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今日は都のみぞ思ひやらるる。
想像する
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さは、三条院の御末は絶えねとおぼしめし、おきてさせ給ふか。
あらかじめ決める
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汝らは古い者どもなり。いくさのやうをもおきてよ。
指図する
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女もいやしければ、すまふ力なし。
抵抗する
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門強くさせ。
閉める
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など、あたら夜を御覧じさしつる。
途中で~のをやめる
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あかぬ別れの涙には、袖しほたれてほしあへず。
涙で袖が濡れる
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さりぬべき折見て、対面すべくたばかれ。
工夫する
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佐々木にたばかられけり。浅かりけるぞや。渡せや渡せ。
だます
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それにこそ、菅原の大臣、御心のままにまつりごち給ひけれ。
政治を行う
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帝をわがままに、おぼしきさまのまつりごとせむものぞ。
政治
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かへすがへす独りごちて臥し給へり。
ひとりごとを言う
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いとらうらうじく、歌詠み給ふことも、おとうとたち、御息所よりもまさりてなむいますかりける。
もの慣れている
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姫君は、らうらうじく、深く重りかに見え給ふ。
気品がある
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しばし見るもむくつけければ、往ぬ。
不気味だ
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昔のよしみをわすれぬことはあはれなれども、思ひ立つこそおほけなけれ。
身の程知らずだ
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見し夢を、心一つに思ひあはせて、また語るひともなきが、いみじういぶせくもあるかな。
気が晴れない
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ことさらにやつれたるけはひしるく見ゆる車二つあり。
明白だ
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のたまひしもしるく、十六夜の月をかしきほどにおはしたり。
~もそのとおりに
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ひとり、灯火のもとに文を広げて、見ぬ世の人を友とするぞ、こよなう慰むわざなる。
格段である
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織物は、紫。白き。紅梅もよけれど、見ざめこよなし。
格段に劣っている
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涙にくれてゆく先も見えねば、なかなかなりける見参かなと、今はくやしうぞ思はれける。
悔やまれる
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堀川相国は、美男のたのしき人にて、そのこととなく過差を好み給ひけり。
裕福だ
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女、いと思はずに、似たる声かなとまで、あさましうおぼゆ。
思いがけない
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内裏わたりはなほけはひことなりけり。
別である
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同じ人ながらも、心ざしある折とかはりたる折は、まことにこと人とぞおぼゆる。
違う
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むげにいろなく、いかにのり給ひけるぞ。
情趣
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万にいみじくとも、色好まざらん男は、いとさうざうしく、玉の巵の底なき心地ぞすべき。
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こころなき身にもあはれは知られけり鴫立つ沢の秋の夕暮れ
情趣を解する心
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この獅子の立ちやう、いとめづらし。深きゆゑあらん。
理由
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すべて人はおいらかに、少し心掟のどやかに、落ち居ぬるをもととしてこそ、ゆゑもよしもをかしく、心やすけれ。
品格
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ゆゑある木かげに立ちやすらひ給へる院の御かたち、いと清らにめでたし。
風情
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「誰々かとまり給へる」とさりげなくてあない問ふ。
内情
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鎌倉にてよくよくこの川の御沙汰は候ひしぞかし。
評議
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世静まり候ひなば、直線の御沙汰候はんずらん。
指図
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若狭の国に沙汰すべきことありて行くなりけり。
処置
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さればよ。あるやうあらむ。
わけ
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その山、見るに、さらに登るべきやうなし。
手段
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人の召しに従うてこそ参れ。左右なう推参するやうある。
こと
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かねてのあらまし、皆違ひゆくかと思ふに、おのづから違はぬこともあれば、いよいよ物は定めがたし。
計画
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公事どもしげく、春のいそぎにとり重ねて催し行はるるさまぞ、いみじきや。
準備
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宰相の君と二人、物語してゐたるに、殿の三位の君、簾のつま引き開けて居給ふ。
先
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夕べの露のしげきも涙を催すつまなるべし。
きっかけ
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小松の帝の御母、この大臣の御母、はらからにおはします。
姉妹
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世の中の例として、思ふをば思ひ、思はぬをば思はぬものを、この人は、思ふをも、思はぬをも、けぢめ見せぬ心なむありける。
区別
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伊勢の君の、弘徽殿の壁に書きつけたうべりし歌こそは、そのかみに、あはれなることと人の申ししか。
その時
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そのかみのことなど思ひ出づるに、めでたき喜びの涙ならんかし。
その昔
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皇胤なれど、姓たまはりて、ただ人にて仕へて、位につきたる例やある。
臣下
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一の人の御有様はさらなり、ただ人も、舎人など賜はるきはは、ゆゆしと見ゆ。
普通の貴族
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