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春過ぎて衣干すてふ 天の香久山
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天の原三笠の山に 出でし月かも
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これやこの知るも知らぬも 逢坂の関
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住之江の夢の通ひ路 人目よくらむ
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山川に流れもあへぬ 紅葉なりけり
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久方のしづ心なく 花の散るらむ
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白露につらぬきとめぬ 玉ぞ散りける
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浅茅生(あさぢふ)のあまりてなどか 人の恋しき
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由良の門を行方も知らぬ 恋の道かな
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八重むぐら人こそ見えね 秋は来にけり
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滝の音は名こそ流れて なほ聞こえけり
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大江山まだふみも見ず 天の橋立
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淡路島いく夜寝覚めぬ 須磨の関守
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秋風に漏れ出づる月の 影のさやけさ
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ほととぎすただ有明の 月ぞ残れる
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夜もすがら閨のひまさへ 秋の夕暮れ
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玉の緒よしのぶることの 衣うつなり
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み吉野のふるさと寒く 我が身なりけり
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花さそふふりゆくものは つれなかりけり
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村雨の霧立ちのぼる 弱りぞする
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