちょういっし一張一弛 厳格にしたり寛大にしたりして人をほどよく扱うこと。
弓の弦を張ったり緩めたりする意味 -
いっぴょういったん一瓢一? 粗末な飲食物・つましい暮らし。
一つのひさご(瓢)に入れた飲み物と,一つのわりご(?)に盛った食物の意から -
いっぺきばんけい一碧万頃 青い海や湖が限りなく広がっているさま。
「頃」は面積の単位 -
いりへいせん衣履弊穿 ひどく粗末な服装のこと。
「衣履」は服と靴のこと,「弊穿」は破れ穴があくこと -
いんぶんいんぶ允文允武 文武とも秀ですぐれていること。
訓読「まことにぶん,まことにぶ」 -
うちこうさい有智高才 賢くて優れた才能に恵まれていること。
「うちこうざい」とも読む -
うちまたこうやく内股膏薬 その時によって都合のいいほうにつくこと。
「膏薬」は練り薬のことで,内股に張ると歩くたびに,右足についたり,左足についたりすることから,「うちまたごうやく」とも読む -
うちょうのしじょう烏鳥私情 親に孝養をつくしたいという気持ちを謙遜して言う語。
からすは育ててもらった恩に親に口移しで餌を食べさせるということから -
うつうつそうそう鬱鬱葱葱 こんもり茂るさま・気の盛んなさま。
また,めでたい気が盛んに満ちるさま -
うはくばかく烏白馬角 世の中に絶対あり得ないこと。
「烏白」は頭の色が白い烏,「馬角」は角の生えている馬のこと -
うやむや有耶無耶 あるのかないのかわからないこと・いいかげんなこと。
「耶」は疑問の意味の助字 -
うんじょうりょうへん雲蒸竜変 英雄や豪傑が時運に乗じて起こること。
舞い上がる竜は雲を沸き起こし,さらに勢いを増しながら自在に活躍するという意味から -
うんちゅうのはっかく雲中白鶴 世俗から離れて高尚な境地にある人のたとえ。
白い雲の中にいる白い鶴のこと -
うんとうえんろう雲濤煙浪 はるかかなたで雲に連なっている波のこと。
海の雄大なさまをいう -
うんぷてんぷ運否天賦 運不運は天命による・運を天に任せる。
「うんぴてんぷ」とも読む -
うんりょうせいあ雲竜井蛙 地位の上下や賢愚の差の甚だしいことのたとえ。
大空を翔る竜と井戸の中の蛙という意味から -
えいえいいっすい盈盈一水 互いに心惹かれながら言葉を交わせないたとえ。
牽牛と織女の七夕伝説を題材に,一筋の天の河で隔てられているために,見つめるだけで会話することが出来ない切なさを言った語 -
えいごうかいき永劫回帰 同じものが永遠に繰り返してくる。
来世など考えず今の瞬間を大切にすべきというニーチェ哲学の根本思想 -
えいようえいが栄耀栄華 富や権勢を背景にして贅沢を極める・人や家が栄える。
また,おごりたかぶること/「えようえいが」とも読む -
えきしゃさんごう益者三楽 有益な三つの楽しみ。
「礼儀と音楽」「人の美点を褒める」「立派な友人を多くもつ」の三つ -
えんがんだいひ燕雁代飛 入れ違いになること・人が互いにへだてられているたとえ。
燕が南から渡ってくる季節には,雁は北へ渡り,雁が北から渡ってくる季節には,燕は南に渡るために出会うことはないということから。 -
えんじとうしょう掩耳盗鐘 浅はかな考えや知恵で自分を欺くたとえ。
または,隠していた悪事がいつのまにか知れ渡ること。訓読「耳をおおいて鐘を盗む」 -
えんてんがび宛転蛾眉 美人の形容。
「宛転」は三日月形の美しい眉。「蛾眉」は蛾の触角のように細く長い眉。楊貴妃をたとえた言葉 -
えんにゅうさんだい円融三諦 仏教で三つの真理が互いにとけあっていること。
天台宗が説く三つの真理「空」「仮」「中」(くう・け・ちゅう)がそれぞれの立場を保ちながらも同時に成り立っていること。「えんゆうさんだい」とも読む -
えんぴぎょやく鳶飛魚躍 自然の本性に従いおのずから楽しみを得ることのたとえ。
訓読「とび飛び,うお踊る」 -
えんぼくけいちん円木警枕 苦労して一生懸命勉学に励むこと。
枕を転がりやすい丸太にすることで,深く眠り込むと目が覚めるようにして,寝る間を惜しんで勉学に励んだという故事から -
えんもくとじ鳶目兎耳 目ざとく見つけられる目とよく聞こえる耳。
情報を集める能力の高い人のことで新聞記者などに言う -
おうせつじゅせつ横説竪説 自由自在に弁舌をふるうこと。
「竪」は縦という意味で縦横自在に考えを述べるという意味 -
おうばんぶるまい椀飯振舞 盛大なごちそう・気前が良いこと。
≒大盤振舞 -
おんじゅうとんこう温柔敦厚 あたたかさがあり優しく手厚いこと。
孔子が儒教の古典『詩経』を評した言葉 -
おんじんりく遠塵離垢 現世での迷いを断ち切ること。
けがれから遠ざかり煩悩から離れること -
おんばひがさ乳母日傘 子供が必要以上に大切に育てられること。
「おんばひからかさ」ともいう -
おんぶんじが温文爾雅 態度や表情が穏やかで言動が正しく美しいこと。
「爾雅」は例にかなって正しく美しいという意味 -
かいげんえきてつ改弦易轍 法律や制度を改変すること。
「改弦」は弦楽器の弦を張りかえること「易轍」は車輪の軸幅を変えること -
かいこうへんしょう回光反照 死ぬ間際に一瞬息を吹き返すこと。
また物事が滅びる直前に一瞬勢いを回復すること,日が沈む前に夕日の照り返しで一瞬明るくなるということから -
がいしゅういっしょく鎧袖一触 相手を容易に打ち負かしてしまうたとえ。
「鎧袖」は鎧の袖 -
がいだせいしゅ咳唾成珠 権勢の盛んなさま・詩文の才が豊かなさま。
「咳唾」はせきとつばきで,他人の言葉の敬称。せきやつばきもみな珠をなすということ。 -
がいだんこうご街談巷語 世間のつまらない噂。
≒街談巷説 -
かいもんゆうとう開門揖盗 みずから原因を作ってわざわいを招くこと。
「揖」は会釈のこと。自宅の門を自ら開けて,会釈して泥棒を招き入れるという意味から -
かくこていしん革故鼎新 古い制度や習慣を改めて新しいものにすること。
「かくはふるきを去るなり,テイは新しきをとるなり」の略 -
かくじゅせんざい鶴寿千歳 長寿のこと。
鶴は千年も生きるということから -
かくぜんたいこう廓然大公 私意や偏りがなくからりとして大いに公平であること。
「廓然」は心が広く,わだかまりのないこと。 -
かくねんたいご廓然大悟 心にわだかまりがなく至高の境地で真理を悟ること。
「廓然」は心が広く,わだかまりのないこと。 -
かげんぜんこう嘉言善行 人の戒めとなるよい言葉とよい行い。
-
かこうしゅうかい夏侯拾芥 学問を修めるのが大切なこと。
夏侯は人名で,学問をしっかり修めれば,官職を得るのはごみを拾うくらいに簡単なことだと説いていたという故事から。※「こう」は縦棒が入らないので注意 -
がこるいく画虎類狗 才能のない者が本物をまねても違うものになってしまうこと。
絵の才能のない者が虎の絵を描いても,犬にしか見えないということから。 -
かざんたいれい河山帯礪 永く変わらない堅い誓約のこと・国が永遠に栄えること。
黄河が帯のように細くなり,泰山が砥石のように平たくなるほど時間がたったとしても永久に変わることはないという意味から -
かじきとう加持祈? 病気や災難などを除くために神仏に祈ること。
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かしょゆうゆう禾黍油油 物が勢いよく見事に成長するさま。
「禾」は稲,「黍」はきびのこと,「油油」は草などがつやつやして勢いが良いさまをいう -
がしんしょうたん臥薪嘗胆 目的を達するために機会を待ち苦労を耐え忍ぶこと。
固い薪(たきぎ)の上で寝ることと苦い肝(きも)をなめること。 -
かしんれいげつ嘉辰令月 めでたい月日のこと。
「辰」も「令」も良いという意味 -
かっこふばつ確乎不抜 意思がしっかりとしていて動じないこと。
「確乎」はしっかりと定まっていること「不抜」はぬけない・動かせないの意味 -
かっぱくせいどん活?生呑 他人の詩や文章などを盗用すること(≒剽窃)。
「活?」は生きたまま皮をはぎ取る,「生呑」は生きたまま丸呑みする意味 -
かつはつはつち活??地 生き生きと活動すること・意気盛んで心配事がないこと。
「かっぱつぱっち」「かっぱつはっち」とも読む -
かとらくしょ河図洛書 めったに手に入れることができない図書のこと。
「河図」も「洛書」も伝説の動物の形や文字を写したという図のこと -
がふらいめい瓦釜雷鳴 小人や讒言が用いられる・能もないのにいばりわめくこと。
素焼きの安物の釜でものを煮ると,非常に大きな音がするということから。 -
かぼうとうぶん瓜剖豆分 瓜や豆を割るように分裂・分割すること。
「瓜のごとくさき,豆のごとくわく」とも読む -
かりょうびんが迦陵頻伽 声が美しいもののたとえ。
カラヴィンカという極楽浄土に住むという鳥の名前を音訳したもの。 -
がりょうほうすう臥竜鳳雛 才能を持ちながら機会がなくて実力を発揮できない者のこと。
寝ている竜と鳳凰のひなのこと -
がんいろうそん含飴弄孫 老人が気楽に隠居生活をすること。
訓読「あめを含んで孫をもてあそぶ」 -
かんうんやかく閑雲野鶴 隠士の心境のたとえ。
世間を離れのんびりと自由に暮らすこと。 -
かんかいそちょう韓海蘇潮 韓愈と蘇軾の文体を評した語。
韓愈の文章は海のようで,蘇軾の文章はうしおのように力強いということ -
かんきんこぶ歓欣鼓舞 大喜びするたとえ。
≒欣喜雀躍 -
かんざんじっとく寒山拾得 唐の二人の高僧の名前。
菩薩の生まれ変わりとされている,寒山と拾得のこと -
がんしゃせきえい含沙射影 陰険な方法で人に害を与えること。
「含沙」はいさごむしのことで,いさごむしが人の影に砂を吐くとその人は病死するとされていることから。 -
かんしょうばくや干将莫邪 名剣の名前。
「干将」も「莫邪」ももともとは人名 -
かんちゅうきひょう管中窺豹 見識の非常に狭いたとえ。
管を通して豹を見ても,一つの斑文しか見れず全体はわからないという意味から。 -
かんりてんとう冠履?倒 地位や立場など上下の順序が乱れること。
かんむりと靴が入れ替わるという意味から。 -
ぎおんしょうじゃ祇園精舎 釈迦が説法したことで有名な寺院の名前。
※「祇園」の「祇」のツクリは下部に横棒が入らないので注意 -
きくじゅんじょう規矩準縄 物事や行為の基準となるもの。
「規」はコンパス,「矩」は曲がりじゃく,「準」は水準器,「縄」は線を引く墨縄スミナワ -
きこうえいへい棄甲曳兵 戦いに敗れ戦意を失って逃げること。
訓読「こうをすて兵をひく」 -
きこうくほ規行矩歩 品行方正なこと・古い規則を固守して融通の利かないこと。
「干将」も「莫邪」も規則正しい歩き方のこと -
きこつりょうりょう気骨稜稜 自分の信念をゆるぎなく貫こうとする態度。
「気骨」は信念を曲げない性格のこと,「稜稜」は威勢があって厳しいこと -
きじせんもく貴耳賤目 伝え聞いたことを重んじて実際に見たことを軽んずる。
また,伝え聞いた過去を重んじ現在を軽んずる,訓読「耳をたっとび目をいやしむ」 -
きせんじょうげ貴賤上下 身分の高い人と低い人・あらゆる身分の人すべて。
意味の似た二字熟語を重ねて強めた言葉 -
きそくえんえん気息奄奄 いまにも滅びそうな苦しいさま。
「気息」は息づかい,「奄奄」は息が絶え絶えな様子,≒ざんそくえんえん -
きちじつりょうしん吉日良辰 縁起のよい日のこと。
「辰」は日・日柄の意味 -
きちじょうけか吉祥悔過 毎年正月に罪を懺悔しいろいろと祈願する法会(ほうえ)。
「吉祥」は吉祥天のこと,「きっしょうかいか」とも読む -
きにくぎょくせつ肌肉玉雪 雪のように白く美しい女性の肌の形容。
「肉」も肌や皮膚の意味 -
きもうとかく亀毛兎角 実在するはずがないこと・戦争が起こる兆し。
亀の甲羅に毛が生え,兎の頭に角が生えるという意味から -
きゃくじんぼんのう客塵煩悩 偶発的にもたらされるさまざまな心の迷いのこと。
「客塵」は外から来た客や旅人のようにたまたま身にとりついた塵のようなけがれのこと -
きゅうきゅうぼうぼう汲汲忙忙 非常に忙しいさま。
「汲汲」は休むことなく働き続けること -
きゅうけつれんじょ泣血漣如 非常に悲しみ涙がとめどもなく流れるさま。
「漣如」は涙の流れるさま -
きゅうこうのめいかく九皐鳴鶴 身を隠していても名声が世に現れること。
「九皐」は奥深い沢のことで深遠なところのたとえ -
きゅうしゅぎょうぎ鳩首凝議 額をつきあわせて熱心に相談すること。
「鳩」は集めるという意味 -
きゅうそごうびょう窮鼠?猫 追い詰められた弱者が強者に勝つこともあるというたとえ。
訓読「きゅうそ猫をかむ」 -
きゅうていたいりょ九鼎大呂 貴重なもの・重要な地位や名望のたとえ。
「九鼎」は九つの鼎,「大呂」は大きな鐘でどちらも非常に価値のある物 -
きゅうとうぼくしゅ旧套墨守 古いしきたりを守り続けること・それで融通がきかないこと。
「墨」はもとは人名で城をよく守っていた -
きゅうぼくふんど朽木糞土 だめな人間は教育しがたいたとえ・役に立たないたとえ。
「朽木」は彫刻することができない腐った木,「糞土」はぼろぼろの土壁の意味 -
ぎょうかいさんじゃく尭階三尺 質素な生活をすること。
また君主がつつましい生活をすることのたとえ。古代中国の伝説の聖天子・堯の宮殿は,土の階段があり,高さは三尺ほどしかなかったということから。 -
きょうぐんこしん僑軍孤進 救援もなく孤立して戦い進むこと。
「僑軍」は別の土地からやってきた軍,遠征軍のこと。 -
ぎょうこしゅんぼく尭鼓舜木 人の善言をよく聞き入れること。
尭帝は太鼓で,舜帝は木札に意見を書かせて自らをいさめさせたという故事から -
きょうさせんどう教唆煽動 教えそそのかして人の心をあおりたてること。
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ぎょうじゅうざが行住坐臥 日常のふるまいのこと・ふだん・つねづね。
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きょうしょくじあい彊食自愛 つとめて食事をとって体を大切にすること。
「彊食」の「彊」は「強」とも書く -
ぎょうねんしゅんじつ尭年舜日 天下泰平の世の中。
尭帝と舜帝が国を治めた平和な年月ということから。 -
ぎょうふうしゅんう尭風舜雨 天下太平の世の中。
尭帝と舜帝の恩恵を風や雨にたとえた言葉 -
きょくがくあせい曲学阿世 学問の真理をまげて世間や時世に迎合すること。
「曲学」は真理を曲げた学問,「阿世」は世におもねる意味 -
きょくじつしょうてん旭日昇天 非常に勢いが盛んなこと。
多く「旭日昇天の勢い」の形で用いる -
きょくびほうきょう曲眉豊? 美しい女性のたとえ。
≒氷肌玉骨(ひょうきぎょっこつ),容姿端麗 -
きょしんたんかい虚心坦懐 心にわだかまりがなく気持ちがさっぱりしていること。
「坦」の訓読みは「たいら」 -
ぎょもうこうり魚網鴻離 求めるものとは違うものが得られるたとえ。
魚を取るための網に大きな鳥がかかるということから。「離」は網にかかること -
ぎょもくえんせき魚目燕石 本物に似た偽物のこと・偽物が本物の価値を損なうこと。
魚の目玉と燕山の石は,宝石に似ているが価値は全くないということから -
きょゆうそうほ許由巣父 世俗を超越して悠々と楽しむたとえ・清廉潔白であること。
「許由」と「巣父」はともに人名 -
きんうぎょくと金烏玉兎 日と月のこと・特に月日の早く過ぎること。
「金烏」は太陽のカラス,「玉兎」は月のウサギのこと -
きんきじゃくやく欣喜雀躍 大喜びをすること。
「欣」と「喜」はどちらも喜ぶこと -
きんこんふくしゃ禽困覆車 弱者も切羽詰まると大きな力を出すということ。
「禽困」はとらえられて苦しむ鳥のこと -
きんしんしゅうこう錦心?口 詩や文の才能に優れていること。
「錦心」は錦のように美しい心,「繍口」は刺繍のように美しい言葉のこと -
ぎんぱいうか銀盃羽化 盗難にあうたとえ。
銀のさかずきに羽が生えて飛び去る意味 -
ぐふとくく求不得苦 求めているものが得られない苦しみ。
仏教における八つの苦しみのひとつ -
くほんれんだい九品蓮台 極楽浄土に往生した者が座る蓮でできた台(うてな)。
-
くんしひょうへん君子豹変 節操なく考えや態度をすぐ変えること。
もとは君子が豹の毛のように鮮やかに面目を一新するという良い意味で使われていた -
ぐんりょうむしゅ群竜無首 統率できる者がおらず事がうまく運ばないこと。
「ぐんりゅうむしゅ」とも読む -
けいかんしじん桂冠詩人 イギリス王室における詩人として最高の地位の称号。
名誉ある詩人に月桂樹の冠が与えられた風習による -
けいきゅうはくしん桂宮柏寝 美しい宮室のたとえ。
桂の宮殿と柏の居室のことから -
けいぐんのいっかく鶏群一鶴 多くの凡人の中で一人だけ優れていること。
「ぐんけいのいっかく」ともいう -
けいさいとんじ荊妻豚児 自分の妻と息子のことを謙遜して言う語。
「荊妻」は荊(いばら)のかんざしをさしている妻 -
けいしょううんかく卿相雲客 公卿(くぎょう)と殿上人(てんじょうびと)・身分の高い人。
≒月卿雲鶴 -
けいせいけいこく傾城傾国 絶世の美人。
その美貌で人の心が魅了されて,国や城が傾いて滅びてしまうという意味から。 -
けいせいほうおう景星鳳凰 聖人や賢人が世にあらわれるというよい前兆。
「景星」はめでたいしるしの星 -
けいでんらんきゅう桂殿蘭宮 非常に美しい宮殿。
「桂」も「蘭」も美しい香木の意味 -
けいひかくはつ鶏皮鶴髪 年老いて衰えたさま。
鶏のように張りを失った肌と,鶴の羽のように白い髪の毛という意味から。 -
けいふうほえい?風捕影 雲をつかむようなとりとめのないたとえ。
訓読「風をつなぎ影をとらう」 -
けいべんほきゅう刑鞭蒲朽 世の中が平和なたとえ。
刑罰用の鞭やガマの穂が朽ちるという意味 -
けいめいくとう鶏鳴狗盗 つまらないことしかできない人・つまらないことも役に立つ。
「けいめいこうとう」とも読む -
けいりんのいっし桂林一枝 容易に得難い人物や出来事・高潔で世俗を超越した人柄。
難関試験に合格したのを「わずかに桂林の一枝を折ったに過ぎない」と謙遜した人の故事から -
けちえんかんじょう結縁灌頂 仏道に縁を結ばせるために行う儀式。
頭に水を注ぎかける儀式で,仏道との縁を結ばせるときに行う。 -
けちみゃくそうじょう血脈相承 仏の教えが師から弟子へと受け継ぎ伝えられるということ。
「けつみゃくそうじょう」とも読む -
げっけいうんかく月卿雲客 公卿(くぎょう)と殿上人(てんじょうびと)・身分の高い人。
≒卿相雲客 -
けんいとんそく牽衣頓足 つらい別れを惜しむ様子。
出征する兵士の家族が衣服にしがみつき,足をばたばたさせて悲しむ様子を言い表した言葉。 -
けんがいさっしゅ懸崖撒手 勇気を奮い起こし思い切って事を行うたとえ。
「懸崖」は断崖絶壁,「撒手」は手を放すという意味 -
けんきょうふかい牽強附会 道理に合わなくても自分の都合の良いようにこじつけること。
「牽強」も「附会」もこじつけるという意味 -
けんげきしんしん剣戟森森 気性が激しくきびしいことのたとえ。
多くの武器がひややかに立ち並んでいるさまを性格にたとえた言葉 -
げんこうりてい元亨利貞 易(えき)で天のもつ四つの徳。
訓読「おおいにとおる,ただしきによろし」 -
げんしょうこうい玄裳縞衣 鶴の別称。
黒いもすそと白いうわぎの意味 -
けんどちょうらい捲土重来 一度失敗した者が再び勢いを盛り返すこと。
「捲土」は砂塵を巻き上げる意味 -
げんぽせきぎょく玄圃積玉 美しい文章のたとえ。
「玄圃」は中国の霊山で仙人が住んでいるとされているとされる -
げんりんかくえん彦倫鶴怨 偽善者を批判する言葉。
「彦倫」は人名 -
けんろうけんご堅牢堅固 かたくてじょうぶなこと。
また,じょうぶで動じたり破られたりしないこと -
けんわんちんわん懸腕枕腕 書道の筆使い「懸腕法」と「枕腕法」のこと。
腕を宙に浮かせながら書く書法と,左手を右手の枕のようにして構える書法 -
こういんじょぜん光陰如箭 月日が経つのが速いことのたとえ。
訓読「こういんやのごとし」 -
こうえんばんじょう光焔万丈 詩文や議論などが雄大で勢いがあり優れているたとえ。
炎が勢いよくどこまでも燃え上がるという意味から -
こうかくひまつ口角飛沫 激しく議論するさま。
訓読「こうかくあわをとばす」 -
こうかじせん膏火自煎 才があることでかえってわざわいに遭うことのたとえ。
訓読「こうか自らいる」または「こうか自らやく」 -
こうがんあいめい鴻雁哀鳴 離散してさまよう民が窮状を訴えるたとえ。
かなしげに鳴く「雁」を流浪の民をたとえたもの。 -
こうがんかれん紅顔可憐 時の流れの無情なこと。
「紅顔」は血色のよい若い青年のことで,青年が時とともに老いたことを憐れに思い,同情せずにおられないという意味。 -
ごうきかだん剛毅果断 意志が強くて決断力があること。
?優柔不断 -
こうきさんぜん光輝燦然 ひときわ鮮やかに光り輝くこと。
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ごうきちょくりょう剛毅直諒 意志が強く正直で誠実なこと。
≒剛毅朴訥 -
こうきはいし綱紀廃弛 国家や社会の規律や秩序が乱れゆるむこと。
「綱紀」は大づなと小づなのことで,国の大法と細則をいう。 -
こうきょもうそ綱挙網疏 根本をつかむことに力を入れ末節にはこだわらないこと。
または,巨悪の根源を挙げるために,小さな悪を許し見逃すこと。「こう」はおおづなで,網を締めくくるもとづなのこと。 -
こうけんちょうか高軒寵過 貴人の来訪をいう。
「高軒」は他人の車の敬称,「寵過」は名誉ある来訪という意味。 -
こうじょうきく鉤縄規矩 物事の法則や基準。
≒規矩準縄 -
こうしょうげんきつ黄裳元吉 従順な家臣は主家(しゅけ)の大黒柱であるということ。
また,そうした家臣が仕えれば吉兆であるということ。「裳」はもすそで,家臣をたとえたもの。 -
こうしんとうかく鉤心闘角 建物が高く並び立ちびっしりと密集している形容。
また,心を配ることのたとえとしても用いる。そりかえった屋根の中心が集まり,とがった軒先がツノを突き合わせて闘っているように見えるという意味から。 -
こうじんばんじょう黄塵万丈 黄色い土けむりが空高くもうもうと舞い上がること。
「万丈」は非常に高いこと -
こうだいむへん宏大無辺 限りなく広くて大きいこと。
「無辺」は果てしがないこと -
こうていちゅうしん孝悌忠信 真心を尽くして目上の人によく仕えること。
「孝悌」は父母や目上の人によく仕えること -
こうはがてつ侯覇臥轍 立派な人の留任を希望して引きとめる。
立派な政治家「侯覇」が都に変える際,土地の人が別れを惜しんで路上に寝そべり通行を遮った故事から。 -
こうはつはは黄髪番番 白髪が黄色味をおびるようになった老人。
知識や経験の深い老人に言う・「番番」は白髪のさま -
こうびぜいみ香美脆味 豪華でぜいたくなすばらしい食事。
「脆味」はとろけるように柔らかな菓子の意味 -
こうふんせいが紅粉青蛾 美人のこと。
「紅粉」は紅とおしろい,「青蛾」は青く美しい眉をいう -
こうぼうはくい黄茅白葦 やせた土地の形容。
「茅」はちがや,「葦」はあしで,どちらも痩せた土地で生える植物。ちがやとあししか生えておらず黄色や白に見えるという意味から。 -
こうほうひょうばく高鳳漂麦 学問に熱心なたとえ。
「高鳳」は人名。妻に麦を見ているよう頼まれたが,読書に夢中になり,雨で麦が流されたことに気がつかなかったという故事から。 -
こうめいがりょう孔明臥竜 まだ世に知られていないすぐれた人物のこと。
諸葛亮孔明は淵に潜む竜のように優れた人物であるという意味 -
こうもうへきがん紅毛碧眼 西洋人のこと。
赤い髪の毛と青い目の意味 -
こうもうろうそう孔孟老荘 孔子・孟子・老子・荘子のこと。
またその教え -
こうもんのぎょくと鴻門玉斗 劉邦(りゅうほう)が贈った翡翠でできたひしゃくのこと。
鴻門(こうもん)の地で贈られた故事がある -
こうようがんだん衡陽雁断 音信が絶えることのたとえ。
「衡陽」はコウザンの南のことで,雁(かり)が飛んできてもここを越えられないと言われることから -
こうろくのちだい光禄池台 立派な邸宅のこと。
「光禄」は役職名,「池台」は池の中の建物のこと。 -
こうろんおつばく甲論乙駁 互いに主張しあい議論がまとまらないこと。
「駁」の訓読みは「なじる」 -
こうんやかく孤雲野鶴 世俗から遠ざかった隠者のたとえ。
離れて浮かぶ雲と群れから離れた鶴のことから -
ごおんじょうく五陰盛苦 人間を形成する五つの要素から生じる苦痛。
仏教における八つの苦しみのひとつ,「ごじょうおんく」ともいう -
こかこい狐仮虎威 権力のあるものをかさに着て自分勝手にふるまうたとえ。
訓読「きつね,とらのいをかる」 -
ごかのあもう呉下阿蒙 進歩のない昔のままの人のこと・無学のたとえ。
呉の国出身のモウさんに久々に会った際,その学識の深さに「もはや呉にいたころのモウさんじゃないね」などといった故事から -
こくめんちょうけい鵠面鳥形 飢え疲れてやせ衰えているさま。
「鵠」は鳥のくぐい -
ごこくほうじょう五穀豊穣 穀物がよく実ること。。
五穀とは米・麦・あわ・豆・キビのこと -
こししゅきゅう狐死首丘 故郷を忘れないたとえ・物事の根本を忘れないたとえ。
訓読「きつね死しておかにカシラす」で,略して「首丘」ともいう。 -
ごしょうぼだい後生菩提 来世に極楽往生して悟りをひらくこと。
来世に生まれ変わって悟りを得ること。 -
ごじょくあくせ五濁悪世 末世のこと。
「五濁」は仏教における五つのけがれのこと -
こしょくそうぜん古色蒼然 見るからに古めかしく趣のあるさま。
「蒼然」は古めかしいさまの意味 -
こせつらんどう胡説乱道 筋の通らないでたらめなことば。
「胡」の訓読みは「でたらめ」 -
こそんにゅうたい胡孫入袋 (官職につくなどして)自由を奪われるたとえ。
訓読「こそん,ふくろにいる」 -
こっくんがんこう国君含垢 君主が恥を忍ぶこと。
訓読「こっくん,はじをふくむ」 -
ごどういちよう梧桐一葉 物事が衰える兆しのこと。
あおぎりの葉が一枚落ちるのを見て,秋が来ることを知るという意味から。 -
こばほくふう胡馬北風 故郷を懐かしむたとえ。
「胡馬」は胡の国の馬のことで,胡馬はどこの地にいても北風が吹くと故郷を懐かしむということから。 -
こぼくかんがん枯木寒巌 世俗を超越して無心の境地にあること。
枯れた木と冷たい岩のことでいずれも情念を滅却するもののたとえとしていう -
こぼくりょうぎん枯木竜吟 苦境を脱するたとえ・生命力を回復するたとえ。
春になると枯れ木も生き返り竜が声を発するような勢いであるという意味から。 -
こりようかい狐狸妖怪 悪い生き物や化け物・ひそかに悪事を働く者のたとえ。
「狐狸」は狐とタヌキ -
ごんぐじょうど欣求浄土 極楽浄土に行けるように心から願うこと。
?厭離穢土 -
こんごうふえ金剛不壊 固くてこわれないこと・志を固く守って変えないたとえ。
「ふえこんごう」ともいう -
さいかきっすい採菓汲水 厳しい仏道修行をすること。
訓読「くだものをとり,水をくむ」,「さいかぎっすい」とも読む -
さいかん(の)しょうはく歳寒松柏 逆境にあっても志や節操を変えないたとえ。
松や柏は寒い季節でも緑の葉をつけていることから。 -
さいしんきゅうすい採薪汲水 自然の中で簡素な生活を営むこと。
訓読「たきぎをとり水をくむ」 -
ざがこうほ坐臥行歩 立ち居振る舞い。
座ったり寝たり歩いたりすることから -
ざさしんたい坐作進退 立ち居振る舞い。
「作」は立つこと -
さしゆうご左支右吾 いろいろ手を尽くして難を避けること。
または,左右どちらにもさしつかえること。左を支え右をふせぎとめることから。 -
ざしんけんたん坐薪懸胆 将来の成功のためにひどく苦労するたとえ。
訓読「たきぎにざして,きもをかく」,≒臥薪嘗胆 -
さんしゃていだん三者鼎談 三人が向かい合って話しあうこと。
「鼎」は「かなえ」で,足が三本ある鍋的な道具 -
さんしゃていりつ三者鼎立 三者が分かれて並び立つこと。
「鼎」は「かなえ」で,足が三本ある鍋的な道具 -
さんじゅうじりつ三十而立 三十歳で学識や道徳観を得て思想が確立すること。
論語の「三十にして立つ」に由来する -
さんせきのどうじ三尺童子 七~八歳のこども。
二歳半で一尺と数えた -
さんそうぞうしつ山藪蔵疾 大人物は多少欠点があれど度量があるたとえ。
「疾」はここでは害虫や毒蛇のこと,訓読「さんそう,しつをかくす」 -
ざんそくえんえん残息奄奄 いまにも滅びそうな苦しいさま。
「残息」は息づかい,「奄奄」は息が絶え絶えな様子,≒気息奄奄 -
さんてんじち参天弐地 天地と同じくらい大きな徳を積むこと。
「参天」は天と並ぶこと。「弐地」は地と並ぶこと。 -
さんとうしきりょう山濤識量 すぐれた見識や器量をもつ人のたとえ。
「山濤」は人名 -
さんぶんていそく三分鼎足 天下を三分して三つの国が並び立つこと。
「鼎」は「かなえ」で,足が三本ある鍋的な道具 -
さんぺいじまん三平二満 じゅうぶんではないが心が安らかで満足していること。
「三」や「二」は数が少ないこと -
さんれいかたい山礪河帯 永く変わらない堅い誓約のこと・国が永遠に栄えること。
黄河が帯のように細くなり,泰山が砥石のように平たくなるほど時間がたったとしても永久に変わることはないという意味から -
じうはんぽ慈烏反哺 親に恩を返すこと。
カラスは口移しで老いた親に餌を与えて恩を返すといわれていることから。 -
じえいほたい持盈保泰 満ち足りて安らかな状態を長く保つこと。
または,慎重に行動して災いを招かないようにすること。 -
じかどうちゃく自家撞着 同じ人の言動や文章が前と後で矛盾していること。
「じかどうじゃく」とも読む -
しかんすいよう紫幹翠葉 山の木々がみずみずしく美しいさま。
ムラサキの木の幹とミドリのはっぱ,略して「しすい」ともいう -
しかんたざ只管打坐 雑念を捨ててひたすら座禅すること。
「打」の字は動詞につく接頭語 -
しぎょしかん史魚屍諫 自分のしかばねで主君をいさめたという故事。
史魚は人名。主君をいさめたが聞き入れられず,自らの死後しかばねを埋葬せず見せつけ,主君は過ちを認めたという故事。 -
しぐぜいがん四弘誓願 すべての仏や菩薩のもつ四つの願い。
「しぐうぜいがん」とも読む -
じこんじご而今而後 今からのち・これから。
訓読「いまよりしてのち」 -
しざんけつが屍山血河 非常に激しい戦闘のたとえ。
「しざんけっか」とも読む -
しししんちゅう獅子身中 内部からわざわいが生じること・恩を仇で返すこと。
獅子の体内に寄生する虫が獅子を死なせることから -
ししふんじん獅子奮迅 猛烈な勢いで活躍すること。
もとは仏教の言葉 -
ししょうりんよ梓匠輪輿 大工・家具職人や車台・車輪職人。
「梓」は家具職人,「匠」は大工,「輪」は車輪を作る職人,「輿」は車台を作る職人のこと -
ししるいるい死屍累累 多くの死体が重なりあっているむごたらしいさま。
「累」の訓読みは「かさなる」 -
しぜんとうた自然淘汰 適しているものだけが自然に選ばれて残ること。
「淘」も「汰」も訓読みは「よなげる」 -
しちじゅうこき七十古稀 七十歳まで生きられるのは古来よりまれである。
「人生しちじゅう古来まれなり」の略 -
しちてんばっとう七?八倒 激しい苦痛に転げまわってもがくこと。
「しってんばっとう」「しちてんはっとう」とも読む -
しちどうがらん七堂伽藍 七つの堂のそろった寺。
「伽藍」は寺のこと -
しちほはっさ七歩八叉 詩文を作るすぐれた才能。
七歩あるく間に詩を作り,八回腕組みする間に賦(ふ)を作ったという故事から。 -
しっかいじょうぶつ悉皆成仏 生きとし生けるすべてのものが成仏すること。
「悉皆」はすべて・ことごとくの意味 -
じつげつせいしん日月星辰 空のこと。
「辰」は太陽・月・星の総称 -
しっしんどんたん漆身呑炭 仇(あだ)討ちのために苦労をすること。
訓読「身にウルシし炭をのむ」 -
しっぷうどとう疾風怒濤 時代が激しく変化することのたとえ。
もとはドイツ語の訳語で文学革新運動のことをいったことば -
しでんいっせん紫電一閃 刀剣などがきらめく形容・きわめて短い時間。
紫のいなずまが一瞬ひらめくという意味 -
じねんほうに自然法爾 少しも人為的な力が加わらないあるがままの姿であること。
全てのものは如来の知恵のあらわれであり,真理にかなっているということ。 -
じひにんにく慈悲忍辱 慈しみの心が深くどんな苦難も耐え忍ぶこと。
仏教語で,僧として必ず守るべき道をいう -
しべんしょうしつ資弁捷疾 生まれつき弁舌が巧みで行動が素早いこと。
「資弁」は生まれつき弁舌が達者なこと -
しぼくかくけい子墨客卿 詩文を作る人。
「子墨」は墨の擬人化,「かくけい」は他国からきて高官として滞在している者の意味 -
しめなわ七五三縄 神前や神事の場所に張る縄。
縄の網目に七,五,三筋のわらをはさんで垂らすことから -
しめんそか四面楚歌 周囲のすべての人から非難されていることのたとえ。
-
しゃえんしゅうこう社燕秋鴻 出会ったかと思うとまたすぐ別れることのたとえ。
「社燕」は春にきて,秋に去る燕,「秋鴻」は秋にきて春に去る白鳥のことで,燕と白鳥がすれ違う短い出会いという意味から。 -
しゃくこんかんし釈根灌枝 末節に気を取られ物事の根本を忘れること。
また,本質的な原因を探究せず結果だけを問題にすること。訓読「根をすてて枝にそそぐ」 -
しゃくしかほう杓子果報 運に恵まれること。
食べ物が山盛りに配られる幸せという意味から -
しゃくしじょうぎ杓子定規 一つの基準ですべてを決めようとして融通が利かないこと。
曲がっている杓子の柄を無理やり定規のかわりにするということから -
しゃすいばりょう車水馬竜 車や馬の往来のにぎやかなさま。
「しゃすいばりゅう」とも読む -
しゅうしょうろうばい周章狼狽 思いがけないことに出会ってあわてふためくこと。
「周章」と「狼狽」はどちらもひどく慌てるという意味 -
じゅうていちょうせき獣蹄鳥跡 世の中がひどく乱れていること。
「獣蹄」は獣の足跡。「鳥跡」は鳥の足跡。世の中が乱れて足跡だらけになることから -
しゅうなんしょうけい終南捷径 正規の試験などをすることなく官職につくこと。
または,終南山には仕官への近道があるということ。「終南」は終南山,「捷径」は最短距離・近道のこと。 -
しゅうふうさくばく秋風索莫 勢いが衰えてものさびしいさま。
「索莫」はむなしくものさびしいこと。≒しゅうふうらくばく -
しゅくこうやしん夙興夜寝 朝から夜遅くまで職務に精を出すこと。
「夙興」は早起き,「夜寝」は夜遅い時間に寝ること。訓読「つとにおき,よわにいぬ」 -
しゅこうぼくしゅ輸攻墨守 攻めるほうも守るほうも知略を尽くすたとえ。
「輸」も「墨」も人名 -
しゅしゅたいと守株待兎 古きに固執して融通がきかない・偶然の幸運をあてにする。
訓読「株を守りてうさぎを待つ」,ウサギがたまたま切り株にぶつかって死んだのを見た農夫がそれ以来ずっと切り株を見張って過ごしたという故事から -
しゅそりょうたん首鼠両端 どっちつかずのあいまいな態度。
ねずみが穴から首を出してきょろきょろしている様子から -
しゅっこくせんきょう出谷遷喬 出世すること。
鳥が谷から出てきて高い木に移るということから -
しゅのうはんたい酒?飯袋 無知無能の人。
酒を入れるカメと飯をいれる袋。 -
じゅりんのとうりょう儒林棟梁 儒学者の世界で重責を担っている人。
「儒林」は儒学者の仲間のこと -
しゅれんへきごう珠聯璧合 りっぱな才能のある人が集まるたとえ・新婚を祝う言葉。
たくさんの宝石が連なりあうという意味から -
しゅれんまんいん株連蔓引 関係者が残らず罰せられること。
株やつるが連なるようすにたとえている -
しゅんあしゅうぜん春蛙秋? ただうるさいだけの無意味な言論。
春の蛙や秋の蝉のようにやかましいことから。 -
しゅんじつぎょうねん舜日尭年 天下泰平で盛んな世の中。
「舜」は舜帝,「堯」は尭帝のこと -
じゅんじょうかれん純情可憐 すなおで邪念がなく清らかで愛らしい。
≒純真無垢 -
じゅんしんむく純真無垢 けがれのない心を持っていること。
≒純情可憐 -
しゅんそくちょうはん駿足長阪 すぐれた人物が困難を恐れずに才能を試したいと思うこと。
「長阪」は長い坂道のこと -
じゅんぷうびぞく醇風美俗 人情が厚くうるわしい風俗や習慣。
「醇風」は善良で人情の厚い風俗のこと -
じょういんとうた冗員淘汰 官庁などで無駄な人員を整理すること。
「冗」の訓読みは「むだ」 -
しょうかへきぎょく小家碧玉 貧しい家に育った美しい娘・貧しい家の大事な宝物。
-
じょうぐぼだい上求菩提 菩薩がさらに高みを望んで悟りの道を求めること。
「上求」は上に求めること -
じょうこしゃそ城狐社鼠 権力者のかげに隠れて悪事をはたらく者のたとえ。
城のキツネとヤシロのネズミのこと -
じょうじゅうざが常住坐臥 いつも・ふだん。
座っているときも寝ているときもという意味から -
じょうしょてんめん情緒纏綿 感情がいつまでもまつわりついて離れないさま。
「じょうちょてんめん」は慣用読み -
しようせきも支葉碩茂 本家はもとより分家まで一族全部が栄えること。
「支葉」の「支」は「枝(えだ)」でもよい -
しょうそくえいきょ消息盈虚 時の移り変わり。
「消息」も「盈虚」も満ちたり欠けたりすること。 -
じょうとうしゅだん常套手段 いつも決まって使われる手段。
≒かんようしゅだん -
しょうふうはいかい蕉風俳諧 芭蕉の一派の俳諧のこと。
-
しょうぼくりんじょ昭穆倫序 廟(びょう)の序列には一定の序列があること。
「昭穆」は祖先の廟の順序を示す名称,「倫序」は順序のこと。 -
しょうめいていしょく鐘鳴鼎食 富貴の人の生活。
鐘を鳴らして食事の時間を知らせ,たくさんの鼎を並べて食事すること。 -
しょうめんやしゃ笑面夜叉 顔は笑っていても心の底で悪いことを考えていること。
「夜叉」は人を害する猛悪な鬼神 -
じょうよしゃが乗輿車駕 天子の乗る車・転じて天子。
-
じょうよはえつ乗輿播越 天子が都を落ちのびて他国をさすらうこと。
「乗輿」は天子の乗り物,「播越」は移り逃れること -
じょうりんぼんかい常鱗凡介 ごくありふれた人のたとえ・凡人。
普通の魚とありふれた貝類という意味から -
じょうろうかしゅう上漏下湿 貧乏なあばら屋のさま。
屋根からは雨が漏れ床から湿気が上がってくるという意味から。「じょうろうかしつ」とも読む -
しょじょだっと処女脱兎 はじめは弱く見せかけてあとから力を発揮する兵法。
「はじめは処女のごとくのちは脱兎のごとし」の略 -
しらんぎょくじゅ芝蘭玉樹 優れた人材や子弟・優れた人材を輩出すること。
「芝」は瑞兆とされたレイシ,「蘭」は香草のふじばかまのこと -
しらんけっけい芝蘭結契 美しくうるわしい交際。
「芝」はレイシ,「蘭」はふじばかまで,君子や善人にたとえる -
しろくいば指鹿為馬 間違いや道理の通らないことを無理に押し通すこと。
訓読「鹿をさして馬となす」 -
じんいとうた人為淘汰 バイオテクノロジーで人工的に優秀な新種を作ること。
自然の法則である自然淘汰に対して言う -
しんくそうほう辛苦遭逢 ひどい困難や苦しみに出会うこと。
-
しんこうきふ神工鬼斧 人間わざとは思えないほどすぐれた細工や作品のこと。
神の細工と,鬼が斧をふるった細工の意味 -
しんしさくらく参差錯落 ふぞろいな物が入り混じっているさま。
「参差」は長短ふぞろいのさま,「さくらく」はいりまじること -
じんしゅげきりん人主逆鱗 君主や権力者のひどい怒りを買うことのたとえ。
「人主」は君主のこと -
ずいしゅだんじゃく随珠弾雀 用いる物が適当でない・得るものが少なく失うものが多い。
訓読「ずいしゅをもって雀をうつ」 -
すいしょくれいこう翠色冷光 冷ややかな青い光の形容。
また,月の光りの形容 -
すいてきせきせん水滴石穿 わずかな力でも積み重なると大きな力を発揮すること。
≒てんてきせんせき -
すいてんいっぺき水天一碧 空と海とがともに青々と連なり見分けがつきにくいさま。
≒すいてんほうふつ -
すいとうきょせい水到渠成 学問をきわめると徳も備わる・時期が来れば自然に成就。
訓読「水いたりて,きょ成る」,水が流れると自然に溝ができるという意味 -
すいほんそげん推本溯源 物事の根源を究め求めること。
根本を推察して根源にさかのぼるという意味 -
すうえんふねつ趨炎附熱 時の権力のある者につきしたがうこと。
訓読「えんにおもむき,ねつにつく」 -
ずさんだつろう杜撰脱漏 粗末で誤りの多いこと・ぞんざいで誤脱も多いこと。
「杜」は人名,「撰」は詩文を作ること -
すんしそくえん寸指測淵 愚かなこと・不可能なこと。
訓読「すんしもて淵をはかる」で,学問が浅くては物事の深い道理は理解できないということ -
せいしほうしん西施捧心 病に悩む美女・同じ様子でも人によって善悪の差が生じる。
「西施」は人名で,眉をひそめ痛む胸をおさえて歩くことが多く皆が見惚れたが,醜い女性がそれを真似して歩くと皆が逃げ出したという故事から。 -
せいじゅうとうい西戎東夷 西方と東方の異民族の蔑称。
≒なんばんほくてき -
せいしゅかくりん西狩獲麟 文章を書くことを終えること。
訓読「せいしゅして,りんをえたり」,麒麟が乱世にあらわれたと感じた孔子が筆をおいたという故事から -
せいじょうむく清浄無垢 清らかでよごれのないこと。
また,仏教では煩悩がないことをあらわす -
せいそうれいふく盛粧麗服 盛んによそおい美しい服を着る。
「せいしょうれいふく」とも読む -
せいだくへいどん清濁併呑 度量が大きくどんなことでも受け入れること。
訓読「せいだくあわせのむ」 -
ぜかひか是耶非耶 善悪の判断に迷うこと。
「耶」は疑問の助字で,音読みは「ヤ」 -
せきがくたいじゅ碩学大儒 学問の奥義をきわめた大学者のこと。
「碩学」は大学者,「大儒」はすぐれた儒者のこと,≒つうじゅせきがく -
せきざんすんすい尺山寸水 高い山から見下ろす景観。
「尺」と「寸」は長さの単位 -
せきしめいじん碩師名人 大学者や名声の高い人・大いなる徳を備えた人。
-
せきすいせいえん積水成淵 小さなものも集まれば大きな力になる・努力を重ねれば成就。
訓読「せきすい淵をなす」 -
せきたんすんちょう尺短寸長 すぐれた人にも短所があり劣った人にも長所がある。
「せきも短きところあり,すんも長きところあり」の略 -
せきへきひほう尺璧非宝 時間は何よりも貴重であるということ。
訓読「せきへきは宝にあらず」,直径いっせきもある宝玉も時間の貴重さと比べたら宝物とは言えない,という意味 -
せついそさん窃位素餐 高い地位にいて職責を果たさずに給料をもらっていること。
「窃位」は才能も人徳もないのに高い地位についていること,「素餐」は何もせずに食べること -
せっしょうぎょぶ折衝禦侮 武勇によって敵をくじき敵の侮りを防ぎとめ恐れさせる。
「折衝」は攻撃してくる敵をくじくこと,「禦侮」はこちらを侮ることを防ぐという意味。 -
せつせつしし切切偲偲 ねんごろに事こまかく善をすすめ励ますこと。
「切偲」だけでも同様の意味になる -
せっちゅうのしょうはく雪中松柏 志や節操が固いことのたとえ。
松や柏の葉の色は雪が降っても緑色のまま変わらないことから。 -
せつでいのこうそう雪泥鴻爪 人間の行為などは一時的ではかないことのたとえ。
雪解けのぬかるみに鴻が爪跡を残してもすぐに消えるということから。 -
せんけんてんこん旋乾転坤 国の政局を一新すること。
訓読「けんをめぐらし,こんをてんず」,天地を一回転させてもとの位置に戻すという意味から。 -
せんこうこうこう先庚後庚 物事を過ちのないようにていねいにすること。
「庚」は改変するという意味で,物事を変える時には前後のことをしっかりと説明するべきであるということ。 -
ぜんここうろう前虎後狼 つぎつぎと災難や危害におそわれるたとえ。
「ぜんろうこうこ」ともいう -
せんさくばんそう千錯万綜 さまざまに入りまじること。
二字熟語の「錯綜」に「千万」をくっつけて四字句にしたもの -
ぜんしゃのふくてつ前車覆轍 先人の失敗はあとの人の戒めになるということ。
前の車がひっくり返ると,後続車への警告になることから -
せんしゃばんせん千射万箭 一つ一つのことに手を抜いてはいけないということ。
弓道の心がまえをいう言葉で,多くの矢を射るときでも,今射る矢をおろそかにしてはならないということ。 -
せんだんのふたば栴檀双葉 偉大な人物は小さいときからすぐれているということ。
「栴檀は双葉より芳し」の略 -
ぜんとりょうえん前途遼遠 行く先の道のりがはるかに遠いこと。
≒ぜんとたなん,?ぜんとようよう -
せんなりびょうたん千成瓢箪 豊臣秀吉の馬印(うまじるし)。
もとは瓢箪の一種をいう -
ぜんぴょういっぱん全豹一斑 物事の一部分を見て全体を批評すること・見識が狭いたとえ。
たった一つの豹の斑文を見て,豹の全体を推測するという意味から。 -
せんぺきいんこう穿壁引光 苦学のたとえ。
訓読「かべをうがちて光を引く」 -
せんぺんいちりつ千篇一律 多くのものがどれも変わりばえがせず面白みに欠けること。
「千篇」は数多くの詩篇のこと -
せんりめいが千里命駕 はるかな遠方からおいでになること。
訓読「千里がをめいず」 -
そうぎゃらんま僧伽藍摩 寺院の建物の総称。
「そうがらんま」とも読む -
そうけいせつじく叢軽折軸 小さなものでもたくさん集まると大きな力になること。
訓読「そうけい軸をおる」 -
そうこほうし桑弧蓬矢 男子が志を立てること。
昔の風習で,男児が生まれた際,桑の木で作った弓でヨモギの矢をはなち,飛躍を祝ったことから -
そうしりょううん壮士凌雲 俗世間を超越したいと願う高尚なこころざし。
「凌雲」は雲をしのいでのぼること,転じて俗世を超越すること -
そうしんさつじん曽参殺人 誤ったうわさもそのうちに誰もが信じるようになるたとえ。
「曽参」は人名で同姓同名の人が殺人を犯したため嫌疑のうわさが流れ,最終的には母親までもが信じてしまったという故事から -
そうしんのかせい曽参歌声 貧しくても高潔で私欲にとらわれないことのたとえ。
「曽参」は人名で貧しい暮らしをしていたが歌を歌ったところその声がすばらしく天地に響いたという故事から -
そうじんふぎょ甑塵釜魚 非常に貧しいことのたとえ。
「そうちゅうチリを生じ,ふちゅうウオを生ず」の略。「甑」の訓読みは「こしき」 -
ぞうちょぎょくはい象箸玉杯 ぜいたくな生活をすること。
象牙の箸とギョクで作ったさかずきの意味 -
そうでんへきかい桑田碧海 世の中の変化が激しいこと。
大海原が干上がって桑畑になるほど移り変わりが激しいということ -
そうぼうきげん草茅危言 民間人の国政に対するきびしい批判の声。
「草茅」は草むらのことで転じて民間のこと。「危言」はきびしい言葉。 -
そうめいえいち聡明叡知 聖人の四つの徳。
「聡」「明」「叡」「知」のこと -
そうもくきんじゅう草木禽獣 地に生きるすべてのもの。
「禽獣」は鳥とけだもののこと -
そえつどうしゅう楚越同舟 仲の悪い者同士が同じ場所や境遇にいること。
もとは,反目しあいながらも利害が一致するときには協力し合うという意味 -
ぞくさんへんち粟散辺地 世界の果ての小さな国。
粟の粒が散らばっているさまにたとえている。特に中国などから見て日本をいうことば -
そざいしんよう楚材晋用 ある部署の人材を他の部署でうまく重用すること。
また,自国の人材が他国で用いられ流出すること。 -
そしゅうなんかん楚囚南冠 捕らわれの身になっても故国を忘れないこと。
祖国である南方の楚の国の冠をいつも被っていた囚人の故事から。 -
そしゅそさん粗酒粗餐 粗末な酒と食事のこと。
-
そせつくとう鼠窃狗盗 こそどろのたとえ。
ねずみや犬のように物を盗むことから -
そったくどうじ?啄同時 逃がせない大チャンス・熟した機をとらえ悟りに導くこと。
「?」は雛(ひな)が孵化するとき殻の中で泣く声のこと ,「啄」は親鳥が卵の殻をつつくことを表す -
そはぎんとう素波銀濤 白い波・白い雲やもやのたとえ。
「素波」は白い波のこと -
そむううん楚夢雨雲 男女が情を交わすこと。
楚の王が夢の中で女神と情交を結んだ際に女神が「朝には雲となって,夕方には雨となってここに参ります」と言ったという故事から。 -
たいえきのふよう太液芙蓉 美人のこと。
「太液」は池の名前,「芙蓉」はハスの花のこと。 -
たいざんこうもう泰山鴻毛 へだたりの甚だしいことのたとえ。
「泰山」は山の名前で非常に重いもののたとえ「鴻毛」はオオトリの羽毛のことで非常に軽いもののたとえ。 -
たいざんりょうぼく泰山梁木 賢人のこと。
「泰山」は山の名前,「梁木」は屋根を支える横木でいずれも賢者のたとえ -
だいちじょぐ大智如愚 賢者は才能をひけらかさないので一見愚者のように見える。
訓読「だいちはぐなるがのごとし」 -
だいちふち大智不知 賢者は才能をひけらかさないので一見無知のように見える。
訓読「だいちはちならず」 -
たいめいていてい大名鼎鼎 名声が世に響きわたっていること。
「鼎鼎」は華やかで盛大なさま -
たいろうのじみ太牢滋味 豪華なごちそうのたとえ。
「太牢」は祭りの時に供える牛・羊・豚の三種の肉のこと「滋味」は栄養のあるおいしい食べ物のこと。 -
たしせいせい多士済済 すぐれた人材が多いこと。
「済済」は多くて盛んなさま,また威儀が整って立派なさま。「たしさいさい」とも読む -
たんかつせんけつ短褐穿結 貧しい人や卑しい人の着物。
「短褐」は丈の短い粗末な布の服「穿結」は破れたのを縫い合わせること -
たんしひょういん?食瓢飲 清貧に甘んじるたとえ・質素な食事のたとえ。
わりご一杯の飯とひさご一杯の汁物だけの食事ということから。 -
だんなくしゅぜん断悪修善 仏教で一切の煩悩を断とうとする誓いのこと。
訓読「あくをたち善をおさむ」 -
たんびしゅぎ耽美主義 理性よりも美や感覚を重視する芸術上の態度。
「耽美」は美を最高のものと重んじ,ひたりきること -
ちきほうゆう知己朋友 交際のある友人のすべてのこと。
「知己」は自分をよく知ってくれる親友のこと,「朋友」は友人や友達のこと。 -
ちくとうぼくせつ竹頭木屑 役に立たないもののたとえ・つまらないものでも役に立つ。
竹の切れ端や木のくずを有効利用した故事から -
ちしゃのいっしつ智者一失 どんなに知恵がある人でもときには過失があるということ。
「ちしゃもせんりょに必ずいっしつあり」の略 -
ちぼうせんたん智謀浅短 知恵や計画が浅はかなこと。
「智謀」は知恵のあるはかりごとのこと -
ちゅうげんちくろく中原逐鹿 群雄が割拠して天子の位を争いあうこと。
「中原」は当時の中国の中心地,「鹿」は天子の位のたとえ,訓読「ちゅうげんにろくをおう」 -
ちゆうけんび智勇兼備 知恵と勇気をともにもつこと。
-
ちゅうりゅうのしちゅう中流砥柱 困難にあっても動じず節義を曲げない人のたとえ。
「砥柱」は黄河の激流の中にそびえたっている,砥石のような岩のこと -
ちょうあいいっしん寵愛一身 特別に目をかけられ愛情を独り占めにすること。
-
ちょうえいせききょ朝盈夕虚 人生のはかないことのたとえ。
≒諸行無常 -
ちょうかやげん朝歌夜絃 朝から晩まで遊んで暮らすこと。
「絃」は楽器の琴のこと -
ちょうかんりたい張冠李戴 相手を間違えること・くいちがって一致しないこと。
張さんの冠(かんむり)を李(り)さんがかぶるという意味から。 -
ちょうさいようごう兆載永劫 きわめて長い年月のこと。
「兆載」は一兆年という意味 -
ちょうさんりし張三李四 ごくありふれた平凡な人のたとえ。
張氏の三男と李氏の四男という意味。「張」や「李」という姓は中国では数が多いことから。 -
ちょうしんそうく長身痩? 背が高く痩せていること。
-
ちょうしんぼそ朝秦暮楚 住所不定で放浪する・主義主張がころころかわるたとえ。
朝には秦の国にいたのに,夕方には楚の国にいるという意味から。 -
ちょうせんぼそく朝穿暮塞 建築が頻繁であることのたとえ。
訓読「あしたにうがち,暮れにふさぐ」 -
ちょうちょうはっし打打発止 激しく議論をたたかわしあうさま。
「打打」は物を打ちたたく音,「発止」は固いものどうしが打ち当たる音 -
ちょうちんたいひ長枕大被 兄弟や夫婦の仲がむつまじいこと。
「被」は夜着(よぎ)や掛け布団のこと。 -
ちょうていきょくほ長汀曲浦 はるかに続いている海岸線。
長く続くみぎわと曲がりくねった入り江のこと -
ちょうひょうがし凋氷画脂 苦労して効果のないたとえ・力を無用な部分に用いるたとえ。
訓読「氷にほりてあぶらにえがく」 -
ちょうべんばふく長鞭馬腹 どんなに強力でも手近なところに手が届かないこともある。
または,長すぎたり大きすぎたりして逆に役に立たないということ。「ちょうべんばふくに及ばず」の略 -
ちょうめんこくけい鳥面鵠形 飢えのためにひどくやせ衰えているさま。
「鵠」の訓読みは,くぐい -
ちょうようぼぶん朝蠅暮蚊 つまらない人物がはびこるたとえ。
-
ちょうれいまめつ凋零磨滅 しぼみ落ちて滅びること。
「凋」はしぼむ,「零」は落ちる,「磨滅」はすりへってなくなること。 -
ちょくげんきょっかん直言極諫 思ったことをはっきり言って強くいさめること。
「直言」は思ったことを気にせず言うこと,「極諫」は強くいさめて言うこと -
ちょとつもうしん猪突猛進 目的にむかってがむしゃらに突き進むこと。
-
ちんぎょらくがん沈魚落雁 はなやかな美人の形容。
美人を見ると魚や雁もはじらって身を隠すという意味から -
ちんけんへいも椿萱並茂 父と母がともに健在なこと。
「椿」は父親,「萱」は母親のたとえ。訓読「ちんけん並びしげる」 -
ちんちゃくつうかい沈著痛快 落ち着きがありさっぱりとしていて心地よい。
人の性格や芸術作品についていう言葉 -
ちんみかこう珍味佳肴 たいへんおいしいごちそう。
≒たいろうのじみ -
つうぎょうちょうたつ通暁暢達 詳しく知りぬいていて文章や言葉がのびやかなこと。
「暢達」はのびのびしていること -
つうじゅせきがく通儒碩学 学問の奥義をきわめた大学者のこと。
≒せきがくたいじゅ -
つづらおり九十九折 くねくねと何度も折れ曲がっている様子。
「九十九」はツヅラフジのことでツルが折れ曲がっていることから -
ていえいそうかん鄭衛桑間 国を滅ぼすような下品でみだらな音楽のこと。
「鄭」も「衛」も「桑間」も地名 -
でいしゃがこう泥車瓦狗 役に立たないもののたとえ。
「瓦狗」は瓦で作ったイヌのこと -
ていはつらくしょく剃髪落飾 髪をそって出家すること。
「落飾」は特に身分の高い人の出家をいう -
てきすいてきとう滴水嫡凍 一瞬たりとも気を緩めないで仏道修行に励むこと。
滴る水がただちに凍る寒さを,厳しい修行の緊張感にたとえた言葉。 -
てっぷけいせい哲婦傾城 賢い女性が口出しをすると家や国を滅ぼしかねない。
「てっぷけいじょう」とも読む -
てつもうさんご鉄網珊瑚 すぐれた人物や珍しいものを探し求めること。
鉄製の網を海に沈めてサンゴを生えさせ,成長したところを引きあげるという意味から -
てまえみそ手前味噌 自分で自分のことをほめること。
≒自画自賛 -
てんいせいしゅん?委勢峻 上流も下流も川のどこでも勢いが激しく盛んなこと。
「?」はいただき,「委」は末・おわりの意味 -
てんえつふきょう?越不恭 道をはずれて君主の命令をつつしんで行わないこと。
「?越」は転がり落ちるという意味 -
でんえんしょうぶ田園将蕪 働き手がいないために田畑が雑草で荒れ果てていること。
「蕪」はおいしげった雑草のこと -
てんえんひょうたん天淵氷炭 差の甚だしいことのたとえ。
≒天淵之差 -
でんかんはろう伝観播弄 次から次に人の手に渡してもてあそぶこと。
「播」の訓読みは「しく」で,広く及ぼすこと -
てんげんみつご甜言蜜語 蜜のように甘く聞いていて快い言葉。
「甜」の訓読みは「あまい」 -
てんこうけいか天香桂花 月の中にあるという桂(かつら)の花。
「天香」は天からくる良い香りの意味 -
でんこうらいごう電光雷轟 勢いのきわめてはげしいことのたとえ。
≒らいごうでんげき -
てんしんちぎ天神地祇 天と地すべての神々。
あまつ神と,くにつ神のこと -
てんちしいじ天地四時 天地と春夏秋冬。
「四時」は四季のこと -
てんてきせんせき点滴穿石 わずかな力でも積み重なると大きな力を発揮すること。
訓読「てんてき,いしをもうがつ」,≒すいてきせきせん -
てんぷうちさい天覆地載 天地のように広くおおらかな心や徳のこと。
天は万物を覆い地は万物をのせるということから -
てんぽうきゅうじょ天保九如 人の長寿を祈る言葉。
「天保」は天子の長寿を祈る詩の名前で,詩の中に「如」の文字が九回登場することから -
てんぼくふは?撲不破 学説などを動かし破ることができないこと。
「?」はくつがえす,「撲」はうつの意味 -
てんもうかいかい天網恢恢 天は公平で悪人や悪事を決して見逃さないということ。
天が張り巡らす網は広大で,目は粗いようだが何一つ取りこぼさないということ -
てんゆうしんじょ天佑神助 天のたすけと神のたすけ。
-
とうきせいぼう東窺西望 あちこちをちらちら見ること・落ち着きのないさま。
-
とうさんりし桃三李四 物事を成し遂げるにはそれなりの年月がかかること。
桃は三年,李は四年かかって実を結ぶことから -
どうしいとく道之以徳 国民を指導するには道徳教育が重要であること。
訓読「これをみちびくに,徳をもってす」 -
どうせいうんい動静云為 人の言動のこと。
「動静」は立ち居振る舞い,「云為」は言動のこと -
どうとうがらん堂塔伽藍 寺院の建物の総称のこと。
「伽藍」は僧侶が集まり住んで仏道修行をする場所のこと。 -
とうとうほうり投桃報李 善に対して善で報いることのたとえ。
桃を贈られればお礼にスモモを贈り報いることから -
どうびょうそうれん同病相憐 同じ境遇や悩みに苦しむ者どうしは互いに同情しあうこと。
訓読「どうびょうあいあわれむ」 -
どうぼうかしょく洞房花燭 新婚の夜のこと・新婚のこと。
「洞房」は奥まった夫人の部屋のこと -
とうぼうかぶん豆剖瓜分 瓜や豆を割るように分裂・分割すること。
国が分裂するさまに用いる -
どうぼうのくり道傍苦李 人から見捨てられ見向きもされないもののたとえ。
道端の木に苦い李がなっていてもだれも取らないことから -
とうまちくい稲麻竹葦 たくさんあること・多くの人や物が群がって入り乱れるさま。
稲・麻・竹・アシが群生しているという意味から。 -
どうようちしゅう桐葉知秋 わずかな兆しから物事の本質や衰亡を察知すること。
為政者の適正としても用いられる。一枚の葉が落ちることから,秋の訪れを察知するということから。 -
とうりまんもん桃李満門 優秀な人材が多く集まること。
訓読「とうり門にみつ」 -
どかいぼうし土階茅茨 宮殿が質素なさま。
土の階段とかやぶきの屋根という意味から。 -
とかくきもう兎角亀毛 この世にありえないもののたとえ。
うさぎのツノと亀の毛という意味から -
ときえんばく兎葵燕麦 名ばかりで実態が伴っていないもののたとえ。
「兎葵」は植物のいえにれ,「燕麦」は植物のからすむぎで,名前に「あおい」や「むぎ」と付いているが実際には違うということから。≒としえんばく -
としえんばく菟糸燕麦 名実が伴っていないたとえ・役に立たないもののたとえ。
「菟糸」はネナシカズラ,「燕麦」はカラスムギで,名前に「糸」や「麦」とあるが実際には違うということから。≒ときえんばく -
としくほう兎死狗烹 利用できる間は用いられるが無用になると捨てられること。
訓読「うさぎ死してイヌ煮らる」,兎がいなくなれば猟犬は必要なくなって煮て食べられるという意味から。 -
としゅひゃっぺん斗酒百篇 おおいに酒を飲みながらたくさんの詩を作ること。
「斗」は酒の量の単位 -
とそううひ兎走烏飛 歳月がせわしく過ぎ去ること。
「兎」は月,「烏」は太陽のたとえで,二つ合わせて月日のたとえ。 -
とぞくしゃくふ斗粟尺布 兄弟の仲が悪いこと。
兄弟仲が悪いがために流罪の道をたどったワイナン王に対し,人々が「一シャクの布でも一斗のアワでも分け合えば互いに寒さと飢えをしのげるのに何故仲良くできなかったのか」と歌ったという故事から。 -
となんのほうよく図南鵬翼 大事業や海外進出を企てること・大志を抱くたとえ。
鵬が南方を目指し翼を広げること -
とほうとてつ途方途轍 すじみち・理屈・方法。
「途方」も「途轍」も方法・道すじの意味 -
とみこうみ左見右見 あちらこちら見ること・あちこち気配りすること。
-
ともくしさん杜黙詩撰 詩文や著作などに誤りが多くいい加減なこと。
「杜黙」は人名,「詩撰」は詩を作ること。杜黙の作る詩は格式にあっていなかったという故事から。略して「杜撰」ともいう。 -
どんうんとむ呑雲吐霧 仙人の術を使う人が雲をのみこんで霧をはきだすこと。
-
どんかがしゅ呑花臥酒 春の行楽をつくすこと。
訓読「花にのみ酒にふす」 -
とんていじょうでん豚蹄穣田 わずかなものから大きな利益を得ようとすること。
豚のひづめをそなえて,豊作を神に祈るということから -
とんとくきょせい敦篤虚静 人情に厚くて心にわだかまりがなく落ち着いていること。
「敦篤」は人情が厚い,「虚静」は心が素直で静かという意味 -
どんとふげ呑吐不下 他人になんとも応答できないことのたとえ。
のむこともはくこともできないということから -
なんざんしょうけい南山捷径 正規の試験などをすることなく官職につくこと。
または,終南山には仕官への近道があるということ。「南山」は終南山,「捷径」は最短距離・近道のこと。 -
なんとほくれい南都北嶺 奈良と比叡山・興福寺と延暦寺。
-
にちじょうざが日常坐臥 いつでも・つねに・ひごろ。
≒じょうじゅうざが -
にんきどんせい忍気呑声 怒りをこらえて声に出さないこと。
訓読「気をしのび声をのむ」 -
のうよういんそう能鷹隠爪 すぐれた人は自身の力量をむやみに誇示しないということ。
訓読「能ある鷹は爪を隠す」 -
はいえいはいせい吠影吠声 根拠のないことでも誰かが言い出すと世間も同調すること。
訓読「影にほえ声にほゆ」,一匹の犬が物陰に吠えると周りの犬もつられて吠え出すことから -
はいかんやし稗官野史 小説・民間のこまごましたことを歴史風にかいたもの。
「稗官」は細かいうわさ話を集める役人,「野史」は民間で書かれた歴史本のこと -
はいけんしゃくせい杯賢杓聖 さかずきとひしゃくを賢者と聖人にたとえた言葉。
「杯」はさかずき,「杓」はひしゃくのこと -
ばいさいかくし梅妻鶴子 俗世を離れた清らかで風雅な隠遁生活のたとえ。
妻をめとるかわりに,梅や鶴をめでる生活の意味 -
ばぎゅうきんきょ馬牛襟裾 見識がなく無教養な者のこと・無礼な者のこと。
馬や牛に衣服を着せただけのものということから -
はくいしゅくせい伯夷叔斉 高潔で清廉潔白な人のこと。
「伯夷」も「叔斉」も人名で高潔な人たちだったという故事から -
はくいそうく白衣蒼狗 世の変化のはやいたとえ。
空の雲は白衣のように白いかと思えばすぐに青い犬のように変わるという意味 -
はくこうかんじつ白虹貫日 真心が天に通じること・兵乱が起き危機が迫る兆候のこと。
白い虹が太陽を貫く現象のことで,この現象は願いが天に伝わったときや,戦乱に陥る前兆として発生するとされている。 -
ばくしゅうしょり麦秀黍離 亡国の嘆き。
「麦秀」も「黍離」も国の荒廃を嘆いた詩の題名 -
はくたいのかかく百代過客 永遠に止まることのない旅人。
歳月が過ぎ去って帰らないことを旅人にたとえた言葉。「ひゃくだいのかかく」とも読む -
はくとせきう白兎赤烏 時間のこと。
「白兎」は月,「赤烏」は太陽のたとえ -
はくぶんきょうしき博聞彊識 広く書物を読み見聞が広く物事をよく記憶していること。
「はくぶんきょうし」とも読む -
はくりょうぎょふく白竜魚服 貴人がしのび歩きをして危険にあうたとえ。
白い竜が魚に化けて泳いでいたとき漁師にとらえられてしまったという故事から -
はくりょうはくうん白竜白雲 古代中国の法官の呼び名。
「白竜」も「白雲」もどちらも古代中国での裁判官の別名 -
ばちばいそく馬遅枚速 文章を作るのが遅かった人と速かった人のこと。
「馬」はシバショウジョ,「枚」はバイコウでいずれも賦(ふ)という韻文の大家。 -
はっくくうこく白駒空谷 賢人が登用されないこと。
「白駒」は白い馬で賢人のたとえ -
はっこういちう八紘一宇 全世界を一つの家として考えること。
「八紘」は全世界の意味 -
はっしょうしじ発縦指示 戦闘において戦いを指揮すること・指揮官。
「発」も「縦」も解き放つという意味 -
はとうばんり波濤万里 遠い外国のこと。
または,遠く離れた外国へ行くための航路のこと。 -
はふちんせん破釜沈船 生還を考えず決死の覚悟で出陣すること。
訓読「かまをやぶり,ふねをしずむ」,≒背水の陣 -
はんぎゃくえんざ反逆縁坐 謀反に連座して処罰を受けること。
「縁坐」は他人の犯罪に関わったために処罰を受けること・まきぞえの意味 -
はんけいどうこ班荊道故 昔の友達とばったり会って昔の親交を思い語り合うこと。
「班荊」はイバラを敷くこと,転じて古い友人に会うこと。「どうこ」は話をすること。 -
ばんけいるり万頃瑠璃 青く広々しているさま。
「万頃」は面積のきわめて広いこと -
はんげきふんじょう繁劇紛擾 非常に忙しくて混乱していること。
「劇」は激しいという意味,「ふんじょう」は乱れてごたごたすること -
はんげんきゅうかん繁絃急管 音楽の調子が激しく速いこと。
「繁」はあわただしいという意味 -
ばんしょせんちん万杵千砧 きぬたを打つ大勢の婦人・あちこちからきぬたの音がする。
「砧」の訓読みはきぬた -
ばんぶつのげきりょ万物逆旅 天地のこと。
「逆旅」は旅館のこと。万物が生まれてから消えるまでの様子が旅人が旅館に泊まり去っていく様子に似ていることから -
ばんりほうよく万里鵬翼 広い空やはるかな旅路のたとえ・大きな気概や勢いのたとえ。
おおとりが翼を広げた姿は大きく,何万里も高く飛翔することから。 -
ひきこもごも悲喜交交 悲しみと喜びが入りまじってとまどうさま。
-
びしゅかこう美酒佳肴 大変すばらしいごちそうのこと。
-
びしゅごうび美須豪眉 凛々しい男性のこと。
「美須」は美しいひげ,「豪眉」は太く強い眉のこと -
ひだいはんそく肥大蕃息 肥え太り盛んにふえること。
「蕃息」は茂りふえる・生まれふえること -
ひっこうけんでん筆耕硯田 文筆で生計を立てること。
すずりを農夫の田にみたて,筆で耕す意味 -
ひとりょうぶん飛兎竜文 すぐれた子供のたとえ。
「飛兎」も「竜文」も駿馬の名前 -
ひゃくしょうせんずい百縦千随 どんなわがままも聞くこと・きかれること。
「百縦」はさまざまなわがままのこと -
ひゃくせきかんとう百尺竿頭 到達できる最高点のこと・向上しうる最高点のこと。
「竿頭」は竿の先端の意味 -
ひゃくふくしょうごん百福荘厳 仏像を数多く積んだ福で飾ること。
「荘厳」は仏教語特有の読み方 -
ひゃくみのおんじき百味飲食 いろいろな珍しい飲食物のこと。
「飲食」は仏教語 -
ひゃくれいひゃくり百伶百利 非常に聡明なこと。
「伶」は利口なこと -
ひゃっきょひゃくしょう百挙百捷 どんなことも全てうまくいくこと。
「捷」は勝つこと -
ひゃっぽせんよう百歩穿楊 射撃の技術が優れていること。
訓読「百歩やなぎをうがつ」 -
ひょうきぎょっこつ氷肌玉骨 美しい女性のこと・梅の花のこと。
「氷肌」は清らかな肌,または梅の花のこと,「玉骨」は高潔な様子の意味 -
ひょうこしゅうげつ氷壺秋月 心がたいへん清く明らかであることのたとえ。
「氷壺」は氷の入った白玉の壺のこと -
ひょうしりゅうひ豹死留皮 死後に功名を残すたとえ。
訓読「豹は死して皮をとどむ」で,そのあと「人は死して名をとどむ」と続く -
ひようそうく飛鷹走狗 狩猟をすること。
鷹を飛ばしいぬを走らせる意味 -
びょうそどうみん猫鼠同眠 どろぼうを捕らえる者とどろぼうがなれ合うこと。
悪事を働く人とそれを取り締まる人が示し合わせて事を運ぶこと -
ひょうとうほんいつ漂蕩奔逸 あてもなく走り回ること。
「漂蕩」はさすらう・さまようこと「ほんいつ」はほしいままに走り動く意味 -
ひりょうじょううん飛竜乗雲 英雄が時勢に乗じて勢いを得て才能を発揮すること。
訓読「ひりょう雲に乗る」 -
ひんけいぼめい牝鶏牡鳴 婦人が権力を握ること。
めんどりがおんどりの鳴き真似をするという意味から -
ひんぷきせん貧富貴賤 貧しい者と富める者・貴い者といやしい者。
-
ふうさんうが風餐雨臥 旅の苦しみや野外での仕事の苦しみ・野宿をすること。
「風餐」は風に吹かれて食事をすること「雨臥」は雨に打たれながら寝ること -
ふうさんろしゅく風餐露宿 野宿をすること。
「露宿」は露に濡れながら夜を過ごす意味 -
ふうんきょうりょう浮雲驚竜 筆勢がきわめて自由闊達で勢いがあるさま。
「ふうんきょうりゅう」とも読む -
ふかちんり浮瓜沈李 夏の優雅な遊びをいう。
訓読「うりをうかべてすももを沈む」 -
ふかろうずい浮花浪蕊 とりえのない平凡なさまのたとえ。
実を結ばない無駄花のこと -
ふぐたいてん不倶戴天 この世にともに生存できないほど恨みや憎しみが深いこと。
訓読「ともには天をいただかず」 -
ふくりょうほうすう伏竜鳳雛 才能を持ちながら機会がない者のこと・将来有望な若者。
もともとは諸葛良孔明とホウトウの二人を評した言葉 -
ふしつせいこく不失正鵠 物事の重要な点を正確にとらえること。
「正鵠」は的の真ん中の黒い星(図星)のこと -
ふしゃくしんみょう不惜身命 自分の身をささげて惜しまないこと。
?可惜身命(あたらしんみょう) -
ふしんきゅうすい負薪汲水 自然の中で簡素な生活を営むこと。
訓読「たきぎを負い水をくむ」 -
ふたまたこうやく二股膏薬 あっちについたりこっちについたりころころかわること。
股の間に塗った薬は歩いているうちに両足のあちこちにくっつくことから -
ふていちゅうしん釜底抽薪 問題を解決するためには根本の原因を取り除く必要がある。
訓読「ふていタキギをぬく」 -
ふんきんしゃかく焚琴煮鶴 殺風景なことのたとえ・風流を理解する心がないたとえ。
琴に火をつけて燃やして,鶴を捕らえて煮るという意味から -
ぶんしつひんぴん文質彬彬 外見の美しさと内面の実質がよく調和していること。
「文」は外見,「質」は中身,「彬彬」はほどよくつりあっているさま。 -
ふんしょうぎょくたく粉粧玉琢 女性の器量がよいたとえ。
女性が化粧をして,球を磨いたように美しいということ -
ふんしょこうじゅ焚書坑儒 思想や学問や言論を弾圧すること。
「焚書」は書物を燃やすこと。「坑儒」は儒者を土の中に生き埋めにすること。 -
ふんぱくたいぼく粉白黛墨 美人のこと。
おしろいとマユズミのことから -
ぶんぼうそうぎゅう蚊虻走牛 小が大を制すること・些細なことが大事件を引き起こすこと。
小さな虫でも血を吸うことで牛を逃げさせることができるということから -
へいがせいく並駕斉駆 力や能力に差がないこと。
数頭の馬がそろって一台の車を引っ張り疾駆することから。「へいくせいが」ともいう -
へいさらくがん平沙落雁 中国の瀟湘(しょうしょう)八景のひとつ・琴の曲名。
広い砂原に降り立つ鳥の群れの意味 -
へいはきょうき兵者凶器 武器は人をそこなう不吉な道具であるということ。
「者」は主題を強調して提示する言葉で「…というものは」の意味 -
へいふくしっこう平伏膝行 高貴な人の前で恐縮して進み出るさま。
ひれ伏し,目を伏せて,膝で這い進む座礼作法のこと -
へいめいそくそう閉明塞聡 世間の事物と接触を断ち切ること。
目を閉じて耳をふさぐことから -
へきけつたんしん碧血丹心 忠誠心やまごころのこと。
「碧血」は青い宝玉,「丹心」は誠意や真心のこと -
へきらくいっせん碧落一洗 大空がからりと晴れわたること。
雨で青空をひと洗いする意味から -
べんせいしゅくしゅく鞭声粛粛 相手に気づかれないように静かに馬を鞭でうつさま。
相手に気付かれないように,静かに馬に鞭を打つ様子。 -
へんぺきへいこ偏僻蔽固 道理に暗く考えがかたよっていてかたくななこと。
「偏僻」は考えがかたよりひがむこと,「蔽固」は道理に暗くかたくななこと -
ほうおうらいぎ鳳凰来儀 世の中が太平なことのたとえ。
「鳳凰」は聖天子の世にあらわれるという伝説の鳥 -
ほうせつちょうもく蜂準長目 賢くて抜け目のない容貌のこと。
「準」は鼻筋のことで,蜂のように高い鼻筋と細長い目の意味 -
ほうていばんり鵬程万里 非常に遠い道のりのたとえ・海が限りなく広がることの形容。
また,前途が洋々であることの形容にも用いる -
ほうとうこうめん蓬頭垢面 身だしなみが悪くむさくるしいさま。
「蓬頭」はよもぎのようなぼさぼさ頭,「垢面」は垢だらけの顔のこと -
ほうとうざんまい放蕩三昧 勝手放題にすること。
酒や女遊びにおぼれて勝手気ままなこと -
ほうとうひしゅう朋党比周 同士が団結して助け合い仲間以外を排斥すること。
「朋党」は考えや利害が同じ仲間のこと「比周」は片方だけと仲良くすること -
ほうとうぶらい放蕩無頼 酒や女遊びにふけり身をもちくずすこと。
「無頼」は品行がよくないこと -
ほうとうらんぱつ蓬頭乱髪 ものの乱れているたとえ。
よもぎのように髪が乱れるさまから -
ほうふくぜっとう捧腹絶倒 腹を抱えて大笑いすること。
≒ほうふくたいしょう -
ほうまつむげん泡沫夢幻 人生のはかないことのたとえ。
「泡沫」は水の泡・あぶく -
ぼうようほろう亡羊補牢 失敗したあとで改めることのたとえ。
訓読「羊をうしないてろうをおぎなう」 -
ほうらいじゃくすい蓬?弱水 遠くはるかに隔たっていること。
「蓬莱」は東にあるとされる伝説の島,「弱水」は西にあるとされる伝説の川で,「蓬莱」と「弱水」の距離は三十万里離れているとされていることから。 -
ほうりょうくほ方領矩歩 儒者の身なりや態度のたとえ。
四角いえりと正しい歩き方のこと -
ぼくさくめいり撲朔謎離 男か女か見分けがつかないこと。
「撲朔」は足をバタバタすること,「謎離」はめがぼんやりすることで,ウサギの耳をつかむとオスは足バタバタ,メスは目をぼんやりさせることから -
ほしゃそうい輔車相依 お互いに助け合う密接な関係。
「ホシャはあいより,くちびるほろぶれば歯さむし」の略 -
ぼしょくそうぜん暮色蒼然 夕暮れどきのあたりが薄暗くなっている様子。
「暮色」は夕暮れの景色,「蒼然」は日暮れ時の薄暗いさま -
ほつぼだいしん発菩提心 僧になろうと思うこと・悟りをひらこうと思うこと。
略して「発心」ともいう -
ほんいつぜつじん奔逸絶塵 非常にはやく走ること。
「奔逸」は走り逃げること,「絶塵」は塵一つ立てずに速く走る意味 -
ぼんしょういちにょ凡聖一如 人には凡人と聖者の別はあるが本性は平等であること。
迷っている者も悟っている者も本質的には変わりのないことをいう -
ぼんのうぼだい煩悩菩提 煩悩は悟りを得るために邪魔でもあり必要なものでもある。
迷いがあってはじめて悟りもあるという意味 -
ほんりょうあんど本領安堵 鎌倉・室町時代に幕府や大名が領地の所有証明書を出すこと。
「本領」は先祖から受け継いだ領地。「安堵」は所有権を認めるという意味。 -
ませんてっけん磨穿鉄硯 猛烈に勉強すること。
鉄のすずりに穴が開くほど勉強するという意味 -
まんこうしゅんい満腔春意 全身になごやかな気分が満ちていること。
「満腔」は胸や全身に満ちていること,「春意」は春のような気分で,人を祝う言葉。 -
まんごうまつだい万劫末代 遠い先の世。
「万劫」はきわめて長い年月のこと -
みらいえいごう未来永劫 これから未来にわたって永遠に続く時間。
「みらいようごう」とも読む -
むげんほうよう夢幻泡影 人生がはかないことのたとえ。
「夢」「幻」「泡」「影」はいずれもはかないもののたとえ -
むじゅんどうちゃく矛盾撞着 前後がくいちがって論理が合わないこと。
「撞着」はつきあたるという意味 -
むちもうまい無知蒙昧 知恵がなく物事の道理がわからないこと。
「蒙」と「昧」はいずれも道理にくらいこと -
むみょうじょうや無明長夜 煩悩にとらわれ悟りを得られないこと。
「無明」は邪心のために仏法を理解できないことで,これを長い夜の闇にたとえた言葉 -
めいせいかくかく名声赫赫 よい評判が盛んにあがること。
「赫赫」は勢いが良いこと -
めいせんけっき鳴?潔飢 気高くて清らかな心の人は信念を曲げないことのたとえ。
蝉(せみ)は高潔なので,飢えても汚いものはたべないという意味から -
めいめいかくかく明明赫赫 明らかにひかりかがやくさま。
「赫赫」は赤く輝くこと -
めいよばんかい名誉挽回 失敗して落ちた信用や名声を取り戻すこと。
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めんしえんしゃ麪市塩車 雪の積もる形容。
「麪市」は白い小麦粉の市場で雪が積もっている市街のたとえ,「塩車」は塩を運ぶ車で車に雪が積もっていることのたとえ。 -
もうちゅうしゅくき孟仲叔季 兄弟姉妹の順番のこと。
それぞれ,長子,次子,三子,四子という意味。 -
もうぼさんせん孟母三遷 子供の教育には環境が大切であるというたとえ。
孟子の母親はすぐれた教育環境を求めて三回引っ越したという故事から -
もうぼだんき孟母断機 学問は中途で放棄してはなんにもならないという教え。
孟子が学問を投げ出そうとしたときに,孟子の母親は織り途中の機の糸を切って「学問を途中でやめることは,この織物と同じようなものだ」と言って戒めたという故事から。 -
もずかんじょう百舌勘定 うまいことを言って自分だけが得をするような勘定の方法。
百舌が鳩(はと)と鴫(しぎ)と買い物をしたとき鳩と鴫をうまくごまかして自分は一文も支払わなかったという昔話から。 -
もんぜんじゃくら門前雀羅 訪れる人もなくさびれ果てたさま。
「雀羅」は雀をとる網で,門前に雀が群れているのでじゃくらを張れば雀がとれるほどだ,という意味から。 -
もんていけいちょう問鼎軽重 その人の権威や実力を軽く見て君主の地位を狙うこと。
王室の象徴である鼎の重さを尋ねた者がおり,これは鼎・すなわち君主の譲位を狙ったものであったという故事から -
やまがらりこん山雀利根 新しいことを知ろうとせず自分の知識だけにこだわるさま。
「利根」は生まれつき賢いことで,ヤマガラは一つの芸を覚えることは出来るが,それを応用することができないという意味から。 -
ゆうけんぐんばい邑犬群吠 つまらない者どうしが集まってあれこれ騒ぎ立てること。
村里の犬がさかんにほえたてることから -
ゆうそくこじつ有職故実 朝廷や武家の古来の法令・儀式・風俗・習慣のこと。
「ゆうしょくこじつ」「ゆうそここじつ」とも読む -
ゆうもういかん優孟衣冠 他人の真似をする人・姿は似ているが実質が伴わないたとえ。
「優孟」は俳優の名前で,亡くなったレイインの衣服と冠を身に着けてなりすました故事から -
ゆげざんまい遊戯三昧 仏の境地に遊んで何ものにもとらわれないこと。
また,遊びたわむれふけること -
ようかんきてん用管窺天 視野や見識が狭いことのたとえ。
訓読「くだをもって天をうかがう」 -
ようしょじし傭書自資 文章を書いて生活の糧とすること。
「傭書」は雇われて文書を書き写すこと,「自資」は自ら生計を立てることの意味 -
ようしろうほ鷹視狼歩 貪欲で残忍な人物・勇猛ですきを与えない豪傑のたとえ。
鷹のような目つきと狼のような歩き方の意味から -
ようちゅうのこうこう庸中佼佼 平凡な者の中ですぐれた者の意味。
「庸」は平凡,「佼佼」はすぐれているという意味。 -
ようとうくにく羊頭狗肉 見せかけは立派でも実質が伴わないこと。
羊の頭を看板に掲げていながら実際には犬の肉を売るという意味から。 -
ようとうさいしょ蠅頭細書 細かい文字のこと。
「蠅頭」は蠅の頭で,転じて小さいものやわずかな利益のたとえ -
ようぶようい耀武揚威 武力や勢いがある様子を自慢して示すこと。
訓読「武をかがやかし威をあぐ」 -
ようぼうかいい容貌魁偉 顔つきや体つきがたくましく堂々として立派なさま。
「魁偉」は体つきが大きくて立派な意味 -
よばふうち輿馬風馳 非常に速いことのたとえ。
「輿馬」は乗り物と馬のこと -
らいごうでんげき雷轟電撃 勢いのきわめてはげしいことのたとえ。
「雷轟」は雷が鳴り響くこと -
らいごうでんてん雷轟電転 町中の喧騒の激しいことのたとえ。
「電転」は稲妻があちこちできらめくさま -
らくげつおくりょう落月屋梁 友人を思う切ない心情のこと。
出典は「家の屋根に落ちかかる月に君の面影を見た」という杜甫の詩 -
らくひつてんよう落筆点蠅 過ちをうまくとりつくろうこと。
誤って筆を落とした際の汚れを蠅に書き換えてうまく処理した故事から。 -
らくようのしか洛陽紙価 著書がよく売れること。
「洛陽」は地名で,ある評判のいい作品が世に出た際,人々が争うように書き写したため紙が不足して紙の値段が高騰したという故事から。 -
らんえいここう嵐影湖光 山の青々とした気と湖面のかがやき・山水の風景美の形容。
「嵐」は青々とした山の気や青いもやのこと -
らんけいとうほう蘭桂騰芳 子孫が?栄することのたとえ。
「蘭」と「桂」が立派に成長して香り立つという意味から。 -
らんていじゅんそう蘭亭殉葬 書画や骨董品を愛好するたとえ。
「蘭亭」は書の名作で,ある愛好家が「蘭亭」を棺にいれさせたという故事から -
りかかでん李下瓜田 人に疑われるようなことはしないほうがよいというたとえ。
「瓜田に履(くつ)を納(い)れず李下に冠を正さず」の略 -
りくげんのりくへい六言六蔽 人に備わる六つの徳は修養を怠れば逆に弊害を生む。
「蔽」は弊害の「弊」ではなく,覆い隠すという意味の字 -
りくごうどうふう六合同風 天下が統一され風俗や教化を同じくすること。
「六合」は天地と四方で天下のこと -
りくしょうじゅうぎく六菖十菊 時期が過ぎて役に立たないことのたとえ。
五月五日の翌日の菖蒲と,九月九日の翌日の菊の花の意味 -
りゅうこうかがい柳巷花街 色町のこと。
遊郭には柳の木が多く植えられていたことから -
りゅうびとうじゅ柳眉倒豎 女性が眉を逆立てて怒るさま。
「柳眉」は柳の葉のように細い美しい眉,「倒豎」は逆さまに立てること。 -
りょうきんたくぼく良禽択木 賢者は主人をよく吟味して仕えるということ。
賢い鳥は住みやすい場所の木を選んで巣を作るという意味から。 -
りょうくほうすう竜駒鳳雛 才知ある賢い少年のこと。
「竜駒」は名馬,「鳳雛」は鳳凰のひなのこと -
りょうこうちうん竜興致雲 徳の高い天子が立つと賢明な臣下があらわれるたとえ。
訓読「竜おこりて雲をいたす」 -
りょうじょうのくんし梁上君子 盗賊や泥棒・鼠の異称。
「梁」は天井のはりのこと -
りょうしょうほうし竜章鳳姿 すぐれて立派な容姿。
「章」はあや模様のこと -
りょうちょうこが竜跳虎臥 筆勢が縦横自在ですばらしいことのたとえ。
筆の勢いを,竜が天にとび上がったり,虎が地に伏したりする様子にたとえた言葉。 -
りょうとうことう竜騰虎闘 きわめて激しい争いのたとえ。
竜が盛んにとびあがり,虎が激しく戦うさまから -
りょうとうだび竜頭蛇尾 最初は盛んだが終わりのほうになると振るわなくなること。
あたまでっかち尻すぼみの意味で用いられる -
りょうどうほうけい竜瞳鳳頸 きわめて高貴な人の容貌のこと。
竜の瞳と鳳凰の首の意味から -
りょうほうれんぴ両鳳連飛 兄弟がそろって栄達することのたとえ。
鳳凰が二羽並んで飛び立つという意味から。 -
りょうらきんしゅう綾羅錦? 目をみはるほど美しいもの・美しく着飾ること。
「綾」はあやぎぬ「羅」はうすぎぬ「錦」はにしき「繍」は刺繍をした織物のこと -
りんえんせんぎょ臨淵羨魚 いたずらに空しい望みを抱くたとえ。
訓読「ふちにのぞんでうおをうらやむ」 -
りんじしっぴ鱗次櫛比 整然ときっちり並ぶこと。
魚の鱗や,髪をとかす櫛の歯のように整然と並んでいる様子から。 -
りんしほうすう麟子鳳雛 前途有望な子のたとえ。
麒麟の子と鳳凰のひなのことから -
りんねてんしょう輪廻転生 人が生まれ死んだ後にまた生まれるのを繰り返すこと。
「輪廻」は車輪が回転するように人が迷いの生死を重ねてとどまらないこと -
りんぽうきりょう麟鳳亀竜 太平の世にあらわれるめでたい霊獣や霊鳥。
麒麟,鳳凰,亀,竜のこと -
れいざんたいが礪山帯河 永く変わらない堅い誓約のこと・国が永遠に栄えること。
泰山が砥石のように平たくなり,黄河が帯のように細くなるほど時間がたったとしても永久に変わることはないという意味から -
れんげおうじょう蓮華往生 死んだあとに極楽浄土に行くこと。
「蓮華」は極楽浄土のたとえで仏や菩薩の座を表している。 -
れんこうせきぎょく憐香惜玉 女性をいつくしみ大切に思うことのたとえ。
香(こう)や玉(ぎょく)をいつくしむという意味から -
ろうしやしん狼子野心 狂暴な人のたとえ・狂暴な人を教化しがたいたとえ。
狼の子の生まれついた野生は飼いならしにくいことから -
ろうどんこし狼貪虎視 野心が盛んで貪欲なさま。
「狼虎」は無道で貪欲で人を害するもののたとえ -
ろうらいはんい老?斑衣 親孝行のたとえ。
「老?」は人名,「斑衣」は派手な子供服で,老莱は七十歳になっても子供服を着て年老いた親を喜ばせたという故事から。 -
ろぎょしょうそう魯魚章草 文字の書き誤り。
「魯」と「魚」,「章」と「草」はそれぞれ字形が似ていて間違えやすいことから。 -
ろくどうりんね六道輪廻 生きとし生けるすべてのものが六道の世界で迷い続けること。
いのちあるものは生と死を繰り返すという仏教語 -
ろはんうんてい魯般雲梯 雲までとどく高いはしご。
「魯般」は人名で,雲に届くほどの高いはしごを作った名工。 -
わこうどうじん和光同塵 才能や徳を隠して目立たないように暮らすこと。
仏や菩薩が衆生(しゅじょう)を救うために本来の姿を隠し,煩悩の塵をまとって,俗世に現れること
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