-
あいめい-しゅうしゅう / 鳥や虫が悲しげになくさま。
1
哀鳴啾啾
「哀鳴」は鳥や獣が悲しそうに鳴いている様子。「啾啾」は鳥や虫が低い声で鳴いている様子。
-
あじゃく-むせい / ひっそりとして声のないこと。静寂。
2
鴉雀無声
鴉(からす)や雀(すずめ)の鳴き声すらしないという意味から。
-
あそう-せいほう / 愚鈍な親が優れた子を産む、貧しい家から優れた人が出るたとえ。
3
鴉巣生鳳
鴉(からす)の巣に伝説の瑞鳥である鳳凰が生まれるという意味から。
-
あつあく-ようぜん / 悪事を禁じて、善行を勧めること。
4
遏悪揚善
遏→とどめる、禁ずる
-
あめい-せんそう / 役に立たない議論や内容に乏しく下手な文章。
5
蛙鳴蝉噪
蛙(かえる)や蝉(せみ)の鳴き声は騒がしいだけで役に立たないという意味から。
-
あゆ-けいだつ / 身分や権勢のある者におもねり他人の地位を傾け奪うこと。
6
阿諛傾奪
「阿諛」は相手の気に入るように振る舞うこと。「傾奪」は他人を陥れて地位などを奪うこと。
-
あゆ-ついしょう / 相手に気に入られようと、媚びへつらうこと。
7
阿諛追従
追従→他人に媚びへつらうこと、その言葉
-
あゆ-べんねい / 口先でへつらって、人の気に入るようにずる賢く立ち回ること。
8
阿諛便佞
便佞→口先はうまいが誠意がないこと。そのような人。
-
あろく-ろくじ / 物事が滞ることなくうまく回転すること、次から次へと言葉が発せられること。
9
阿轆轆地
阿、地は助字。轆轆は車が回転する音。
-
あんえい-こきゅう / 上に立つ者が倹約に努め、職務に励むこと。
10
晏嬰狐裘
晏嬰は斉の宰相。狐裘は狐の脇の白い毛で作った衣。これを30年着て働いたという故事。
-
あんかん-てんせい / 安らかでゆったりとして静かなこと。
11
安閑恬静
「安閑」と「恬静」はどちらも心が落ち着いた静かな様子のこと。
-
あんしの-こうせつ / 中国春秋時代、斉のアンエイが臣下としての節をまっとうしたこと。
12
晏子高節
「晏子」は斉の宰相、晏嬰のこと。「高節」は志や節度が高いこと。中国の春秋時代の斉の崔杼は、君主である荘公を殺し、自身に従わない者を粛清したが、晏嬰はそれに従わず脅しに屈しなかったという故事から。
-
あんず-さくき / 理論だけの実際には役立たない考えや意見のこと。
13
按図索驥
名馬を絵や書物の知識だけで見つけようとする意から。「図を按(あん)じて驥(き)を索(もと)む」とも読む。
-
いあく-じょうそう / 旧憲法下で、軍事の機密事項について直接天皇にジョウソウすること。
14
帷幄上奏
「帷」は垂れ幕、「幄」は引き幕のこと。昔の陣営は幕をめぐらしたことから作戦を練る場所、本陣や本営、軍部の意味。
-
いいん-ふてい / 大望のために身を落とすたとえ。
15
伊尹負鼎
「伊尹」は人の名前で、中国、殷の代の宰相。「鼎」は足が三本のものを煮る調理器具。君主に仕えるという大きな望みために、まずは料理人として雇われ、のちに宰相になった伊尹の故事から。
-
いき-しょうちん / 元気をなくしてしょげかえること。
16
意気銷沈
「意気」は気力や気概。「銷沈」は衰えて沈むという意味。
-
いき-そそう / 意気込みがくじけ弱り、元気を失うこと。
17
意気沮喪
「意気」は気力や気概。「沮喪」は勢いを失い元気や勢いがなくなること。「意気阻喪」とも書く。
-
いきん-しょうけい / 才能や徳を外にあらわに出さないこと。
18
衣錦尚絅
「錦」は金や銀などの糸で織り込んだ美しい絹織物、「尚」は上に重ねること、「絅」は薄いうちかけのこと。錦を見せ付けないように上から重ね着するという意味で、才能や徳などを誇示することへの戒め。
-
いこ-ふよく / 強い者にさらに力をつける。
19
為虎傅翼
「傅翼」は翼をつけることで、もとから強い虎に翼をつけて飛べるようにするという意味。
-
いしき-もうろう / 意識が霞んではっきりしないさま。
20
意識朦朧
「朦朧」はおぼろげではっきりとしない様子。
-
いじゅ-こううん / 遠くにいる友人を思う場が切ないこと。
21
渭樹江雲
「渭樹」は長安郊外を流れる川、渭水のほとりの樹木。「江雲」は長江の空に浮かぶ雲。渭水の北の地にいる杜甫が、長江にいる李白を思って詩を作ったということから。
-
いしょう-さんたん /工夫を凝らすのに苦心すること。
22
意匠惨憺【意匠惨澹】
「意匠」は工夫すること。「惨澹」は苦労すること。
-
いだ-てんばしり / 非常に早く走ること。
23
韋駄天走
「韋駄天」は僧や寺院の守護神で、足が速いことのたとえ。
-
いちじ-ほうへん / 一字の使い分けによって、人を褒めたり貶したりすること。
24
一字褒貶
「褒」は褒めること。「貶」はけなすこと。歴史書
-
いちぼう-むぎん / ひと目でかなたまで広々と見渡されること。
25
一望無垠
「垠」は地の果てのこと。「一望垠(はて)は無し」とも読む。
-
いちる-せんきん / 危険の甚だしいことの形容。
26
一縷千鈞
「縷」は糸のこと。「鈞」は重さの単位。一本の糸で千鈞もの重い物を吊るすということから。
-
いっかく-せんきん / あまり苦労せずに一時に大きい利益を得ること。
27
一攫千金
「一攫」は一度つかむこと。「千金」は大金のこと。現在では「一獲千金」とも書くが、本来は誤用。
-
いっか-けんぞく / 家族と血縁関係にある者。
28
一家眷族
「一家眷属」とも書く。
-
いっか-だんらん / 家族が集まってむつまじく楽しむこと。
29
一家団欒
「団欒」は人が集まって輪になって座ること。または、親しい人たちが集まって楽しく過ごすこと。
-
いっき-かせい / ひといきに文章を書き上げる、物事を仕上げてしまうこと。
30
一気呵成
「呵」は息を吹きかけることで、「呵成」は一息で完成するという意味。
-
いっき-じっき / 賢者を求めるのに熱心なたとえ。
31
一饋十起
「饋」は食事のこと。一度の食事の間に十回も席をたつことから。「一饋に十起す」、または、「一饋に十たび起つ」と読む。
-
いっきゅう-いちがく / 俗世間を離れ、自然の中に身を置いて、風流を楽しむこと。
32
一丘一壑
「丘」はおかのこと。「壑」は谷のこと。
-
いっきゅう-いっかつ / 貧乏のたとえ。一枚のかわごろもと一枚のくずかたびら。
33
一裘一葛
「裘」は冬に着る毛皮の服。「葛」は夏に着る薄い布の服。それぞれを一枚ずつしか持たず、ほかの着替えを持たないということから。
-
いっくん-いちゆう / 善は消えやすく悪は除き難いことのたとえ。
34
一薫一蕕
「薫」は香りのよい草のこと。「蕕」は臭い草のこと。二つを同じところにおけば、よい香りが消されてしまうことから。
-
いっけつ-ふしん / 一度失敗して二度と立ち上がれないことのたとえ。
35
一蹶不振
「蹶」はつまずくこと。「不振」は勢いがなくなること。「一蹶して振るわず」とも読む。
-
いっこう-いちびゃく / あるいは閉じ、あるいは開く。陰と陽が消長するさま。
36
一闔一闢
「一」は
-
いっし-いちごう / ごくわずかなこと。
37
一糸一毫
「一糸」は一本の糸のこと。「一毫」は一本の細い毛のこと。どちらもわずかなことのたとえ。
-
いっし-がくがく / 多くの者がおもねり追従している中で、一人だけ憚らずに直言すること。
38
一士諤諤
「諤諤」は正論をありのままにいうさま。
-
いっしゃ-せんり / 流れの非常に速いこと、文章や弁舌がすらすらできること、物事が速やかに片付くこと。
39
一瀉千里
「瀉」は斜めになっている場所を水が勢いよく流れること。「里」は距離の単位。「千里」はとても長い距離のたとえ。水が勢いよく流れ始めると、あっという間に千里も流れていくという意味から。
-
いっしょう-いちえい / 酒を楽しみながら詩を作ること。
40
一觴一詠
「詠」は詩を読むこと。「觴」は杯のこと。
-
いっしょう-さんたん /優れた詩文を称賛する語。
41
一倡三歎【一唱三嘆】
「倡」は詩文を読むこと。「三」は何度もの意。「歎」は感心して褒め称える、感嘆という意味。一度読み上げる間に何度も感歎することから。「一倡」は「一唱」、「三歎」は「三嘆」とも書く。
-
いっせい-ふうび / ある時代に非常に流行すること。
42
一世風靡
「風靡」は草木が風でなびくこと。草木が風で同じ方向になびくことを、その時代のたくさんの人がなびくことにたとえた言葉。「一世を風靡する」と用いることが多い言葉。
-
いっせん-そうちょう / 弓を射るのがうまいこと、ただ一つの行為で二つ利益を得ること。
43
一箭双雕
「箭」は矢、「雕」は鷲。一本の矢を一回放って、二羽の鷲を射るという意味から。
-
いってき-せんきん / 豪快な振る舞い、思い切りの良いことのたとえ。
44
一擲千金
「一擲」は一度投げること。「千金」は大金のこと。賭け事をして、一度の勝負に大金を賭けるという意味から。
-
いっぱつ-せんきん / 非常に危険なこと、きわめて無理なことのたとえ。
45
一髪千鈞
「鈞」は中国の昔の重さの単位で、「一鈞」は周の時代では約八キログラム、唐の時代では約二十キログラム。髪の毛一本で千鈞の重さがあるものを吊り下げるという意味から。「一髪、千鈞を引く」を略した言葉。
-
いっぴん-いっしょう / 顔に現れるわずかな表情。
46
一嚬一笑
「顰」は顔は顔をしかめること。一顰一笑(いっぴんいっしょう)
-
いば-しちし / すらすらと名文を書き上げる才能。
47
倚馬七紙
「倚馬」は馬の近くにたったままでいること。「七紙」は紙七枚におよぶ長い文章。中国の晋の時代、哀虎は主君の桓温に布告の文を書くように言われ、馬の前にたったまま、あっという間に紙七枚にわたる名文を書き上げたという故事から。
-
いばん-じゅうてき /中国周辺部にいた異民族の総称。
48
夷蛮戎狄【蛮夷戎狄】
「東夷、南蛮、西戎、北狄」という四方の異民族の呼称をまとめた言葉。
-
いび-ちんたい / 物事の動きに活気や勢いがないこと。
49
萎靡沈滞
「萎靡」は草木がしなびること。「沈滞」は一つの場所で滞って動かなくなること。どちらも勢いがなくなることのたとえ。「委靡沈滞」とも書く。
-
いひんの-ぎょほ(ぎょふ) / 渭水のほとりで釣り糸をたれていた呂尚(太公望)のこと。
50
渭浜漁父
「渭浜」は中国の川、渭水のこと。「漁父」は漁師のこと。渭水で釣りをしていた呂尚は、周の文王に見出されて、後に大きな功績を残したという故事から。
-
いぶん-きたん / 極めて珍しい話のこと。
51
異聞奇譚
「異聞」と「奇譚」はどちらも普通ではない不思議な話という意味。
-
いへん-さんぜつ / 書物を繰り返し読むこと。読書や学問に熱心なたとえ。
52
韋編三絶
「韋編」は紙が出来る前の、木や竹の札をひもで綴った書籍のこと。「三絶」は何度もひもが切れること。「韋編三たび絶つ」とも読む。孔子が何度もひもが切れるほど易経を読んだという故事から。
-
いるい-むげ /異質な者同士が、なんの障害もなく互いに通じ合うこと。
53
異類無礙【異類無碍】
「異類」は違う種類という意味。「無礙」は障害になるものがないということ。仏教の言葉で、性質の異なる火と水が、何の妨げもなく通じ合うことをいう。「異類無碍」とも書く。
-
いんが-てきめん / 悪事の報いがすぐに目の前に現れること。
54
因果覿面
「覿面」は目の前で見るという意味から、すぐに結果が出ること。
-
いんかん-ふえん / 失敗を戒める例は近くにあるたとえ。
55
殷鑑不遠
「殷」は古代中国の国の名前。「鑑」は鏡のことで、手本や見本のたとえ。殷は、昔の出来事を手本にするよりも、圧政で滅びた前代の夏の国を手本とするべきであるという戒めから。「殷鑑遠からず」という形で使うことが多い言葉。
-
いんぎゃく-ぼうれい /淫らな生活をし、乱暴で非道なこと。
56
婬虐暴戻【淫虐暴戻】
「婬虐」は淫らで残酷な様子。「暴戻」は人としての道から外れていて乱暴なこと。「淫虐暴戻」とも書く。
-
いんぎん-ぶれい / 表面的には礼儀正しいが内面は尊大であること、言葉遣いや態度が過度に丁寧なのはかえって無礼であること。
57
慇懃無礼
「慇懃」はとても礼儀正しいこと。「無礼」は失礼なこと。
-
いんじゅん-こうしょ / 古い習慣や方法にこだわりその場しのぎの手段をとること、決断力に欠けぐずぐずするさま。
58
因循苟且
「因循」は昔から続くやり方を変えずにこだわり続けること。「苟且」は原因を解決せずに、その場だけ取り繕うこと。
-
いんちん-しかつ / 目先のことだけを考えて後の結果を顧みないこと。
59
飲鴆止渇
「鴆」は羽に猛毒をもつ鳥の名前で、この羽が入っている酒を喉の渇きを癒すために飲むということから。
-
いんぼう-きけい / 人を欺くためのひそかな悪巧み。
60
陰謀詭計
「陰謀」はひそかに悪い計画を立てること。「詭計」は人を裏切って貶める策略のこと。
-
うえん-ろぎょ / 文字の書き誤り。
61
烏焉魯魚
「烏」と「焉」、「魯」と「魚」の字の形が似ていることから。
-
うこう-こうもん / 陰徳を積む家の子孫は繁栄することのたとえ。
62
于公高門
「于公」は人物名で、漢代に丞相になった于定国の父のこと。于公は裁判官として公平に裁判を処理して、ひそかに善行を積んでいた。彼の住む村の門を修理するときに、人知れず善行を積む家の子孫は出世して繁栄するだろうと、門を広大に作った故事から。
-
うこう-しゅんすう / 禹や舜の表面上の動作を真似るだけで実質的な聖人の徳を備えていないこと。
63
禹行舜趨
「行」は歩くこと。「趨」は走ること。禹の歩き方や舜の走り方などは表面上の動作であり、真似をしても何の意味もないことから。
-
うこ-さべん / 右や左を見てためらい迷うこと。情勢を気にして決断できないこと。もとはゆったりと余裕のあるさま。
64
右顧左眄
「顧」と「眄」はどちらも周りを窺うこと。
-
うそ-くうかつ /まわりくどく実際に適応できないこと、事情に疎く実際に役に立たないこと。
65
迂疎空闊【迂疎空濶】
「迂疎」は間接的で役に立たないことや世情に疎いこと。「空闊」は広々としている様子やおおざっぱなこと。
-
うつにく-ろうほ / 腐った肉や腐ったほじし。
66
鬱肉漏脯
細かく裂いて干した鳥獣の肉。干し肉。「ほしし」とも読む。
-
うとう-ぶんぶ / 夏・殷・周三代の始祖の名。
67
禹湯文武
「禹」は夏王朝の禹王。「湯」は殷王朝の湯王。「文」と「武」は周王朝の文王と武王のこと。
-
うと-そうそう /歳月がはやく過ぎ去ることのたとえ。
68
烏兔匆匆【烏兔怱怱】
「烏兎」は月日のことで、「匆匆」は慌しい様子や忙しいこと。
-
うふう(おうふう)-よういく / 鳥や獣が子を産み育てること。
69
嫗伏孕鬻
「嫗伏」は鳥が翼で卵を覆って温めること。「孕鬻」は獣が子を産んで育てること。
-
うよ-いだ / 山や林などがうねうねと屈曲しながら長く続くさま。
70
紆余委蛇
「紆余」は曲がりくねっていて長く続いている様子。「委蛇」は曲がりくねっている様子。
-
うよ-きょくせつ / 曲がりくねること。事情が込み入り複雑なこと。
71
紆余曲折
「紆余」は道などが曲がりくねっている様子。「曲折」は折れ曲がること。
-
うら-ぼんえ / 仏教で七月十五日に祖先の霊をまつり冥福を祈る行事。
72
盂蘭盆会
盆や精霊会ともいう。現在は八月十五日に行うことが多い。
-
うりん-れいきょく / 唐の玄宗の作った楽曲の名。
73
雨霖鈴曲
中国の唐の玄宗が楊貴妃の死を悼み悲しんで作った楽曲の名前。「霖」は雨のこと。「鈴」は馬につけている鈴の音のこと。雨と鈴の音が調和しているのを聞いて作ったという故事から。
-
うんう-ふざん / 男女の情交をいう。
74
雲雨巫山
「雲雨」は雲と雨のこと。「巫山」は中国の四川省と湖北省の間にある、女神が住んでいたとされる山のこと。中国の戦国時代の楚の懐王が昼寝をした際、夢の中で巫山の女神と情交を結んだ。別れ際に女神が「朝には雲となって、夕方には雨となってここに参ります」と言ったという故事から。
-
うんえん-かがん /物事に深く執着しないたとえ。
75
雲烟過眼【雲煙過眼】
雲や煙が留まることなく目の前を過ぎ去っていくように、物事に過剰に執着することがないこと。
-
うんえん-ばんり / 非常に遠く離れていることのたとえ。
76
雲烟万里
「雲烟」は雲と霞。「万里」の「里」は距離の単位で、一万里ということから、非常に距離があることのたとえ。雲や霞が一万里もの距離に渡って続くという意味から。「雲煙万里」とも書く。
-
うんえん-ひどう / 筆勢が躍動して力強いことのたとえ。
77
雲烟飛動
「雲烟」は雲と霞。または、雲と煙。雲や霞、煙などとどまることなく、常に飛ぶように動いているという意味から。「雲煙飛動」とも書く。
-
うんえん-ひょうびょう / 雲や霞が遠くたなびくさま。
78
雲烟縹渺
「縹渺」は遠い場所でかすかに見えること。
-
うんゆう-へいき / 物事に執着せず、自然のままに行動すること。諸国を修行して回る僧のこと。
79
雲遊萍寄
「萍」は浮き草のこと。雲のように留まることなく、浮き草のように水の流れに身を任せるという意味から。
-
うんよう-えんたい / 空の様子がさまざまに変化するさま。
80
雲容烟態
「烟」は煙や霧、かすみなどのこと。「雲烟の容態」という意味で、「雲烟」と「容態」を一字ずつ並べ替えて表現した言葉。「雲容煙態」とも書く。
-
えいがい-きょうしん / ひどく驚き恐ること。ちょっとしたものに驚くこと。
81
影駭響震
「影駭」は影を見るだけで驚くこと。「響震」は物音が聞こえただけで震え上がること。
-
えいかい-こうれい / 栄えて仲の良い夫婦のこと。
82
栄諧伉儷
「栄諧」は栄えて仲のよいこと。「伉儷」は夫婦のこと。妻を娶る人への祝いの言葉として使われる。
-
えいし-さっそう / 男らしくりりしい容姿で、非常に爽やかなこと。
83
英姿颯爽
「英姿」は容姿が立派なこと。「颯爽」はきちんとした態度や動作が清々しい様子。
-
えいしょ-えんせつ / こじつけること。
84
郢書燕説
「郢」は楚の国の郡の名前。「燕」は国の名前。郢の人が燕の大臣に手紙を書いたときに、周りが暗かったので「燭を挙げよ」と言うと、その言葉を書記がそのまま手紙に書いてしまった。これを読んだ燕の大臣が「賢人を登用せよ」という意味だと無理矢理解釈して王に進言して実行すると国がよく治まったという故事から。
-
えいめい-かったつ / 才知があり道徳に明るく、しかも小事にこだわらないおおらかな性質のこと。
85
英明闊達
「英明」は才能と知恵に長けていること。「闊達」は心が広いこと。
-
えか-だんぴ / 並々ならぬ決意を示すこと。
86
慧可断臂
「慧可」は高僧の名前、「断臂」は腕を切り落とすこと。慧可は河南省嵩山の少林寺にいた達磨に教えを請うために、左腕を切り落として決意を示したという故事から。
-
えこ-ひいき / 片方に心をかたむけ助けること。好きな方にだけ肩入れすること。
87
依怙贔屓
「依怙」は不公平という意味。本来は頼るという意味の言葉。「贔屓」は特に目をかけるという意味。
-
えっそ-だいほう / 自分の分を超えて他人の権限を侵す罪。
88
越俎代庖
「俎」はまな板のこと。「庖」は料理、または、料理人のこと。古代中国で尭帝が許由に天下を譲ろうとしたとき、許由は「人は分を守ることが大切で、たとえ料理人が神に供える料理をうまく作らなかったとしても、神主が料理人に代わって料理を作るべきではない」と言って断った故事から。
-
えつふ-そいつ / 場所や人によって同じ者でも呼び名が異なるたとえ。
89
越鳧楚乙
「越」と「楚」は古代中国の国の名前。「鳧」は鴨(かも)のこと。「乙」は燕(つばめ)のこと。空高く飛んでいる鴻(おおとり)を見て、越の国の人は鴨であると言い、楚の国の人は燕であると言ったという故事から。
-
えんあん-ちんどく / 享楽に溺れてはいけないというたとえ。
90
宴安鴆毒
「宴安」はひたすら遊んで楽しむこと。「酖毒」は鴆(ちん)という鳥の羽にある猛毒のこと。ただ遊んで楽しむだけの生活を送ることは酖毒を飲むようなもので、最後には身を滅ぼしてしまうという意味から。「宴安鴆毒」とも書く。
-
えんえん-ちょうだ / へびのようにうねうねと長く続くこと。
91
蜿蜿長蛇
「蜿蜿」は蛇や竜などが体をうねらせながら進む様子。「長蛇」は長い蛇のことから、長い列のたとえ。「蜿蜿」は「蜿蜒」、「蜒蜒」とも書く。
-
えんかつ-しゃだつ / 物事をそつなくとりしきるさま。
92
円滑洒脱
「円滑」は、物事が滞りなく進むこと。「洒脱」は、さっぱりとしていること。
-
えんかの-こしつ / 山水を愛でる心がきわめて強いこと。また、隠居すること。
93
烟霞痼疾
「烟霞」はもやや霞のことから、自然の景色のこと。「痼疾」は治ることなく長い期間患っている病、持病。自然を愛でる強い気持ちを病にたとえた言葉。「煙霞痼疾」とも書く。
-
えんがん-こけい / 遠国の諸侯となる人物をいう。
94
燕頷虎頸
燕のような顎と、虎のように太い首のことで、武勇に秀でた人物の骨相をいう。中国の後漢の班超は筆書の仕事をしていたが、武功を上げたいと占い師に聞くと、遠い地域で諸侯になる人相だと言われ、万里の長城の外で武功を上げ、定遠侯に封じられたという故事から。
-
えんがん-とうひつ / 一大決心をして志を立てること。また、文筆をやめて武の道に進むこと。
95
燕頷投筆
「燕頷」は燕のような顎という意味で、強く勇ましい人の人相。「投筆」は筆を捨てること。中国の後漢の班超は、筆書の仕事をしていたが、武功を上げたいと思い、筆書の仕事を止めて武将になったという故事から。「燕頷筆を投ず」とも読む。
-
えんきょく-うえん / 非常に回りくどいこと。
96
婉曲迂遠
「婉曲」は遠まわしに言うこと。「迂遠」は遠まわしで煩わしい、回りくどいこと。
-
えんけい-きょしょう / 人の来訪を待ち望むさま。
97
延頸挙踵
「延頸」は首を伸ばすこと。「挙踵」はかかとを上げて爪先立ちすること。爪先立ちをしながら、首を長く伸ばして待ち望むということから。「頸を延べ踵を挙ぐ」とも読む。
-
えんこう-しゅげつ / 身の程知らずが身を滅ぼすたとえ。
98
猿猴取月
「猿猴」は動物の猿こと。猿たちが木の枝から次々と尾をつかんでぶら下がって、井戸の中の水に映った月を取ろうとすると、枝が折れてしまい、猿たちは溺れ死んだという昔話から。
-
えんじょ-こうふ / 適齢の年になっても相手のいない男と女。配偶者と死別・離別した者にもいう。
99
怨女曠夫
「怨女」は夫のいない女性。「曠夫」は妻のいない男性。
-
えんぱ-ひょうびょう / 遠く広々とした水面などがもやで煙って空と水面の境がはっきりとしないさま。
100
烟波縹渺
「縹渺」はぼやけていて、はっきりと区別できない様子。「烟波」は「煙波」、「縹渺」は「縹緲」や「縹眇」とも書く。
-
えんぶ-しゅうぶん / 世の中が穏やかで平和なこと。
101
偃武修文
「偃武」は戦を止めて武具を片付けること。「修文」は学問を修めること。争いがなく学問に努める事ができるという意味から。「武を偃せて文を修む」とも読む。
-
えんぶ-だごん / 良質の金のたとえ。
102
閻浮檀金
「閻浮」は仏教で須弥山のまわりにある四大陸の一つで、南にある大陸の閻浮提のこと。「檀」は川。閻浮提の大木の下にある金塊のことや、その近くにある川の砂金ということから。
-
えんぶん-よちょう / 聞き飽きること。
103
厭聞飫聴
「厭」と「飫」はどちらも飽きるという意味。「聞」と「聴」はどちらも聞くという意味。
-
えんべん-ちょうじゅう / 心が優しく素直で、人の言うことに逆らわずに従うさま。
104
婉娩聴従
「婉娩」は上品で素直なこと。「聴従」は言われたことに素直に従うこと。女性への教えの一つとされた言葉。
-
えんまん-りゅうらん / 悪が蔓延り、世の中全体に広がっていくこと。
105
衍漫流爛
「衍曼」はどこまでも広がる様子。「流爛」は離れ離れになること。
-
えんもん-にりょう / 唐の烏承玭と烏承恩の二人。戦場ですぐれた功績をあげたことを評した言葉。
106
轅門二竜
「轅門」は戦場のたとえで、二台の戦車の舵棒、轅を向かい合わせて門にしたということから。
-
えんろ-ほうし / 丸い顔と四角い足。人類のこと。
107
円顱方趾
天と頭はどちらも丸く、大地と足はどちらも四角いために、人と天地が似ているものであると、古代中国では考えられていたということから。
-
おうあ-ちょうたつ / 乱雑な音のこと。子供が騒ぐ声のこと。
108
嘔唖嘲哳
【嘔啞:オウア】は、調子はずれの管弦の音【嘲哳:チョウタツ】は、鳴り物の音の調子はずれで下品な様
-
おうが-らいりん / わざわざお越しいただきまして、ということ。
109
枉駕来臨
「枉駕」は進路を変えてわざわざ立ち寄ること。「来臨」は来客があることの敬語表現。”わざわざお越しいただきまして”という意味。
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おうか-らんまん / 桜の花が満開になって咲き乱れているさま。
110
桜花爛漫
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おうこう-かっぽ / 威張って気ままに歩き回ること。
111
横行闊歩
威張って自分勝手に歩き回ること。または、自分勝手に振舞うこと。主に悪人の振舞いのことを言う。「横行」は身勝手に振舞うこと。「闊歩」は堂々と偉そうに歩き回ること。
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おうこう-ばっこ / のさばって勝手気ままにふるまうこと。
112
横行跋扈
「横行」は身勝手に振舞うこと。「跋」は飛び越えること。「扈」は水中で魚をとるための”竹がき”のこと。「跋扈」は”魚が竹がきを飛び越える”という意味から、他を無視して横暴な態度を取ること。主に悪人の振舞いのことを言う。
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おうじ-びょうぼう / 過ぎ去った昔のことは遠く微かで明らかでない。
113
往事渺茫
「往事」は過ぎ去った過去のこと。「渺茫」ははるか遠い様子や広くて果てしない様子のこと。
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おうせき-ちょくじん / 大きな利益を得るために、小さな犠牲をはらうこと。
114
枉尺直尋
「枉」は曲げること。「尺」と「尋」はどちらも長さの単位で、八尺=一尋。一尺分を折り曲げることで、八尺(一尋)を真っ直ぐにできればよいという意味から。
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おうほう-じゅんし / 規則をまげて私利私欲にはしること。
115
枉法徇私
「枉」は曲げること。「徇」は従うこと。
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おうゆう-じょうすう / 貧しく粗末な家の形容。
116
甕牖縄枢
かめの口のように小さな丸窓と縄を枢(とぼそ:戸の開閉をする軸)の代わりにした家の意味
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おうよう-ろらく / 初唐の四人の詩の大家。
117
王楊盧駱
「王勃」「楊炯」「盧照鄰」「駱賓王」の四人。
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おうり-けいけい / 見識が狭く世間知らずな人のたとえ。
118
甕裡醯鶏
孔子が老子に面会した後に弟子に向かって「私は甕にわく羽虫のようなものだ。老子が甕の蓋を開いて外に出したくれたおかげで、天地の大全を知ることができた。」といった故事から。
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おんしゅう-ぶんめい / 恩を受けた者には恩で報い、あだをうけたものにはあだで報いること。
119
恩讎分明
「恩讎」は恩と讎(あだ)。「分明」ははっきりと区別すること。「恩讐分明」とも書く。
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おんせい-ていせい / 親に孝養を尽くすこと。
120
温凊定省
冬は暖かく、夏は涼しく過ごせるように気を配り、夜には寝具を整え、朝にはご機嫌をうかがうこと。子が親に仕えて尽くすべき心がけを説いたもの。▽「凊」はすずしい意。「定」は寝具を整え、快適に安眠できるよう配慮すること。「省」はかえりみる意で、安否を問う、ご機嫌うかがいをすること。
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おんり-えど / この世をけがれたものとして厭い離れること。
121
厭離穢土
「厭離」は嫌い離れること。「穢土」は穢れた土地のこと。仏教の言葉。おもに「厭離穢土、欣求浄土」という形で用いられ、穢れたこの世から離れて極楽往生を願うことをいう言葉。
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かいいん-かいとう / 悪事を人に教えること。
122
誨淫誨盗
「誨」は教えること。「淫」はみだらなこと。「盗」は盗みのこと。淫らなことや盗みを教えるという意味から。もとは「女性の色気のある仕草は人をみだらな気持ちにさせるようなものであり、戸締りを怠ることは盗みをけしかけるようなものである」という戒めの言葉。
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がいが-きゅうせん / 屋根の瓦と階段の敷き瓦のこと。
123
蓋瓦級甎
「蓋瓦」は屋根を覆っている屋根瓦。蓋は覆うという意味。「級甎」は階段に敷かれている敷き瓦。級は階段、甎は敷き瓦。
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かいかつ-てんくう / 気性がさっぱりとしていて、心が広いこと。
124
海闊天空
「海闊」は広大な海のこと。「天空」はすっきりと晴れ渡る広い空のこと。
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かいし-しんろう / 現実性に乏しい考えや理論。また、根拠がなくありもしないこと。
125
海市蜃楼
「海市」と「蜃楼」はどちらも蜃気楼(光の異常屈折が原因で遠くのものが浮かんで見えたりする現象)のこと。
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かいしゃ-じんこう / 広く世間の評判となり、もてはやされていること。
126
膾炙人口
「膾」は生肉を細かく刻んだ食べ物、「炙」は炙り肉のことで、どちらも多くの人がご馳走として好んで食べることから。
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かいちょう-さんじゃく / しゃべることが極めて達者なこと。
127
喙長三尺
「喙長」はくちばしの長さ。「三尺」は長いことのたとえ。喙(くちばし)の長さが三尺もあるという意味から。
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かいてい-ろうげつ / 実現不可能なことをやろうとして、余分な労力を費やすこと。
128
海底撈月
「撈月」は水中から月をすくい上げること。
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かいてん-へきち / 天地の始まり。これまでの歴史にないような大きな出来事のこと。
129
開天闢地
「闢」は開くという意味。中国の伝説の天子である盤古が、天地を開いたことによって人類の歴史が始まったという伝説から。「天を開き地を闢く」とも読む。「開天辟地」とも書く。
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がいふう-しょうう / 物事の前兆のたとえ。
130
磑風舂雨
「磑風」は石臼を回すように、羽虫などの虫が回るように飛び回れば風が吹くという言い伝えのこと。「舂雨」はきねでつくように、羽虫などの虫が上下に飛び回ると雨がふるという言い伝えのこと。
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かいもん-きょくろ / 政界の最高幹部のこと。
131
槐門棘路
「槐門」は中国の三公の別称。「棘路」は中国の九卿の別称。中国の周の時代に、君主が朝廷の庭の三公の位置を示す場所に槐の木を植え、九卿の場所を示す場所に棘の木を植えていたということから。
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かいらい-せいけん / 実権やみずからの意思を持たず、他国の意向のままになる政権のこと。
132
傀儡政権
「傀儡」は操り人形のことで、相手に動かされるままに動くという意味から。
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かいろう-どうけつ / 夫婦の契りがかたく、仲睦まじいこと。
133
偕老同穴
「偕老」は夫婦が一緒に年老いていくこと。「同穴」は同じ墓に入ること。
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かいろ-こうり / 人生の儚いことのたとえ。
134
薤露蒿里
「薤露」は韮に降りた朝露との意味から、すぐに消えてしまうことのたとえ。「蒿里」は中国にある死者の魂が集まるとされる山の名前のことから、墓地のたとえ。中国の秦の田横という人物が、漢の劉邦に仕えることを恥じて自害した。門人がそれを悼んで作った歌を、後に李延年が「薤露曲」と「蒿里曲」の二曲に分けて作曲した。「薤露曲」は王族や貴族、「蒿里曲」は士大夫という身分の人や庶民を葬送するときに用いたといわれている。
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かか-たいしょう / 大声をあげて笑うこと。
135
呵呵大笑
「呵呵」と「大笑」はどちらも大笑いすること。
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かき-いんしん / 夏王朝の桀王と殷王朝の紂王。
136
夏癸殷辛
「癸」は桀王の名前。「辛」は紂王の名前。桀王と紂王はどちらも暴君として有名。
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かぎゅう-かくじょう / きわめてささいなつまらない争いのこと。
137
蝸牛角上
「角」はかたつむりの角のこと。かたつむりの角のように小さく、左右にある国同士が小さな領土を奪い合う争いをしたという故事から。
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かくりつ-きちょ / 心から待ち望むこと。
138
鶴立企佇
「企」は足のかかとを上げて、つま先で立つこと。「佇」は待ち望むこと。鶴が首を伸ばしてつま先で立つ姿を、人や物を待ち望んでいる様子にたとえたもの。
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かけい-やち / ありふれた古いものを遠ざけて、珍しくて新しいものを大切にすること。
139
家鶏野雉
家で飼っている鶏を嫌って、野性のきじを好むという意味から。中国の晋の時代の書家のユ翼は、世間の評判が書家の王羲之に集まることに嘆いたという故事から。「家鶏を厭い、野雉を愛す」を略した言葉。
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かこう-しょうとく / 人の手柄や徳をほめたたえて歌うこと。
140
歌功頌徳
「歌功」は功績を褒め称えて歌うこと。「頌徳」は徳の高さを褒め称えること。
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がし-ろうひょう / 苦労して効果のないたとえ。また、力を無用なところに用いるたとえ。
141
画脂鏤氷
あぶらに絵を描いて、氷に彫刻をするということで、どちらも残らずに消えてしまうという意味から。「脂に画き氷に鏤む」とも読む。「画脂鏤冰」とも書く。
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かしん-だんき / 中途で志を捨ててはいけないという教え。
142
軻親断機
「軻親」は孟子(孟軻)の母親のこと。「断機」は織りかけている機の糸を途中で切ること。孟子が学問を投げ出そうとしたときに、孟子の母親は織り途中の機の糸を切断して「学問を途中でやめることは、この織物と同じようなものだ」と言って戒めたという故事から。
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かちょう-ふうえい / 自然とそれにまつわる人事を、そのまま客観的に詠ずること。
143
花鳥諷詠
「花鳥」は『花鳥風月』を略したもので、自然のたとえ。「諷詠」は詩歌を詠ったり作ったりすること。高浜虚子が提唱し、ホトトギス派の基本的な理念となったもの。
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かっか-そうよう / 思い通りにいかず、歯痒く、もどかしいこと。
144
隔靴搔痒
履いている靴の上から、足のかゆいところをかくという意味から。「靴(くつ)を隔(へだ)てて痒(かゆ)きを掻(か)く」とも読む。「隔靴掻癢」とも書く。
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かっき-ほんせん / 勢いが激しいこと。また、書の筆勢が力強いこと。
145
渇驥奔泉
「驥」は一日で千里の距離を走ることができるとされるすぐれた馬、駿馬のこと。「奔」は非常に速く走ること。のどが渇いて水が飲みたい駿馬が全力で泉に向かって走るという意味から。
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かつぜん-たいご / 迷いや疑いがにわかに解けて、真理を悟ること。
146
豁然大悟
「豁然」はからっと開けるということから、迷いや疑いなどがすっきりと晴れるということ。「大悟」は悟りを得ること。
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かったつ-じざい / 心が広く物事にこだわらないさま。
147
闊達自在
「闊達」は心が広いこと。「自在」は何ものにも縛られず、心のままであること。「豁達自在」とも書く。
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かったつ-たいど / 気持ちがからりとしていて、度量が広いこと。
148
豁達大度
「豁達」と「大度」はどちらも心が広いということ。
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かつもく-そうたい / 人が著しく進歩・成長するのを待ち望むこと。また、今までとは違った味方で相手を見直すこと。
149
刮目相待
「刮目」は目をこすった後に、しっかりと見開いて見ること。中国の三国時代、呉の孫権に忠告された呂蒙は勉学に勤しみ、その進歩の速さに魯粛は驚き、それに対して呂蒙は、「男子たるもの別れて三日たてば刮目して見なければならない」と言ったという故事から。「刮目して相待つ」とも読む。
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かてい-かくれい / 過去の栄華を懐かしく思い、現状を嘆くさま。
150
華亭鶴唳
「華亭」は地名。「鶴唳」は鳥の鶴の鳴き声。中国の東晋の時代の陸機は、讒言によって処刑される寸前に、故郷である華亭で鶴の鳴き声を聞く楽しみを思い出して嘆いたという故事から。
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かふく-いふく / わざわいと幸せは互い違いにやってくるものだということ。
151
禍福倚伏
「禍福」は災いと幸せ。「倚伏」は交互に起こるということ。災いには幸せが寄り添っていて、幸せには災いが潜んでいるという意味から。
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がりょう-てんせい / 物事の最も大切なところ。物事を完成するための最後の大切な仕上げ。
152
画竜点睛
「画竜」は絵の竜。「点睛」は目を書くこと。「画竜点睛を欠く」と用いれば、他の部分は良い出来だが最後の部分が物足りないという意味となる。南朝梁の画家の張僧ヨウが、安楽寺の壁に竜の絵を描いたが、目を描くと絵から出て飛び去ってしまうといって目を描かなかった。その話を信用しなかった人たちが、無理やり目を描かせたところ本当に竜が飛び去ってしまったという故事から。「竜を画いて睛を点ず」とも読む。
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かれん-ちゅうきゅう / 税金などを情け容赦なく取り立てること。
153
苛斂誅求
「苛斂」と「誅求」はどちらも厳しく責めて取り立てるという意味。同じ意味の言葉を重ねて強調した言葉
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かろ-とうせん / 無用なもの、役に立たないもののたとえ。
154
夏鑪冬扇
「夏鑪」は夏の火鉢や囲炉裏、「冬扇」は冬の扇のことで、どちらも季節が外れていて役に立たないという意味から。「夏炉冬扇」とも書く。
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がんあい-ちせい / 哀切な気持ちと誠の心をささげて死者を弔うこと。
155
銜哀致誠
銜む(くくむ)=含む
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がんえい-しょか / 文章の優れた部分をよく味わい、心の中に蓄積すること。
156
含英咀華
「含」は口に含むこと。「英」と「華」はどちらも花のこと。「咀」はよく味わうこと。すぐれた文章を花にたとえた言葉で、花を口に含んで味わうという意味から。「英を含み花を咀う」とも読む。
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かんか-こうそう / 戦いで忙しいこと。
157
干戈倥偬
「干戈」は盾と矛のことで、戦争のたとえ。「倥偬」は忙しい様子。
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かんか-こどく / 身寄りもなく寂しいこと。
158
鰥寡孤独
「鰥」は年をとって妻がいなくなった夫。「寡」は年をとって夫がいなくなった妻。「孤」は親がいない子ども。「独」は子どもがいない老人。全て身寄りのないさびしい人を言い表す言葉。
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かんか-ふぐう / 思い通りにことが運ばず、地位や境遇に恵まれないこと。
159
轗軻不遇
「轗軻」は道が悪く車がうまく進めないことから転じて、物事が思い通りにいかないことのたとえ。
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かんかん-がくがく / 遠慮することなく盛んに議論をするさま。また、遠慮せず直言すること。
160
侃侃諤諤
「侃侃」は心が強く、信念を曲げることがないこと。「諤諤」は思っていることをはっきりと言うこと。「侃々諤々」とも書き、「侃諤」と略すこともある。
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かんかん-しょきゅう / 非常に夫婦仲が良いこと。
161
関関雎鳩
「関関」は鳥がむつまじく鳴く声のたとえ。「雎鳩」は水鳥のみさごの別名。みさごのつがいが、仲良く和らいで鳴き交わしているということから。
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かんき-べんぶ / 大喜びするたとえ。
162
歓喜抃舞
「抃舞」は手を打ち鳴らして踊ること。
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かんき-れいそく / 非常に見識が狭いこと。
163
管窺蠡測
「管窺」は管を通して空を見ること。「蠡測」はほら貝の貝殻で海の水の量を量ること。
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がんこう-けいけい / 目が鋭く光るさま。
164
眼光炯炯
「眼光」は目の光。または、物事の本質を見抜く能力のこと。「炯炯」は鋭く輝くこと。物事の真実を見抜いているような、人を圧倒する目をいう。
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がんこう-じくじ / 厚かましい顔にもなお恥じる色があらわれる。
165
顔厚忸怩
「顔厚」は厚かましいこと。「忸怩」は自分の行いを恥ずかしいと感じること。どれだけ厚かましい人でも恥かしいと感じるという意味から。「顔厚にして忸怩たる有り」を略した言葉。
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がんさい-かいじつ / 何もしないで怠惰な月日を過ごすこと。
166
翫歳愒日
「翫」はもてあそぶこと。「愒」はむさぼること。「歳を翫び日を愒る」とも読む。
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かんしん-ほふく / 大きな目的のために一時の屈辱にも怒りを押さえ恥を忍ぶこと。
167
韓信匍匐
韓信は背が高く、大きな剣を持っていたために、「立派な剣を持っているが臆病者だ。やれるものなら剣で突いてみろ。出来なければ股の下をくぐれ。」と挑発され、羞じに耐えて股の下をくぐった。後に漢の劉邦に仕え、王朝を建国するときに大きな功績を上げ、名将として三傑と称されるまでになったという故事から。
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かんせい-せんけつ / 才能のある者ほど先に憂き目にあうということ。
168
甘井先竭
「甘井」はうまい水の出る井戸。うまい水が出る井戸は、人がより多く集まるために、先に水がなくなるということから。
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かんせき-うぼう / 武の舞と文の舞のこと。
169
干戚羽旄
「干戚」は盾と斧などの武器を持って舞う、武の舞のこと。「羽旄」は鳥の雉の羽と、牛の旄牛の尾を飾った旗を持って舞う、文の舞のこと。
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かんだん-きほう / 衣食が乏しくこごえ飢えることと、あたたかい着物をきてあきるまで食べること。
170
寒煖饑飽
寒さや暖かさ、空腹や満腹ということから。「饑飽」は空腹と満腹のこと。「寒暖饑飽」とも書く。
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かんち-じゅっすう / よこしまな知恵と計略。悪だくみ。
171
奸智術数
「奸知」は邪悪な知恵。「術数」は策略のこと。
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かんてん-じう / 大いに困っているときに救われること。また、待望していたことが実現すること。
172
旱天慈雨
「旱天」は日照りが続いて旱魃になること。旱魃で困っているときの恵の雨ということから。「干天慈雨」とも書く。
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かんてん-どうち / 活動のめざましいことの形容。また、音声の大きいことのたとえ。
173
撼天動地
「撼」は動かすという意味。天地を揺り動かすという意味から。
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かんと-しょうぜん / 家が非常に狭くて、さびしくみずぼらしいさま。
174
環堵蕭然
「堵」は長さの単位で、一堵は約二・二メートル。「蕭然」は寂しい様子。
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かんなん-しんく / 大変な苦労。
175
艱難辛苦
「艱」と「難」はどちらも苦しむことや悩むこと。「辛苦」は苦しみ悩みのこと。似た意味の言葉を重ねて強調したもの。
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かんねい-じゃち / 性格がひねくれているずるがしこいこと。
176
奸佞邪智
「奸佞」は心がひねくれていて悪賢く、人にこびへつらうこと。「邪智」は悪いことにだけよく働く知恵。「奸佞」は「姦佞」とも、「邪智」は「邪知」とも書く。
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かんび-そうずい / 車や動物などが切れ目なく連なって進むこと。
177
銜尾相随
「銜尾」は後ろの馬が前の馬の尾を口にくわえること。「相随」は前のものについていくこと。狭く険しい山道などで、まるで前の馬の尾を後ろの馬が口にくわえるように、一列に連なって進むという意味から。
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かんぴゃく-ふういつ / 益よりも害の多いこと。
178
勧百諷一
元は百の贅沢を勧めて、一の節約をするということを遠回しに諫めた言葉。「百を勧めて一を諷す」とも読む。
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がんめい-ころう / 視野が狭く頑固で柔軟性に欠け、正しい判断ができないこと。
179
頑迷固陋
「頑迷」は頑固で物事の道理がわからないこと。「固陋」は古いものに固執すること。「頑冥固陋」とも書く。
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がんれん-だりつ / 高潔な人格に感化されて、いい方向に向かうこと。
180
頑廉懦立
「頑」は強欲なこと。「廉」は心に汚れが無く清らかなこと。「懦」は物事を遣り通す気構えがないこと。「立」は目標を持つこと。立派な人物からよい影響を受けて、欲深い人も清く正しい心になり、意気地のない人も奮起して目標を持つということから。
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ぎうん-さいむ / 疑いのかかっていることを雲や霞にたとえた語。
181
疑雲猜霧
「疑」は疑うこと。「猜」は嫉妬すること。疑ったり妬んだりする周囲の人々の気持ちを雲や霧がかかってすっきりとしない様子に例えた言葉。
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きおう-ふきゅう / 過ぎたことはとがめないということ。
182
既往不咎
「既往」はすんでしまったこと、「不咎」は咎めないという意味。
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きき-かげき / ほんの一瞬の出来事のこと。また、時の過ぎることがきわめてはやい形容。
183
騏驥過隙
「騏驥」は一日で千里を走りきるといわれる駿馬。「過隙」は戸の隙間の向こう側をすっと走り抜けること。戸の隙間の向こう側を走り抜ける駿馬の姿を見ることができるわずかな時間という意味から。元は人の命のはかなさや短さを嘆いた言葉。
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きき-じょうじょう / 多くの人ががやがやと忙しく往来するさま。
184
熙熙壌壌
「熙熙」は喜び楽しむこと。「壌壌」はたくさんの人が入り乱れる様子。
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きげん-かくろん / はげしく議論を戦わせること。
185
危言覈論
「危言」は自身の身が危険な状況になることを気にかけずに、自分の考えをはっきりと言うこと。「覈論」は激しく論じること。
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きこう-かいそく / 生き物のこと。
186
跂行喙息
「跂行」は虫などがはうことや足で歩くこと。「喙息」は口で息をするものということから。
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きこく-しゅうしゅう / 戦場などの鬼気迫ったものすごいさま。
187
鬼哭啾啾
「鬼哭」は亡霊が声を上げて泣き悲しむこと。「啾啾」は弱弱しく鳴く様子のこと。亡霊の恨めしげな鳴き声が響くという意味から。
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きし-せんめい / 主義・主張・態度などがはっきりしていること。
188
旗幟鮮明
「旗幟」は旗とのぼりという意味から、主義や持論などのたとえ。「鮮明」ははっきりと区別できること。
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きじん-てんゆう / 無用の心配。取り越し苦労のこと。
189
杞人天憂
「杞人」は古代中国の周の時代にあった紀という国の人。「天憂」は天のことを心配すること。紀の国の人が天が崩れて落ちてきたらと考え、心配していたという故事から。「杞憂」という言葉は、この言葉を略したもの。「杞人、天を憂う」とも読む。
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ぎぜん-きつりつ / 人物が他よりひときわすぐれているさま。
190
巍然屹立
「巍然」は山がとても大きく高い様子。「屹立」は一際高く立っていること。「巍然として屹立す」とも読む。
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きっきゅう-じんすい / ひたすら心を尽くして骨折り国事につとめること。
191
鞠躬尽瘁
「鞠躬」は身を低くしてかしこまること。「尽瘁」は自分のことをかえりみずに、全力をつくすこと。
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きふく-えんしゃ / すぐれた人物が、低い地位にいたり、つまらない仕事をさせられること。
192
驥服塩車
「驥服」は一日で千里走るとされるすぐれた馬に車を引かせること。塩を運ぶための車を名馬に引かせるということから。
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ぎゅうき-どうそう / 賢者が愚者と同じ境遇を受けること。
193
牛驥同皁
「皁」は飼い葉桶の意。同じ餌を食べるということ
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きゅうざん-ばしょく / 天下の法は私情で曲げられないたとえ。また、大きな目的のためには私情をすてるたとえ。
194
泣斬馬謖
最も信頼している部下でも、法や規律を犯せば処罰するという意味から。「馬謖」は中国の三国時代の人の名前。中国の三国時代の蜀の諸葛亮が信頼を置いていた馬謖は、命令違反をして敗退したために、私情を捨て、涙をのんで軍規に従い処刑したという故事から。「泣いて馬謖を斬る」とも読み、この形で使うことが多い言葉。
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きゅうしゃ-あんが / 天子が亡くなること。
195
宮車晏駕
「宮車」は天子の車。「晏駕」は夜になって霊柩車が墓に向かって出発すること。天子が朝廷に来ないことを、夜になれば来るだろうと願う臣下の心情を表したという説もある。
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ぎゅうしゅう-ばぼつ / 無用なものや役に立たないもののたとえ。
196
牛溲馬勃
「溲」は尿、小便。「勃」は糞、大便。牛の尿と馬の糞という意味から。
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きゅうぼく-ふんしょう / だめな人間や怠け者は教育し難いことのたとえ。また、手の施しようのないもの、役に立たないもののたとえ。
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朽木糞牆
腐ってぼろぼろになった木と土壁ということで、腐った木材に彫刻することはできず、腐った土壁に上塗りをすることはできないという意味。「朽木は雕(ほ)るべからず、糞土の牆は杇(ぬ)るべからず」から。
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きょうおう-かちょく / 物事を正そうとしても度を超してしまえばかえって新たな偏向や損害を招くたとえ。
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矯枉過直
曲がっているものをまっすぐにしようとして、力を入れすぎて、逆の方向に曲がってしまうという意味から。「枉れるを矯めて直きに過ぐ」とも読む。
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ぎょうかん-ふさつ / あおいで天文を見、うつむいて地理を知ること。
199
仰観俯察
空を見上げては空に起こる現象を観察して、下を見ては土地の様子を観察するという意味から。
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ぎょうき-こんだく / 人情や風俗が軽薄で世の中が乱れていること。
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澆季溷濁
「澆季」はこの世の終わりのような、道徳や人情が乱れた世の中のこと。「溷濁」は濁るや、汚れるということ。
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