イオン結晶の融点は構成するイオンの種類によってどのように変わるか。
イオン結晶の融点は2つの要素によって変わる。
①構成するイオンのイオン間距離が短くなればなるほどイオン結晶の融点は高くなる。例えばナトリウムイオンとハロゲン化物イオンが結合したものの融点を比較すると,NaF>NaCl>NaBr>NaIとなる。ハロゲン化物イオンのイオン半径を比較するとF-<Cl-<Br-<I-となっており,構成するイオンのイオン間距離が小さくなればなるほど融点が高くなることを意味している。
②構成するイオンの価数の積の絶対値が大きいほどイオン結晶の融点は高くなる。例えば,NaClとMgOの融点を比較すると,MgO>NaClとなる。MgOの場合,構成するイオンはMg2+とO2-であり,イオンの価数の積の絶対値は(+2)×(-2)=|-4|=4である。一方,NaClの場合,構成するイオンはNa+とCl-であり,構成イオンの価数の積の絶対値は(+1)×(-1)=|-1|=1である。よって,イオンの価数の積の絶対値が大きいMgOの方がNaClより融点が高くなる。