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物質の2面性について簡単に説明せよ。物質は1つ、2つと数えられる粒としての性質である粒子性と、音のように干渉現象や回折現象など、波としての性質である波動性の2つの特徴を併せ持つ。
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フェルミ粒子の特徴フェルミ粒子は固体中の電子などに該当する。パウリの排他律が満たされ、1つの状態は1つの粒子しか存在できないことや、この粒子の存在確率はフェルミディラック統計に従うことがあげられる。
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量子力学的効果の応用について具体例を挙げて簡単に説明しなさい。ジョセフソン効果 ... 薄い絶縁体を超電導で挟むと超電導トンネル電流が流れる。
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電子バンドの許容と禁制帯は、境界条件からどのように導かれるか簡単に説明しなさい。波動方程式を解き、境界条件から波動関数φがなめらかに連続となるように任意定数を定めた時、φ=0となるところは禁制帯となり、φ≠0となるところが許容帯となる。
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電子の量子数について簡単に説明しなさい。原子内のある電子がどの殻、軌道、軌道の方向、スピンの向きに該当しているかを表す数字。
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トンネル効果についてわかりやすく説明しなさい。トンネル効果は、粒子(電子)がもつエネルギーよりも高いエネルギーを持つエネルギー障壁があり、そこへ無数の電子を投げ込むと、ある一定の確率で電子がエネルギー障壁を通り抜ける現象。
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金属と半導体のバンド構造について比較し、簡単に説明しなさい。フェルミ順位について、金属は伝導帯、半導体は禁制帯にある。そのため絶対零度の時、金属の伝導帯には電子が多く存在できるが、半導体の伝導帯には存在できない。
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空間内の電子の存在確率を求める方法について簡単に説明しなさい。波動関数の絶対値を2乗すると、電子の存在確率が求められる。
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日常生活において、量子力学的効果が意識されない理由を簡潔に説明せよ。日常生活において、物体の質量は電子と比べると非常に大きく、物質波が観測されないから。
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真正半導体の熱励起について、フェルミ分布関数を用いて定性的に説明しなさい。フェルミディラック分布関数より、T=0のときは伝導帯に電子が存在できないため熱励起は起きない。しかし、温度が上昇し低温になったとき、熱エネルギーが加わることによって伝導帯に電子が、価電子帯に正孔が対発生する。さらに温度が上昇すると、フェルミディラック分布関数の傾きが大きくなるため、伝導帯と価電子帯それぞれに存在するキャリアの数は増える。つまり、温度が上昇すると、熱励起が起きやすくなる。
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任意の形のエネルギー障壁に対する電子のトンネル確率は、下の式に表すことができる。この式からトンネル確率について定性的に説明せよ。トンネル確率Pは主にエネルギー障壁の厚さx1、高さV(x)によってきまる。与えられたPの式より、障壁の幅x1、あるいは高さV(x)が大きくなるとトンネル確率Pが小さくなる。
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電子バンドの形成過程について説明しなさい。原子同士が接近すると、原子の最外殻電子の軌道は重なり、パウリの排他律により分裂する。固体のように多数の原子が存在するとき、電子軌道は分裂し多数の軌道ができる。それらの軌道は連続的に存在し帯状になる。これが電子バンドである。
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トンネル効果の応用について具体例を挙げて簡単に説明しなさい。フラッシュメモリ ... 強い電界をかけるとエネルギー障壁が薄くなり電子がその障壁を通り抜け電子が放出される電界放出によって、電子をコントロールする。
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固体内の周期ポテンシャルについて、簡単に説明しなさい。固体内では原子やイオンが周期的に並んでいる。そのため、これらの原子やイオンを期限とする静電ポテンシャル(電界の積分であらわされるスカラー量のこと)は、固体内で周期的に変化する。
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方位量子数と磁気量子数について簡単に説明しなさい。方位量子数l ... 電気軌道の種類(形)を表す量子数のこと。磁気量指数m ... 各電子軌道の方向を表す量子数のこと。
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金属のバンド構造について簡単に説明しなさい。伝導体中にフェルミ準位があり、伝導体内は電子が多数存在する。
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波動関数の物理的意味を簡単に説明しなさい。波動関数の絶対値の2乗は粒子の存在確率を表す。
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日常生活において、量子力学的効果がほとんど観測されない理由を簡潔に説明せよ。電子や原子の質量、エネルギーが非常に小さいため、連続量としてとらえられ、粒子としての不連続な性質が観測されなくなるから。
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境界条件に従って波動方程式を解くとき、境界点前後の波動関数が満たす条件に付いて簡単に説明しなさい。波動方程式は波動関数が2階微分された形があるため、前提として波動関数は2階微分が可能でなければならない。つまり、境界の前後で値と傾きがそれぞれ等しくなければならない。
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