動物感染症第2回

暗記

morimori 2024年06月03日 カード34 いいね0

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動物感染症第2回
  • 感染の定義
    病原体が生体に侵入し、定着、増殖すること
  • グラム陽性菌の表面構造とそれに対する宿主免疫との関係
    外膜はなく、再外装に細胞壁があり、その内側に細胞膜がある。細胞壁の主成分はペプチドグリカンで、細胞壁成分の40~90%を占める。これに多糖やタンパク質が結合する。最外層がペプチドグリカンなため、リゾチームによる細胞壁分解には弱いが、補体の攻撃に対しては抵抗性
  • グラム陰性菌の表面構造とそれに対する宿主免疫との喚起
    最外層はリポ蛋白、LPS,リン脂質、タンパク質からなる外膜である。ペプチドグリカンは細胞壁成分の10%以下であるため、細胞壁が陽性菌に比べ薄い 最外層が外膜であるため、細胞壁はリゾチームによる分解をうけない。しかし、LPSが補体の第二経路を活性化する。補体が活性化すると作られるC5b~9複合体(膜侵襲複合体=MAC)はグラム陰性菌の膜表面に透過孔を形成、そこからリゾチームが侵入する
  • 細菌の付着能に関係する因子
    鞭毛運動による走化性 非鞭毛性のブラウン運動
  • グラム陰性菌と陽性菌では付着因子にどのような違いがあるか
    細菌と宿主細胞との結合を可能にする菌側の付着因子=アドへジン グラム陰性菌;線毛をもち、付着 グラム陽性菌;線毛なし、リポタイコ酸を利用①リポタイコ酸による非特異的疎水性付着②非線毛性アドへジン(Mたんぱく質、Fタンパク質)による特異的結合
  • 新入生細菌は生体防御の最前線である粘膜上皮細胞の貪食を誘導して細胞内に侵入するが、どのような細菌がこれにあてはまるか。また、侵入するのに用いる侵入性たんぱくをそれぞれ答えよ
    エルシニア属菌;インベイシン サルモネラ菌;Sip蛋白質 赤痢菌;Ipa蛋白質 特にサルモネラと赤痢菌はⅢ型分泌装置をもち、これを介して機能性タンパク質(エフェクター因子)を注入する。 また、食細胞侵入性細菌(細胞内寄生細菌);結核菌、レジオネラ属菌、クラミジア、リケッチアも侵入性細菌にあたる
  • 上皮細胞外寄生菌の起こす病態とこれに属する細菌
    外毒素を産生して上皮細胞内や上皮細胞下から水分を流出させて下痢を引き起こす コレラ菌、ETEC
  • 組織破壊侵入性細菌の起こす病態とこれに属する細菌
    外毒素や菌体外酵素によって組織を破壊し、炎症を誘導 黄色ブドウ球菌、化膿レンサ球菌、肺炎レンサ球菌
  • 上皮細胞内侵入性細菌の起こす病態とこれに属する細菌
    経口的に消化管に侵入→リンパ濾胞に隣接するM細胞から細胞直下のマクロファージに侵入→アポトーシスを誘導し破壊 細胞外へまた出ると、炎症性サイトカインの刺激で緩んだ上皮細胞間に移動→エンドサイトーシスを誘導し、細胞内へ侵入→感染した上皮細胞は変性英壊死により剥離、潰瘍へと進行し赤痢に 赤痢菌
  • 上皮細胞下侵入細菌の起こす病態とこれに属する細菌
    回腸下部のM細胞や上皮細胞からエンドサイトーシスで侵入→エキソサイトーシスで細胞下に出る→基底膜に達し増殖 一部のサルモネラ菌は血管やリンパ管内に侵入し、全身へ チフス菌、エルシニア属菌
  • 細胞内寄生菌の特徴とこれに属する細菌
    食細胞に貪食されても殺菌されず、そこで増殖する ブルセラ菌、結核菌、リステリア属菌
  • 粘膜上皮細胞内へ侵入した細胞のその後の動態
    赤痢菌やリステリア菌は、侵入後細胞質内でアクチン重合を行い、これを原動力として動き、隣接した上皮細胞にも感染する
  • 細菌が鉄を宿主から獲得する手段と、それを行う細菌にはどのようなものがいるか
    腸管感染大腸菌、サルモネラ菌、赤痢菌 ①鉄結合蛋白質のエロバクチンを合成・分泌し、宿主の鉄結合蛋白質かr阿哲をキレートし、自らのエロバクチンレセプターを介して鉄を取り込む ②トランスフェリンレセプターを菌体表面に発現させ、結合したトランスフェリンから鉄を獲得する
  • ジフテリア毒素、破傷風菌毒素、コレラ菌毒素による症状それぞれ
    タンパク質合成阻害、中枢神経麻痺、重篤な下痢
  • S.aureusnoのエンテロトキシンはスーパー抗原であるが、スーパー抗原とは何か
    MHCclass2分子の多形成のない部分に接着し、T細胞 レセプターのベータ鎖に結合、刺激するため以上に多くのヘルパーT細胞が非特異的に活性化され、多くのサイトカインを放出する
  • 内毒素とは
    細胞の死に伴い生じる自己融解中に遊離される耐熱性菌体毒素
  • 内毒素の本態は
    細胞壁のLPS リピドAにエンドトキシン活性がある。
  • 内毒素による生体反応5つ
    ①血小板・好中球の減少 ②発熱 ③Shwarman現象 ④DIC  ⑤補体活性化
  • 食細胞内での殺菌回避機構3つ
    ①食細胞内のファゴソームから細胞質内への脱出 ②ファゴソームとリソソームの融合阻止 ③リソソーム内の消化酵素に対する抵抗性
  • 食細胞外での殺菌回避機構の例
    ブドウ球菌(S.aureus)菌体表面にプロテインAえおもち、IgGのFc部位に結合、抗体によるオプソニン化を阻止
  • ウイルスが細胞に感染した場合とる様式とその例
    細胞破壊型;口蹄疫ウイルス 細胞非破壊型;ヘルペスウイルス 腫瘍化する型;パピローマウイルス
  • ウイルスの宿主への侵入部位と代表的疾患
  • ウイルスが体内で複製する際、最初に利用する宿主分子は
    レセプター
  • 局所感染症とは また、その体内動態とウイルス例
    感染局所のみで増殖し、症状を発現する インフルエンザウイルス、ロタウイルス インフルエンザウイルスは気道粘膜から侵入し、肺の局所で病巣を形成するに留まる。ロタウイルスも消化管粘膜から感染し、腸管粘膜で増殖し腸炎をおこすが全身には広がらない
  • 全身感染症とは また、その体内動態とウイルス例
    血流やリンパ管に入って全身に伝播し、症状を示す 犬ジステンパー 最初の標的細胞で増殖後、血菅やリンパ管に入り全身臓器に散布され、最終標的組織で再度増殖し症状を起こす。
  • 各ウイルスのレセプター
  • ウイルスの中にはその増殖性と病原性が必ずしも一致しないものがあるが、その例とどう増殖するか
    ニューカッスル病 切断をうけるプロテアーゼの違いが病原性を決定する。F蛋白質が開裂すると、細胞内での増殖が可能になる。強毒株F蛋白質は全身臓器に存在するフーリンのような酵素で開裂されるが、弱毒株Fタンパク質は特定臓器にのみ存在するタンパク質分解酵素によって開裂されるためそこでしか増殖できあに。インフルエンザウイルスではHA蛋白質が開裂をうけ、同様の現象が起こる
  • 宿主免疫系の抑制の方法とは それを行うウイルス種
    サイトカイン類似分子、レセプター類似分子、補体類似分子を産生し、補体の作用から逃れる ポックスウイルス ヘルペスウイルス 例えばポックスウイルスが賛成するIFNレセプター類似分子は、宿主細胞が産生するIFNの本来のレセプターへの結合を阻害し、抗ウイルス作用を妨害する ②
  • 宿主免疫系から逃れるウイルスの戦略がどのようなものか それを行うウイルスは
    直接リンパ球などの免疫系の細胞に感染し増殖する 猫免疫不全ウイルス、猫白血病ウイルス、牛伝染性リンパ腫ウイルス、イヌジステンパーウイルス、アフリカ豚熱ウイルス
  • 組織を直接破壊し病原性を示すものはどのようなものがあるか
    腸管粘膜上皮細胞に感染するウイルスのうちロタ・コロナ・アストロウイルスは柔毛上部に、パルボウイルスはインカ付近に感染んし、柔毛の萎縮・欠損を引き起こす。これにより腸管での吸収阻害が起こり、下痢の要因に 
  • 組織に傷害を与えないが病原性を示す場合
    肝炎ウイルスは組織破壊性がないため肝細胞に感染しても危害を与えないが、キラーT細胞はウイルス感染肝細胞を破壊するため組織が破壊され、肝炎を発症する
  • ウイルス遺伝子産物が毒素として働く例
    非常にまれ ロタウイルスの非構造蛋白質であるMSP4がエンテロトキシン様作用を示して腸炎を誘発する
  • 全身感染症の発病機序
    気道内に侵入した犬ジステンパーウイルスは、呼吸器粘膜上皮で増殖→マクロファージによりリンパ節で増殖→血中に入り単核球に感染、全身へ(第1次ウイルス血症)→各臓器に到達、増殖→感染単核球により血管へ(第二次ウイルス血症)→全身各臓器で増殖 呼吸器粘膜に到達したものは体外へ→血管周囲、外膜から脳へ侵入するとグリア細胞、ニューロンに感染を広げる⇒新駅系の感染では異常行動・麻痺が回復後にみられるようになり、脱髄を特徴とする脳炎を発症すると致命的である
  • 下痢の発病機序
    ①透過性の亢進による滲出性の下痢…腸粘膜小孔が拡張子、血液から腸管腔へ水分流出が増加して下痢がおこる。(この血液→腸管腔内への流れが滲出) ヨーネ病、クロストリジウム属
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