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かくとだにえやはいぶきの さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを
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明けぬれば暮るるものとは 知りながら なほうらめしき 朝ぼらけかな
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嘆きつつひとり寝る夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る
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忘れじの行く末までは かたければ 今日を限りの 命ともがな
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滝の音は絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ
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あらざらむこの世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな
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ぬぐりあひて見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜半の月かな
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有馬山猪名の笹原 風吹けば いでよそ人を 忘れやはする
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やすはらで寝なましものを さ夜ふけて かたぶくまでの 月を見しかな
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大江山いく野の道の 遠ければ まだふみもみず 天の橋立
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