2025年03月09日 カード22 いいね0

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単語カード

  • 祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。

    祇園精舎の鐘の音は、諸行無常の響きがある。

  • 沙羅双樹の花の色、盛者必衰のことわりをあらはす。

    沙羅双樹の花の色は、盛者必衰の道理を表している。

  • おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。

    思い上がって得意になっている人も長い時はたたず、まるで春の夜の夢のようだ。

  • たけき者もつひには滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。

    勢いの盛んな者もついには滅びてしまう、まるで風の前の塵と同じである。

  • と扇を上げて招きければ、招かれてとつて返す。

    と熊谷が扇を上げて招いたので、若武者は招かれて引き返す。

  • みぎはに打ち上がらんとするところに、押し並べてむずと組んでどうど落ち、

    若武者が波うちぎわに打ち上がろうとするところに、熊谷が馬を強引に並べて若武者とむず、と組んでどうっと落ち、

  • とつて押さへて首をかかんと、かぶとを押しあふのけて見ければ、

    熊谷が若武者を取り押さえて、首をかき切ろうとかぶとをあおむけにして見たところ、

  • 年十六、七ばかりなるが、薄化粧して、かね黒なり。

    年は十六、七歳ほどである若武者が薄化粧をしてお歯黒をつけている。

  • わが子の小次郎がよわひほどにて、容顔まことに美麗なりければ、

    わが子の小次郎の年齢ほどで、顔立ちが大変美しかったので、

  • いづくに刀を立つべしともおぼえず。

    どこに刀を立てるのがのいとも思われない。

  • と申せば、「なんじはたそ。」と問なさる。

    と熊谷が申し上げると、「お前は誰だ。」と若武者が尋ねなさる。

  • なんじがためにはよい敵ぞ。名のらずとも首を取って人に問へ。

    おまえのためにはよい敵だ。名のらなくても、首を取って人に聞いてみろ。

  • 見しろうずるぞ。」とぞのたまひける。

    見知っているだろうよ。」とおっしゃった。

  • また討ちたてまつらずとも、勝つべき戦に負くることもよもあらじ。

    またお討ち申し上げなくても、勝つはずの戦に負けることもまさかあるまい。

  • 小次郎が薄手負うたるをだに、直実は心苦しうこそ思ふに、

    小次郎が軽い傷を負ったのでさえ、私、直実はつらく思うのに、

  • この殿の父、討たれぬと聞いて、いかばかりか嘆きたまはんずらん。

    若武者の父は息子が打たれたと聞いて、どれほど嘆きなさるだろうか。

  • あはれ、助けたてまつらばや。」

    ああ、お助け申し上げたい。」

  • と申しければ、「ただ、とくとく首を取れ。」とぞのたまひける。

    と申し上げたところ、「とにかく早く首を取れ」とおっしゃった。

  • 熊谷あまりにいとほしくて、いづくに刀を立つべしともおぼえず、

    熊谷はあまりにかわいそうで、どこに刀を立てるのがよいとも思われない。

  • 目もくれ心も消えはてて、前後不覚におぼわれたけれども、

    目もくらみ気も動転して、前後不覚に思われたけれども、

  • さてしもあるべきことならねば、泣く泣く首をぞかいてんげる。

    そのままでいるべきことではないので、泣く泣く首を切ってしまった。

  • あはれ、弓矢取る身ほど口惜しかりけるものはなし。

    ああ、弓矢を取る身ほど悔やまれたものはない。

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