-
直流送電のメリット vs 交流:7つ
安定度の問題なく、長距離・大容量送電に適する
送電損失が少ない
条数が少なく経済的:大地帰路方式
短絡容量が増加しない
周波数の異なる交流系統と連系可能
電圧の実効値と最大値が等しく、絶縁強度の低減が可能
フェランチ効果がなく、ケーブル使用に適する
-
直流送電のデメリット vs 交流:5つ
交直変換装置・無効電力供給設備が必要であり、コスト増・要高調波対策
零点がなく、遮断が困難
電圧の変成が困難
電力系統構成の自由度が低い
大地帰路方式の場合、電食が発生
-
誘導電圧の種類:3つ
・異常時誘導電圧:1線地絡事故
・常時誘導電圧:負荷電流・離隔の不平衡
・誘導雑音電圧:常時高調波
-
誘導障害の送電線路側の対策:5つ
・架空地線の条数・導電層増加
・中性点接地の抵抗値の増加、消弧リアクトル方式の採用
・離隔が取れるルートの採用
・ねん架
・遮へい線の設置
-
誘導障害の通信線側の対策:5つ
・特殊遮へいケーブルの採用
・避雷器や保安器の設置
・中継コイル、高圧用誘導遮へいコイルの設置
・離隔が取れるルートの採用
・遮へい線の設置
-
同期発電機の進相運転の目的
フェランチ効果の防止
-
同期発電機の進相運転の注意点3つ、対策3つ
注意点
・発電機固定子鉄心端部の温度上昇
・定態安定度の低下
・所内電圧の低下
対策
・固定子端部構造に非磁性材を使用
・PSS付AVRの設置
・不足励磁制限装置の使用
-
系統の安定度の種類:2つ
共に電力を安定して送れるかの度合い。
・定態安定度:通常時の負荷や発電機出力の変動、潮流の緩やかな調整など、微小な変化
・過渡安定度:負荷の急変、落雷などの地絡事故やそれに伴う遮断機の開閉など、大きな変化
-
供給予備力の種類:3つ
・待機予備力:数時間、水力・火力
・運転予備力:分単位、水力・ガスタービン火力
・瞬動予備力;数秒、ガバナフリー運転
-
再閉路方式:遮断相による分類3つ
・三相再閉路:事故相・健全相関わらず三相遮断、基本中速度、低速度再閉路
・単相再閉路:1線地絡で事故相のみ遮断、基本高速度再閉路
・多相再閉路:両回線で2相以上健全なら、事故相のみ遮断
-
再閉路方式:再閉路時間による分類3つ
・低速度再閉路:1分程度
・中速度再閉路:15秒程度
・高速度再閉路:1秒程度
-
定態安定度・過渡安定度の両方の向上策:4つ
・PSS付AVRの設置:端子電圧の維持
・無効電力補償装置の設置:端子電圧の維持
・多導体方式:インダクタンス[H]の減少
・直列コンデンサ:リアクタンス[Ω]の減少
-
過渡安定度のみの向上策:3つ
・制動抵抗:事故後の発電機加速中に投入、機械出力を増加させ、加速エネルギーを抑制
・タービン高速バルブ制御:事故後の発電機加速中にタービン蒸気流入量を抑制、機械入力を低減し、加速エネルギーを抑制
・高速度遮断:相差角の変化を抑制
※Pδ曲線における、P=PmのPmは、機械入力
-
無効電力補償装置:3つ
・TCR:Thyristor Controlled Reactor
・TSC:Thyristor Switched Capacitor
・STATCOM:Static Sycronous Compensator
-
周波数変動による影響:電力系統管理側4つ
・火力発電設備のタービンの振動
・発電機補機の出力減退
・変圧器の過励磁
・電力会社間連系線の潮流制御の困難化
-
周波数変動による影響:需要家側3つ
・工場の精密機械の誤動作
・高速度電動機を使用する紡績・製紙工場等での製品品質の低下
・電気時計の誤差の増大
-
周波数変動による問題点:3点
・誘導電動機の回転数が周波数に比例して変化
・励磁電流が変化
・回路のインピーダンス(リアクトル)が変化
-
地中線のメリット vs 架空線:4つ
・都市景観を損ねない
・自然災害や他物接触による外部事故が少ない
・充電部が露出していないので、火災や感電のリスクが低い
・通信線への誘導障害が小さい
-
地中線のデメリット vs 架空線:4つ
・建設コストが高い
・事故復旧に時間を要する
※架空線は再閉路出来ることが多い
・需要変動への即応が困難
・放熱性が低く、許容電流が低いため、同一導体の場合送電容量が小さい
-
送配電系統の接地方式:4つ
・直接接地:187kV~
・抵抗接地:22~154kV
・消弧リアクトル接地:22~77kV
・非接地:6.6kV
-
消弧リアクトル接地方式の原理と目的
・線路の対地静電容量と並列共振するインダクタンスのリアクトルを介して中性点を接地することで、地絡電流を打ち消す。
・線路を遮断せず、電気の供給を継続するため。
-
抵抗接地の特徴 vs 直接接地:4つ
・地絡電流を抑制することで、通信線への誘導障害を低減できる。
・地絡電流を抑制することで、機器や故障点への機械的ショックを低減できる。
・地絡事故時の健全相の電圧上昇が大きく、絶縁レベルを高くする必要がある。
・地絡電流が抑制されるため、地絡継電器の検出機能が低くなる。
-
過渡安定度向上策:直列コンデンサの挿入の効果(加速・減速エネルギーに沿って)と留意点
送電線のリアクタンスを低減し、事故前・事故除去後の出力を上げ、減速エネルギーを大きくする。
軸ねじれ現象や自己励磁現象、異常電圧が発生する可能性がある。
-
過渡安定度向上策:低インダクタンス送電線の採用の効果(加速・減速エネルギーに沿って)と留意点
送電線のリアクタンスを低減し、事故前・事故除去後の出力を上げ、減速エネルギーを大きくする。
多導体にせよ、断面積の大きい電線を使用するにせよ、単位長さ当たりの荷重が大きくなるので、鉄塔の設計強度などに留意する必要がある。
-
過渡安定度向上策:シーリング電圧の改善の効果(加速・減速エネルギーに沿って)
事故前・事故除去後の出力を上げ、減速エネルギーを大きくする。
-
過渡安定度向上策:速応性励磁方式の効果(加速・減速エネルギーに沿って)と留意点
事故除去後の出力を上げ、減速エネルギーを大きくする。
過渡収束後のの振動の減衰を弱める(負制動作用)ため、PSS(系統電力安定化装置)などを合わせて設置する必要がある。
-
過渡安定度向上策:高速遮断と高速再閉路の効果(加速・減速エネルギーに沿って)と留意点
事故点を直ちに除去することによって、事故発生後の相差角の増大を抑制し、加速エネルギーを小さく、減速エネルギーを大きくする。
発電機とタービン間に過大な軸トルクが発生する可能性がある。
-
6.6kV配電系統で中性点非接地方式が主流である理由:誘導障害の観点
6.6kV配電線は通信線と同一の電柱に設置されることが多い。ゆえに、地絡事故時などにおける通信線への誘導障害を低減するため、地絡電流を抑制できる、非接地方式が主に採用されている。
-
6.6kV配電系統で中性点非接地方式が主流である理由:保安の観点
地絡電流を抑制することで、感電や火災のリスクを低減することができるため、非接地方式が主に採用されている。
-
配電線にケーブルを使用する際の課題:地絡保護リレーの動作
送電線の静電容量が大きいと、零相電圧が小さくなる。6.6kV配電線で主に使用される非接地方式の場合、零相電流も小さく、地絡保護リレーが地絡事故を検出できない可能性がある。
-
配電線にケーブルを使用する際の課題:異常電圧の発生
送電線の静電容量が大きいと、間欠アーク地絡時において、配電線に異常電圧が発生するリスクが大きくなる。
-
配電線にケーブルを使用する際の課題の解決策:2点
・配電線にリアクトルを挿入する。
・変圧器を増設し、受け持つ配電系統を分割する。
-
TSRの原理と特徴
・サイリスタにより、リアクトル電流の位相制御を行い、遅れ無効電力を連続的に制御する。
・並列に接続したコンデンサを用いることで、進みから遅れまで連続的に制御可能。
-
TSCの原理と特徴
・サイリスタにより、コンデンサのオンオフ制御を行い、進み無効電力を段階的に制御する。
・突入電流が発生しない位相で制御を行う必要があるため、連続的な制御ができない。
-
STATCOMの原理と、TCRと比較したメリット
・自己消弧素子を用いた自励式変換器により、無効電力を遅れから進みまで連続的かつ高速で制御する。
・系統の電圧低下時にも高い補償能力を持ち、系統の電圧安定性を高める効果に優れる。
-
SVRを使用方法:系統側2つ、需要家側2つ
系統側
・系統末端など系統が弱い地域における、変動負荷による電圧変動を抑制する。
・系統事故時の電圧を維持し、同期安定性を向上させる。
需要家側
・アーク炉などの変動負荷による電圧変動を抑制する。
・負荷で発生する無効電力を打ち消し、力率を改善する。
-