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責任準備金の三つの役割
・未経過責任に対応する費用の期待値
・大数の法則が短期的に機能しないことおよびリスクの構造変化に対応する役割
・通常の期待損失額を大きく上回る損害に備える役割
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国際的な会計制度にて検討されている責任準備金の考え方と現行の会計制度のそれの違い
現在推計:将来CFの割引現在価値は未経過責任というより契約上の将来責任に対応している
MOCE:金額・タイミングの不確実性に対するマージンはロス支払いに対して資本を維持するため必要な調達コストであり以上危険準備金とは違う。
通常の期待損失額を大きく上回る損害に備える役割は資本が担う。
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未経過期間に対応する費用の期待値として責任準備金の認識方法二つ
収支残高法:収益たる保険料から当該収益に対する既発生費用を控除した残額を未発生費用として認識
未経過保険料法:費用は時間の経過に比例して発生するものと考え、未経過期間に対応する収益の未発生費用として認識
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未経過期間に対応する費用の期待値としての責任準備金の認識方法二つの違いは
収支残高法は収益が実現した会計年度において利益の認識を一切行わず翌年度以降に持ち越すが、
未経過保険料法は保険期間の経過に応じて利潤部分が利益として実現する。
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未経過期間に対応する費用の期待値としての責任準備金の認識方法二つを適正なものとするための二条件
料率水準が適正に決定されている。
保険事故の発生が期待値通りである。
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保険業法施行規則70条3項
前二項に積み立てられた責任準備金では、
将来の債務の履行に支障をきたす恐れがあると認められる場合には、
追加して普通責任準備金または払い戻し積立金を積み立てなければならない。
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損保会社の第二分野商品について、
普通責任準備金として未経過保険料を積み立てるが、
その金額は初年度収支残を下回ってはならない。
これはなぜか。
未経過保険料:既経過機関に比例して填補責任は果たされたとして、既経過割合を保険料に乗じ、その結果を当期収益とし、残った部分を翌期に繰り越すという期間損益重視の考え方に根差す
初年度収支残:保険料率は収支相当の原則から構成されているため保険料は最終的に保険金と事業費に等しくなると考え、その年度において発生したその契約の保険金・事業費を差し引いた残りを翌期以降の填補の原資とする
この二つの大きいほうを責任準備金とする考えは保守主義の会計原則を採用したもので損保事業の円滑な運営に資するため。
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規則70条第一項第一号に規定する...
当該事業年度に保険料を収入した保険契約、
のために支出した保険金には回払契約に係る次に掲げる金額を含む。
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保険期間が一年以内の回払契約における当年度に収入保険料がある保険契約のための支出保険金の調整項は
(L+L'-L")*S*T
それぞれの意味は?
L:前事業年度に保険料を計上した契約に係る当事業年度に計上した正味支払ロス
L':前事業年度に保険料を計上した契約に係る当事業年度に積み立てた支払備金(IBNR備金を除く)
L":前事業年度に保険料を計上した契約に係る前事業年度に積み立てた支払備金
S:収入保険料(再保険契約に係るものを除)に占める回払契約に係る収入保険料の割合
T:前事業年度に一回目の保険料を計上した回払契約の、当事業年度における保険金のうち、当事業年度に収入した収保に対する発生保険金の割合
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初年度収支残高の考え方において、収支相当の原則前提で成立する関係式、損益の認識方法
収保ー決算日までの支出保険金・事業費=決算日後の保険金・事業費に見合う保険料+事業損益
当年度契約に係る損益は初年度でなく翌年度において認識する。
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初年度収支残高の損益認識方法は
何と同じ発想?
契約年度別収支計算法と同じ発想で
初年度収支残高は二年間で締め切る契約年度別収支計算法による責任準備金
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初年度収支残の計算における分割払い契約に係る調整の考え方
初年度収支残における分割払契約にかかる調整は
初年度収支残の算出に使用する当年度勘定保険料には、前年度以前の契約の回払契約で当年度に収入する保険料が含まれるので、
前年度以前の契約に係る保険金の一部を当年度勘定保険金に加えて収支対応を図る。
概要は以下
・保険期間が一年以内の回払契約
当年度計上の前年度契約に係る保険金に
回払の割合と回払の種類に対応した所定の率を乗じて得られる額
・保険期間が一年を超える回払契約
当年度計上の前年度以前の契約に...以下同文
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保険契約を再保険に付した場合、当再保険を付した部分に相当する責任準備金・支払備金を不積立とすることができるが、その留意事項三つは、
・再保険契約においてリスクを将来にわたって確実に移転する性質のものであること
・再保険会社からの回収の蓋然性が高いこと
・回収の蓋然性の評価を財務状況について詳細に把握して行うこと。
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保険業法施行規則71条2
保険会社は、保険契約を金融庁長官が定める再保険に付した場合、再保険に付した部分に係る保険契約から発生することが見込まれる収益をもとに計算した手数料を収受したときは
収受した金額を責任準備金に積み立てる。
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保険業法施行規則71条3
保険会社は保険契約を金融庁長官が定める再保険以外の再保険に付した場合について規定した手数料を収受したときは
収受した金額を預り金として計上する
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異常危険準備金の10年洗い替え制度
火災保険における異常危険準備金
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