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メンタルレキシコン人間が脳内に保持している単語の集合体のこと
①語彙的表象:単語の形式的な情報である形態や音韻などの情報
②概念的表象:意味的な情報 -
意味ネットワークモデルCollins(コリンズ)、Quillian(キリアン)
①意味に関する情報は階層構造をなし、リンクで接続したネットワークを形成しているというモデル。
例)鳥―ダチョウ、カナリア
②同じ階層の概念間の関係は考慮されていない(ダチョウとカナリアは似ていないが同じ階層にある) -
活性化拡散モデルCollins(コリンズ)、Loftus(ロフタス)
①概念同士は意味的に類似性の高いものほど近くに配置される。
②新しい情報が入ってくると近隣のノードが同時に活性化されることで意味を理解する。
例)「りんご」に近い「赤い」「果物」「丸い」と言った概念が同時に活性化する -
プライミング先行刺激が後続刺激の解釈に無意識的な影響を及ぼすこと。(ある事象が後続の事象を活性化させること。)意味的プライミング効果。
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サブリミナル(閾下知覚)①無意識的で素早い認知処理。呈示されたことが主観的に認識できないくらいの瞬間呈示を閾下呈示といい、②閾下呈示された刺激がもたらすプライミング効果は閾下プライミング効果(サブリミナル効果)という。
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単純接触効果①ザイアンス(Zajonc)(1980) :過去の接触経験が先行刺激となり、それが好みの選択に無意識的な影響を与えている。⇐古い仮説
②知覚的流暢性の誤帰属説:ある刺激に接触し続けることで,刺激に対する知覚情報処理レベルでの処理効率が上昇することによって刺激への親近性が高まる。この親近性の高まりが,刺激自体への好ましさに誤帰属される -
潜在記憶/顕在記憶想起意識の有無による記憶分類
潜在記憶…想起意識(顕在記憶)との独立性;健忘で失われない、長い間復習しなくても再現できる -
系統位置効果;初頭効果最初の数項目の再生率が高いこと 。最初は短期記憶の容量に余裕があるうえに、提示から再生までの時間が長くリハーサルされやすい
*1分ほどの妨害課題を挟むと、初頭効果は現れるが新近効果は現れなくなる。 -
系統位置効果;新近効果最後の数項目の再生率が高いこと 。提示から再生までの時間が長く、かろうじて短期記憶内に維持されている。
*1分ほどの妨害課題を挟むと、初頭効果は現れるが新近効果は現れなくなる。 -
機能的固着①創造的思考の妨害要因
②問題解決者が先行経験によって問題場面に置かれた対象の本来的・習慣的な機能に固着してしまうこと -
記憶の3過程記憶痕跡を生み出す「記銘(符号化)」、記憶痕跡を持続的に維持しておく「保持(貯蔵)」、保持されている記憶痕跡から必要なものを探す「想起(検索)」
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再生法/再認法①再生法:記銘した情報を手掛かりなしで再現する
②再認法:目の前の情報が以前記銘したものかどうか思い出す
再認の方が簡単(学習成績がいい) -
記憶の二重貯蔵モデルAtkinson(アトキンソン)、Shiffrin(シフリン)
①感覚情報保持(SIS)⇒短期/作業記憶(STM/WM)⇒長期記憶(LTM)
②SISで注意を向けられた情報がWMへ、WMでリハーサルされた情報がLTMへ -
感覚記憶①目や耳などの感覚受容器に与えられた情報が、符号化されないままの状態で保たれている瞬間的な記憶。
②容量が大きく、保持時間は1秒以内。
②視覚:アイコニックメモリー、聴覚:エコーイックメモリー -
短期記憶①感覚記憶の一部が意味処理されて、認知処理のために一時保管された記憶。
②保持時間は10~30秒。
③4±1チャンクが主流 -
チャンク①意味のまとまり。短期記憶の容量は7±2チャンクとされていた⇒ミラーはマジカルナンバー7と呼んだ
②現在は4±1が主流 -
リハーサル①短期記憶内の情報を反復して想起すること。
②維持リハーサルと精緻化リハーサルがある -
維持リハーサル同じ情報を単純に反復して定着させるリハーサル
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精緻化リハーサル情報に対するイメージ処理や意味的処理によって、既に獲得している情報と関連付ける
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作動記憶短期記憶を単なる情報の一時的な保管場所と捉えるのではなく、さまざまな認知処理を行うための情報処理のフィールドとしての機能を持つと考える見方。
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バッデリー(Baddeley, A. D.)の作動記憶のモデル①中央実行系:音韻と視空間を制御、情報を統合 ②音韻ループ:言語的情報処理ー言語
③視空間スケッチパッド:視覚的情報処理ー視覚的意味
④エピソードバッファ:視空間スケッチパッドや音韻ループでは保持できない、中央実行系によって統合されたエピソード情報を一時的に保持する記憶保管庫ーエピソード長期記憶 -
長期記憶①理論上永久に貯蔵される容量無限の記憶貯蔵庫のこと。
②短期記憶の情報が精緻化リハーサルによって深く意味処理されることで、長期記憶へと移行する。 -
宣言的記憶長期記憶の一種
言葉によって記述できる事実に関する記憶
①意味記憶:一般的な知識
②エピソード記憶:経験について -
非宣言的記憶言葉によって記述できない記憶
①手続き記憶:技能や手順に関する記憶
②プライミング:先行する情報がのちの情報に影響を及ぼす -
展望記憶人との約束や予定など未来に行うことについての記憶
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記憶の変容長期記憶内の情報はさまざまな要因で変化する
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記憶の変容長期記憶内の情報はさまざまな要因で変化する
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バートレットの実験 ⇐記憶の変容①北米ネイティブアメリカンに伝わる民話をイギリス人に聞かせ、想起を求める
⇒②話の短縮、筋立ての明確化、理解しにくいものは選択的に忘却、単純化、つじつまを合わせるための内容の挿入などがみられた
⇒③新奇刺激をスキーマに沿って解釈しやすい形で再構成している -
バートレットの実験 ⇐記憶の変容①北米ネイティブアメリカンに伝わる民話をイギリス人に聞かせ、想起を求める
⇒②話の短縮、筋立ての明確化、理解しにくいものは選択的に忘却、単純化、つじつまを合わせるための内容の挿入などがみられた
⇒③新奇刺激をスキーマに沿って解釈しやすい形で再構成している -
自伝的記憶①人が人生において経験した出来事の記憶;エピソード記憶の1種
②記憶した時期と想起率の関連に特徴がある -
自伝的記憶①人が人生において経験した出来事の記憶;エピソード記憶の1種
②記憶した時期と想起率の関連に特徴がある -
幼児性健忘①0~5歳頃に経験した出来事の想起率が極端に低い
②海馬が未成熟で記憶の固定化が難しい
③認知能力が未発達で精緻化リハーサルが難しい -
幼児性健忘①0~5歳頃に経験した出来事の想起率が極端に低い
②海馬が未成熟で記憶の固定化が難しい
③認知能力が未発達で精緻化リハーサルが難しい -
レミニセンス・パンプ①10~30代に経験した出来事の想起率が極端に高い。②高齢者に顕著にみられるとされる
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フラッシュバルブ記憶①劇的で感情を強く動かされるような重大な出来事について、それを知らされた時の状況を鮮明且つ詳細に想起できること
②リハーサル機会の多さが原因とされる -
処理水準モデルCraik, F.I.M.、Lockhart, R.S.
①ある情報についての認知処理は、感覚的・物理的な分析を行う浅い水準から、抽象的・意味的・連想的な分析を行う深い水準まで階層構造をなしているとしたモデル。
②深い処理をした方が記憶保持は優れる -
気分―状態依存効果ある気分で記銘された情報が、再生時も同じ気分であるとより想起されやすい現象
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忘却記憶痕跡同士が干渉しあうために想起が困難になるという干渉説と、記憶痕跡を適切に検索できないがゆえに想起が困難になるという検索失敗説がある。
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エビングハウスの忘却曲線Ebbinghaus
①自分自身を被験者とした再学習法を通し、記憶内容が時間と共に忘却される過程を曲線で表した。
②最初の20分で急激に下落し、あとはなだらかな経過をたどる -
減衰説①忘却は記憶痕跡が時間の経過とともに薄れ、消失するために起こると考える。
②エビングハウス(Ebbinghaus, H.)の忘却曲線が代表的。
③*後の研究で否定され、現在では積極的に支持されていない。 -
干渉説①忘却は記憶痕跡同士が干渉しあって想起できなくなると考える。
②記憶痕跡の消失は想定していない。
③ジェンキンス(Jenkins, J. G.)の実験
無意味つづりを覚えたあと再生テストまで眠らせた群と起こしていた群で再生率を比較した。⇒眠らせた方が再生率が高かった。
④後続内容が先行内容の想起を干渉することを逆向干渉、先行内容が後続内容の想起を干渉することを順向干渉という。 -
検索失敗説①忘却は記憶痕跡を適切に検索することができないために起こると考える。
②記憶痕跡の消失は想定していない。 -
タルヴィング(Tulving, E.)の実験 ⇐検索失敗説さまざまな単語(ハト、じゃがいもなど)を記銘させたあと、白紙を渡して想起させる群よりも、カテゴリー名(動物名、野菜の名前など)が書かれた用紙を渡して想起させる群の方が、再生率が高かった。 ⇒カテゴリー名が記憶痕跡の検索を助けた
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記憶の再固定一度固定された記憶が再生時に脆弱な状態になり、再度固定される過程
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検索誘導性忘却①ある情報の検索に伴い、それと関連する他の情報の記憶成績が低下する現象。
②競合情報を積極的に抑制するメカニズムによって生起するという、抑制説が提唱されている。 -
記憶障害①前行性健忘(順行性健忘):記銘の困難さにより新たな記憶痕跡を作り出せないこと
②逆行性健忘:獲得されたはずの記憶痕跡が保持・想起できなくなること。
③脳損傷など脳の障害が原因⇒器質性健忘
ストレスなどの心理的原因⇒心因性健忘 -
スキーマ経験的に形成された知識・行動の枠組み。過去の経験によって形成されたスキーマは、新奇刺激に対する情報処理に影響をもたらす。
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自動思考①スキーマや推論の誤りの影響を受けて、瞬間的に浮かぶ考え方のクセのようなもの。
②スキーマより瞬間的な浅いレベルの認知。意図せず出来事に対して浮かぶ様々な考えのこと。 -
推論の誤り 10種類①スキーマから生じる偏った考え方、物の見方。認知の歪みともいう。
②白黒(0か100か)思考、過度の一般化、選択的知覚、マイナス化思考、心の読みすぎ癖、拡大解釈・過小評価、感情的決めつけ、べき思考、レッテル貼り、自己関連付け(ネガティブな出来事をすべて自分のせいではないかと考えること) -
アルゴリズム情報処理のうち、所定の方法に従えば時間はかかるが必ず解決につながる一連の手順
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ヒューリスティック情報処理のうち、①必ずしも解決につながるとは限らず客観性は低いが、②成功すれば解決に要する時間や労力、認知的資源を大幅に減らせる(経験に基づいた)方法
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確証バイアス仮説や考えを証明しようとする際、仮説に合致するような情報を選択的に重視したり、獲得する傾向
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代表的ヒューリスティックある事象が特定のカテゴリーに属する確率について、その事象がカテゴリーをどの程度よく代表しているかに基づいて判断する直観的な方略
客観的な確率論に基づいた判断ではない
例)リンダ問題 -
利用可能性ヒューリスティックある事象の生起頻度について、それに当てはまる事例の想起しやすさに応じて判断する直観的な方略
目立ちやすい事象が選択的に想起される
例)1パーセントの確率で起きる致命的な副作用が過大評価される -
再認ヒューリスティック既知のものとそうでないものからなる選択肢の中から判断する場合、既知のものを高く評価する直観的な方略
例)都市の人口を推測するとき、既知の都市の人口を多く見積もる -
係留と調整ヒューリスティック(アンカリング)ある事象について、最初に与えられた情報に囚われた判断をする直観的な方略
初期値が異なると最終的な推定値も大きく異なる
例)○○は50人/10000人である。□□は何人?
⇒前者より後者の方が多い人数を答える -
プロスペクト理論Kahneman(カーネマン)、Tversky(トヴァスキー)
行動経済学における意思決定理論
①人は利得よりも損失の大きさを重視する傾向がある
②⇒利益が認識される情報においてはリスク回避的(損をしたくない)になり、損失が認識される状況においてはリスク志向的(損失を取り戻す)になる -
フレーミング効果数学的に等価の問題であっても、選択肢の表現の仕方や枠組みの違いが意思決定に影響する現象
例)同じ意味でも損失を強調した方が説得しやすい;Aをすれば勝ちやすくなります<Aをしないと負けやすくなります -
モニタリングメタ認知による自己理解。自分の認知活動を管理・把握することで、適切な行動選択を可能にする役割がある。
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メタ認知「何を認知しているか」と言うことに関する認知。
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メタ認知的知識認知個人特性や認知課題、解決方略についての知識
例)「私は漢字を覚えるのが苦手」「足し算より掛け算が苦手」「絵を描いた方が分かりやすい」 -
メタ認知的活動・メタ知識的モニタリング:認知についての気づきや予測、評価
・メタ認知的コントロール:認知について目標を立てたり修正したりする -
メタ記憶メタ記憶 :「『自分が何を記憶しているか』に関する記憶」⇒「『知らない』事を知っている」ため、「知らない」と言える
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