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遊離の水のpKaを求めなさい。また上記の水のpKaと比較して,どのようなことが言えるか?
log2 = 0.3, log3 = 0.48とするpKaが小さいほど酸性になる。 -
酵素の一般的性質を4つ述べなさい・反応速度が速い
・穏やかな反応条件で反応が進む
・基質特異性が高い
・化学反応を調節することが出来る -
2. 酵素の触媒反応の種類を3つ挙げ,説明しなさい・酸塩基触媒:プロトンが移動する酵素反応
・共有結合触媒:求核基により基質と酵素の間に一時的に共有結合を形成する酵素反応(aka求核触媒)
・金属イオン触媒:金属イオン(Fe2+, Fe3+, Cu2+, Mn2+, Co2+など)の電気的性質を利用した酵素 。金属イオンの酸化状態の変化による酸化還元反応,負電荷を静電的に安定化 -
求核基として機能できる側鎖を持つアミノ酸を挙げなさい,また側鎖のどの部分が 求核基として機能するか説明しなさいSer, Thr, Tyr:ヒドロキシル基
Cys:チオール基
Lys, Arg, Asn, Gln:アミノ基
His:イミダゾール基
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酵素の配向効果を説明しなさい酵素が備えている,反応が進行しやすい適切な位置に基質と酵素を配置する効果のこと。 例えばSN2反応では,求核基が脱離基のちょうど反対側から攻撃される時に効率が最大になる。
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酵素の遷移状態優先結合とは何か,説明しなさい。酵素が本来エネルギー的に非常に不安定な遷移状態の分子に特異的に結合し,安定化する性質のこと。
このような基質認識により,遷移状態を安定化し,遷移状態分子の濃度の上昇に寄与する。その結果、化学反応速度が上昇する。 -
1. リゾチームはどのような酵素活性を持つか答えよ細菌の細胞壁に存在するペプチドグリカンのNAMとNAGの間のグリコシド結合を切断する
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2. リゾチームの生理的な役割は何であるか答えよ細菌の細胞壁を消化することで,感染を防ぐ殺菌剤として働く
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3. トリプシン,キモトリプシンはどのような基質のどの部分の結合を切断するか答えよそれぞれタンパク質(ポリペプチド)の正電荷を持つアミノ酸もしくはかさ高い疎水性アミノ酸 直後のペプチド結合を切断する。
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オキシアニオンホールについて説明せよセリンプロテアーゼのタンパク質分解反応過程で生じる遷移中間状態では
ペプチド結合のカルボニル酸素がオキシアニオンになる。
このオキシアニオンに特異的に水素結合を形成できる穴が酵素にあいており
遷移状態を安定化する。この穴をオキシアニオンホールと呼ぶ。 -
5. 酵素活性が右図のようにpHによって変化する理由を説明せよ酵素が触媒機能を発揮するには,酵素活性中心にあるアミノ酸の側鎖の
電荷の状態が適切であることが必須の条件である。pHが変われば当然,
アミノ酸の電荷の状態が変化するため,酵素活性が変化する。
それぞれの酵素に特異的な適正pHが存在する。 -
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1. 一次反応の半減期が一定であることを証明しなさい。また一次反応の例をあげよ
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2. ミカエリス・メンテン式を導け
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3. ミカエリス・メンテン式からラインウィーバー・バーグの式を導き,縦軸1/V0, 横軸
1/[S]としてグラフを書きなさい。またグラフの傾きとy切片が何を表すか答えよ。 -
4. kcatの定義を答えよ。またこの値は何を表すか答えよ
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1. 以下の場合のミカエリス・メンテン式を記せ
(1) 阻害剤なしの場合
(2) 競合阻害剤がある場合
(3) 反競合阻害剤がある場合
(4) 混合阻害剤がある場合 -
2. 以下の場合のラインウィーバー・バークの式を記せ(1) 阻害剤なしの場合
(2) 競合阻害剤がある場合
(3) 反競合阻害剤がある場合
(4) 混合阻害剤がある場合 -
1. ある酵素のKmを測定したところ,非常に低い値を示した。この酵素と基質にはどのような 関係があると言えるか,答えよ酵素と基質の間に高い親和性があると考えられる
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2. CTPの合成の初期段階に関与するアスパラギン酸カルバモイルトランスフェラーゼ (ATCアーゼ)は,その酵素活性をアロステリックエフェクターの存在によって変化させる。
(1)ATCアーゼの活性がATP, CTPによってどのように調節されるか答えよ。
(2)また酵素活性の調節は酵素のどのような変化によってもたらされるか答えよ。(1)ATCアーゼがCTPと結合すると酵素活性が低下し,ATPと結合すると酵素活性が上昇する
(2)酵素活性は,ATCアーゼの立体構造変化(T状態とR状態)によって調節される -
・異化と同化を説明できる?異化: 栄養素(高分子化合物)を消化してCO2, H2Oにする反応
同化: 低分子から高分子化合物を合成する反応
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エントロピーとは?系の乱雑さ
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・熱力学第二法則を説明できる?系はエントロピーが大きくなる方向に自発的に変化する
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・∆Gを∆G0と平衡定数を用いた式で表してその意味を説明できる?∆G = ∆G0 +RTlnK
∆G0は標準自由エネルギー変化
(分子固有の性質によって決まる値)
R:気体定数,T: 絶対温度
lnは自然対数,Kは平衡定数 -
・活性(エネルギー)運搬体分子とは?高エネルギー結合を作り、生合成に必要なエネルギーを輸送する分子。ATP、NADH, NADPHなど
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解糖を(分子状酸素,ピルビン酸,ATP, NADHと言う言葉を使って)説明できる?分子状酸素を必要とする反応。グルコース→2ピルビン酸 + 2ATP + 2NADH
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乳酸発酵とアルコール発酵を(NADHと言う言葉を使って)説明できる?乳酸発酵
ピルビン酸 + NADH → 乳酸 + NAD+
アルコール発酵
アセトアルデヒド + NADH → エタノール + NAD+ -
NADHとNADPHの役割の違いを説明できる?
Pのあるなしで分子の形が変わる→2通りの電子転移反応を独立に調節する。
NAD+>>NADH NAD+は酸化剤として働く
NADP+<<NADPH NADPHは還元剤として働く -
ピルビン酸からアセチルCoAを作る酵素は?ピルビン酸脱水素酵素複合体
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アセチルCoAがクエン酸回路でどのような物質に変換されて一周するか説明できる?
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クエン酸回路で作られるエネルギー活性物質は?
FADH2, NADH, GTP -
β酸化を説明できる?脂肪酸がミトコンドリアマトリクス内でアセチルCoA, FADH2, NADH
の生産に利用される -
ミトコンドリアの構造や機能の特徴について説明できる?外膜・内膜の二重膜構造
細胞内で融合分裂する
独自のDNAを持つ -
・電子伝達系においてNADHはどのような役割をもつ?の高エネルギー電子を電子伝達系に渡し,そのエネルギーを利用してプロトンを汲み出す
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呼吸鎖複合体はどのような役割を持つ?NADHの高エネルギー電子をO2に直接渡してしまっては
ミトコンドリアが爆発してしまう!
↓
高エネルギー電子を酸化還元電位の少し高い物質(ユビキノン、シトクロムcなど)に
受け渡し少しずつエネルギーを取りだす。 -
・高エネルギー電子のエネルギーはどのような状態に変化する?4e- + 4H+ + O2→2H2O
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ミトコンドリアの膜電位はどのように形成されて,どのような意味を持つ?NADHの高エネルギー電子のエネルギーを使って、H+がマトリックスから膜間膣に移動することで起こる。これを利用して、ATPを合成する。
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ミトコンドリア内膜における酸化的リン酸化ではどのようにATPを合成する?H+が濃度勾配によってATP合成酵素を通過するときに、ADPからATPが合成される。
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・葉緑体とミトコンドリアの構造で似ているところと異なるところを説明できる?似ている点
・二重膜構造
・独自のDNAを持つ
異なる点
・チラコイド構造が余計に存在する -
葉緑体とミトコンドリアのATP合成において異なるところを説明できる?・高エネルギー電子が太陽光のエネルギーを吸収した
クロロフィルに由来する
・最終的に電子が酸素ではなく
NADP+に受け渡されNADPHとなる -
葉緑体の明反応と暗反応を説明できる?第一反応:明反応 ミトコンドリアの酸化的リン酸化と似た反応
チラコイド膜にある電子伝達系により作られたプロトン濃度勾配によりATPが合成される。光化学系Ⅱ→Ⅰ
二次反応:光に依存しない反応
炭素固定反応:ATP とNADPHを用いてCO2から糖を作る反応。ルビスコ -
・細胞内のタンパク質輸送の原理について説明できる?① 核膜孔を通る輸送
核膜孔は選択的なゲート(小分子は自由に輸送,
特定の巨大分子だけ能動輸送)
② 膜を通る輸送
膜にタンパク質転送(輸送)装置(チャネル)を介して,
タンパク質は必ず一度ほどけてから輸送される
③ 小胞による輸送
タンパク質を含む小胞を括り取り,目的の膜と
融合することで輸送する。小胞体保留シグナルはKDEL -
小胞体から小胞(ベシクル)を形成する際に働くタンパク質はGTPの加水分解のエネルギー
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小胞体から小胞(ベシクル)を括りとるときに働くタンパク質は?
またその際にどのようなエネルギーを使用する?GTPの加水分解のエネルギー -
・膜融合を仲介するタンパク質の名前は?SNARE(スネア)タンパク質
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3種類の細胞骨格について説明できる?
繊維の太さ,柔軟性,硬さ,構成タンパク質はなにか?ATP, GTPと結合するか? -
モータータンパク質にはどのようなものがあり,その機能はなにか?
キネシン,ダイニン,ミオシン,輸送の方向キネシン:+方向に輸送。一般的にアダプタータンパク質
を介して様々な物質を輸送する
ダイニン:ー方向に輸送。直接積み荷に結合する場合もあれば
アダプタータンパク質を介する場合もある。
ミオシン:アクチンを引き寄せるモータータンパク質 -
筋繊維が動くメカニズムは?ミオシンがアクチンを引っ張ることでサルコメアが収縮する。
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