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かくとだに えやはいぶきの さしもぐささしもしらじな もゆるおもひよ
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あけぬれば くるるものとは しりながらなほうらめしき あさぼらけかな
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なげきつつ ひとりねるよの あくるまはいかにひさしき ものとかはしる
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わすれじの ゆくすゑまでは かたければけふをかぎりの いのちともがな
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たきのおとは たえてひさしく なりぬれどなこそながれて なほきこえけれ
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あらざらむ このよのほかの おもひでにいまひとたびの あふこともがな
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めぐりあひて みやしやそれとも わかぬまにくもがくれにし よはのつきかな
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ありまやま ゐなのささはら かぜふけばいでそよひとを わすれやはする
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やすらはで ねなましものを さよふけてかたぶくまでの つきをみしかな
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おほえやま いくののみちの とほければまだふももみず あまのはしだて
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いにしへの ならのみやこの やえざくらけふここのへに にほひぬるかな
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よをこめて とりのそらねは はかるともよにあふさかの せきはゆるさじ
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いまはただ おもひたえなむ とばかりをひとづてならで いふよしもがな
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あさぼらけ うぢのかはぎり たえだえにあらはれわたる せぜのあじろぎ
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うらみわび ほさぬそでだに あるものをこひにくちなむ なこそおしけれ
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もろともに あはれとおもへ やまざくらはなよりほかに しるひともなし
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はるのよの ゆめばかりなる たまくらにかひなくたたむ なこそおしけれ
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こころにも あらでうきよに ながらへぼこひしかるべき よはのつきかな
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あらしふく みむろのやまの もみぢばはたつたのかわの にしきなりけり
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さびしさに やどをたちいでて ながぬればいづこもおなじ あきのゆうぐれ
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ゆふされば かどたのいなば おとづれてあしのまろやに あきかぜぞふく
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おとにきく たかしのはまの あだなみはかけじやそでの ぬれもこそすれ
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たかさごの をのへのさくら さきにけりとやまのかすみ たたずもあらなむ
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うかりける ひとをはつせの やまおろしよはげしかれとは いのらぬものを
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ちぎりおきし させもがつゆを いのちにてあはれことしの あきもいぬめり
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わたのはら こぎいでてみれば ひさかたのくもゐにまがふ おきつしらなみ
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せをはやみ いはにせかかる たきがはのわれてもすゑに あはむとぞおもふ
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あはぢしま かよふちどりの なくこゑにいくよねざめぬ すまのせきもり
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あきかぜに たなびくくもの たえまよりもれいづるつきの かげのさやけさ
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ながからむ こころもしらず くろかみのみだれてけさはものをこそおもへ
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ほととぎす なきつるかたを ながむればただありあけの つきぞのこれる
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おもひわび さてもいのちは あるものをうきにたへぬは なみだなりけり
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よのなかよ みちこそなけれ おもひいるやまのおくにも しかぞなくなる
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ながらへば またこのごろや しのばれむうしとみしよぞ いまはこひしき
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よもすがら ものおもふころは あけやらでねやのひmさへ つれなかりけり
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なげけとて つきやはものを おもはするかこちがほなる わがなみだかな
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むらさめの つゆもまだひぬ まきのはにきりたちのぼる あきのゆうぐれ
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なにはえの あしのかりねの ひとよゆゑみをつくしてや こひわたるべき
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たまのをよ たえなばたえね ながらへぼしのぶることの よわりもぞする
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みせばやな をじまのあまの そでだにもぬれにぞぬれし いろはかならず
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きりぎりす なくやしもよの さむしろにころもかたしき ひとりかもねむ
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わがそでは しほひにみえぬ おきのいしのひとこそしらね かわくまもなし
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よのなかは つえにもがもな なぎさこぐあまのをぶねの つなでかなしも
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みよしのの やまのあきかぜ さよふけてふるさとさむく ころもうつなり
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おほけなく うきよのたみにおほふかなわがたつそまに すみぞめのそで
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はなさそふ あらしのにはの ゆきならでふりゆくものは わがみなりけり
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こぬひとを まつほのうらの ゆうなぎにやくやもしもほの みもこがれつつ
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かぜそよぐ ならのをがわの ゆうぐれはみそぎぞなつのしるしなりける
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ひともをし ひともうらめし あぢきなくよをおもふゆゑに ものおもふみは
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ももしきや ふるきのきばの しのぶにもなほあまりある むかしありけり
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