空間情報学対策

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Casey 2025年07月14日 カード43 いいね0

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空間情報学対策
  • [2024年過去問]ジオイドと準拠楕円体について、それぞれの意味と関係を簡潔に説明せよ。
    • ジオイドとは、重力の等ポテンシャル面のうち、平均海面と一致するものを指します。これは地球上の高さの基準となる概念です。
    • 準拠楕円体とは、ジオイドを近似する地球楕円体のうち、各国または国際機関が測地座標系を固定するために採用したもの。
  • 標高と楕円体高の違いを説明せよ。
    • 標高とは、東京湾平均海面(日本のジオイド)を通る重力の等ポテンシャル面を基準とした高さです。一方、楕円体高とは、地球楕円体表面からの高さを指します。これら二つの高さの関係は、一般的に「標高 = 楕円体高 - ジオイド高」という近似式で表されます。
  • 基準点測量の方法としての三角測量、三辺測量、トラバース測量の違いを端的に説明せよ。
    • 基準点測量とは、平面位置や標高が既知である点(三角点、水準点など)に基づいて、対象地域内に新たに基準点を設置する測量です。
    ◦ 三角測量: 三角網を構成し、主に内角の測定によって基準点の位置を求める方式です。明治時代初頭から用いられ、当時、距離測定の精度が低かったため、距離測定を減らすことを目的としていました。
    ◦ 三辺測量: 三角網を構成し、主に辺長(距離)の測定によって基準点の位置を求める方式です。1960年代以降に光波測距儀が普及し、距離の高精度測定が可能になったことで広く用いられるようになりました。
    ◦ トラバース測量: 多角網を構成し、主に辺長と隣接辺のなす角の測定によって基準点の位置を求める方式です。三辺測量と同様に、光波測距儀の普及により高精度な距離測定が可能になったことで発展しました。
  • 簡単なトラバース網を各自定義し、その観測方程式を示せ。
  • GPS測量の測位の種類を4つ挙げ、それらの違いがわかるように、全体で10~15行程度で説明せよ。
    • 単独測位: 1台のGPS受信機で衛星からの電波(コード)を受信し、衛星と受信機間の擬似距離を算出して、受信機の3次元絶対位置を計測する方式です。精度は約10m程度で、カーナビなどに利用されます。
    • ディファレンシャルGPS (DGPS): 2台以上の受信機を用いる方式です。1台を座標が既知の基準局に設置し、そこで測定された誤差を補正値として受信局に送信することで、系統誤差を打ち消し、精度を向上させます。精度は数十cmから数m程度です。
    • スタティック測位: 搬送波の位相を測定する干渉測位の一種です。2台以上の受信機を使用し、基準局と受信局で長時間(一般に1時間程度)にわたりGPS衛星の電波を連続観測し、受信機間の基線ベクトルと整数値バイアスを同時に確定させます。非常に高精度(5mm程度)で、基準点測量や地殻変動観測に利用されます。
    • リアルタイムキネマティック測位 (RTK-GPS): キネマティック測位の一種で、スタティック測位と同様に搬送波の位相を利用しますが、観測時間を数秒から1分程度に短縮し、効率化を図った方式です。基準局と受信局を通信システムで接続し、リアルタイムで基線解析を行うことで、移動しながらでも高精度(20mm程度)な測位が可能です。情報化施工や無人化施工に応用されています。
  • 単独測位において最低何個のGPS衛星から電波を補足する必要があるか、その理由とともに説明せよ。
    単独測位において、最低4個のGPS衛星から電波を補足する必要があります。
    その理由は、単独測位で求めるべき未知数が4つあるためです。GPS受信機の3次元位置 (x, y, z) を求めるのに3つの未知数が必要となります。しかし、安価なGPS受信機に搭載されている時計の精度は、GPS衛星に搭載されている原子時計に比べて劣ります。この受信機時計の誤差も正確な位置を算出する上で無視できない未知数となります。したがって、「受信機の3次元位置 (x, y, z)」と「受信機時計の誤差」の合計4つの未知数を決定するために、最低でも4つのGPS衛星から電波を受信し、4つの観測方程式(擬似距離)を立てて計算する必要があるのです。4つの擬似距離を半径とする球が一点で交差する計算によって、受信機の正確な位置が決定されます。
  • 写真測量の視差について、簡潔に説明せよ。
    異なる視点から同じ対象物を見たときに、対象物の見え方や画像上の位置がわずかにずれる現象を指します。左右それぞれの眼に入る光線の収束角の差が網膜に写される像の位置のずれの量として知覚され、遠近感を感じることができる。写真測量では、この視差の原理を応用し、異なる位置から撮影された複数の写真(ステレオ画像)を用いて、被写体の3次元的な位置や形状を計測します。
  • 単写真標定と何か、また、その原理を解説せよ。
    単写真標定とは
    1枚の写真だけを使って、撮影時のカメラの位置(X₀, Y₀, Z₀)や向き(ω, φ, κ)、内部パラメータ(焦点距離c、主点x₀, y₀、レンズ歪み)を求める手法です。これにより、傾いた写真からでも正確に3D位置を測定できます。

    原理
    「共線条件」に基づいています。これは、地上の点・その写った画像上の点・カメラの位置が一直線上にあるという幾何学的な関係です。

    計算方法
    地上と画像上で座標が分かっている基準点を使い、共線条件式を立てます。3点あれば理論上は解けますが、誤差を考慮して通常はそれ以上の点を使い、Gauss-Newton法などで反復的に最も適した標定要素を求めます。
  • 衛星リモートセンシングで用いられる「分光特性」について説明せよ。
    • 分光特性(スペクトル特性)とは: 物体が反射あるいは放射する電磁波の強さは波長帯(バンド)ごとに異なり、どの波長でどの程度の強さになるかは、物体固有の特性によって決まります。衛星リモートセンシングでは、可視光だけでなく、近赤外、短波長赤外、熱赤外、マイクロ波など様々な波長の電磁波を利用して観測を行います。
  • 衛星リモートセンシングで用いられる「分光特性が地表の観測においてどのように活用されるか具体例を挙げて説明せよ。
    • 地表観測での活用例: この分光特性を利用することで、人の目には見えない情報を含め、物体の状態を観測・識別することが可能になります。
    ◦ 植物の活性度判別: 植物は、葉緑素によって可視光の一部を吸収し、緑色付近と近赤外域を非常に強く反射するという独特の分光特性を持っています。この特性を利用し、近赤外域の反射強度を計測することで、植物の有無やその健全度、フォールスカラー合成(近赤外バンドに赤色を割り当てる)では、植物が鮮やかな赤色で表示され、その分布や健康状態を容易に識別できます。
    ◦ 地表面温度の把握: 地表面からの電磁波の放射強度は、その地物の放射率や温度に依存します。特に熱赤外域(8.0~14.0μm)遠赤外線カラー合成が活用されます。
  • GISで用いられるアルゴリズムの例として「点位置決定問題」がどのような問題か説明し、具体的な活用例を一つ挙げよ。
    点位置決定問題とは、「n個の点から一番近い点を探す問題」である「最近点問題」に帰着できる問題のことを指し、ある特定の点(例えば、現在地)から、複数の候補点(例えば、コンビニの場所)の中で、最も近い点を見つけ出すという問題です。

    具体的な活用例として、「商圏の分析」が挙げられます。例えば、ある店舗(コンビニエンスストアなど)の立地を考える際、周辺の競合店舗との関係や顧客の分布を分析するために、ボロノイ分割を用いて各店舗の商圏(最も近い店舗となる範囲)を視覚化し、最適な店舗配置やマーケティング戦略の立案に役立てることができます。
  • [2023年過去問]水準測量について5~10行程度の文章で説明せよ。
    水準測量は、標高が既知である点(水準点など)に基づき、対象地域内に新たに標高が既知である点(基準点)を設置する測量です。これは高低差の測定による地上測量であり、地球上の位置の高さはジオイド面からの高さとして定義され、測定されます。水準測量では、レベルという機器を用いて、既知点と新点間の高低差を測定し、その高低差を積み重ねて標高を決定します。
  • GPS測位で得られた高さから標高を求める方法について、概念図と3~5行程度の文章で説明せよ。
    GPS測位で得られる高さは、地球楕円体からの高さである「楕円体高」です。一方、私たちが一般的に用いる「標高」は、東京湾平均海面を通る重力の等ポテンシャル面である「ジオイド」からの高さを指します。したがって、GPS測位で得られた楕円体高から標高を求めるには、楕円体高からジオイド高を差し引くことで近似的に算出されます。
    標高 = 楕円体高 - ジオイド高
  • GPS測量に関して、単独測位と干渉測位の原理について、その違いを述べた上で、それぞれ10行程度の文章で説明せよ。
    単独測位は1台の受信機で擬似距離を用いて絶対位置を求めるのに対し、干渉測位は2台以上の受信機で搬送波の位相差を利用して高精度な相対位置を求めます

    • 単独測位の原理: 単独測位は、1台のGPS受信機で、GPS衛星から送信される電波を受信し、電波の発信時刻と受信時刻の差から衛星と受信機間の「擬似距離」を算出する測位方法です。受信機の3次元位置(X, Y, Z)と受信機の時計の誤差の計4つの未知数があるため、最低4つのGPS衛星からの電波を受信する必要があります。擬似距離を半径とする球を考えると、時計誤差がない場合は一点で交差しますが、時計誤差があると交差しないため、時計誤差を補正して一点に収束させます。この方式はカーナビゲーションなどに利用され、測位精度は一般的に10m程度です。

    • 干渉測位の原理: 干渉測位は、2台以上のGPS受信機(基準局と受信局)を設置し、GPS衛星から送信される搬送波の位相を測定することで、受信機間の基線ベクトルと衛星と受信機間の搬送波の初期位相における整数値バイアスを、一定時間の連続観測を行うことで不動点を解析し確定させ、多重解から解を確定させる。この方式は基準点測量や地殻変動観測に利用され、スタティック測位では5mm、キネマティック測位では20mmといった高精度が得られます。
  • ネットワーク型RTK方式について説明せよ。
    ネットワーク型RTK方式は、RTK-GPS(リアルタイム・キネマティック測位)の一種で、従来のRTK方式が抱えていた長距離での測位誤差増加の問題を解決するために開発された高精度測位システムです。通常のRTK方式では、基準局と受信局の距離が離れると、電離層や対流圏の状態の差により測位誤差が増加します。ネットワーク型RTK方式では、広範囲に配置された複数の電子基準点(全国に約1,300ヶ所、平均20km間隔で設置)からのGPS観測データをセンターに集約し、このデータに基づいて電子基準点で囲まれる領域全体の電離層遅延などの補正データを生成・提供します。特に代表的なのが仮想基準点(VRS: Virtual Reference Station)方式で、受信機が概略位置をセンターに送信すると、センターがその位置に合わせた仮想的な基準点データを生成・返信し、受信機はその仮想基準点データを用いて干渉測位計算を行うことで、精度を確保します。これにより、長距離でも高精度かつ効率的なリアルタイム測位が可能となります。
  • 写真測量に関して、標定とは何か簡潔に説明せよ。
    標定とは、写真測量において、撮影された写真のカメラの外部標定要素(位置、傾き)や内部標定要素(画面距離、主点位置、レンズ歪み)といった未知のパラメータを求め、、画像が現実世界のどの位置を、どのような角度で撮影したものかを正確に把握し、画像を三次元計測や地図作成に利用するための基礎を確立します。
  • 共線条件と単写真標定について、概念図と10~15行程度の文章で説明せよ。
    共線条件: 共線条件とは、被写体中の任意の点と、その点の投影像(写真上の点)、そしてカメラの投影中心(レンズの中心)の3点が常に一直線上にあるというもの。写真に写された二次元情報から三次元空間の情報を復元する際の基礎となります。

    単写真標定とは
    1枚の写真だけを使って、撮影時のカメラの位置(X₀, Y₀, Z₀)や向き(ω, φ, κ)、内部パラメータ(焦点距離c、主点x₀, y₀、レンズ歪み)を求める手法です。地上の点・その写った画像上の点・カメラのレンズの中心位置が一直線上にあるという共選条件を解くことで、傾いた写真からでも正確に3D位置を測定できます。
  • 衛星リモートセンシングで用いられる人工衛星のセンサの種類を3つ挙げ、それぞれのどのような電磁波を観測することが可能か述べよ。また、それぞれどのように使い分けられているか5行~10行程度の文章で具体的に述べよ。
    1. 光学センサ:
    ◦ 観測可能な電磁波: 主に可視光、近赤外、短波長赤外、熱赤外領域の太陽光の反射波や物体からの放射波を観測します。
    ◦ 使い分け: 光学センサは、晴天時の日中に、植生の有無、土地利用、雲や水の有無などを詳細に把握するのに適しています。ただし、大気中の水蒸気やエアロゾルによる吸収・散乱の影響を受けやすく、天候に左右され、雲がかかっていると観測ができません。
    2. 受動型マイクロ波センサ:
    ◦ 観測可能な電磁波: 物体が放射するマイクロ波を観測します。
    ◦ 使い分け: このセンサは、地表面や海水面の温度、雲の状態などを、天候や昼夜に左右されずに観測したい場合に利用されます。マイクロ波は雲や雨を透過しやすいため、悪天候時でも観測が可能です。
    3. 合成開口レーダー (SAR):
    ◦ 観測可能な電磁波: センサ自体からマイクロ波を発射し、物体からの反射波を観測します。
    ◦ 使い分け: SARは、全天候型かつ夜間でも観測が可能という大きな利点があります。そのため、地形変化の把握、災害時の浸水域や建物の被害状況の迅速な観測などに特に有効です。
  • 平面直角座標系とは何か簡潔に説明せよ。
    平面直角座標系とは、地球上の限られた範囲を平面と近似し、その平面上で位置を直交座標(X, Y)で定義する座標系です。日本では国土を19の「系」に分割し、それぞれの系で平面直角座標を設定しています。この座標系は、約250km四方といった比較的狭い範囲において、縮尺係数が0.9999~1.0001に収まる高精度な位置表現を可能にします。主に、**地方自治体が作成する1/5,000以上の大縮尺地図(例: 1/2,500都市計画基本図)**や、土木工事、土地の境界測量など、詳細な平面位置情報が必要とされる分野で利用されています。経緯度から平面座標への変換には、ガウス・クリューゲル投影法が用いられます。
  • [予想問題]広義のリモートセンシングとは何か、人工衛星や航空機以外の具体的な活用例を挙げて説明してください。
    広義のリモートセンシングは、対象物に触れることなく観測する技術です。人工衛星や航空機だけでなく、空中/海中ドローン、ロボット、車両などを用いて、様々な場所から情報を取得することができます。
  • 「太陽同期準回帰軌道」とはどのような軌道ですか。リモートセンシングの観点から見たその利点を簡潔に述べてください。
    太陽同期準回帰軌道は、地球の上層大気に近い高度約600km程度の低軌道であり、一定周期で同一地点を同時刻に通過し、その際の太陽の角度が常に一定となる軌道です。この軌道により、地球に近いことで高分解能の観測が可能となり、定期的な繰り返し観測や、影の向きが同一になるため画像間の比較が容易になるという利点があります。
  • 地理情報システム(GIS)において「レイヤー」とは何か、その機能について説明してください。
    GISにおける「レイヤー」とは、異なる種類の地理空間データを重ね合わせて表示するための概念です。これにより、地形、気象、土地利用、人口統計などの多様な情報を視覚的に統合し、空間的なパターンや関係を理解しやすくする機能があります。
  • GISにおける「ベクタデータ」と「ラスタデータ」の基本的な違いを、それぞれの表現形式の観点から説明してください。
    ベクタデータは、点、線、面といった幾何学的な要素を用いて地物を表現し、その空間的・非空間的属性を記述する表現形式で、連続的な情報を扱うのに適しています。一方、ラスタデータは、面をグリッド状に分割し、各セルの位置ごとの属性を記述する形式で、離散的な情報を表現する際に用いられます。
  • 写真測量における「標定理論」の目的は何ですか。具体的に何を決定する理論ですか
    写真測量における「標定理論」の目的は、撮影された写真がどのように撮影されたか、つまりカメラの位置と傾き、およびレンズの特性といった幾何学的な状態を決定することです。具体的には、カメラの外部標定要素(位置と傾き)と内部標定要素(画面距離、主点位置、レンズ歪み)といった未知のパラメータを決定します。
  • 「測地測量」と「平面的測量」の主な違いは何ですか。それぞれの対象とする範囲と測量の基準に言及してください。
    測地測量は、地球全体を対象として地球の形状や全体的な座標系を定義し、地点の位置を測地系・準拠楕円体に基づいて求める測量です。これに対し、平面的測量は、地球上の限られた部分を平面と仮定し、地点の位置を平面直角座標系に基づいて求める局地的な測量です。
  • 最短経路問題の解法として「Dijkstra(ダイクストラ)のアルゴリズム」が重要である理由を、その計算量に触れながら説明してください。
    Dijkstraのアルゴリズムは、最短経路問題を解く際に総当たりで全経路を列挙する方法と比較して、計算量が大幅に少ない(O(N^2))ため非常に重要です。これにより、計算が困難な大規模ネットワークでも、実用的な時間で最短経路を求めることが可能になります。
  • 「光の窓」と「電波の窓」について、それぞれの特徴と、衛星リモートセンシングにおける利用の利点・欠点を説明してください。
    「光の窓」は、可視光・近赤外・短赤外・熱赤外領域を指し、太陽光の反射波や物体からの放射波を観測します。しかし、大気中の分子やエアロゾルによって吸収・散乱されやすいため、天候に左右され、雲がかかっていると利用できません。「電波の窓」はマイクロ波領域を指し、光の窓と異なり、夜間や悪天候時でも観測可能という利点があります。
  • フォールスカラー合成とは何ですか。トゥルーカラー合成との違いを述べ、なぜフォールスカラー合成が利用されるのかを説明してください。
    フォールスカラー合成は、観測された電磁波のバンドに、人間が知覚する色以外の疑似的な色を割り当てることで、特定の情報を強調して可視化する技術です。トゥルーカラー合成が人間の目に近い自然な色合いを再現するのに対し、フォールスカラー合成は、例えば植物の活性度(近赤外線の反射率)など、可視光では捉えにくい情報を人間の目に見える形で表現するために利用されます。
  • GISデータの操作における「アペンド」「マージ」「ディゾルブ」の違いを、それぞれの機能に触れながら説明してください。
    アペンドは、既存のGISファイルに新たなデータを追加し、データベースの行数を増やします。マージは、複数の別々のGISファイルを結合して新しい一つのファイルを作成する機能です。ディゾルブは、フィーチャを特定の属性ごとに集約し、形状の外枠は変えずにデータベースの行数を減らす操作です
  • 単独測位とRTK-GPS測位の主な違いは何ですか。それぞれの測位方式の原理と精度について簡潔に説明してください。
    単独測位は1台のGPS受信機で衛星からの電波を受信し、受信機の3次元位置を計算する方式です。受信機の時計誤差も未知数として含めるため、最低4つの衛星が必要で、精度は約10m程度です。RTK-GPS測位は、2台以上の受信機を使用し、基準局からの補正情報をリアルタイムで利用することで、搬送波の位相を測定し、数センチメートルオーダーの高精度な測位を可能にする相対測位方式です。
  • GPS測位の精度に影響を与える要因を3つ以上挙げ、それぞれがどのように影響するかを説明してください。
    GPS測位の精度に影響を与える要因として、「衛星の幾何学的配置(GDOP)」、「電離層遅延」、「マルチパス干渉」が挙げられます。GDOPが悪い(衛星の配置が偏っている)と測位精度は低下します。電離層遅延は電離層による電波の遅延で、マルチパス干渉は電波が建物などで反射して受信機に到達することで誤差が生じます。
  • 写真測量における「中心投影」と「正射投影」の違いは何ですか。それぞれの投影法がどのような画像(地図)に用いられるかを説明してください。
    中心投影は、光線が一点(投影中心)に集まるように投影する方式で、奥行きや高さの差が画像上の平面的なずれとして表現されます。空中写真が代表例で、遠近感があります。正射投影は、画像面に垂直な軸に沿って投影する方式で、対象物のスケールが均一に表現されます。地形図が代表例で、地理的な情報を正確な縮尺で把握するのに適しています。
  • [2022年過去問]地球楕円体、準拠楕円体、測地座標系、世界測地系の関係について5~10行程度で説明せよ。
    地球楕円体は、ジオイド(重力の等ポテンシャル面のうち平均海面に一致するもの)を近似する回転楕円体です。
    測地座標系は地球の重心を原点とし、Z軸が自転軸の北極方向、X軸が赤道面とグリニッジ子午線の交わる方向を向く3次元直交座標系です。
    準拠楕円体は、各国または国際機関が測地座標系を固定するために採用する地球楕円体であり、日本では明治以来ベッセル楕円体が使用されていました。
    世界共通の測地座標系が世界測地系です。世界測地系は、特定の長半径と扁平率を持ち、中心が地球の重心と一致し、短軸が地球の自転軸と一致する扁平な回転楕円体(つまり、準拠楕円体)を想定して行う地理学的経緯度測定の基準です。
  • GPS測量では、最低4個の GPS衛星から電波を捕捉する必要がある。また、5個以上の GPS衛星から電波を捕捉することが望ましい。単独測位を例に、以上の理由を説明せよ。
    GPS受信機の3次元位置 (x, y, z) を求めるのに3つの未知数が必要となります。しかし、安価なGPS受信機に搭載されている時計の精度は、GPS衛星に搭載されている原子時計に比べて劣ります。この受信機時計の誤差も正確な位置を算出する上で無視できない未知数となります。したがって、「受信機の3次元位置 (x, y, z)」と「受信機時計の誤差」の合計4つの未知数を決定するために、最低でも4つのGPS衛星から電波を受信し、4つの観測方程式(擬似距離)を立てて計算する必要があるのです。
    5個以上のGPS衛星が望ましい理由: 測位精度は衛星の幾何学的配置(GDOP:幾何学的精度劣化率)に大きく影響されます。GDOPが小さいほど測位精度が高まります。5個以上の衛星を捕捉することで、衛星の配置がより良好になり、GDOPが小さくなる可能性が高まります。これにより、測位精度をさらに向上させることができ、また、一部の衛星からの信号が一時的に遮断された場合でも安定した測位を継続することが可能になります。
  • GPS測量における D-GPS と干渉測位の原理について、それぞれ簡潔に説明せよ。
    D-GPS(ディファレンシャルGPS)は、GPS測位の精度を向上させる技術です。あらかじめ正確な位置が分かっている基準局にGPS受信機を設置し、実際に測位された位置との誤差をリアルタイムで測定します。この誤差(主に電波遅延などの系統誤差)を補正値として移動局に送信し、移動局では受信した衛星信号に補正を加えることで、測位精度を数10cm〜数mに向上させます。なお、偶然誤差やマルチパス誤差には対応できません。

    • 干渉測位の原理: 干渉測位は、2台以上のGPS受信機(基準局と受信局)を設置し、GPS衛星から送信される搬送波の位相を測定することで、受信機間の基線ベクトルと衛星と受信機間の搬送波の初期位相における整数値バイアスを、一定時間の連続観測を行うことで不動点を解析し確定させ、多重解から解を確定させる。この方式は基準点測量や地殻変動観測に利用され、スタティック測位では5mm、キネマティック測位では20mmといった高精度が得られます。
  • 視差について、簡潔に説明せよ。
    視差とは、左右それぞれの眼に入る光線の角度が異なることによって生じる、網膜に写される像の位置のずれの量であり、これにより人間は遠近感を感じることができます。写真測量では、撮影中心が異なる2枚以上の画像(ステレオ画像)を撮影し、同一の対象点が画像上で異なる位置に投影される鉛直視差(高さの差による画像上の平面的なずれ)を利用して、対象物の3次元的な位置や高さを計測します。
  • 主要な標定要素を列挙せよ。
    標定要素は、写真が撮影された際のカメラの位置と向き、およびカメラ内部の特性を示すパラメータであり、大きく以下の2種類に分けられます。
    • 外部標定要素:
    ◦ カメラの位置: X0, Y0, Z0 (投影中心の地上座標)
    ◦ カメラの傾き(姿勢)
    • 内部標定要素:
    ◦ 画面距離: -c (投影中心から画像面までの距離、カメラの焦点距離に相当)
    ◦ 主点位置: x0, y0 (画像の中心座標、画像座標系の原点)
    ◦ レンズ歪み: Δrx, Δry (レンズの収差によって生じる画像座標のずれ)
  • 共線条件と単写真標定について、概念図と10~15行程度の文章で説明せよ。
    共線条件: 共線条件とは、被写体中の任意の点と、その点の投影像(写真上の点)、そしてカメラの投影中心(レンズの中心)の3点が常に一直線上にあるというもの。写真に写された二次元情報から三次元空間の情報を復元する際の基礎となります。

    単写真標定とは
    1枚の写真だけを使って、撮影時のカメラの位置(X₀, Y₀, Z₀)や向き(ω, φ, κ)、内部パラメータ(焦点距離c、主点x₀, y₀、レンズ歪み)を求める手法です。地上の点・その写った画像上の点・カメラのレンズの中心位置が一直線上にあるという共選条件を解くことで、傾いた写真からでも正確に3D位置を測定できます。
  • 衛星リモートセンシングを用いる利点や活用事例について2~3行程度で簡潔に説明せよ。その上で、衛星リモートセンシングと人工衛星の軌道の関係について説明せよ。必要に応じて以下の用語を用いても良い(回帰軌道・準回帰軌道・太陽同期軌道・極軌道・静止軌道)。
    衛星リモートセンシングは、広範囲を定期的・自動的に観測でき、人の立ち入りが困難な地域でも情報取得が可能な技術です。活用事例には、温室効果ガスの分布把握、土地利用の変化の監視、災害時の被災状況把握などがあります。

    衛星の軌道は観測特性に大きく関係し、主な軌道には以下があります:
    • 極軌道:地球全体を観測可能で、多くの地球観測衛星が採用。
    • 太陽同期軌道:毎回ほぼ同じ太陽光条件で観測でき、時系列比較に適する。
    • 太陽同期準回帰軌道:定期的に同一地点を通過し、高分解能観測が可能。
    • 静止軌道:常に同じ地域を広範囲に観測でき、気象観測に最適。
  • GIS におけるベクタ表現とラスタ表現について、適当な概念図と3〜5行程度の文章を用いて簡潔に説明せよ。
    ベクタ表現: 地物を点(ポイント)、線(ライン)、面(ポリゴン)といった幾何学的な要素で表現する方法です。それぞれの要素には、その地物の種類、名称、状態などの属性データが紐づけられます。連続的な情報を表現するのに適しており、詳細な位置や形状の情報を正確に管理できます。例としては、道路、建物、河川などの表現に適しています。
    ラスタ表現: 空間をグリッド(セル)状に分割し、各セルにその位置の属性値(例:土地利用、標高、温度など)を記述する方法です。画像データやデジタル標高モデル(DEM)のように、離散的なデータを表現するのに適しています。連続的な変化を持つ現象(例:気温分布、土壌の種類)や、衛星画像のような写真情報の表現によく利用されます。
  • 2025年の標高成果の改訂の内容と期待される効果は?
    新しいジオイドモデルと衛星測位から得られる電子基準点の標高を基盤とする

    ・地殻変動で累積した現状と標高成果とのズレの解消
    ・特に地震後など従来よりも迅速かつ高精度に現状にあった標高を取得可能
    ・標高の整合性が全国一律
    ・水準測量の基点から距離が離れるに従って蓄積していた標高誤差の解消
  • ユニバーサル横メルカトル図法とは
    地球上の位置を平面上の直交座標で表現するための国際標準的な図法で、地球を南北に長い6度幅のゾーンに分割し、各ゾーンの中心子午線が平面座標系の原点を含むように投影します。比較的狭い範囲で高精度で大・中縮尺地図の作成に向いている。
  • 平面基準点測量とは?
    平面基準点測量とは、平面位置や標高が既に分かっている点(三角点や水準点などの国家基準点)に基づいて、対象地域内に新たに平面位置が既知となる点、すなわち「基準点」を設置することです
よく頑張りました
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