-
ぎょうき-まっせ / 時勢の衰えた世の中。
201
澆季末世
「澆季」と「末世」は、この世の終わりのような、道徳や人情が乱れた世の中のこと。
-
きょうきょう-ぎょうぎょう / つつしみおそれるさま。
202
兢兢業業
「兢兢」は恐怖や不安などで小刻みに震える様子。「業業」は失敗しないかと心配すること。物事を行うときには、用心深く行うべきであるという教えをいう。
-
きょうく-かんげき / おそれかしこまって感激すること。
203
恐懼感激
「恐懼」は恐れ慎むこと。恐れ敬う相手から厚意を受けた時などに使う言葉。
-
きょうげん-きご / 小説や物語などをいやしめていう語。
204
狂言綺語
「狂言」は道理に外れた言葉。「綺語」はうまく飾った言葉。
-
きょうこう-きんげん / 恐れながら謹んで申し上げるということ。手紙の終わりに書く。
205
恐惶謹言
「恐惶」は恐れかしこまった態度をとること。「謹言」は慎んで言うということ
-
きょうこう-へきさく / 苦学すること。
206
匡衡壁鑿
「匡衡」は中国前漢の学者の名前。「壁鑿」は壁に穴を開けること。匡衡は幼い頃家庭が貧しく灯火の油を買うことができなかったため、壁に穴を開け隣家の明かりで勉学に励んだという故事から。
-
きょうしゃ-いんいつ / ぜいたくにふけり、淫らに走ること。
207
驕奢淫佚
「驕奢」は調子に乗って贅沢をすること。「淫逸」は性的に乱れた暮らしをすること。「驕奢淫佚」とも書く。
-
きょうしゅ-ぼうかん / 何もせず手をこまねいて、そばで見ていること。
208
拱手傍観
「拱手」は古代中国の敬礼のことで、手を胸の前で合わせて重ねる動作ということから、腕を組んで何もしないことをいう。「傍観」は近くで何もせずに見ること。「手を拱いて傍らで観る」とも読む。
-
きょうしん-どうはく / 心の底から深い感動を呼び起こすこと。
209
驚心動魄
人の心を動かして、魂を振るわせるという意味から。「心を驚かし魄を動かす」とも読む。
-
きょうしん-りくりょく / 物事を一致団結して行うこと。
210
協心戮力
「協」と「戮」はどちらも合わせるという意味で、似た意味の言葉を重ねて強調した言葉。
-
ぎょうてん-ふき / 心にやましいことがなければ、天に対して恥じることがないということ。
211
仰天不愧
天に恥じるようなやましいことが何もないということ。「天を仰ぎて愧じず」とも読む。
-
きょうへい-ひっぱい / 思い上がった軍隊は必ず敗れるということ。
212
驕兵必敗
「驕兵」は国力や数が多いことに慢心している軍隊。「驕兵は必ず敗る」とも読む。
-
きょうへき-きょぞう / 拠り所もないのにむやみにないものを作り出すこと。
213
嚮壁虚造
壁と向き合って、頭の中で思い浮かべて存在しないものを作るという意味から。中国の観の時代、孔子が以前に住んでいた壁からでた古文の経書について、当時の人々が偽者だと評した言葉から。「壁に嚮(むか)って虚造す」とも読む。
-
きょうらん-どとう / 物事がひどく乱れていること。
214
狂瀾怒涛
「狂瀾」と「怒濤」はどちらも荒れ狂った大きな波のこと。
-
きょくすい-りゅうしょう / 曲水の宴。風雅な遊び。
215
曲水流觴
「觴」は杯のこと。陰暦の三月三日に行われた風習で、中国の晋の王羲之が会稽の蘭亭で行ったものが有名。
-
ぎょくせき-こんこう / すぐれたものと劣ったものが入り混じっていること。
216
玉石混淆
「混淆」は様々なものが入り混じること。宝石とただの石が入り混じっているという意味から。「玉石混交」とも書く。
-
ぎょくせき-どうき / よいものと悪いもの、賢者と愚者が同じように扱われていて区別がつかないたとえ。
217
玉石同匱
「匱」は大きな木箱のこと。大きな木箱に宝石と石を一緒に入れるということから。
-
ぎょくせん-きんと / 月のこと。
218
玉蟾金兔
月の別名。「玉蟾」は月に住むといわれるひきがえる。「金兎」は月に住むといわれる兎。どちらも月の別名。
-
きょくてん-せきち / 非常に恐れて身の置き所のない形容。また、肩身を狭くして世をはばかって暮らすこと。
219
跼天蹐地
「跼」は体を丸めて低い姿勢をとること。「蹐」は音を立てないように歩くこと。天の下で低い姿勢をとって、地面の上をひっそりと歩くという意味から。「跼蹐」と略して使うこともある言葉。「天に跼り地に蹐す」とも読む。
-
ぎょくと-ぎんせん / 月のこと。
220
玉兔銀蟾
「玉兎」は月にいるとされている兎。「銀蟾」は月にいるとされているひきがえる。どちらも月の別名。
-
きょくとつ-ししん / 未然に災害を防ぐこと。
221
曲突徙薪
「突」は煙突のこと。「徙」は移すこと。場所を変えること。ある家で、かまどの煙突の近くに薪を積んでいた。煙突を曲げて、薪をかまどから離れた場所に移動しないと火事になると忠告したが、従わず本当に火事になったという故事から。
-
きょせい-てんたん / 私心や私欲がなく、心が平静なこと。
222
虚静恬淡
「虚静」は心の中に不信や疑念などがなく、落ち着いていること。「恬淡」は私欲がなく、あっさりとしていること。「虚静恬澹」とも、「虚静恬憺」とも書く。
-
きよ-ほうへん / 褒めたり貶したりすること。
223
毀誉褒貶
「毀」と「貶」はどちらも欠点を悪く言う、非難するという意味。「誉」と「褒」はどちらもほめるという意味。同じような意味の言葉を重ねて強調した言葉。
-
きょむ-ひょうびょう / あるがままに果てしなく広がる風景の形容。
224
虚無縹渺
「虚無」は何もないこと。「縹渺」は遠くはっきりと見えないこと。「虚無縹緲」とも、「虚無縹眇」とも書く。
-
ぎょらん-どほう / 国家や物事が崩壊すること。
225
魚爛土崩
「魚爛」は魚が内臓から腐ること。「土崩」は積み上げた土が崩れること
-
きろ-べきろ / 身近にあるものを、わざわざ他に求める愚かさのこと。
226
騎驢覓驢
「驢」はろばのこと。「覓」は手に入れるために探すこと。仏教の言葉で、ろばに乗ってろばを探すという意味から。「驢に騎して驢を覓む」とも読む
-
きんおう-むけつ / 完全で欠点がないたとえ。特に、他国から侵略されたことがない堅固な国家のたとえ。
227
金甌無欠
「金甌」は黄金で出来た瓶のことで、国や天子のたとえ。全く欠けていない黄金の瓶ということから。「金甌欠くる無し」とも読む
-
きんかい-しゅれき / 並外れて贅沢の限りをつくすたとえ。
228
金塊珠礫
「塊」は土のかたまりのこと。「礫」は小石のこと。金を土のように扱い、宝石を小石のように扱うということから。「金をば塊のごとく珠をば礫のごとくす」とも読む。
-
きんか-いっちょう / 人の代の栄華のはかないたとえ。
229
槿花一朝
「槿花」は植物のむくげの花のこと。むくげの花は朝に咲いて、夕方には散ってしまうということから。「槿花一朝の夢」という形で使うことが多い言葉。
-
きんこん-いちばん / 気持ちを引き締めて物事に取り組むこと。
230
緊褌一番
「緊褌」はふんどしを引き締めること。「一番」は重要な場面のこと。難しいことや大勝負の前の心構えをいう言葉。
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きんしつ-そうわ / 人と人、特に夫婦仲の睦まじいことのたとえ。
231
琴瑟相和
「瑟」は大型の琴。琴と瑟は合奏するとよく調和することから、夫婦仲のよさを琴と瑟の調和にたとえた言葉。夫婦以外にも、兄弟や友人との仲が良いこともいう。
-
きんじゅう-いてき / 中国周辺の異民族を蔑んで称したもの。
232
禽獣夷狄
「禽獣」は鳥と獣のこと。「夷狄」は野蛮な人のこと。
-
きんしょう-じざい / 自分の思い通りのままに人を処遇すること。
233
擒縦自在
「擒」は捕まえること。「縦」は逃がすこと。捕まえるのも逃がすのも思いのままという意味から。
-
くうこくの-きょうおん / 予期せぬ喜びのこと。また、非常に珍しいこと。
234
空谷跫音
「空谷」は人気のない寂しい谷。「跫音」は足音という意味。
-
くしん-さんたん / あれこれと心をくだいて苦労を重ねること。
235
苦心惨憺
「苦心」は苦労して考えること。「惨憺」は心を砕き、悩むこと。「苦心惨澹」とも書く。
-
くはい-しい / いつも来ている服装を変えれば疑われるのは当然であるということ。
236
狗吠緇衣
「狗吠」は犬が吠えることやその鳴き声。「緇衣」は黒い色の服のこと。楊布が白い服で出かけたが雨に降られたので、黒い服に着替えて帰ると、飼っている犬に吠えられたという故事から。
-
くび-ぞくちょう / 官爵を乱発するのを罵る語。また、劣ったものが優れたものの後を続けることのたとえ。
237
狗尾続貂
「狗尾」は犬の尾、「貂」は動物のてんのことで、昔は高官の冠にてんの尾を飾っていた。晋の趙王倫が力を得て、一族をみな高官にして、てんの尾で飾った冠をつけたために、てんの尾が足りなくなって、犬の尾で飾らないといけなくなると人々が罵った故事から。
-
くぶん-すうけん / 学問や見聞がせまく、かたよっていること。
238
区聞陬見
「区」は細かい、小さいという意味。「陬」は偏っていること。自分の知識を謙遜する場合に使うこともある。
-
くんおん-かいがく / 君主の恩は海や谷のように深いこと。
239
君恩海壑
「君恩」は君主からの恩。「海壑」は海と谷。海や谷のように深い恩ということから
-
ぐんぎ-ふせん / 人々が利益のあるところにむらがることを卑しんでいうたとえ。
240
群蟻附羶
「羶」は生臭いことで、生臭い肉に蟻が集まるということから。「群蟻羶に附く」とも訓読する。「群蟻付羶」とも書く。
-
くんしゅ-さんもん / 寺門の禁忌。臭いものや酒を飲んで山門に入ることを禁じた語。
241
葷酒山門
「葷」はにらやねぎ、にんにくなどの強い匂いを発する野菜のこと。「酒」は酒のことで、どちらも修行の邪魔になり、不浄のものとされている。「山門」は寺院の門や、寺院そのもののこと。主に禅寺の門の脇に設置されている石碑に、「不葷酒入山門」と刻まれていて、その言葉を略した言葉。
-
けいえい-さんたん / 心を砕き悩ましてあれこれ考え計画すること。
242
経営惨憺
「経営」は目的のために思案して、準備と行動をすること。「惨憺」は心を砕いて悩むこと。「経営惨澹」とも書く。
-
けいきょく-そうり / 乱臣、逆臣の家の形容。
243
荊棘叢裏
「荊棘」は荊のことで荊に棘があることから、障害になるもののたとえ。「叢裏」は草むらの中のこと。草むら中にひっそりと潜んでいる荊という意味から。
-
けいきょく-どうだ / 国の滅亡を嘆くことのたとえ。
244
荊棘銅駝
「荊棘」は荊、または荒れ果てること。「銅駝」は銅製のラクダの像のこと。中国、晋の索靖は、国が乱れることを予知し、「宮門に飾ったラクダの像も、やがて荒れ果てたいばらの中に埋もれるだろう」と嘆いたという故事から。「銅駝の荊棘中に在るを歎く」を略した言葉。
-
けいさい-ふくん / 粗末な服装のたとえ。
245
荊釵布裙
「荊釵」は荊のかんざし、「布裙」は布のもすそのこと。梁鴻の妻の孟光は、節約のために荊のかんざしと布のもすそをいつも身につけていた故事から。
-
けいし-ぎゅうしょう / 鶏口牛後。大きな組織に隷属するよりは小さくても人の上に立つ方が良いということ。
246
鶏尸牛従
戦国時代、蘇秦が韓王に、「秦の属国になるより、たとえ小国だとしても一国の王のほうがよい」といい説得した故事から。
-
けいし-ぎょくよう / 天子の一門のこと。
247
瓊枝玉葉
「瓊」と「玉」は身分が高いこと、高貴であることのたとえ。「枝」と「葉」は子孫という意味。
-
けいし-せんだん / 有徳の人の形容。また素晴らしい詩文のたとえ。
248
瓊枝栴檀
「瓊枝」は玉を生み出すという木。「栴檀」は白檀という名前の香木の別名のこと。
-
げいしょう-うい / うすい絹などで作った、女性の美しくて軽やかな衣装のこと。また、舞曲の名。
249
霓裳羽衣
「霓裳」は虹のように美しいもすそ、「羽衣」は鳥の羽で作った薄くて軽い衣のことで、天人が着て空を飛ぶとされるもの。
-
けいそく-えんぎょう / よきにつけ悪しきにつけ浮き世まかせの暮らしにいう。
250
傾側偃仰
「傾側」は世の流れに従って逆らわないこと。「偃仰」は寝たり起きたりすることや、うつむいたり見上げたりするという意味から、世の中の流れのままに浮いたり沈んだりするということ。
-
けいちょう-ふはく / 考えが軽薄でうわついてること。
251
軽佻浮薄
「軽佻」はよく考えずに発言したり行動したりすること。「浮薄」は気持ちに落ち着きがないこと。
-
けいみょう-しゃだつ / 洗練され気が利いており、俗っぽくなく爽やかなこと。
252
軽妙洒脱
「軽妙」は軽やかで洗練されていること。「洒脱」は垢抜けていて爽やかなこと。
-
けいよう-ここう / 容貌がやせ衰えて生気がないさま。
253
形容枯槁
「形容」は容姿のこと、「枯槁」は植物が枯れるという意味から、人がやつれることのたとえ。
-
けっかく-けいしゅ / 相手に対して最敬礼すること。
254
厥角稽首
「厥角」と「稽首」はどちらも地面に頭を着けてする礼のこと。
-
げっか-すいこう / 詩文の字句・表現をあれこれ工夫を凝らし、完成を目指すこと。
255
月下推敲
中国の唐の詩人の賈島が、科挙の試験を受けるために驢馬に乗って移動している時、詩の表現を「推す」と「敲く」のどちらにすべきか悩みながら進むと、政府の高官である韓愈の行列にぶつかってしまった。賈島は韓愈に非礼をわびて事情を話すと、韓愈は「敲のほうがよい」と答えた。それから二人は詩を論じ合ったという故事から。
-
けっか-ふざ / 仏教の座法の一つ。
256
結跏趺坐
「跏」は足の裏、「趺」は足の甲。主に禅宗の座禅を行う時の座法で、左の股の付け根に右の足の甲を、右の股の付け根に左の足の甲を付けて、足の裏が上に向くように組む座法。
-
けっき-へんげん / さまざまな奇異なようすにかわること。
257
譎詭変幻
「譎詭」は色々なものに変化すること。「変幻」はまぼろしのように現れたり、変化したり、消えたりすること。
-
げっちゅうの-せんじょ / 月に住むというひきがえる。
258
月中蟾蜍
古代中国の英雄が不老不死の薬を得たが、それを英雄の妻が盗み、月に逃げてひきがえるになったという伝説から。
-
けんかい-ここう / 固く自分の意思を守って、他人と和合しないこと。
259
狷介孤高
「狷介」は自分の意志を固く守り、決して妥協しないこと。「孤高」は自分一人の狭い視野だけを信じること。
-
けんかい-ころう / 固く志を守って世俗を受け容れないこと。
260
狷介固陋
「狷介」は自分の意志を難く守り、決して妥協しないこと。「固陋」は視野が狭く、頑固なこと。
-
けんかい-ふき / 自分の意思を守り通し、何者にも束縛されないこと。
261
狷介不羈
「狷介」は自分の意志を難く守り、決して妥協しないこと。「不羈」は決して縛られないこと。
-
けんがい-ろくば / 情欲におぼれて危険になった時に忽然と後悔し悟ること。
262
懸崖勒馬
「懸崖」は険しい崖。「勒馬」は馬の手綱を強く引くこと。崖から落ちる直前に気がついて、手綱を引いて何とか助かるという意味から。主に情欲に溺れかけ、そのことを後悔して悟ることをいう言葉。
-
げんかん-こうたつ / 人柄が大らかなたとえ。
263
阮簡曠達
「阮簡」は人の名前。「曠達」は心が広く、小さなことにこだわらないこと。古代中国の晋の時代にいたとされる竹林七賢の一人の阮咸の甥である阮簡は、心が広くおおらかな人格だったということから。
-
けんけん-ごうごう / 多くの人がやかましく騒ぐさま。
264
喧喧囂囂
「喧喧」と「囂囂」はどちらもやかましいや騒がしいという意味で、同じ意味の言葉を重ねて強調したもの。「喧々囂々」とも書く。
-
けんけん-ひきゅう / 自分のことは二の次にして、主人や人に尽くすこと。
265
蹇蹇匪躬
「蹇蹇」は辛い状況でも主君に忠義を尽くすこと。「匪躬」は自身が富や名声の得るためではないということ。
-
けんけん-ふくよう / 常に心に銘記して、決して忘れないこと。
266
拳拳服膺
「拳拳」は丁寧に両手で捧げるように持つこと。「服膺」は胸に付けるということから、心に留めるという意味。
-
げんこう-そご / 口で言うことと実際に行うことが矛盾していること。
267
言行齟齬
「言行」は言葉と行動。「齟齬」は食い違うこと。
-
けんこん-いってき / 運命をかけて、一か八かの大勝負をすること。
268
乾坤一擲
「乾坤」は天と地のこと。「一擲」は賽子(サイコロ)を一回振ること。天地の命運を賭けて、賽子を一回振るという意味から。
-
げんさい-ようきょう / 非常に堅固なとりで。
269
厳塞要徼
「厳塞」は守りの固い要塞。「要徼」は地形が険しく、攻めにくい国境。
-
けんし-えんしつ / 美しくあでやかな姿や肉体のこと。
270
妍姿艶質
「妍」と「艶」はどちらも色っぽいこと。「質」は生まれた時からもっていること。または、肉体のこと。
-
げんせき-せいがん / 心から人を歓迎すること。
271
阮籍青眼
中国の晋の賢者の阮籍は、気に入らない客には白い目をしてそっけなく扱い、気に入った客には青い目をして喜んで迎えたという故事から。
-
けんたん-こんげい / 天地の果てのこと。
272
乾端坤倪
「乾端」は天の端、「坤倪」は地の果て。
-
けんばつ-どちょう / 情勢が緊迫して今にも戦いが始まりそうなたとえ。また、書道で筆力が激しくて気迫がこもっているたとえ。
273
剣抜弩張
剣を鞘から抜いて、石弓に矢をつがえて弦を引くという意味から。「弩」は矢や石を飛ばすことのできる機械、石弓。「張」は弦を引いて張ること。
-
けんま-こくげき / 人や車の往来が多く、混雑しているさま。都会の雑踏。
274
肩摩轂撃
「肩摩」は肩と肩がこすれること。「轂撃」は車のこしき同士がぶつかること。人の肩が擦れあい、車のこしきがぶつかりあうほどに密集している様子から。
-
けんれん-かいかく / 心は互いに引かれ合いながら遠く隔たっていること。
275
牽攣乖隔
「牽攣」はお互いに心が惹かれあうこと。「乖隔」は遠く離れていること。中国の唐の詩人の白居易が友人へ贈ったとされる手紙から。
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こうい-ききん / 自分の妻の謙称。白い衣服と蓬色のスカーフ。中国、周代の身分の低い女性の質素な服装。
276
縞衣綦巾
縞衣(コウイ)という白い服と綦巾」(キキン)というもえぎ色の絹の服を表した四字熟語
-
こうい-りんしょく / 黄衣を身につけ俸禄を受ける者。宦官をいう。
277
黄衣廩食
「黄衣」は宦官が着るための服。「廩食」は官から支給される俸禄のこと。
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こうかい-ぜいせい / あとになって悔やんでもどうしようもない。
278
後悔噬臍
「噬臍」はへそを噛むという意味で、どうやっても自分の口は、自分のへそには届かないということから、不可能という意味。
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こうがい-ふんげき / 激しく憤りなげくこと。
279
慷慨憤激
「慷慨」と「憤激」はどちらも怒ったり嘆いたりすること。
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ごうか-けんらん / まばゆいほど美しく、華やかでぜいたくなさま。
280
豪華絢爛
「豪華」は華やかで贅沢、「絢爛」は目がくらむほど美しいという意味。
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こうか-こめい / かがり火と狐の鳴き声。衆を惑わすことをいう。
281
篝火狐鳴
秦末に陳勝と呉広が反乱を起こし、民衆を見方につけるためにかがり火をたき、狐の鳴き声を真似させて、「大楚が興って陳勝が王となろう」と呉広に言わせた故事から。
-
こうが-だいとう / 将軍の陣営のしるし。また、宦官のしるし。
282
高牙大纛
「高牙」は象牙の飾りのついた旗で、主に本陣に立てる旗。「大纛」は牛の尾などの飾りをさおにつるした大きな旗で、地位の高い人の車につけたり、軍の本陣に立てる旗。
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こうか-てきめん / ききめや報いがただちに現れること。
283
効果覿面
「覿面」は目の前で即座にはっきりとわかるという意味。
-
こうか-ばんげん / 広く大きな家。転じて、貧しい人を庇護すること。
284
広廈万間
「厦」は大きな家、「万間」は柱と柱の間が一万もあること。唐の時代、杜甫の家の屋根が風に吹き飛ばされ、「大きな家を手に入れて貧しい人を住まわせたい」と歌った故事から
-
ごうかん-ちゅうびゅう / 男女が深く愛し合うこと。
285
合歓綢繆
「合歓」は喜びを分かち合うことや、男女の睦みあいのこと。「綢繆」は絡みつくこと。
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こうき-ふんぷん / よい香りがあたり一面にただようこと。
286
香気芬芬
「香気」はよい香り。「芬芬」は香りが辺りに広がること。
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ごうき-ぼくとつ / 意志が強くて、飾り気がないこと。
287
剛毅朴訥
「剛毅」は意思が強く何事にも動じないこと。「木訥」は無口で飾り気がないこと。「剛毅朴訥」「剛毅朴吶」とも書く。
-
こうきん-げきせき / 詩文の美しい響きやリズムのたとえ。
288
敲金撃石
「敲金」は鐘などの金属の打楽器を敲くこと。「撃石」は磬などの石の打楽器を打つこと。もとは張籍の詩を金石のような美しい音色だと韓愈が評した言葉。「金(かね)を敲(たた)き石(いし)を撃(う)つ」とも読む。
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こうげつ-せんり / 明るく輝く月が、遠くまで照りわたるさま。
289
皓月千里
「皓月」は明るく白い月。「千里」は非常に長い距離のこと。「皎月千里」とも書く。
-
こうこう-こうかく / 貧乏などでやつれきった顔のたとえ。
290
槁項黄馘
「槁項」はやつれて細くなった首筋、「黄馘」は疲労で黄色くなった顔で、非常にやつれた顔という意味から。
-
こうこう-こつこつ / 何かに心を奪われて、うっとりすること。
291
恍恍惚惚
心を奪われてうっとりするという意味の「恍惚」という言葉を重ねて強調した言葉。「恍恍忽忽」とも書く。
-
こうし-そうにく / 才能も学問もなく、なんの存在価値もない人のこと。
292
行尸走肉
「尸」は死体のこと。歩く死体と走る肉という意味で、どちらも魂のない肉体だけの存在という意味から。
-
こうじつ-びきゅう / むだに長期間の日を過ごすこと。
293
曠日弥久
「曠日」は何もせずに日々を送ること。「弥久」は長い期間を過ごすこと。
-
こうしゃ-しば / 高位高官にある人の乗り物。転じて、高貴な人。
294
高車駟馬
「高車」は高さの高い立派な車。「駟馬」は四頭の馬に引かせる馬車
-
こうしょう-きょくく / 非常に読みにくく難しい文章のこと。奇怪で難解な文章。
295
鉤章棘句
「鉤章」の「鉤」は釣り針のことで、釣り針のように引っかかりの多い文章のこと。「棘句」はいばらのようにとげのある句のこと。
-
こうしょ-とうあん / 物事をなおざりにして一時の安楽をむさぼること。
296
苟且偸安
「苟」と「且」はどちらもいい加減に物事を扱うこと。「偸安」は目の前にある楽なことだけを楽しむこと。「苟偸」と略す言葉。
-
こうし-らんしょう / 物事のはじまり、おこり。
297
嚆矢濫觴
「嚆矢」は戦争の開始の合図に敵陣を射る、音の鳴る矢、かぶら矢のこと。「濫觴」はさかずき一杯が溢れる程度のわずかな流れということで、大きな川もその程度のわずかな流れが水源になるということ。「觴」はさかずきのこと。どちらも事の起こり、始まりを意味する言葉で、同じ意味の言葉を重ねて強調した言葉。
-
こうせい-ふき / 長く手なずけることができないこと。
298
曠世不羈
「曠世」は長い期間。「不羈」はなにものにも縛られないこと。
-
こうせき-せきろ / 土地が荒れやせていること。
299
荒瘠斥鹵
「荒瘠」は土地が痩せていて、荒れていること。「斥」は干潟のこと。「鹵」は塩。塩分が含まれていて作物が育たない土地という意味から。
-
こうぜん-たいご / 思い定まらないでいるときに、一瞬のひらめきから悟りを得ること。
300
恍然大悟
「恍然」はふとした瞬間にいきなり理解すること。「大悟」は煩悩をなくして悟りを得ること。
-
こうだん-かっぽ / 自由に議論して大股に歩くこと。気ままなさま。
301
高談闊歩
「高談」は盛んに議論を戦わせること。または、大きな声で会話すること。「闊歩」は大股に歩くこと。または、なにものにも縛られず自由な様子。自由気ままな様子をいう言葉。
-
こうと-さんくつ / 身を守るのに用心深いこと。また、困難を避けるのに巧みであること。
302
狡兔三窟
「狡兎」は悪知恵のはたらく兎。「三窟」は三つの穴。悪知恵のはたらく賢い兎は、隠れるための穴を三つ用意しているという意味から。
-
こうと-りょうく / かつて重用された者も状況が変わり用がなくなれば見捨てられることのたとえ。
303
狡兔良狗
「狡兎」は素早い兎。「良狗」は賢い猟犬。兎を取り尽くすと猟犬は必要なくなり、どれだけ役に立っていたとしても、煮て食べられるという意味から。「狡兎死して良犬煮らる」を略した言葉。
-
こうはつ-すいちょう / 老人と子供のこと。
304
黄髪垂髫
「垂髫」は子どものおさげ髪ということから、子どものたとえ。
-
こうはん-きゅうちゅう / 模範となる大切な政治道徳のこと。
305
洪範九疇
「洪範」は『書経』の篇名。「九疇」は「洪範」で述べられている九つの大法のことで、天下を治めるための政治道徳をいう。
-
こうひょう-きゅうか / 方法を誤ったり見当違いのことをしても目的は達せられないたとえ。
306
敲氷求火
火を起すために氷をたたくという意味から。
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こうひょう-さくさく / 評判が良く、人々から褒めそやされるさま。
307
好評嘖嘖
「嘖嘖」はたくさんの人がほめていうこと。
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こうふう-せいげつ / 心が清らかでわだかまりがなく、爽快であること。
308
光風霽月
「光風」は太陽の光の中を吹き抜ける爽やかな風のこと。「霽月」は雨上がりの澄んだ空に浮かぶ月のこと。
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こうぶん-しゃくじ / 文字使いなど表面的な技巧にばかりこだわり文章の内容や意味をおろそかにすること。また、ぐずぐず言うこと。いろいろ言うこと。
309
咬文嚼字
学識を自慢するだけで、実際には役に立つことがない知識人を揶揄するときに使うことの多い言葉。「文を咬み字を嚼む」とも読む。
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こうぼう-いっせん / 事態が急激に瞬間的に変化すること。
310
光芒一閃
「光芒」は尾を引いているように見える光の筋や、光の穂先こと。
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ごうほう-らいらく / 気持ちがおおらかで、小さなことにこだわらないこと。
311
豪放磊落
「豪放」と「磊落」はどちらも心が広く、小さなことにこだわらないという意味。
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こうぼく-しかい / 衰えて生気がないさま。また、意欲に乏しいさま。無為自然の境地にあること。
312
槁木死灰
「槁木」は枯れ木。「死灰」は燃え尽きて冷めた灰。枯れ木のように体が動かなくなり、冷めた灰のように心に活気がないという意味から。
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ごうもう-ふか / わざわいは小さいうちに取り除くべきだということ。
313
毫毛斧柯
「毫毛」は極めて細い毛。「斧柯」は斧の柄。木が毛のように細いうちに取り除かなければ、いずれ斧を使わなければいけないほどに大きくなるということから。
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こうよく-ぜっしょ / 政治に私情をさしはさなまいたとえ。
314
孔翊絶書
「孔翊」は人の名前。「絶書」は手紙の中身を確認せずに捨てること。中国の晋の時代の洛陽の長官になった孔翊は、その地位を頼って送ってくる私的な依頼の手紙は、全て読まずに水の中に捨てていたという故事から。
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こうらん-しんしき / 見聞が広く知識が深く豊富であること。
315
洽覧深識
「洽覧」は色々なことを見ること。「深識」は様々なことを深く知っていること。
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ごうり-せんり / 初めを慎むべきことをいう。
316
毫釐千里
「毫」と「釐」はどちらも小さな数量の単位ということから、非常に小さいことのたとえ。「千里」の「里」は距離の単位で、「千里」は非常に遠いことのたとえ。「毫釐の差は千里の誤り」を略した言葉。
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こうりょう-いっすい / 一生が夢幻のようにはかないことのたとえ。
317
黄粱一炊
「黄粱」は粟の一種のおおあわ。「一炊」は粟のかゆを炊く時間。粟のかゆを炊く間の短い時間という意味から。唐の盧生という人が、旅の途中の邯鄲の町で、道士から出世が叶うという枕を借りて寝ると、出世して財力や権力を手に入れる夢を見た。目が覚めると、宿の主人に頼んでいた、粟のかゆが出来上がっていないほどのわずかな時間しか過ぎていなかったという故事から。
-
こうりょう-してい / 富裕な家に生まれた者のたとえ。
318
膏粱子弟
「膏」は脂ののったおいしい肉。「粱」はおいしくて質のよい穀物。どちらも上質でおいしい食べ物という意味から、裕福な人のたとえ。
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こうりょう-どくだ / 不気味で恐ろしいもののたとえ。
319
蛟竜毒蛇
「蛟」は水を操って、大雨や洪水を起こすとされる伝説上の竜、みずちのこと。みずちと竜と毒蛇のことで、恐ろしいものたとえ。
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こうりょう-ゆうかい / 極めて高い地位にある者、栄達を極めた者は、失敗をする恐れがあることを戒める言葉。
320
亢竜有悔
「亢竜」は天の最も高いところに昇りつめた竜のこと。最も高いところに昇りつめた竜は、これ以上昇ることができず、後は落ちることしかできないので、その後のことを考えて慎みを持っておくべきということから。
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ごうん-かいくう / 仏教で、人間界の現象・存在は一切空であるということ。
321
五蘊皆空
「五蘊」は人の体と精神を構成する五つの要素のこと。全ての物質をいう「色」、感覚をいう「受」、心の中に浮かぶ像をいう「想」、欲求をいう「行」、意識をいう「識」の五つ。
-
こえい-しょうぜん / ひとりぼっちでしょんぼりしているさま。
322
孤影悄然
「孤影」は一人で寂しい様子。「悄然」は元気が無く寂しい様子。「孤影蕭然」とも書く。
-
こかん-りょうれき / 北方の異民族と漢民族が互いにおかし争うこと。
323
胡漢陵轢
「胡」は中国の北方、西方の異民族の別称。「漢」は中国の漢民族のこと。「陵轢」は踏みにじるという意味。
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こぎ-しゅんじゅん / 事に望んで決心がつかず、ぐずぐずしていること。
324
狐疑逡巡
「狐疑」は狐のように疑い深いこと。「逡巡」は思い切りがつかなく、決心がつかないこと。
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こきゅう-こうしゅう / 全体としては立派だがよく見れば多少の難があるというたとえ。
325
狐裘羔袖
「狐裘」は子狐の脇の下にある高級な毛皮で作った皮衣。「羔袖」は子羊の皮で作った安物の袖。高級な皮衣に安物の袖をつけるということから。「狐裘にして羔袖す」とも読む。
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ごぎゅう-ぜんげつ / 誤解して必要以上におびえるたとえ。また、思い過ごしから要らぬ苦労をするたとえ。
326
呉牛喘月
「呉」は中国の地名。南の暑い地域にいる牛は、月を見ても太陽だと思って苦しそうに呼吸するということから。「呉牛月に喘ぐ」とも読む。
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こきゅう-もうじゅう / 富貴の人の行いが治まらず国家が乱れることのたとえ。
327
狐裘蒙戎
「狐裘」は子狐の脇の下にある、高級な毛皮で作った皮衣で、それを着る人ということから、高貴な人のたとえ。「蒙戎」はものごとが乱れる様子。
-
ごぎょう-そうこく / 木・火・土・金・水の五つが互いに力を減じ合うこと。
328
五行相剋
「五行」は全てのものの根源の要素とされる、木・火・土・金・水の五つの要素のこと。「相剋」は木は土に、土は水に、水は火に、火は金に、金は木に勝つということ。自然現象や社会の変化などを説明したり、王朝をたとえて移り変わりを理論付けたりした。「五行相克」とも書く。
-
こぎょ-かんさく / 親には孝養を尽くすべきであるという教え。
329
枯魚銜索
「枯魚」は魚を干したもの。「銜索」は縄を通すこと。魚の干物は腐らずに長く持ちそうに見えるが、すぐに虫に食われてしまうということから、一見元気に見える親も、いつ死んでしまうか分からないということ。「枯魚索を銜む」とも読む。「故魚銜索」とも書く。
-
こくき-きゅうれん / 人は習慣や心がけ次第で、善人にも悪人にもなるということ。
330
哭岐泣練
「哭」は大きな声で泣くこと。「岐」は分かれ道。「練」は白い糸。「哭岐」は楊朱が分かれ道を見て、どちらにも行くことができると気づいて泣いたという故事から。「泣練」は墨子が白い糸を見て、何色にも染めることができると気づいて泣いたという故事から。どちらも好きなように選ぶことができ、その選択次第で結果が変わるということをいう。「岐に哭き練に泣く」とも読む。「哭逵泣練」とも書く。
-
こくびゃく-こんこう / よい事と悪い事の区別をわきまえないこと。
331
黒白混淆
「黒白」は物事の是非や善悪のたとえ。「混淆」は混ざり合っていること。「黒白混交」とも書く。
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こくほ-かんなん / 国勢が振るわず、国家の運命が危ういこと。
332
国歩艱難
「国歩」は国の歩み、国の運命のこと。「艱難」はひどく苦しむこと。
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ごくらく-とんぼ / 事の重大さをまったく考えない気楽なのん気者のこと。
333
極楽蜻蛉
「蜻蛉」は虫のとんぼ。捕まる心配をする必要のない、極楽でのんびり飛んでいるとんぼという意味から。のんきな人をからかう時に言う言葉。
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こし-たんたん / すきがあればつけこもうと、じっと機会をねらうこと。
334
虎視眈眈
「虎視」は虎が獲物をじっくりと狙うこと。「眈眈」は睨む、見下ろすという意味。虎が獲物を鋭く見つめて、襲う機会をじっくりと待っている様子から。
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こしょう-ふうしょう / すぐれた人が時を得て奮起するたとえ。
335
虎嘯風生
「虎嘯」は虎が吠えること。「風生」は風が発生すること。虎が吠えて風が激しく巻き起こるという意味から。「虎嘯いて風生ず」とも読む。
-
こじんの-そうはく / 言葉や文章では聖人・賢人の本質を伝えるのは不可能だということ。
336
古人糟魄
「古人」は昔のすぐれた人、賢者や聖人のこと。「糟魄」は酒かすのこと。言葉や文字で伝えることのできる知恵は、酒かすのように残りかすでしかないという意味から。老荘思想の言葉で、書物で学問をすることを否定する言葉。「古人糟粕」とも書く。
-
こぜつ-ようしん / 盛んにしゃべりたてること。
337
鼓舌揺脣
「鼓舌」は舌を鳴らして喋ること。「揺脣」は唇を動かすこと。どちらも勢いよく喋ることのたとえ。「鼓舌揺唇」とも書く。
-
ごぞう-ろっぷ / からだの中すべて。
338
五臓六腑
「五臓」は心臓、肺臓、肝臓、腎臓、脾臓の五つの内臓。「六腑」は大腸、小腸、胃、胆嚢、膀胱、三焦の六つの内臓。
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こっけい-しゃだつ / 知力にとみ弁舌さわやかな口調で会話をあやつり、俗気がなくさっぱりとしていること。
339
滑稽洒脱
「滑稽」は弁舌が上手く、思うように出来ること。「洒脱」はさっぱりとしていて洗練されていること。
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こてき-りょうだ / 英雄が戦うたとえ。
340
虎擲竜挐
李献能の詩より。虎と竜が激しく撃ちあうという意味。「擲」はなげうつ、撃つという意味。「挐」はつかむ、乱れ混じること。
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こてつの-ふぎょ / 危機や困難が目の前にさしせまっていること。また、窮地に立たされた人のたとえ。
341
涸轍鮒魚
水がなくなった車輪の跡にいる鮒という意味から。荘子が監河侯に米を借りに行ったが、監河侯から「近々年貢が入るのでその後に貸しましょう」と言われた。それを聞いた荘子は、「ここに来る途中で水が枯れた車輪の跡にいる鮒に水をくださいと助けを求められました。そこで私は、後で川の水を持ってきてあげようと答えました。しかし鮒は、水が欲しいのは今だと言って怒ってしまいました」というたとえ話をして窮状を訴えたという故事から。
-
こどく-かんか / 四種の苦しみで訴えるところのない人。
342
孤独矜寡
孟子が優先的に保護する必要があると説いた。「孤」は父親が亡くなった子ども。「独」は子どものいない老人。「矜」は妻のいない老人。「寡」は夫のいない老女。「孤独鰥寡」とも書く。
-
ごび-しふく / 寝ても覚めても忘れないこと。
343
寤寐思服
「寤」は起床すること。「寐」は就寝すること。「思服」はいつも思っていること。「寤寐に思服す」とも読む。
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こゆう-たんぱく / 悟りの境地に至ること。
344
虚融澹泊
「虚融」は無心で心にとどこおることが何もないこと。「澹泊」は欲が無く、こだわらないこと。
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ころう-かぶん / 学問が偏っていて狭く、見聞が少ないこと。
345
孤陋寡聞
「孤陋」は他人の考えを聞かず、視野が狭いこと。「寡聞」は見聞が狭いこと。
-
こんこん-とんとん / 入り乱れて明らかでないさま。
346
渾渾沌沌
元は天地が分かれる以前の、この世の最初の状態を言う言葉。「渾沌」を重ねて強調した言葉。「混混沌沌」とも書く。
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こんぜん-いったい / 別々のものが溶け合って区別がつかないさま。
347
渾然一体
「渾然」は複数のものが溶け合っている様子。「混然一体」とも書く。
-
こんてい-しんせい / 親に孝行をつくすこと。
348
昏定晨省
「昏定」は夜に両親の寝床の用意をすること。「晨省」は朝に両親のご機嫌を伺うこと。「昏に定めて晨に省みる」とも読む。
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こんにゃく-もんどう / まとはずれでとんちんかんな問答や返事。
349
蒟蒻問答
元は古典落語の「蒟蒻問答」から出た言葉で、住職がいなくなり荒れ果てた寺を心配した蒟蒻屋の六兵衛は、居候の八五郎に住職になるように言った。にわか坊主となった八五郎は、旅の禅僧に禅問答をしかけられ、問答に負けると寺を追い出されることになり、六兵衛に相談すると、六兵衛は住職になりすまして問答を受けると言った。六兵衛は禅僧の問に何も答えず、禅僧はそれを無言の行と勘違いし、次は身振りで問を出した。六兵衛は、身振りの問に、自身が坊主に成りすました蒟蒻屋ということが気づいていると思い、自分の作った蒟蒻が馬鹿にされたと勘違いし、六兵衛も身振りで問に答えると、禅僧はすばらしい答えと解釈して負けを認めたという故事から。
-
こんひ-はくさん / おおいに驚き恐れること。
350
魂飛魄散
「魂」は死後天に昇る魂。「魄」は死後地上にとどまる魂。魂が飛んでいって、心が空になるほどに驚くということから。「魂飛び魄散す」とも読む。
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こんろん-どんそう / 人の教えをただ鵜呑みにするだけでは、その真理を会得することはできないということ。
351
渾崙呑棗
「渾崙」は丸ごとという意味。「呑棗」は植物の棗の実を噛まずに飲み込むこと。棗の実を噛まずに丸呑みしても、棗の実の味はわからないという意味から。元は仏教の言葉で、仏の教えについていった言葉。「渾崙棗を呑む」とも読む。
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さいかい-もくよく / 神仏にお祈りする前に、飲食や行動を慎み身を洗い清めること。
352
斎戒沐浴
「斎戒」は飲食を断つなどの戒を守り、心を清めること「沐浴」は水で髪や体などを洗って身を清めること。
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さいき-かんぱつ / 機転がきき、才能が溢れていること。
353
才気煥発
「才気」はすばらしい才能や判断力。「煥発」は輝くように溢れ出る様子。
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ざいじ-きゅうえん / 人としての正しい道は自分自身の中に求めるべきなのに、とかく人は遠いところにそれを求めようとするということ。
354
在邇求遠
親や年長者など相応に敬うなど身近なことから始めれば、結局天下はうまく治まるという孟子の言葉から。
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さいし-けんぞく / 妻と子、家族と血縁関係にある親族のこと。
355
妻子眷族
「妻子眷属」とも書く。
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さいせき-こうかん / 書物が多いことのたとえ。
356
載籍浩瀚
「載籍」は物事の内容や様子を記した書籍という意味から、書物のこと。「浩瀚」は巻数が多いという意味。
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さいそう-おうたい / 日常生活に必要な仕事や作法のこと。
357
灑掃応対
「灑掃」は水をまいたり洗うなどの水を使った掃除とほうきで掃くこと。「応対」は人に接して受け答えすること。
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さいほう-ずいあ / 自分より劣る人に嫁がされること。また、それに不満を持つこと。
358
彩鳳随鴉
美しい鳳が鴉に嫁ぐというたとえで、妻が夫のことをいい加減に扱うことにも用いる。
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さいほ-ばくろう / 水をたたえずに、野菜や穀類を栽培する農耕地、すなわち畑のこと。
359
菜圃麦隴
「圃」と「隴」はどちらも畑という意味で、「菜圃」は野菜を植えている畑、「麦隴」は麦を植えている畑ということから。
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さいろう-とうろ / 暴虐で非道な人が枢要な地位にあることのたとえ。また、権力を握っている者の暴虐のたとえ。
360
豺狼当路
「豺狼」は山犬と狼、「当路」は道をふさぐことで、山犬や狼が道に居座っていて行く手をさえぎられているという意味から。
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さくし-せきとく / 晋の習サクシは手紙で議論するのにすぐれていた。
361
鑿歯尺牘
「鑿歯」は習鑿歯のこと。「尺牘」は手紙のこと。晋の習鑿歯は名文家として有名で、その中でも手紙を使っての議論が上手かったために、将軍の桓温が右腕として厚遇したという故事から。
-
さくそう-けいゆう / さまざまな考え方に学んで、見識を広めること。
362
鑿窓啓牖
「鑿」はうがつ、穴をあける。「啓」はひらくという意味。「牖」は窓のこと。窓を開けて外光をたくさん取り入れるという意味から。
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さくへき-とうこう / 苦学することのたとえ。
363
鑿壁偸光
「鑿」は穴を開けること。「偸」は盗むこと。壁に穴を開けて隣の家の光を盗み、盗んだ光で勉強をするということから。前漢にいた匡衡は貧しく、灯火の油を買うことができず、壁に穴を開け、隣家の明かりを盗んで勉学に励んだという故事から。
-
ささい-さいじ / 情のこまやかなこと。
364
瑣砕細膩
「瑣砕」は細かく砕くということから、心を細かく砕くという意味。「細膩」はきめ細かくなめらかなこと。または、丁寧で行き届いていること。
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さた-さいげつ / ただ時間をむだにして、虚しく過ごすこと。
365
蹉跎歳月
「蹉跎」はよい時期を失うこと、「歳月」は年月の意味。
-
さんかい-きゅうきょく / 周代の官名。三公と九卿。
366
三槐九棘
「三槐」は中国の三公の別称。「九棘」は中国の九卿の別称。中国の周の時代に、君主が朝廷の庭の三公の位置を示す場所に槐の木を植え、九卿の場所を示す場所に棘の木を植えていたことから。
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さんき-きゅうこう / 清朝の再敬礼。
367
三跪九叩
三回跪(ひざまず)いて、頭を九回地面に打ち付ける礼のことをいう。
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さんきん-さんよく / 相手を大切に思う心をあらわす語。
368
三釁三浴
人を待つ間に何度も体を洗って、良い香りの香を塗るという意味から。「三」は何度も、という意味。「釁」は香を塗ること。「浴」は湯水で体を洗い清めること
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さんくん-さんもく / 相手を大切に思う心をあらわす語。
369
三薫三沐
人を待つ間に何度も体を洗って、良い香りの香を塗るという意味から。「三」は何度も、という意味。「薫」は香を塗ること。「沐」は湯水で体を洗い清めること。
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さんし-しょうか / 文字の誤り。
370
三豕渉河
中国の春秋時代の子夏が旅の途中に、「晋の軍隊が三匹の豕と河を渡った」と史書を読んでいるのを聞き、「己」を「三」、「亥」を「豕」と読み間違えて、三匹の豕ではなく、年号の己亥の年と読み間違えたのだろうと指摘したという故事から。
-
さんせい-いっさん / 三代の家族が一つの家に同居すること。
371
三世一爨
「爨」はかまどのこと。三世代の家族が、一つのかまどを共有して食事を作るということから。
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さんたん-けいえい / 心をくだき悩ましてあれこれ考え計画すること。
372
惨憺経営
「惨憺」は心を砕いて悩むこと。「経営」は目的のために考えて準備して行動すること。「惨澹経営」とも書く。
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ざんてい-せってつ / くぎや鉄を断ち切る。毅然として決断力があるたとえ。
373
斬釘截鉄
「斬」と「截」はどちらも断ち切るということ。釘や鉄を断ち切るという意味から。元は禅宗の言葉で、妄想や煩悩などの迷いをすっぱりと断ち切ることをいう。「釘を斬り鉄を截つ」とも読む。
-
ざんてん-めんゆ / 人の悪口を言ってこびへつらうこと。
374
讒諂面諛
「讒諂」は他人の悪口を言って、相手に気に入られようと媚を売ること。「面諛」は相手の目の前で直接こびへつらうこと。
-
ざんぱい-れいしゃ / 恥辱を受けるたとえ。
375
残杯冷炙
「残杯」は他の人が口をつけて残した酒。「冷炙」は焼いたあとに冷めた肉。人の食べ残した飲食物で、もてなしをされるという意味から。
-
さんめん-ろっぴ / 一人で数人分の働きをしたり、多方面で活躍したりすること。
376
三面六臂
「臂」は腕のこと。三つの顔と、六本の腕がある仏像の姿を言い表す言葉。
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しい-そさん / ある地位にいて職責を果たさずにむだに禄をもらっていること。
377
尸位素餐
「尸位」は才能も人徳もないのに高い地位についていること。「素餐」は何もせずに食べるばかりであること。
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しい-びしょく / ぜいたくなたとえ。
378
侈衣美食
「侈」はぜいたくという意味で、「侈衣」はぜいたくな衣服のこと。
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しかい-ほうほう / 鎧を装備した四頭立ての馬の引く戦車が戦場を駆け巡る。
379
駟介旁旁
「駟」は四頭立ての馬のこと。「介」は鎧のこと。「旁旁」は駆け巡る様子。
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しく-はちがい / 大通りが四方八方に通じている大きな街のこと。
380
四衢八街
「衢」と「街」はどちらも四方に通じる道のこと。
-
じくろ-せんり / 多数の舟がはるか彼方まで連なること。
381
舳艫千里
「舳」は船首、「艫」は船尾、「千里」は距離が非常に長いこと。
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しこう-きゅうまい / 被害がだんだん拡大すること。
382
舐糠及米
虫が米の外側の糠を舐めると、次は中の米を食べるということから。前漢、景帝の代に諸侯の勢力を削る目的で、諸侯の領地を少しずつ削ぐ政策を行った。領地を削がれた呉王は領地がなくなってしまうことを危惧し、呉楚七国の乱を起こしたという故事から。「糠を舐(ねぶ)りて米に及ぶ」とも読む。
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しこう-じゅうちく / 人をけだもの同様に扱うこと。
383
豕交獣畜
「豕交」は豚と接するように交際すること。「獣畜」は獣のように扱い養うこと。人を人として見ずに、獣と同じように扱うことをいう言葉。
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じこ-とうかい / 自分の才能・地位・本心などをかくして表に出さないこと。
384
自己韜晦
「韜晦」は才能や学識などを隠すという意味。
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しじ-とくしゃ / 卑しいことをしてまで、大きな利益を手に入れること。
385
舐痔得車
「舐痔」は痔を舐めること。「得車」は車を得ること。中国宋の曹商は使者として秦に行き、大きな車を与えられて帰国した。これに対して荘子は「痔を患っている秦王の患部を舐めてその車をもらったのだろう」と揶揄したという故事から。
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しし-はくと / 易しいと思われることでも、全力をあげて努めるべきだということ。
386
獅子搏兔
「獅子」はライオン、「搏兎」は兎を捕まえることで、ライオンは兎のような弱い動物を捕まえる時も、全力で捕まえるということから。
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しじん-ぜいこつ / 銘茶をたたえる語。また、銘茶のこと。
387
詩人蛻骨
「蛻」は抜きかえる、または、ぬけがらという意味。素晴らしいお茶は詩人の感性さえも素晴らしいものにかえるということから。
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しせい-けっかつ / 生死を共にすることを約束し、共に苦しみ努力すること。
388
死生契闊
「契闊」は長い間会わないことや、苦労し努力すること。
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しぜん-りょくがん / 西洋人。
389
紫髥緑眼
中国で西方の異民族の容貌を言い表す言葉で、赤茶色のほおひげと青い目という意味から。
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しちし-はちぜつ / 意見の多いこと。
390
七嘴八舌
七つの嘴(くちばし)と八つの舌という意味で、たくさんの意見が色々なところから出ること。または、多くの人々が喋っている様子。
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しちしゅの-さいこう / 七種の野菜の汁物。また、七種がゆ。七草がゆ。
391
七種菜羹
七種の野菜の汁物。または、七草粥のこと。「菜羹」は野菜の汁物。一年の健康を願い、陰暦一月七日に食べる。
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しちしょう-しちきん / 敵を捕らえたり逃がしたりして味方にすること。
392
七縦七擒
「縦」は放つこと、「擒」は捕まえること。蜀の諸葛亮が、南蛮王孟獲を七回捕らえては逃がすを繰り返しつつ南部を平定して行き、孟獲も最後には二度と反乱を起こさないと誓ったという故事から。
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しちゅう-だいてん / シチュウがダイテンという書体を作った。
393
史籒大篆
「史籀」は中国の周の宣王のときの歴史を記録して、歴史書を編修する史官のこと。「大篆」は書体の名前。
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じつげつ-ゆまい / 月日がどんどん過ぎてゆくこと。また、年老いて死期が近くなること。
394
日月逾邁
「日月」は時、時間のこと。「逾邁」は経過するや、過ぎていくという意味。
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しつげん-きょしょく / 落ち着きがない。
395
疾言遽色
「疾言」は早口で喋ること。「遽色]は慌てふためいた顔色をしていること。
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しっこん-らくはく / ひどく驚き、あわてふためく。
396
失魂落魄
天から受けた精神を司るたましいの「魂」と、地から受けた肉体を司るたましい「魄」が無くなるという意味。
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じっせん-きゅうこう / 自分自身の力で実際に進んで行動してみること。
397
実践躬行
「実践」は実際にやってみること。「躬行」は自分の力で行うこと。口だけではなく実際にやってみることの大切さをいう言葉。
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しった-げきれい / 大声で励まして、奮い立たせること。
398
叱咤激励
「叱咤」は大声で叱る、または励ますこと。「激励」は激しく励まし元気付けること。
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しっぷう-けいそう / 苦境に立ったとき、はじめてその人物の真価がわかるというたとえ。
399
疾風勁草
「疾風」は激しく勢いの強い風、「勁草」は強い草のことで、激しい風が吹くことで、初めて強い草がどれかわかることから。
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しっぷう-もくう / 非常に苦労することのたとえ。
400
櫛風沐雨
「櫛風」は、風が髪をくしけずること。「沐雨」は、雨が体を洗うこと。雨や風にさらされながら苦労して働くという意味から。「風に櫛り雨に沐す(かぜにくしけずりあめにもくす)」とも読む。
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