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虎求百獣食之得狐虎たちは獣たちをもとめて食べていたあるとき、狐を得た
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子無敢食我也【読・意】しあえてわれをくうことなかれ・あなたは決して私を食べてはいけない
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天帝使我長百獣【読・意】てんていわれをしてひゃくじゅうにちょうたらしむ・天の神は私を百獣の王にしたのです
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子以我為不信、吾為子先行【読・意】しわれをもってしんならずとなさば、われしのためにせんこうせん・あなたが私の言うことを信じられないのならば、私はあなたのために先に立って歩きましょう
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子随我後観【読・意】しわがあとにしたがいてみよ・私の後ろについてきてよく見なさい
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百獣之見我、敢不走や【読・意】ひゃくじゅうのわれをみて、あえてはしらざらんや・獣たちは私を見て、どうして逃げないことがありましょうか、いや逃げるに決まっています
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虎以為然【読・意】とらもってしかりとなす・虎は狐の言うことをもっともだと思った
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故遂与之行【読・意】ゆえについにこれといく・そこでそのままきつねといっしょに歩いていった
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獣見之皆走【読・意】けものこれをみてみなはしる・獣たちこれをみて皆逃げて行った
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虎不知獣畏己走也【読・意】とらけもののおのれをおそれてはしるをしらざるなり・虎は獣たちが自分を恐れて逃げていることを知らなかった
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以為畏狐也【読・意】もってきつねをおそるとなすなり・狐を恐れているのだと思った
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今者臣来過易水【読・意】いましんきたりてえきすいをすぐ・今し方私が参りますときに易水を通りました
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蚌方出曝【読・意】ぼうまさにいでてさらす・からす貝がちょうど出て日光浴をしていた
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而鷸啄其肉【読・意】しこうしていつそのにくをついばむ・するとしぎが肉をつついて食べた
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蚌合はさむ其喙【読・意】ぼうごうしてそのくちばしをはさむ・からす貝は殻を閉じてそのくちばしをはさんだ
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明日不雨、即有死蚌【読・意】あすあめふらずんば、すなわちしぼうあらん・明日も雨が降らなければすぐにも死んだカラス貝が見つかるぞ
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両者不肯相舎【読・意】りょうしゃあいすつるをがえんぜず・両者とも互いにとめようとはしなかった
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燕・趙久相攻以つかれしむ大衆【読・意】えんちょうひさしくあいせめてもってたいしゅうをつかれしむ。縁と蝶が長く戦い合うと民衆は疲弊させられる
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臣恐強秦之為漁父也【読・意】しんきょうしんのぎょふとならんことをおそるるなり・巨大な力をもつ秦が漁師になりはしないかと心配している
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乃止【読・意】すなわちやむ。そこで思いとどまったのである
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