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ちょれき-さんぼく / 役に立たない人やもの。
601
樗櫟散木
「樗櫟」は木のおうちとくぬぎのこと。おうちもくぬぎも木材としては使えないという意味から。主に自分のことを謙遜していう言葉。
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ちんか-たいたん / 闘いの備えをおこたらないこと。
602
枕戈待旦
「戈」はほこ、武器のこと。「旦」は夜明け。武器を枕にして、いつでも戦える状態を保って夜明けを待つという意味から。「戈を枕にして旦を待つ」とも読む。
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ちんりゅう-そうせき / 強情で負け惜しみの強いこと。
603
枕流漱石
西晋の孫楚が「石に枕し流れに漱ぐ」と言おうとして、「石に漱ぎ流れに枕す」と言い間違え、それを指摘されると、「石で歯を磨いて、流れで耳を洗う」と言い、間違いを認めなかったという故事から。文豪の夏目漱石の雅号「漱石」は、この故事が由来。
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ついいん-らくこん / 人には運不運があるということ。
604
墜茵落溷
「茵」は敷物のことで、「溷」は便所、厠のこと。散った花びらが運よく敷物に落ちるものもあれば、便所に落ちることもあるということから。「茵に墜ち溷に落つ」とも読む。
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ていかい-しゅみ / 世俗を離れて、余裕ある心で自然や芸術にひたる態度。
605
低徊趣味
「低徊」は考え事をしたりしながら、ゆっくりと歩き回ること。「低」は「彽」、「徊」は「回」とも書く。
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ていこう-たんぺき / 水があぶらのように深く静かによどんで深緑色にたたえているさま。
606
渟膏湛碧
「渟」は水が流れずに留まっていること。「膏」はあぶらのこと。「湛碧」は深緑色の水が満ちている様子。
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でいしゅ-かんぎょく / 頭を土につけ、口に玉をふくむこと。謝罪降伏の儀礼。
607
泥首銜玉
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ていそう-ぎょくせき / 非常な贅沢をするたとえ。
608
鼎鐺玉石
「鼎」は権威や高い地位の象徴で、祭器として用いられた三本足の器。「鐺」は三本足の酒を温めるための器。「玉」は宝玉のこと。鼎を鐺のように酒を温めるために使い、宝玉を石のように扱うという意味から。「鼎をば鐺のごとく玉をば石のごとく」とも読む。
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ていとう-べんぱつ / 中国の周辺民族で行われた髪形。
609
剃頭辮髪
「剃」は剃ること、「辮」は髪を編むことで、頭の頭頂部を残して、周囲を剃って残った頭頂部を編んで後ろにたらした髪型。
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てきか-まんしゃ / 非常に人気があり評判なこと。また、非常な美少年のこと。
610
擲果満車
藩岳という人物は容姿がとても美しく、町を歩くだけで婦人たちに車が一杯になるほどの果物を投げられたという故事から。
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てっちゅうの-そうそう / 凡人の中では少し優れている者のたとえ。
611
鉄中錚錚
「錚錚」は金属の音の形容で、金や銀に比べると劣るが、鉄の中だと少し良い音がするという意味から。
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てっとう-ほうげん / まわりの人をまったく気にしないでしゃべりちらすこと。
612
跌蕩放言
「跌蕩」は小さなことにこだわらずに、すき放題すること。
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てつらん-きび / 軍隊などが敗走する形容。
613
轍乱旗靡
「轍乱」は車輪の跡が乱れること。「旗靡」は旗が横たわること。戦争で使う兵車の車輪の跡が乱れていて、軍旗が倒れているという意味から。
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てんい-しせき / 天子の威光が眼前にあること。
614
天威咫尺
「天威」は自然と恐れ従わせる天子の威厳。「咫尺」の「咫」は長さの八寸、「尺」は十寸ということから、「咫尺」は非常に近いという意味。天子の威光が非常に近くにあるという意味から。
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てんう-ちろ / 天と地。この世。
615
天宇地廬
「天宇」は空の屋根という意味から、空や世界のこと。「地廬」は地のいおりという意味から、大地のこと。
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てんがん-しせき / 天子のおそばに侍ること。
616
天顔咫尺
「天顔」は天子の顔。「咫尺」の「咫」は長さの八寸、「尺」は十寸のことから、「咫尺」は非常に近いことのたとえ。
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てんしん-らんまん / 純粋で無邪気なさま。
617
天真爛漫
「天真」は生まれるときに天から与えられた純粋な性格のこと。「爛漫」はありのままの状態で光輝く様子。
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てんせい-かいがん / 物事の最も大切なところ。物事を完成するための最後の大切な仕上げ。
618
点睛開眼
「点睛」は目を書くこと。他の部分は良い出来だが、最後の部分が物足りない状態のことをいう。南朝梁の画家の張僧ヨウが、安楽寺の壁に竜の絵を描いたが、目を描くと絵から出て飛び去ってしまうといって描かなかったが、信用しなかった人たちから、無理やり描かされると本当に飛び去ってしまったという故事から。
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てんたい-とそく / 苦労して労働すること。
619
霑体塗足
「霑」は濡れること。「塗」は泥で汚れること。泥まみれになり、びしょぬれになって畑仕事をするということから。「体を霑し足に塗る」とも読む。
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てんたん-かよく / あっさりして欲の少ないこと。
620
恬淡寡欲
「恬淡」は物事に執着せず、さっぱりとしていること。「寡欲」は欲がすくないこと。
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てんち-かいびゃく / 天地のはじまり。世界のはじまり。
621
天地開闢
「天地」は天と地のこと。「開闢」は始まり、開け始めという意味。一つの渾沌としたものがあり、それが二つに分かれて天と地になったという古代中国の神話から。
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てんてん-はんそく / 心配したり思い悩んだりして眠れず何度も寝返りをうつこと。
622
輾転反側
「輾転」と「反側」はどちらも寝返りをうつこと。「展転反側」とも書く。
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てんぱい-るろう / つまずき倒れながらさまよい歩くこと。
623
顚沛流浪
「顛沛」はつまづいて倒れること。「流浪」は当てもなくさまようこと。
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てんばつ-てきめん / 悪いことをすると、天の下す罰がすぐに現れること。
624
天罰覿面
「天罰」は天が下す罰のこと。「覿面」は実際に目撃するということから、すぐに効果が現われるということ。
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てんぽ-かんなん / 時運に恵まれず非常に苦労すること。
625
天歩艱難
「天歩」は天の運行。または、国家の運命のこと。「艱難」は災難や苦労という意味。
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てんぼ-くんこう / 『書経』にある典・謨・訓・誥の四体の文。『書経』の篇名の併称。聖人の教え。啓典。
626
典謨訓誥
「典」は時代が変わっても通用する軌範、尭典と舜典のこと。「謨」は治世のあり方、大禹謨、皐陶謨、益稷謨の三つ。「訓」は君主を導くための教え。「誥」は臣下に対する教え。
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てんもん-かいこう / 天の造化の門が開き閉じる。開くと万物が生成し、閉じると消滅することから、万物の生滅変化をいう。
627
天門開闔
「天門」はこの世にあるものが生まれ出るとされる門。「開闔」は開いたり閉まったりすること。天門が開くと全てのものが生まれ、閉じると全てのものが消滅するといわれている。
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とういつ-かんい / のんびりして自由なこと。寛大で優しいこと。
628
蕩佚簡易
「蕩佚」はのんびりと自由で寛大なこと。「簡易」は細かいことにこだわらず、おだやかでさっぱりしていること。
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とうおん-かせい / 親に孝行を尽くすこと。
629
冬温夏凊
冬は暖かく、夏は涼しく、過ごせるように気を配り環境を整えて」、親孝行をすることのたとえ
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とうか-きすい / 女性の月経をいう。
630
桃花癸水
「桃花」は女性を意味する雅語。「癸」は十干の十番目である”みずのと”のこと。「癸水」は月経のこと。
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どうぎ-きょかつ / 心中ではびくびくしながら相手をおどすこと。
631
恫疑虚喝
「恫疑」は恐れて迷うこと。「虚喝」は虚勢をはっておどすこと。こけおどし。
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どうき-ほうしゅ / 道理をもって物事をはかり定め、法度をみずから守る。
632
道揆法守
「道揆」は道理に基づいて物事をはかることで、政治を行う上位の者への教訓。「法守」は法を守ることで臣下など下位の者への教訓。
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どうきん-きょうちん / 同じしとねに枕を同じくして寝ること。
633
同衾共枕
「衾」は布団や夜具のこと。同じ布団で枕を共にするという意味から。
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とうこう-かいせき / 才能などを包み隠して表面にあらわさないこと。
634
韜光晦迹
「韜」は包み隠す、「光」は人のすぐれた才能のたとえ、「晦」は隠す、「迹」は「跡」と同じ意味で、痕跡という意味。「光を韜み、迹を晦ます」とも読む。「韜光晦跡」とも書く。
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とうこう-きほう / 才能が特別すぐれていること。
635
騰蛟起鳳
「騰蛟」は天に躍り上がる蛟竜のことで、雷雨を呼び洪水を起こすとされる伝説の竜。「起鳳」は飛び立つ鳳凰のこと。鳳凰は伝説の鳥。
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とうこ-きょくし / 災いをとりのぞくこと。
636
桃弧棘矢
「桃弧」は桃の木でできた弓。「棘矢」は茨の木でできた矢。どちらも魔よけの際に使う道具ということから。
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とうさい-かんか / 戦いがすんで平和になったことの形容。
637
倒載干戈
「倒載」は武器を上下逆に積むこと。「干戈」は盾と矛のことから武器の総称。殷の紂王を討伐した帰りに、武王が武器を逆に積み、刃を虎の皮で覆って戦いを二度としないと示した故事から。「干戈を倒載す」とも読む。
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とうじょう-しゅうこ / 今までのやり方を受け継いでその通りにしてゆくこと。
638
蹈常襲故
「蹈」は踏むこと。「襲」は受け継ぐこと。「常を蹈んで故を襲う」とも読み、「蹈襲」と略し、現在では「踏襲」の形で用いられる言葉。
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どうしょう-てっぺき / 守りの堅牢なことのたとえ。
639
銅牆鉄壁
「牆」は垣根のことで、銅の垣根と鉄の壁という意味から。
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とうしょう-りふ / 兄弟が互いに争い、反目することのたとえ。
640
桃傷李仆
「仆」は倒れるや倒すという意味。桃が傷つき李が倒れるという意味で、桃と李という似ている果実を兄弟にたとえた言葉。
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とうせつ-しぎ / 節操を守り、正義のために命を捨てること。
641
蹈節死義
「蹈節」は節操を守ること。「死義」は正義を守るために死ぬこと。「節を蹈み義に死す」とも読む。
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とうどう-しかつ / 老人のこと。
642
頭童歯豁
「頭童」は子どもの坊主頭という意味から、頭髪が薄くなった頭のたとえ。「歯豁」は歯が抜けて隙間が多くなるという意味。
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とうひ-とうしゃ / 蟷螂の斧。微弱な者が自分の力をかえりみず強者に立ち向かうたとえ。
643
螳臂当車
「螳臂」はかまきりの前足のこと。斉の荘公の車に、かまきりが前足を振り上げ、車を止めようと立ち向かってきたという故事から。
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どうほう-どうたく / 苦労をともにする親密な友。また、戦友のこと。
644
同袍同沢
「袍」は中に綿を入れた服のことで、防寒用の服。「沢」は汗取りのことで、下着のこと。衣服を貸し合って助けあった友人という意味から。
-
どうもく-けつぜつ / 驚いて呆然とすること。
645
瞠目結舌
「瞠目」は大きく目を開いて見るということから、驚くこと。「結舌」は舌を結ぶという意味から、舌が動かなくなって、声も出ない様子。
-
とうり-せいけい / 徳がある人のもとにはだまっていても自然に人が集まってくるということ。
646
桃李成蹊
「蹊」は狭い道、小道。桃やすももの花は美しく、実はおいしいために自然と人が集まり、道が出来るということから。「桃李言わざれども下自ずから蹊を成す」という言葉を略した言葉。
-
とき-こつらく / 書画や文章の筆致に盛んに勢いがあることのたとえ。
647
兔起鶻落
「鶻」は鳥のはやぶさのこと。うさぎが巣から素早く飛び出したり、はやぶさが急降下しながら獲物を捕らえたりする様子にたとえた言葉。
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とき-ふきょ / すばやいことのたとえ。
648
兔起鳧挙
兎が巣から素早く飛び出したり、鴨が飛び上がる様子にたとえた言葉。「兎起ち鳧挙がる」とも読む。
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ときょ-きしょ / いたるところに悪人がいることのたとえ。
649
蠹居棊処
「蠹」は木を食べる害虫の木食い虫。「棊」は囲碁の碁盤の上にある碁石。碁盤の上の碁石のように、木食い虫がたくさんいるという意味から。
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どくがく-ころう / 師匠や学問上の友もなく一人で学ぶと、見聞が狭くひとりよがりで頑なになる。
650
独学孤陋
「孤陋」は見識が狭く、考えや態度を変えようとしないこと。「独学固陋」とも書く。
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とくぎょ-ぼうせん / 目的を達すると、それまで役に立ったものを忘れてしまうこと。
651
得魚忘筌
「筌」は魚を捕まえるために水の中に設置する竹のかご。魚を捕まえたあとは、筌のことを忘れるという意味から。「魚を得て筌を忘る」とも読む。
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どくりつ-ふき / 自分の力や判断で行動し、他から束縛されないこと。
652
独立不羈
「不羈」はなにものにも繋ぎ止められないこと。
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どくりつ-ふとう / 他人に頼らず自立して活動し、困難にあってもへこたれないこと。
653
独立不撓
「撓」は枝がたわむということから、心が折れる、くじけるということのたとえ。
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とくろう-ぼうしょく / 人間の欲望には限りがないということ。
654
得隴望蜀
「隴」と「蜀」はどちらも中国の地名。後漢の光武帝が望みを叶えて、隴を手に入れたが、次は蜀が欲しいと望んだという故事から。「隴を得て蜀を望む」とも読む。
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とつげん-びんこう / 人格者はたとえ口は重くても、実行は正しく敏速でありたいということ。
655
訥言敏行
「訥言」は話が下手なこと。「敏行」は行動が素早いこと。「言に訥にして行いに敏なり」とも読む。
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とっさ-しった / わめき叫びながら大声でしかること。
656
咄嗟叱咤
「咄嗟」と「叱咤」はどちらも叱り付けるという意味。
-
とつど-えんげん / 岩石がごつごつと突き出た様子を人が怒った姿、また驕り高ぶるさまにたとえたもの。
657
突怒偃蹇
「突怒」は激しく怒っている様子。「偃蹇」はおごりたかぶっている人の様子。
-
とつとつ-かいじ / 驚くほど意外で怪しい出来事。
658
咄咄怪事
「咄咄」は驚いて声を上げること。「怪事」は不思議な出来事。晋の殷浩が、親友である桓温の讒言で貶められた悔しさを言い表した言葉から。
-
とどくの-ひつぼく / 人を害しそこなう書物。
659
屠毒筆墨
「屠毒」は害を及ぼすこと。「筆墨」は書物のこと。
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どば-じゅうが / 才能のない者でも、たえず努力すれば才能のある者に肩を並べることができるということ。
660
駑馬十駕
「駑馬」は、足の遅い馬のこと。「駕」は、馬に車をつけて走ること。足の速い馬は一日で千里もの距離を走るが、足の遅い馬でも十日間休まず走り続ければこれに追いつけるという意味から。
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とりょう-そうそう / 自分のことを謙遜していう語。また、人や物があり余るほどであること。
661
斗量帚掃
「斗量」はますで量を量ること。「帚掃」はほうきで掃くこと。どちらも余っていることのたとえで、自分のことを謙遜していう言葉。
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とんこう-ごりょう / 晋代に敦煌の人で太学で名声のあった五人の称。
662
敦煌五竜
「燉煌五竜」とも書く。
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どんとう-かっちょう / 心を入れ替えて善になることのたとえ。
663
呑刀刮腸
「刮腸」は小刀で内臓を抉り取るということ。小刀を飲み込んで、体の内側の悪い部分を削り取るという意味から。「刀を呑んで腸を刮る」とも読む。
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なんきつ-ほくき / 人も住む環境によって、良くも悪くもなること。
664
南橘北枳
江南ではとても美味しい橘(たちばな)を、淮水より北の土地に植えると食べることができない枳(からたち)になってしまうことから。
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なんこう-ほくちょう / 天子の威光と恩恵が四方八方に広くゆきわたること。
665
南洽北暢
「洽」と「暢」はどちらも広く行き渡るという意味。
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なんばん-げきぜつ / うるさいだけで意味のわからない言葉。
666
南蛮鴃舌
「南蛮」は南方の異民族の蔑称。「鴃舌」は百舌(もず)のさえずりのこと。南方の異民族がよくわからない言葉で話している様子を、百舌の騒がしい鳴き声にたとえたもの。
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なんばん-ほくてき / 古く中国人が南方や北方の異民族を蔑んで称したもの。
667
南蛮北狄
「南蛮」は南方の異民族の蔑称。「北狄」は北方の異民族の蔑称。
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にくざん-ほりん / ぜいたくな宴会のこと。
668
肉山脯林
「肉山」は積み上げた生肉の山。「脯林」は林のように多くの干し肉が吊るされていること。
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にくたん-けんよう / 降伏して臣下となることを乞い願うこと。
669
肉袒牽羊
「肉袒」は上半身を脱ぎ裸になることで、どんな罰でも受けるという降伏の意思を表すこと。「牽羊」は羊をひくという意味で、料理人になり仕えたいという意思を表すこと。
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にくたん-ふけい / 思うままに処罰せよと謝罪する作法のこと。真心からの謝罪のたとえ。
670
肉袒負荊
「肉袒」は上半身を脱ぎ裸になることで、どんな罰でも受けるという降伏の意思を表すこと。「負荊」は罪人を鞭打ちするための荊の鞭を背負うこと。「肉袒して荊を負う」とも読む。
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ねはん-じゃくじょう / 涅槃は苦しみのない安穏な理想郷であるということ。
671
涅槃寂静
「涅槃」は煩悩の炎を吹き消すという意味から、悟りの境地のこと。「寂静」は心静かに落ち着いた様子。仏教の基本的教義である「三法印」や「四法印」の中の一つ。
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ねんげ-みしょう / 言葉によらず、心から心へ伝えること。
672
拈華微笑
「拈華」は花をつねるという意味。釈迦が花を指でつねったところ、弟子の中で迦葉だけが意味を理解して微笑したので、釈迦は迦葉に仏法の奥義を授けたという故事から。
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ねんさい-げつおう / 最も不幸な日のこと。
673
年災月殃
「年災」は天災で穀物がだめになること。「月殃」は月の不運、報い、天罰などのこと。
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はいい-はいげん / 自分の性格を改めて修養しようと戒めのための物を身につけること。
674
佩韋佩弦
「佩」は身につけるという意味。「韋」はなめし皮のこと。「弦」は弓のつるのこと。中国の戦国時代、西門豹は短気な性格を直そうと「ゆったりとしたなめし皮」を身に着け、春秋時代の董安干は厳格な性格に改めるために「かたい弓のつる」を身につけたという故事から。
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ばいじつ-へいこう / 昼夜を分かたず急いで行くこと。
675
倍日并行
「倍日」は一日でその倍の二日分のことをすること、「并行」は合わせるという意味で、一日で二日分の行程を進むという意味から。「倍日併行」とも書く。
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はいしゅつ-はいにゅう / 道理に反した法令を出せば人民の恨みの声となって跳ね返ってくる。
676
悖出悖入
「悖」はもとる、さからうという意味
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はいとく-ぼつりん / 人間としての道を外れた行いのこと。
677
悖徳没倫
「悖徳」は徳に背いたり、逆らったりすること。「没倫」は人としての道徳をなくすこと。「徳に悖り倫を没す」とも読む。
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はいにゅう-はいしゅつ / 道理に背いた手段で得た財貨は、道理に背いた方法で出ていく。
678
悖入悖出
徳にそむく行いをすれば、道理をはずれたやり方で罰を受けるという意味から。「悖りて入れば悖りて出ず」とも読む。
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はいばん-ろうぜき / 酒宴の後、杯や皿が散らかっているさま。宴席の乱れたさま。
679
杯盤狼藉
「杯盤」は杯や皿などの食器のこと。「狼藉」は狼が寝るために敷いた草の散らかった様子のことから、酷く散らかっている様子のたとえ。
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はかい-むざん / 戒律を破っても少しも恥じないこと。
680
破戒無慙
「破戒」は不殺生、不偸盗、不邪淫、不妄語、不飲酒という仏教の戒律を破ること。「慙」は恥だと感じること。
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ばか-いんぎん / 度を越してていねいなこと。
681
馬鹿慇懃
必要以上に礼儀正しくて丁寧なこと。または、表面は非常に丁寧で礼儀正しいが、実際は尊大なために無礼なこと。
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はき-うんけつ / 文章が自在で非常に巧妙なこと。
682
波詭雲譎
「詭」と「譎」はどちらもいつわるやあやしいという意味で、波や雲のように自在に形を変えて、人の目を奪うということから。「波のごとく詭しく雲のごとく譎し」とも読む。
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はくいん-ぼうしょう / 広く資料を引用し、根拠をあげて事を論ずること。
683
博引旁証
「博引」はたくさんの資料や事例を用いて説明すること。「旁証」は証拠となるものを出して見せること。
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はくぎょく-こんきん / 人の素質が優れていて飾り気のないことのたとえ。
684
璞玉渾金
「璞玉」は、掘り出したばかりで磨かれていない宝玉の原石。「渾金」は、あらがね、精錬されていない鉱石。
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はくしき-こうぶん / 見識が広く物事をよく知っていること。
685
博識洽聞
「博識」は広い知識があること。「洽聞」は様々な経験があること。「博識広聞」とも書く。
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はくと-せきか / 一面に軍を展開すること。
686
白荼赤火
「白荼」は植物のちがやの白い花。白い色の軍隊と、赤い色の軍隊が向き合っている様子を白いちがやの花と、赤い火にたとえたもの。中国の春秋時代の呉と晋の戦争で、互いに一万の方陣を作ったのを見てたとえたという故事から。
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ばくばく-もうもう / ぼんやりしていてよくわからないさま。
687
漠漠濛濛
「漠」は薄暗い様子。「濛」は雨やもやなどで薄暗く、ぼんやりしていること。
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はくはつ-せいちん / 晩年に官を得ること。
688
白髪青袗
「白髪」は白い髪のことで、歳老いた人のこと。「青袗」は浅黄色の短い着物のことで、中国の宋の時代、位の低い文官の着ていたとされる制服のこと。
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はくへきの-びか / 立派な人あるいは物に、僅かな欠点があることのたとえ。
689
白璧微瑕
「白璧」は白い宝石。「微瑕」は少しきずがあること。白く美しい宝石に少しだけきずがあるという意味から。
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はくゆ-きゅうじょう / 親が年老いたことを知り、嘆き悲しむこと。
690
伯兪泣杖
「伯兪」は中国の漢の時代の人の名前。「杖」は鞭のこと。親孝行で知られていた伯兪は、過ちの罰として母親に鞭でたたかれたが、少しも痛みを感じなかったことに母親が老いて衰えたことを感じて泣いたという故事から。「伯兪杖に泣く」とも読む。「伯瑜泣杖」とも書く。
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はちめん-れいろう / 四方八方が透き通って明らかなこと。また、心にわだかまりがなく、すっきりと澄み切っていること。
691
八面玲瓏
「八面」はありとあらゆる方面のこと。「玲瓏」は宝石のように曇りなく透き通っていて美しい様子や、美しく鮮やかに輝く様子。
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はちめん-ろっぴ / 一人で何人分もの働きをすること。また、多方面でめざましく活躍すること。
692
八面六臂
「八面」は八つの顔。「六臂」は六つの腕。三つの顔と六つの腕を持つ密教の阿修羅像から「三面六臂」という言葉が生まれ、そこからありとあらゆる方向という意味の「八面」に変化したもの。
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はつうん-けんじつ / 気がかりなことがなくなって希望が持てるようになること。
693
撥雲見目
「撥雲」は日の光を遮る暗く厚い雲が晴れるということで、心配ごとがなくなることのたとえ。暗い雲が晴れて日の光がさすという意味から。「雲を撥き日を見る」とも読む。
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ばつざん-しょうすい / 困難を克服して長い旅を行く。
694
跋山渉水
「跋山」は山を越えること。「渉水」は河を渡ること。「山を跋み水を渉る」とも読む。
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はつよう-とうれい / 手足をあげ地を踏んで、激しい勢いで舞を舞うこと。
695
発揚蹈厲
「発揚」は盛んにすること。「蹈」は足踏みする。小踊りすること。「厲」は激しい厳しいさまをいう。
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はつらん-はんせい / 乱れた世を治めて、もとの正常な世に戻すこと。
696
撥乱反正
「撥乱」は乱世を治めること。「反正」は乱世になる前の平和な世に戻すこと。「乱を撥めて正を反す」とも読む。
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はべつも-せんり / 努力をすれば能力の劣るものでも成功するたとえ。
697
跛鼈千里
「鼈」はすっぽんのこと。足の悪いすっぽんでも、歩き続ければ千里の距離を移動することもできるということから。
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はら-てきけつ / 隠れた人材を見つけ出して用いること。また、人の秘密や欠点を暴き出すこと。
698
爬羅剔抉
「爬」は爪などでほじくって集めること。「羅」は網などで取りを捕まえること。「剔」は削り取ること。「抉」は抉り取ること。
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はらん-きょくせつ / 非常に込み入った事情。
699
波瀾曲折
「波瀾」は波と荒波という意味から、争いという意味。「曲折」は折れ曲がるという意味から、複雑な事情という意味。「波乱曲折」とも書く。
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はらん-ばんじょう / 物事の変化がきわめて激しいこと。
700
波瀾万丈
「波瀾」は移り変わりが激しいこと。または、揉め事や争い事などのこと。元々、「波」は小さい波、「瀾」は大きい波を意味する。「万丈」はとても高いことのたとえ。「丈」は長さの単位。「波乱万丈」とも書く。
-
ばり-ざんぼう / ありとあらゆる悪口を言うこと。
701
罵詈讒謗
「罵詈」は汚い言葉で相手の悪口を言うこと。「讒謗」は他人のことを悪く言うこと。
-
ばり-ぞうごん / 汚い言葉を吐きかけてののしること。
702
罵詈雑言
「罵詈」は汚い言葉で相手の悪口を言うこと。「雑言」は様々な悪口のこと。
-
はりゅう-きざ / 無作法なさま。
703
跛立箕坐
「跛立」は片足で立つこと。「箕坐」は足を投げ出して座ること。
-
ばんい-じゅうてき / 未開人の住む野蛮な国のこと。
704
蛮夷戎狄
「南蛮、東夷、西戎、北狄」という四方の異民族の呼称をまとめた言葉。
-
はんえん-がてつ / 立派な人の留任を希望して引き留めること。
705
攀轅臥轍
「攀轅」は車のまえに突き出た二本の棒、ながえにすがりつくこと。「臥轍」は車の進路に伏して通れないようにすること。中国の後漢の時代、秦彭や侯覇が転任したりするときに、住民が引きとめたという故事から。「轅に攀じて轍に臥す」とも読む。
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はんき-はんかつ / 食糧や水が十分でない。
706
半饑半渇
半分ほど飢えていて、半分ほど乾いているという意味から。「半飢半渇」とも書く。
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ばんこん-さくせつ / 事柄が入り組んで、解決が困難なこと。
707
槃根錯節
「槃根」は曲がりくねった木の根のこと。「錯節」は入り組んだ木の節のこと。「盤根錯節」とも書く。
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ばんじゅ-むきょう / いつまでも長生きをすること。
708
万寿無疆
「万寿」は一万年の寿命ということから、長生きのたとえ。「無疆」は限りがないということ。限りなく長生きしますようにと、長寿を祝う言葉。「万寿疆り無し」とも読む。
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はんじょ-じれん / 班婕妤は車に一緒に乗るのを断った。
709
班女辞輦
「班女」は班ショウヨのことで、班は姓名、ショウヨは女官の地位の名称。「輦」は天子の乗る車。中国の漢の成帝は、寵愛していた班ショウヨに車に一緒に乗るように言ったが、すぐれた君主はすぐれた臣下と車に乗り、王朝が滅びる前の君主は愛人を車に乗せると言って辞退したという故事から。「班女輦を辞す」とも読む。
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ばんぶつ-いんぷ / 国が栄えて万物が盛んで豊かなこと。
710
万物殷富
「殷富」は繁栄して豊かになること。
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ばんぶん-じょくれい / 形式や手続きが複雑で面倒なこと。
711
繁文縟礼
「繁文」はこまごました飾り。規則などがこまごまと煩わしいこと。「縟」は煩わしい、込み入っている意。「縟礼」は込み入った礼儀作法のこと。略して「繁縟」ともいう。
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はんりょう-ふき / すぐれた人物に仕えることによって、自分も出世すること。
712
攀竜附驥
「攀」はすがりつくということ。「驥」は一日で千里の距離を走るとされる、すぐれた馬のこと。竜やすぐれた馬にしがみつくという意味から。「竜に攀じ驥に附く」とも読む。
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はんりょう-ふほう / 権勢のある者に付き従って出世しようとすること。
713
攀竜附鳳
「攀」はすがりつくということ。「鳳」は中国の伝説上の鳥の鳳凰の雄のこと。竜や鳳凰にしがみつくという意味から。「竜に攀じ鳳に附く」とも読む。
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ひか-こうがい / 道理に反することや社会の不正・乱れをいきどおって嘆くこと。
714
悲歌慷慨
「悲歌」は悲しげに歌うこと。「慷慨」は不満を抱き嘆くこと。
-
びがん-しゅうは / 美人の艶かしい媚びる目つきのこと。
715
媚眼秋波
媚眼」は媚びるような目つき、「秋波」は秋の澄んだ水の波のことから美人の涼やかな目つきという意味。
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ひきゅう-くっせつ / 主義主張を変えてまで、人におもねりこびへつらうこと。
716
卑躬屈節
卑躬」は腰をかがめて頭を下げること。「屈節」は主義、主張を曲げること。
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ひけい-ざんきょく / 困難を克服し前進すること。
717
披荊斬棘
披」と「斬」はどちらも切り開く、「荊」と「棘」はどちらもいばらのことで、いばらの道を切り開いて先にすすむという意味から。
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ひけん-ずいしょう / 大勢の人があとからあとへと続くこと。
718
比肩随踵
比肩」は肩を並べるということから、人が多いということ。「随踵」は踵を踏むほどの間隔で続いてくること。「肩を比べ踵に随う」とも読む。
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ひしょう-しょうすい / 非常に悲しんで憂いやつれること。
719
悲傷憔悴
悲傷」は酷く悲しむこと。「憔悴」は精神的な苦痛や病気でやつれ衰えることから。
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ひじょ-ひょうか / 女性が苦しい境遇にいて、あてもなく辛苦するさま。
720
飛絮漂花
絮」は柳の花の綿毛、「花」は女性の形容。女性の境遇を、綿毛が風に吹かれて目的もなく漂う様子にたとえたもの。
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ひそう-りんり / 悲しく哀れな中にも意気のあること。
721
悲壮淋漓
悲壮」は悲しみの中でも勇ましい意気があること。「淋漓」は水などが滴ることや、意気が満ちること。
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びだい-ふとう / 臣下の力が強くてのさばり、君主の統制がとれないこと。
722
尾大不掉
尾大」は尾の大きさが大きいこと。「掉」は振り動かすこと。尾が大きすぎると自力で尾を動かすことができないという意味から。
-
ひっさく-ほうへん / 批評の態度が公正できびしい「春秋筆法」を表す語。
723
筆削褒貶
筆削」は必要な言葉を書き足したり、不必要な言葉を削ったりすること。「褒貶」はよいところは褒め、悪いところは貶すこと。
-
ひつりょく-こうてい / 文章の筆力が非常に強いこと。
724
筆力扛鼎
筆力」は文章の勢いや筆遣い。「扛鼎」は食べ物を煮るために使う青銅の器を持ち上げること。青銅で出来た重い器を持ち上げるほど、筆力が強いという意味から。「筆力鼎を扛ぐ」とも読む。
-
ひつろ-らんる / 大変苦労をして働くこと。
725
篳路藍縷
篳路」は植物の柴を編んで作った、作りの粗い車。「藍縷」は破れるほど使い古した衣服。
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ひなん-ごうごう / 過失や欠点を責めとがめる声が多く大きいこと。
726
非難囂囂
非難」は相手の欠点や失敗を責めること。「囂囂」はやかましいことや、非常に声が大きいこと。「非難囂々」とも書く。
-
ひば-けいきゅう / たいそう富貴なさま。また、富貴な人の外出のよそおい。
727
肥馬軽裘
肥馬」は肥え太った立派な馬。「軽裘」は軽くて高級で丈夫な皮ごろも。
-
ひはつ-えいかん / 非常に急いで行動すること。
728
被髪纓冠
被髪」は束ねずに乱れた髪の毛。「纓冠」は冠の紐を結ぶこと。乱れた髪を整えずに、そのまま冠の紐を結ぶという意味から。
-
ひはつ-さじん / 野蛮な風俗のこと。
729
被髪左衽
被髪」は束ねずに乱れた髪の毛。「左衽」は左前にして着物を着ることで、普通とは逆に着るという意味。「被髪左袵」とも書く。
-
ひはつ-ようきょう / 髪を振り乱して狂人のまねをすること。
730
被髪佯狂
被髪」は束ねずに乱れた髪の毛。「佯狂」は狂っているかのように見せかけること。古代中国の殷の紂王の臣下である箕子は、暴政を行う紂王を諫めたが聞き入れられなかった。君主のもとを去れば、君主の悪が公になってしまい、また、自分自身を弁解することにもなってしまうと考えた箕子は、髪を乱し、狂ったふりをして奴隷となったという故事から。
-
ひふん-こうがい / 不正や不義に憤りを感じ、嘆き悲しむこと。
731
悲憤慷慨
悲憤」は悲しんで憤ること。「慷慨」は社会の不正や世論が悪い方向に変わっていくことなどを憤り嘆くこと。似ている意味の言葉を重ねて強調した言葉。
-
ひゃくしょう-いっき / 江戸時代に、農民が結束して起こした暴動。
732
百姓一揆
一揆」は目的を果たすために、心を合わせて行動すること。飢饉や増税、役人の不正などで生活が苦しくなり、それらを解消しようとして起こしていた。
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ひゃくせつ-ふとう / 何度失敗しても志を曲げないこと。
733
百折不撓
百折」は何度も折れること。「不撓」は決して曲がらないこと。非常に意志が固いことをたとえた言葉で、物事が何度途中で駄目になっても、決して諦めないという意味から。
-
ひゃくよう-れいろう / 種々の美しさ。
734
百様玲瓏
百様」は数多くの種類のものがある様子。「玲瓏」は宝石のように澄み切っていて美しい様子。または、宝石や金属から出る澄んだ美しい音のこと。
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ひゃっか-りょうらん / 優れた人物や業績が、一時期にたくさん現れること。
735
百花繚乱
百花」は様々な種類のたくさんの花、「繚乱」は多くの花がまじり合って咲くことで、様々な種類の花がまじり合ってたくさん咲いているという意味。「百花撩乱」とも書く。
-
ひゃっこう-せんそう / 短所や欠点がたくさんあること。
736
百孔千瘡
百」と「千」はどちらも数が多いことのたとえ。「孔」は穴、「瘡」は切り傷。百の穴、千の切り傷があるという意味から。「百孔千創」とも書く。
-
ひょうおう-せつわん / 清らかで上品な文具のこと。また、それを用いて詩文を写すこと。
737
氷甌雪椀
氷甌」は氷でできたかめ。「雪椀」は雪でできたお椀。「冰甌雪椀」とも書く。
-
ひょうこつ-しんとう / すばやく揺り動かすこと。
738
飄忽震蕩
飄忽」は突然、いきなりという意味。「震蕩」は激しく揺らすこと。「飄忽震盪」とも書く。
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ひょうしつ-けいかん / すばしこくて強いこと。
739
剽疾軽悍
剽疾」は動きが速いこと。「軽悍」は動きが速く、気が強いこと。
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びょうにゅう-こうこう / 趣味や道楽に熱中したり、弊害などが手のつけられないほどになったりすることのたとえ。重病で治療が難しい状態のこと。
740
病入膏肓
膏肓」は治療のための鍼や薬が届かない、体の奥深い部分のこと。「病膏肓に入る」という形で使うことが多い言葉。
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ひよう-ばっこ / 強くてわがままに振る舞うことのたとえ。
741
飛揚跋扈
飛揚」は猛禽類の鳥が舞い上がること。「跋扈」は魚を捕まえるための竹垣の罠を飛び越えて逃げること。悪人などが、常識や規則などを無視して好き勝手に行動することをいう
-
ひろう-こんぱい / つかれはてること。
742
疲労困憊
困憊」は酷く疲れて弱ること。
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ひんぼ-りこう / 物事は外見にとらわれず、その本質を見抜くことが大切であるということ。
743
牝牡驪黄
牝牡」はめすとおすのこと。「驪黄」は色の黒色と黄色。中国の秦の穆公が、馬を見抜く名人である伯楽に推薦された九方皐に馬を探しに行かせた。九方皐が黄色い牝馬を見つけたという報告を受けたが、連れ帰られた馬は黒い牡馬であった。穆公は馬の色や性別も分からないのかと怒ったが、これに対して伯楽は色や性別などの見た目にこだわらず、馬本来の能力を見るべきだといった。そして、その馬は他と比べることのできないほどの名馬だったという故事から
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ふうい-たいじゅ / おごりたかぶらない人のたとえ。
744
馮異大樹
馮異」は後漢の将軍の名前で、馮異は他の将軍たちが手柄の話を始めると、大きな樹の下に移動して自身の功績を語ろうとしなかったという故事から。
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ふうう-せいせい / 風が吹き雨が降って、寒く冷たいさま。
745
風雨淒淒
風雨」は風と雨が激しいという意味から嵐のこと。「淒淒」は冷たくて寒い様子のことで、乱世のたとえとして用いることもある。「風雨凄凄」とも書く。
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ふうう-たいしょう / 兄弟が会うこと。
746
風雨対牀
牀」は床や寝床という意味で、兄弟が床を並べて、雨や風の音を心静かに聞きながら、語り合って眠るということから。
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ふうかん-うびん / 風にくしけずり雨に洗われる。風雨にさらされ苦労して勤労すること。
747
風鬟雨鬢
鬟」はまげ、「鬢」は耳のあたりの髪のびん。髪を風にとかされ、雨に洗われるという意味から。
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ふうがん-こしょう / いかめしくて厳しく、角立って人と融和しないために孤独なこと。
748
風岸孤峭
風岸」は融和できずにすぐに角が立ってしまう厳しい性格。「孤峭」は孤立した山などが険しく立っている様子。
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ふうき-びんらん / 社会風俗や規律が乱れること。
749
風紀紊乱
「紊乱」は乱れる、または乱すという意味。
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ふうこう-めいび / 自然の景色が清らかで美しいこと。
750
風光明媚
風光」は景色や眺め。「明媚」は景色が美しく澄んでいる様子。
-
ふうせい-かくれい / ささいなことに驚いたりおじけづいたりすること。
751
風声鶴唳
風声」は風の音。「鶴唳」は鶴の鳴き声。前秦の符堅の軍が東晋の軍に敗れて、敗走する時に兵たちは、風の音や鶴の鳴き声のようなわずかな音でも敵の追撃かと恐れて、壊滅したという故事から。
-
ふうん-えいじつ / 悪人が政権を握って世の中が暗くなることのたとえ。
752
浮雲翳日
浮雲」は日の光を遮る雲ということから悪人のたとえ。「翳日」は日の光を覆い隠すこと。「浮雲(ふうん)日(ひ)を翳(おお)う」とも読む。
-
ふうん-しょくう / 遠く離れ離れになっている夫婦がお互いを思い合っていることのたとえ。
753
巫雲蜀雨
巫雲」は中国の巫山という名前の山の雲。「蜀雨」は中国の蜀という名前の国に降る雨。
-
ふか-はんたく / 船の中に住まうこと。放浪する隠者の生活。
754
浮家泛宅
「泛宅」は水の上に浮いている家ということから、船のこと。
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ふくこう-ざいそく / 身辺の注意を怠らず、言動も慎むべきだということ。
755
伏寇在側
伏寇」は潜んでいる盗賊、「在側」は近いところにいるという意味。怠ることなく、いつも注意すべきだという戒めの言葉。「伏寇側に在り」とも読む。
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ふしゅ-ちょうじ / 人に媚びへつらう卑しい態度のこと。
756
俛首帖耳
俛首」は頭を伏せること。「帖耳」は耳を垂れること。犬が飼い主に従う様子ということから。「首を俛し耳を帖る」とも読む。「俯首帖耳」とも書く。
-
ふすう-じゃくやく / 喜んで小躍りするさま。
757
鳧趨雀躍
鳧趨」は鳥のかもが小走りに走ることで、かもは体を左右に揺らしながら小走りするということから、小躍りする様子のたとえ。「雀躍」は鳥の雀が踊ること。
-
ふぜい-けんゆう / 無用なもののこと。
758
附贅懸疣
附」はくっつくこと。「贅」と「疣」はどちらもこぶや、いぼのこと「懸」はぶらさがること。くっついていたり、ぶら下がっていたりするいぼやこぶということから。「附贅」は「付贅」とも、「懸疣」は「懸肬」とも書く。
-
ぶつろん-ごうごう / 世間の噂が騒がしいこと。
759
物論囂囂
物論」は世間のうわさや物議。「囂囂」は多くの人が声を出していて騒がしいこと。
-
ふとう-ふくつ / どんな困難にもくじけないこと。
760
不撓不屈
不撓」は心が折れないこと。「撓」は固いものが強い力で曲がるという意味。「不屈」は屈しないこと。決して諦めないという意味の「不撓」と「不屈」を重ねて強調した言葉。
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ふべつ-せいあい / 旅行のときの服装のこと。
761
布韈青鞋
布韈」は脛を保護するために巻く布製の脚半のこと。「青鞋」はわらじのこと。
-
ふゆうの-いちご / 人生の短くはかないことのたとえ。
762
蜉蝣一期
「蜉蝣」は虫の蜉蝣(かげろう)。「一期」は一生のこと。蜉蝣は朝に成虫になり、夕方には寿命で死ぬといわれているということから、儚いもののたとえ。
-
ふらち-せんばん / このうえなくふとどきなこと。非常にけしからぬさま。
763
不埒千万
「埒」は乗馬をする場所の囲いのこと。「不埒」は埒から外れるということから、法や道理から外れることをいう。「千万」は普通の程度を甚だしく超えていることを言い表す言葉。
-
ぶんし-こうぎゅう / 痛くも痒くもないこと。また、自分の実力をわきまえずに行動すること。
764
蚊子咬牛
「子」は小さいという意味。小さな蚊が大きな牛を刺すという意味から。「蚊子、牛を咬む」とも読む。
-
ぶんてん-ぶき / 天下太平なこと。
765
文恬武嬉
「恬」は心が穏やかな様子。文官は心安らかに落ち着いていて、武官は日々を楽しんでいるということから
-
へいい-ほうはつ / ボロボロで、汚い出で立ち。なりふり構わぬこと。
766
敝衣蓬髪
「敝衣」はぼろぼろの服。「蓬髪」は乱れ放題でよもぎのような髪のこと。「弊衣蓬髪」とも書く。
-
へいか-そうじょう / 武器が乱れ動くこと。兵乱の形容。
767
兵戈槍攘
「兵戈」は”ほこ”のことから武器という意味。「槍攘」は乱れ動く様子。
-
へいしょく-やゆう / 人生ははかなく短いので、せめて夜も灯りをともして遊び、生涯を楽しもうということ。
768
秉燭夜遊
「秉燭」は手に灯りを持つこと。
-
へいすい-そうほう / 人と人とが偶然に知り合いになること。
769
萍水相逢
「萍」は浮き草のこと。偶然の出会いを浮き草と流れる水にたとえた言葉。
-
へいそう-せんきん / 身の程を知らないで思い上がるたとえ。
770
弊帚千金
「弊帚」は使い古してぼろぼろになったほうきのことで、自分の物ならそのようなものでも千金の価値があると考えるという意味から。「敝帚千金」とも書く。
-
へいつい-しんせつ / 男女が離れて二度と会い得ないたとえ。
771
瓶墜簪折
「瓶」は井戸のつるべ、「簪」は玉のかんざしのことで、つるべの縄が切れて、縄が井戸の底に落ち、かんざしが二つに折れてしまうという意味から。
-
へいば-こうそう / 戦争に明け暮れて忙しいこと。
772
兵馬倥偬
「兵馬」は武器と馬という意味から戦争のこと。「倥偬」は忙しいという意味。
-
へきりつ-せんじん / 断崖が壁のように千仞も高く切り立ちそびえていること。
773
壁立千仞
「仞」は古代中国の高さや深さをあらわす単位のこと。
-
へきれき-いっせい / 突然雷が轟くこと。
774
霹靂一声
「霹靂」は前触れもなく急に雷鳴が轟くこと。「一声」は音が一度鳴ること。
-
へきれき-せんでん / 素早いことのたとえ。
775
霹靂閃電
「霹靂」は前触れもなく急に雷鳴が轟くこと。「閃電」は雷がきらめくこと。
-
べんざい-むげ / 弁舌の才能があり、よどみなく話すこと。
776
弁才無礙
「弁才」は弁舌の才能があること。「無礙」は何ものにも妨げられることがないこと。元は仏教語で、菩薩が仏の教えを他人に説く、すぐれた能力のことをいった言葉。「弁才無碍」とも書く。
-
へんたん-やくわん / 激しく怒ったり悔しがったりする様。
777
偏袒扼腕
「偏袒」は着物の片方の袖を脱いで肩を出すこと。「扼腕」は片手でもう片方の二の腕を強く握ること。どちらも感情を昂らせることのたとえ。
-
べんぺき-きんり / 外物にとらわれることなく実に切実なことを考えること。また、励ましによって物事の道理に近づくこと。
778
鞭辟近裏
「鞭辟」は馬車の御者が鞭を打ち鳴らして、その音で人込みを切り開くこと。「近裏」は内側という意味。鞭を打ち鳴らして、人込みを掻き分けて、人込みの内側に馬車が入っていくということから。「鞭辟して裏に近づく」とも読む。
-
へんぼう-かんきゃく / 漢字を構成する部首の総称。
779
偏旁冠脚
「偏」は漢字の左側の部分、へん。「旁」は漢字の右側の部分、つくり。「冠」は漢字の上部分、かんむり。「脚」は漢字の下部分、あし。漢字の部首は他にもあるが、それらを一まとめにしていう言葉。「偏傍冠脚」とも書く。
-
べんぼ-しし / 無用な物のたとえ。
780
駢拇枝指
「駢拇」は足の親指と人差し指がくっついて一つになっていること。「枝指」は手の親指が枝分かれして、親指の隣に六本目の指があること。
-
ぼうう-せんきゅう / 友人の来訪を喜んでもてなすこと。
781
冒雨剪韭
「冒雨」は雨を冒す、「剪韭」はにらを摘みにいくことで、来訪した客をもてなくために雨の中外に出て、にらを摘み食事をごちそうした故事から。
-
ほうおう-うひ / 夫婦の仲が睦まじいこと。
782
鳳凰于飛
「鳳凰」はおおとりのことで、「鳳」は雄、「凰」は雌とされ、つがいになって飛ぶことから、夫婦の中がとてもよいこと。または、徳の高い天子の下に、賢臣が多く集まること。
-
ほうおう-がんしょ / 天子の遣わした使者が勅書を携えていること。
783
鳳凰銜書
「鳳凰」は聖天子が出現する時に現れるとされる想像上の鳥。「銜」は口にくわえるという意味。鳳凰が勅書を口にくわえて持ってくるという意味からきた言葉。
-
ぼうおく-さいてん / 質素な家のこと。
784
茅屋采椽
「茅屋」はかやぶきの屋根。「采椽」は手を加えていない切り出しただけの材木のこと。
-
ほんかい-りんき / 他人のことを嫉妬したり、ねたんだりすること。また、他人の恋愛をねたむこと。
785
法界悋気
「法界」は全ての世界、宇宙万物という意味。仏教語。「悋気」は嫉妬する心のこと。
-
ほうかん-げきたく / 低い役職の人のこと。
786
抱関撃柝
「抱関」は門番、「撃柝」は夜警のことで、どちらも地位の低い仕事であることから。
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ほうがん(はんがん)-びいき / 弱い方に同情し、味方したり応援したりすること。
787
判官贔屓
「判官」は官職の名前のことで、ここでは源義経のこと。「贔屓」は特に目をかけて可愛がったり手助けをしたりすること。源義経が兄の源頼朝に嫉妬されて滅ぼされたことに対して人々が同情を寄せたことから。
-
ぼうこ-ひょうが / 向こうみずのたとえ。血気に任せた無謀な行動のこと。
788
暴虎馮河
「暴虎」は虎を素手で殴ること。「馮河」は大河を歩いて渡るという意味。どちらも無謀な行動のたとえ。孔子が弟子の子路を戒めた言葉。
-
ぼうじ-せいちゅう / 他人の仕事にわきから口を出して邪魔すること。
789
旁時掣肘
「旁」はそば、近い場所という意味。「掣肘」は肘を引っ張るという意味から、仕事の邪魔をすること。「旁らより時に掣肘す」とも読む。
-
ほうし-ちょうだ / 貪欲で残酷な人のたとえ。
790
封豕長蛇
「封豕」は大きないのしし。いのししは何でも食べるということから、欲深いことのたとえ。へびは大きなものでもそのまま飲み込むということから、残酷なことのたとえ。中国の春秋時代、楚の国の申包胥が言ったとされる言葉から。「封豕長蛇を為す」を略した言葉。
-
ぼうじゃく-ぶじん / 人前にもかかわらず、勝手で無遠慮な振る舞いをすること。
791
旁若無人
「傍(かたわら)に人(ひと)無(な)きが若(ごと)し」と訓読する。「旁若無人」とも書く。
-
ぼうぜん-じしつ / 気が抜けてぼんやりしてしまい、どうしてよいかわからなくなること。
792
茫然自失
「茫然」は予想外のことに、気が抜けてぼんやりすること。「自失」は放心してぼんやりすること。「呆然自失」とも書く。
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ほうでん-ぎょくさい / 美しいもののたとえ。
793
宝鈿玉釵
「鈿」と「釵」はどちらもかんざしのこと。
-
ほうとう-ふき / 気の向くまま勝手に振る舞う。
794
放蕩不羈
「放蕩」は好き勝手に振る舞うこと。「不羈」はなにものにも縛られないこと。
-
ぼうと-しょうぜん / かやぶきの垣根が物寂しいさま。
795
茅堵蕭然
「茅堵」はかやぶきの垣根がある粗末な家のことで、田舎の家をいう。「蕭然」はひっそりとしていて物寂しい様子。
-
ぼうび-こうはつ / 白毛がまじったまゆと白い髪。老人のこと。
796
尨眉皓髪
「尨」は白髪混じりという意味。「皓」は色が白いという意味。髪や眉に白い毛が混じるという意味から。
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ほうへき-じゃし / わがまま勝手な悪い行為のこと。
797
放辟邪侈
「放」は好き勝手に振る舞うこと。「辟」はかたよること。「邪」は道理にはずれた正しくないこと。「侈」は相手を見下して高慢な態度をとること。
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ほうもく-さいせい / 凶悪で冷酷な人のこと。
798
蜂目豺声
「豺」は気性の荒い、狼に似た山犬のこと。蜂のように細い目と山犬のような気味の悪い声という意味から。
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ほうゆう-らんこう / 男女間の情事、交接(性交)のたとえ。
799
鳳友鸞交
「鳳」と「鸞」はどちらも中国の伝説の鳥で、「鳳」は鳳凰、「鸞」は鳳凰に似ている霊鳥。それらの美しい鳥の交わりを人の男女にたとえた言葉。
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ほくえん-てきそ / 志と行動とが相反するたとえ。
800
北轅適楚
「轅」は前進する方向に向けられるかじ棒のこと。「適」はその向きに行くことで、かじ棒は北を向いているのに、何故か南にある楚の国に行くという意味から。
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