53~72
暗記
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めぐりあいて
みしやそれとも
わかぬまに
くもがくれにし
よわのつきかな
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ありまやま
いなのささはら
かぜふけば
いでそよひとを
わすれやはする
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やすらわで
ねなましものを
さよふけて
かたぶくまでの
つきをみしかな
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おおえやま
いくののみちも
とおければ
まだふみもみず
あまのはしだて
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いにしえの
ならのみやこの
やえざくら
きょうここのえに
においぬるかな
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よをこめて
とりのそらねは
はかるとも
よにおうさかの
せきはゆるさじ
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いまはただ
おもいたえなむ
とばかりを
ひとづてならで
いうよしもがな
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あさぼらけ
うじのかわぎり
たえだえに
あらわれわたる
せぜのあじろぎ
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うらみわび
ほさぬそでだに
あるものを
こいにくちなん
なこそおしけれ
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もろともに
あわれとおもえ
やまざくら
はなよりほかに
しるひともなし
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はるのよの
ゆめばかりなる
たまくらに
かいなくたたむ
なこそおしけれ
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こころにも
あらでうきよに
ながらえば
こいしかるべき
よわのつきかな
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あらしふく
みむろのやまの
もみじばは
たつたのかわの
にしきなりけり
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さびしさに
やどをたちいでて
ながむれば
いずこもおなじ
あきのゆうぐれ
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ゆうされば
かどたのいなば
おとずれて
あしのまろやに
あきかぜぞふく
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おとにきく
たかしのはまの
あだなみは
かけじやそでの
ぬれもこそすれ
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なげきつつ
ひとりねるよの
あくるまは
いかにひさしき
ものとかはしる
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わすれじの
ゆくすえまでは
かたければ
きょうをかぎりの
いのちともがな
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たきのおとは
たえてひさしく
なりぬれど
なこそながれて
なおきこえけれ
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あらざらん
このよのほかの
おもいでに
いまひとたびの
あうこともがな
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