漢文【三横】現代語訳
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寿司
2025年06月03日
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周処年少(わか)き時、兇彊侠気(きょうきょうきょうき)にして、郷里の患ふる所と為る。
周処は年若い時、凶暴ではあるが男気があって、村人から疎まれていた。
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又義興の水中に蛟有り、山中に邅跡(てんせき)の虎有り、並びに皆百姓を暴犯す。
また義興の川の中に蛟がおり、山の中にはあちこちをうろうろする虎がいて、ともにみな人民に危害を加えていた。
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義興の人謂(い)ひて三横と為す。而(しか)して処尤(もっと)も劇(はげ)し。
義興の人は三つの横暴なものと名付けていた。そして周処(の害)が最もひどかった。
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或ひと処に説きて虎を殺し蛟を斬らしむ。
ある人が周処を説得して虎を殺し、蛟を斬り殺させようとした。
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実(まこと)は三横唯だ其の一を余さんことを冀(こいねが)ふ。
本当は三つの横暴なもののうちただその一つを残すことを願っていたのである。
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処即ち虎を刺殺し、又水に入りて蛟を撃つ。
周処はすぐに虎を刺殺し、さらに川に入って蛟を攻撃した。
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蛟或いは浮き或いは没し、行くこと数十里、処之与倶にし、三日三夜を経たり。
蛟は浮いたり沈んだりして、数十里(川を流れて)いった。周処はこれとともに行き、三日三晩を経た。
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郷里皆已に死せりと謂ひ更相喜(こもごもあいよろこ)ぶ。竟(つい)に蛟を殺して出づ。
村人は皆周処はすでに死んだと思い、ただいに(めでたいことだと)喜びあった。(周処が)とうとう蛟を殺して(川の中から)出て来た。
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里人相慶ぶを聞き、始めて人情の患ふる処と為るを知り、自ら改むるの意有り。
(周処は)村里の人々が互いに喜び合っているのを聞いて、初めて人々の心に迷惑がられていることを知り、自分で(自分の非を)改むる思いをもった。
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及ち呉に入(い)りて二陸を尋ぬ。平原在らず、正に清河に見(まみ)ゆ。
そこで呉の国に入り、二陸を訪ねた。平原は不在で、ちょうど清河にお目にかかった。
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具(つぶさ)に情けを以て告げ、幷(あわ)せて云ふ
(周処は)詳しく事情を告げて併せて言うことには
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「自ら修改せんと欲するも年已に蹉跎(さた)す。終に成す所無からんと。」
「自分で(自分の身を)修め行動を改めたいと思いますが、年齢がもう時期を逸してしまいました。結局は成し遂げることはないでしょう。」と
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清河曰はく、「古人朝に聞き夕に死するを貴ぶ、況(いわ)んや君の前途尚ほ可なるをや。
清河が言うことには、「古人は朝に道を聞いて夕べに死ぬことを尊んでいる。まして君の前途がまだ大丈夫であるならなおさらだ。」
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且つ人は志の立たざるを患ふ、亦何ぞ令名の彰(あらわ)れざるを憂へんや。」と。
それに人は志が立たないことを心配するものだ。(君も)またどうして名声が世に現れないものを心配する必要があろうか。」と。
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処遂に改励し、終に忠臣孝子(ちゅうしんこうし)と為る。
周処はこうして(自分の行いを)改め、努力し、最後には忠義な家臣、親孝行な子となった。
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