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oryan 2024年12月12日 カード176 いいね0

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整形外科学
  • 骨のバイオロジーに関する記述で正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 骨には長管骨と扁平骨がありいずれも皮質骨と海綿骨によって構成される。
    b. 海綿骨において骨梁に半球様の層構造を作る骨単位をオステオンという。
    c. 骨の形成様式には膜性骨化と内軟骨性骨化がある。
    d. 骨成分では無機質が重量比で全体の 50% を占める。
    e. 骨芽細胞が骨基質に埋め込まれて形成される骨細胞は骨吸収機能を持つ。
    a.骨には長管骨と扁平骨がありいずれも皮質骨と海綿骨によって構成される。
    c.骨の形成様式には膜性骨化と内軟骨性骨化がある。

    b:海綿骨において骨梁に半球様の層構造を作る骨単位はパケットである。オステオンは皮質骨において血管の通るハ
    バース管を同心円状に取り巻く骨単位のことを指す。
    c:膜性骨化では骨芽細胞が直接骨を形成する。長管骨横径や頭蓋骨などの骨膜による骨形成様式である。一方で,内
    軟骨骨化は最初に軟骨形成が起こりその後に骨組織へ置換される骨形成様式で,骨端軟骨で起こる長軸方向への成長な
    どがある。軟骨内骨化が障害されると軟骨無形成症!
    d:無機質は重量比で全体の 70% を占め,リン酸カルシウムよりなる。残りの 20% はタンパク質(うち 90% がコラー
    ゲン)で,10% が非コラーゲンタンパク。
    e:骨細胞は骨芽細胞の一部が骨基質に埋め込まれて形成したもので,骨基質と骨塩恒常性の維持という機能がある。
  • 骨のバイオロジーに関する記述で誤っているのはどれか。2つ選べ。

    a. 皮質骨において,フォルクマン管を取り囲む円柱形の微小区域をオステオン (骨単位) と呼ぶ
    b. フォルクマン管の中には血管や神経が存在する
    c. 神経終末は骨内膜に主に分布している。(北川想像)
    d. 海綿骨には皮質骨のような微小区域は存在しない
    e. 骨塩の主成分はリン酸カルシウムである
    a. 皮質骨において,フォルクマン管を取り囲む円柱形の微小区域をオステオン (骨単位) と呼ぶ
    c. 神経終末は骨内膜に主に分布している。(北川想像)
    d. 海綿骨には皮質骨のような微小区域は存在しない

    aについてオステオンはハバース管を取り囲む
    c について,外骨膜には
    感覚神経終末が分布しており,痛みを感じる。骨折で痛みが激しいの
    は,骨膜の感覚神経が刺激されるためである。
  • 運動器の基本構造に関する記述で誤っているものはどれか。

    a. 長管骨は骨端,骨幹端,骨幹から構成される。
    b. 成長期には骨幹端と骨幹の間に成長軟骨板が存在し,長軸方向の成長に寄与している。
    c. 関節は,骨,軟骨,関節包,靱帯,滑膜などから構成される。
    d. 脊柱は,椎間板,左右一対の椎間関節で上下の椎体が連結されて構築されている。
    e. 脊柱管内では,脊髄は第 1 腰椎以遠で馬尾になる。
    b. 成長期には骨幹端と骨幹の間に成長軟骨板が存在し,長軸方向の成長に寄与している。

    成長軟骨板が存在するのは骨端と骨幹端の間である。
    c について,補足として滑膜は滑液を産生する。
    e:脊柱管内では脊髄を内包し,各椎体間から左右の神経根が分岐し脊柱管外に出る。
  • 運動器の基本構造に関する記述で誤っているのはどれか。2つ選べ。

    a. 長管骨は骨端,骨幹端,骨幹から構成される
    b. 成長期には,骨幹端と骨幹の間に成長軟骨板が存在し,長軸方向の伸長に寄与している
    c. 関節は骨,軟骨,関節包,靭帯,滑膜などから構成される
    d. 伳は筋肉の収縮力を効果的に骨に伝える
    e. 成人では脊髄は第 3 腰椎以遠で馬尾になる
    b. 成長期には,骨幹端と骨幹の間に成長軟骨板が存在し,長軸方向の伸長に寄与している
    e. 成人では脊髄は第 3 腰椎以遠で馬尾になる

    解答は b,e。成人では脊髄は第 1 腰髄以遠で馬尾になる。
  • 骨代謝調節ホルモンに関する記述で正しいのはどれか。

    a. ビタミン D が過剰になると骨軟化症になる。
    b. 副甲状腺ホルモンは骨形成を促進する。
    c. カルシトニンは骨吸収を促進する。
    d. 閉経後にエストロゲンが欠乏すると骨粗鬆症になる。
    e. 原発性副甲状腺機能亢進症では骨量が増加する。
    d. 閉経後にエストロゲンが欠乏すると骨粗鬆症になる。

    a:ビタミン D が欠乏すると骨軟化症(くる病)になる。
    b:副甲状腺ホルモンは骨吸収を促進し骨量減少を起こす。一方,副甲状腺ホルモンを間欠的に投与すると骨量増加を
    認め,骨粗鬆症の治療に応用され始めている。
    c:カルシトニンは破骨細胞の機能を抑制して骨吸収を抑制する
    d:エストロゲンには骨吸収を抑制する作用がある。そのため,閉経後にエストロゲンが欠乏すると骨吸収の亢進が起
    こり骨粗鬆症となる。
    e:原発性副甲状腺機能亢進症では副甲状腺ホルモンの分泌が増加することで骨吸収の亢進が起こり,骨量が減少する。
  • 骨代謝調節ホルモンに関する記述で誤っているのはどれか。2つ選べ。

    a. ビタミン D が欠乏すると骨軟化症になる。
    b. 副甲状腺ホルモンの間欠的投与は骨形成を促進する。
    c. カルシトニンは骨吸収を促進する。
    d. 閉経後にエストロゲンが欠乏すると骨粗鬆症になる。
    e. 低カルシウム血症は Sudeck(ズディック)骨萎縮の原因となる.
    c. カルシトニンは骨吸収を促進する。
    e. 低カルシウム血症は Sudeck(ズディック)骨萎縮の原因となる.

    ズディック骨萎縮とは、打撲や骨折などの外傷によって骨が急性に萎縮する症状のことをいう。ズ
    ディック骨萎縮は、骨折に合併した自律神経系の血管運動神経失調によって、末梢血管の血流不全から起こるものとい
    われている。低カルシウム血症により生じるのは骨粗鬆症や骨折などが挙げられる。
  • 骨芽細胞の記述で誤っているのはどれか。2つ選べ。

    a. 細胞癒合により多数の核を持つ。
    b. アルカリホスファターゼ活性が強い。
    c. I 型コラーゲンを合成する。
    d. 骨基質を形成する。
    e. マクロファージから分化する。
    a. 細胞癒合により多数の核を持つ。
    e. マクロファージから分化する。

    骨芽細胞はアルカリホスファターゼを産生しており,骨芽細胞のマーカーとなっている。骨を構成するコラーゲンは
    主に I 型であり,骨芽細胞が産生する。
  • 骨を構成する細胞に関する記述で誤っているのはどれか。

    a. 骨細胞は骨基質の中に埋没して存在する
    b. 骨細胞は骨基質を産生する
    c. Receptor activator of nuclear factor kappa B ligand (RANKL) は破骨細胞の分化を促進する
    d. 破骨細胞は細胞融合により多数の核をもつ
    e. 破骨細胞の起源は造血幹細胞である
    b. 骨細胞は骨基質を産生する

    1 骨芽細胞:主な役割は骨形成で,骨基質蛋白の産生や分泌,骨基質の石灰化の誘導,分泌した骨基質に埋入して骨細
    胞になる。(破骨細胞とは異なり,核は1つ)未分化間葉系細胞から分化する。
    2 骨細胞:主な役割は骨の維持や調節である。骨の石灰化の調節や破骨細胞の誘導,骨への力学的刺激の感知などを
    行う。この骨細胞は骨芽細胞由来である。
    3 破骨細胞:主な役割は骨吸収で,骨基質の分解・吸収を行う。細胞癒合により多数の核を持つ。破骨細胞はマクロ
    ファージなどと同じく造血系幹細胞から分化する。
  • 正しい組み合わせを2つ選べ。

    a. 関節軟骨-硝子軟骨
    b. 椎間板-弾性軟骨
    c. 半月板-線維軟骨
    d. 関節唇-硝子軟骨
    e. 耳介-線維軟骨
    a. 関節軟骨-硝子軟骨
    c. 半月板-線維軟骨

    硝子軟骨は関節や気管に,弾性軟骨は耳介や喉頭蓋に,線維軟骨は椎間板や半月板にみられる。
  • 軟骨のバイオロジーに関する記述で正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 成長軟骨細胞は静止層軟骨細胞から増殖軟骨細胞,肥大軟骨細胞へと分化する。
    b. 関節軟骨は長軸方向の成長に関与し,障害されると四肢の短縮などを生じる。
    c. 関節軟骨の細胞外基質は水分 70%,コラーゲン 20%,プロテオグリカン 10% からなる。
    d. 関節軟骨は最表層から,浅層,中間層,深層,輝板,石灰化層に分類される。
    e. 軟骨基質の I 型コラーゲンやプロテオグリカンの障害が進行すると変形性関節症を生じる。
    a. 成長軟骨細胞は静止層軟骨細胞から増殖軟骨細胞,肥大軟骨細胞へと分化する。
    c. 関節軟骨の細胞外基質は水分 70%,コラーゲン 20%,プロテオグリカン 10% からなる。

    a:正しい。成長軟骨細胞は静止層軟骨細胞から増殖軟骨細胞,肥大軟骨細胞へと分化
    する。
    b:関節軟骨ではなく成長軟骨。
    c:正しい。
    d:関節軟骨は最表層から輝板,浅層,中間層,深層,石灰化層の順である。輝板は
    フィブロネクチンとコンドロイチン硫酸を含む表面の薄い層である。
    e:軟骨基質の破壊により生じる変形性関節症は,II 型コラーゲンの分解と網目構造の
    破壊,プロテオグリカンの喪失による。
  • 骨化に関する記述で正しいのはどれか。

    a. 骨膜は内軟骨性骨化に関与する。
    b. 骨端軟骨は長管骨の長軸方向への成長に関与する。
    c. 関節軟骨は膜性骨化に関与する。
    d. 全ての骨端は生下時に単純 X 線像で確認できる。
    e. 骨の成長中に骨吸収は行われていない。
    b. 骨端軟骨は長管骨の長軸方向への成長に関与する。

    a:骨膜は骨芽細胞が直接骨を形成する膜性骨化に関与。
    b:骨端軟骨は成長軟骨とも呼ぶ。
    c:関節軟骨は関節を構成する骨端部を覆い,関節運動における潤滑と荷重緩衝作用を持つ。血管,リンパ管,神経を
    欠く。
    d:骨端には骨端核が存在し,成長とともに変化する。部位により骨端核の出現時期がことなっており,骨年齢評価の
    指標となる。手部の手根骨骨端核は生下時には単純 X 線写真上は確認できない。
    e:骨は成長過程においても骨吸収と骨形成を繰り返し,一定の形を保って成長する。この現象をモデリングという。
  • 関節軟骨に関する記述で正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 軟骨細胞は軟骨組織の全容積の 2% を占める
    b. 水分は軟骨組織の湿重量の 50% を占める
    c. 膜性骨化に関与する。
    d. 血液で栄養される。
    e. プロテオグリカンの多くをアグリカンが占める。
    a. 軟骨細胞は軟骨組織の全容積の 2% を占める
    e. プロテオグリカンの多くをアグリカンが占める。

    a:軟骨組織はほとんどが細胞外基質であることを思い出そう。
    e:アグリカンについて少し補足。アグリカンは陰性荷電であり,水分子と Na+ を引き寄せることで関節軟骨の弾性と
    硬さを維持するという重要な役割を持つ。
  • 四肢の筋に関する記述で誤っているのはどれか。

    a. 筋の末端は,伳や伳膜となって骨や靭帯に付着している。
    b. 白筋や赤筋の区別があるが,赤筋は I 型線維が主体の速筋である。
    c. 偏光顕微鏡での横紋には A 帯と I 帯があり,アクチンとミオシンが重なるのが A 帯である。
    d. 全ての筋繊維は運動単位を構成し,神経筋伝達物質はアセチルコリンである。
    e. 徒手筋力テストは 6 段階評価である。
    b. 白筋や赤筋の区別があるが,赤筋は I 型線維が主体の速筋である。

    b:赤筋は I 型線維主体の遅筋であり,白筋が Ⅱ型線維が主体の速筋である。
    c:横紋はアクチンとミオシンが重なる暗い A 帯とアクチンのみの明るい I 帯により形成される。
    e:0 (筋肉の収縮なし)から 5 (強い抵抗下で重力に抗して可動域内を完全に動かせる)の間の六段階で評価する。
  • 深部伳反射と支配神経根高位の組み合わせで正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 上腕二頭筋反射- C3
    b. 腕橈骨筋反射- C5-7
    c. 上腕三頭筋反射- T1
    d. 膝蓋筋反射- L3-4
    e. アキレス腱反射- L5
    b. 腕橈骨筋反射- C5-7
    d. 膝蓋筋反射- L3-4

    • 三角筋反射 :C4-6:腋窩神経
    • 上腕二頭筋反射:C5,6:筋皮神経
    • 腕橈骨筋反射 :C5-7:橈骨神経
    • 上腕三頭筋反射:C7,8:橈骨神経
    • 膝蓋伳反射 :L3,4:大腿神経
    • アキレス腱反射:S1,2:脛骨神経
  • 深部伳反射と支配神経根高位の組み合わせで正しいのはどれか。3つ選べ。

    a. 上腕二頭筋反射- C5
    b. 腕橈骨筋反射- C6
    c. 上腕三頭筋反射- T1
    d. 膝蓋筋反射- L5
    e. アキレス腱反射- S1
    a. 上腕二頭筋反射- C5
    b. 腕橈骨筋反射- C6
    e. アキレス腱反射- S1

    • 三角筋反射 :C4-6:腋窩神経
    • 上腕二頭筋反射:C5,6:筋皮神経
    • 腕橈骨筋反射 :C5-7:橈骨神経
    • 上腕三頭筋反射:C7,8:橈骨神経
    • 膝蓋伳反射 :L3,4:大腿神経
    • アキレス伳反射:S1,2:脛骨神経
  • 神経根障害を示す神経徴候でないのはどれか。

    a. スパーリング(Spurling)テスト
    b. ジャクソン (Jackson) テスト
    c. ティネル (Tinel) 徴候
    d. 下肢伸展挙上テスト
    e. 大腿神経伸展テスト
    c. ティネル (Tinel) 徴候

    ティネル徴候は障害された知覚神経の再生状態を示すもので,神経線維の再生部を叩くと放散痛が確認される。(これは名前だけ覚えたらよさそう)
  • 表在知覚に関する記述で誤っているのはどれか。

    a. 母指 - C6
    b. 乳頭 - T4
    c. 剣状突起 - T7
    d. 鼠径部 - L3
    e. 母趾 - L5
    d. 鼠径部 - L3

    d。鼠径部はおよそ Th12,L1 レベルである。
  • 表在知覚に関する記述で誤っているのはどれか。2

    a. 母指 - C6
    b. 小指 - T1
    c. 剣状突起 - T7
    d. 臍部 - T10
    e. 足背中央 - S1
    b. 小指 - T1
    e. 足背中央 - S1

    b,e。見た限りだと小指は C8,足背中央は L5
  • 次の組み合わせで正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 関節リウマチ - 尿中 Bence-Jones 蛋白
    b. ユーイング(Ewing)肉腫 - CRP 上昇
    c. 多発性骨髄腫 - 低カルシウム血症
    d. 骨肉腫 - 高アルカリホスファターゼ値
    e. 周期性四肢麻痺 - 高ナトリウム血症
    b. ユーイング(Ewing)肉腫 - CRP 上昇
    d. 骨肉腫 - 高アルカリホスファターゼ値

    a:尿中 Bence-Jones 蛋白は骨髄腫にて陽性となる。関節リウマチではリウマチ因子が高値となる。
    b:ユーイング肉腫,炎症,好酸球肉芽腫では CRP 上昇が見られる。
    c:多発性骨髄腫では骨変化,骨融解を認め,血液中カルシウムは高値を示すことが多い。
    d:骨代謝亢進(上皮小体機能亢進症など),骨破壊(腫瘍,骨転移など),Paget 病などではアルカリホスファターゼ高
    値を示す。
    e:カリウムの変化により周期性四肢麻痺を呈する。(基本上昇)
  • 次の組み合わせで正しいものを2つ選べ。

    a. 関節リウマチ - 抗環状シトルリン化ペプチド (CCP) 抗体
    b. 偽痛風 - 血中尿酸値上昇
    c. 多発性骨髄腫 - 低カルシウム血症
    d. ユーイング肉腫 - CRP 上昇
    e. 周期性四肢麻痺 - 低カリウム血症
    a. 関節リウマチ - 抗環状シトルリン化ペプチド (CCP) 抗体
    d. ユーイング肉腫 - CRP 上昇
  • 血液・尿生化学的検査と疾患の組み合わせで正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 痛風 - 血清尿酸値の高値
    b. 原発性骨粗鬆症 - 血清 Ca 値の高値
    c. 原発性上皮小体亢進症 - 血清 Ca 値の低値
    d. 進行性筋ジストロフィー - CK: creatinine kinase の低値
    e. 腎性くる病 - 血清 P の高値
    a. 痛風 - 血清尿酸値の高値
    e. 腎性くる病 - 血清 P の高値

    b:原発性骨粗鬆症では Ca 値は基準値以内にあることが多い。
    c:上皮小体亢進症についてだが,上皮小体ホルモン PTH は強力なカルシウム上昇作用を有するため,血中 Ca は高値
    を示す。
    d:進行性筋ジストロフィーでは CK の高値を示す。
    e:慢性腎不全では無機リンは高値を示す。腎性くる病ではカルシウムは低値,リンは高値を示すことが多い。
  • 血液・尿生化学的検査と疾患の組み合わせで正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 偽痛風 - 関節内白血球数増多
    b. 原発性骨粗鬆症 - 血清 Ca 高値
    c. 原発性上皮小体亢進症 - 血清 Ca 低値
    d. 骨肉腫 - 血清アルカリホスファターゼ高値
    e. 進行性筋ジストロフィー - CK: creatinine kinase の低値
    a. 偽痛風 - 関節内白血球数増多
    d. 骨肉腫 - 血清アルカリホスファターゼ高値

    a:その通り。偽痛風(ぎつうふう、Pseudogout)とはピロリン酸カルシウム二水和物 (CPPD) の関節軟骨や周囲組
    織への沈着を原因とした、関節炎を来す疾患の総称である。痛風と同じような関節炎の症状を起こしますが、高尿酸血
    症が見られないことから名付けられた。
    b:原発性骨粗鬆症では Ca 値は基準値以内にあることが多い。
    c:上皮小体亢進症についてだが,上皮小体ホルモン PTH は強力なカルシウム上昇作用を有するため,血中 Ca は高値
    を示す。
    d:骨折や骨腫瘍,骨粗鬆症,くる病,骨 Paget 病,上皮小体機能亢進では ALP が上昇する。
    e:進行性筋ジストロフィーでは CK の高値を示す。
  • 診察に関する記述で正しいのはどれか。2 つ選べ。

    a. 上肢長は肩峰から尺骨茎状突起までの長さである。
    b. 下肢長には2種類あり,その一つは上前腸骨棘から下腿骨遠位の内果までの長さである。
    c. 下肢長には2種類あり,その一つは大腿骨小転子から下腿骨遠位の外果までの長さである。
    d. 大腿周径は最大周径で計測する。
    e. 前腕周径は最大周径で計測する。
    b. 下肢長には2種類あり,その一つは上前腸骨棘から下腿骨遠位の内果までの長さである。
    e. 前腕周径は最大周径で計測する。

    ・上肢長:肩峰から橈骨茎状突起までの長さ
    ・下肢長:1上前腸骨棘から下腿骨遠位の内果までの長さ or 2大腿骨大転子から下腿骨遠位の外果までの長さ
    ・大腿周径:膝蓋骨上縁から 5,10,15cm 近位などと位置を決めて常に同じ場所を測定し,左右比較して評価
    ・上腕周径:上腕の最も大きな部位で計測
    ・前腕周径:前腕の最も大きな部位で計測
    ・下腿周径:下腿の最も大きな部位で計測
  • 診察に関する記述で正しいのはどれか。3つ選べ。

    a. 徒手筋力テストは 1 ~ 5 の5段階である。
    b. 下肢長は上前腸骨棘から脛骨内果までの長さである。
    c. 前腕周囲は最大周囲で計測する。
    d. 大腿周囲は膝蓋骨上極より 10 センチ近位で計測する
    e. 下腿周囲は膝蓋骨下極より 10 センチ遠位で計測する
    b. 下肢長は上前腸骨棘から脛骨内果までの長さである。
    c. 前腕周囲は最大周囲で計測する。
    d. 大腿周囲は膝蓋骨上極より 10 センチ近位で計測する

    徒手筋力テストは0-6(たしか)
  • コンパートメント症候群に関する記述で正しいのはどれか。2 つ選べ。

    a. コンパートメントの内圧は 5mmHg を越えれば筋膜切開が必要である。
    b. フォルクマン拘縮は大腿骨骨折に合併する拘縮である。
    c. 初発症状として疼痛を訴えることが多い。
    d. 処置に緊急性を要することは少ない。
    e. 上腕骨顆上骨折に発生することが多い。
    c. 初発症状として疼痛を訴えることが多い。
    e. 上腕骨顆上骨折に発生することが多い。

    骨・骨間膜・筋膜で囲まれた区画内の内圧上昇による循環障害
    その結果,筋肉壊死・神経障害をきたす。
    非常に強い腫脹と疼痛,知覚障害,運動障害をきたす。
    症状,所見に注意し,緊急の処置を要することも多く,特に内圧が 30 ~ 40mmHg 以上では筋膜切開が必要である。
    フォルクマン拘縮は上腕骨顆上骨折に合併することが多く,転位骨片による上腕動脈圧迫もしくはコンパートメント症候群により,前腕部屈筋の阻血性壊死をきたしたもの。ギプス固定などをしている場合はまずは外的圧迫の解除が重
    要となる。
  • コンパートメント症候群に関する記述で誤っているのはどれか。1 つ選べ。

    a. 筋肉・神経への血行障害を生じる。
    b. 診断にはコンパートメントの内圧測定が有用である。
    c. 皮膚は赤色を呈する。
    d. 処置に緊急性を要し,筋膜切開を行う。
    e. フォルクマン拘縮は前腕の屈筋群に生じたコンパートメント症候群である。
    c. 皮膚は赤色を呈する。

    骨・骨間膜・筋膜で囲まれた区画内の内圧上昇による循環障害
    その結果,筋肉壊死・神経障害をきたす。
    非常に強い腫脹と疼痛,知覚障害,運動障害をきたす。
    症状,所見に注意し,緊急の処置を要することも多く,特に内圧が 30 ~ 40mmHg 以上では筋膜切開が必要である。
    フォルクマン拘縮は上腕骨顆上骨折に合併することが多く,転位骨片による上腕動脈圧迫もしくはコンパートメント症候群により,前腕部屈筋の阻血性壊死をきたしたもの。ギプス固定などをしている場合はまずは外的圧迫の解除が重
    要となる。
  • 大腿四頭筋の徒手筋力テストで仰臥位では下肢の挙上ができなかったが,側臥位では前方に動かすことができた。正しい筋力はどれか。

    a. 5 (Normal)
    b. 4 (Good)
    c. 3 (Fair)
    d. 2 (Poor)
    e. 1 (Trace)
    d. 2 (Poor)

    5 normal 強い抵抗下で重力に抗して可動域内を完全に動かせる
    4 good かなりの抵抗下で重力に抗して可動域内を完全に動かせる
    3 fair 重力に抗して可動域内を完全に動かせる
    2 poor 重力を除くと可動域内を完全に動かせる
    1 trace 筋肉の収縮のみで関節の動きはない
    0 zero 筋肉の収縮なし
  • 画像検査に関する記述で正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 単純 X 線検査は骨・関節を扱う整形外科では基本である。
    b. MRI は非侵襲的検査であり撮影時には体内のチェックの必要はない。
    c. MRI では T1 強調,T2 強調像で診断を行い,造影検査はできない。
    d. ガリウムシンチグラフィは骨腫瘍や骨髄炎などを検査するのに有用である。
    e. 超音波検査は簡便で非侵襲的であるが腫瘍の診断には適していない。
    a. 単純 X 線検査は骨・関節を扱う整形外科では基本である。
    d. ガリウムシンチグラフィは骨腫瘍や骨髄炎などを検査するのに有用である。

    X 線検査:骨・関節。輪郭,形状,欠損,陰影の濃淡などを評価。
    MRI:骨だけでなく,骨髄組織,筋,脊髄,軟部組織(伳,靭帯,線維組織 etc)などが評価可能。血管の描出
    も可能。
    CT:骨病変の立体構造変化の観察に有用
    Ga シンチグラフィー:悪性度の高い腫瘍や骨髄炎などの炎症がある場合,高い集積。
    超音波検査:簡便で非侵襲的。骨,軟骨,軟部,血流の評価。腫瘍の性状や質的診断(充実腫瘍か液体を含んでいる腫瘍なのか)において有用。
    骨シンチグラフィー:骨病変の評価
    FDG-PET/CT:腫瘍や炎症の評価。糖代謝が亢進しているところに集積。がん検診。

    b,c MRI は骨だけでなく,骨髄組織,筋,脊髄,軟部組織(伳,靭帯,線維組織など)などを評価できる。体内金属の
    確認が不可欠である。また,T1,T2 に加えて造影剤を用いての検査を行う。
  • 画像検査に関する記述で正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 単純 X 線検査は骨・関節を扱う整形外科では基本である。
    b. MRI は非侵襲的検査であり撮影時には体内のチェックの必要はない。
    c. MRI では T1 強調,T2 強調像で診断を行い,造影検査はできない。
    d. FDG-PET/CT では糖代謝が亢進している部位に集積を認める。
    e. 超音波検査は簡便で非侵襲的であるが腫瘍の診断には適していない。
    a. 単純 X 線検査は骨・関節を扱う整形外科では基本である。
    d. FDG-PET/CT では糖代謝が亢進している部位に集積を認める。

    X 線検査:骨・関節。輪郭,形状,欠損,陰影の濃淡などを評価。
    MRI:骨だけでなく,骨髄組織,筋,脊髄,軟部組織(伳,靭帯,線維組織 etc)などが評価可能。血管の描出
    も可能。
    CT:骨病変の立体構造変化の観察に有用
    Ga シンチグラフィー:悪性度の高い腫瘍や骨髄炎などの炎症がある場合,高い集積。
    超音波検査:簡便で非侵襲的。骨,軟骨,軟部,血流の評価。腫瘍の性状や質的診断(充実腫瘍か液体を含んでいる腫瘍なのか)において有用。
    骨シンチグラフィー:骨病変の評価
    FDG-PET/CT:腫瘍や炎症の評価。糖代謝が亢進しているところに集積。がん検診。
  • MRI に関する記述で正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 高信号は画像上,黒く描出する。
    b. 水平面,矢状面など多数の撮影方向を規定できる。
    c. T1 強調画像では脂肪は筋肉より高輝度となる。
    d. T2 強調画像では脂肪は筋肉より低輝度となる。
    e. 髄液は T2 強調画像で骨髄より低輝度となる。
    b. 水平面,矢状面など多数の撮影方向を規定できる。
    c. T1 強調画像では脂肪は筋肉より高輝度となる。

    MRI 輝度の基準は筋肉
    T1,T2 ともに低信号:骨皮質,石灰化組織,伳,靭帯,半月板など
    T1 低信号,T2 高信号:水,関節液,脳・脊髄液など
    T1 高信号:骨髄,脂肪など
    造影剤増強:腫瘍,炎症

    T1強調画像
    骨  …… 無信号(黒)
    水  …… 低信号(灰)
    脂肪 …… 高信号(白)
    T2強調画像
    骨  …… 無信号(黒)
    水  …… 高信号(白)
    脂肪 …… 低信号〜高信号(灰〜白)
  • MRI に関する記述で正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 輝度の基準は筋肉である。
    b.なし
    c. 脂肪は T1 強調画像,T2 強調画像ともに高輝度である
    d. 水は T1 強調画像では高輝度,T2 強調画像で低輝度である。
    e. 線維は T1,T2 どちらでも高輝度である。
    a. 輝度の基準は筋肉である。
    c. 脂肪は T1 強調画像,T2 強調画像ともに高輝度である

    MRI 輝度の基準は筋肉
    T1,T2 ともに低信号:骨皮質,石灰化組織,伳,靭帯,半月板など
    T1 低信号,T2 高信号:水,関節液,脳・脊髄液など
    T1 高信号:骨髄,脂肪など
    造影剤増強:腫瘍,炎症

    T1強調画像
    骨  …… 無信号(黒)
    水  …… 低信号(灰)
    脂肪 …… 高信号(白)
    T2強調画像
    骨  …… 無信号(黒)
    水  …… 高信号(白)
    脂肪 …… 低信号〜高信号(灰〜白)
  • 次の保存療法の選択について誤っているのはどれか。2つ選べ。

    a. 骨粗鬆症-ビスフォスフォネート製剤
    b. 変形性膝関節症-生物製剤
    c. 骨折-ギプス固定
    d. 先天性内反足-リーメンビューゲル装具
    e. 腰椎椎間板ヘルニア-骨盤牽引
    b. 変形性膝関節症-生物製剤
    d. 先天性内反足-リーメンビューゲル装具

    a:現在,骨粗鬆症の薬物治療にはビスフォスフォネート製剤の内服が最も利用されている。
    b:生物学的製剤は関節リウマチに使用される。
    c:骨折の保存療法としては徒手整復とギプス固定が多い。
    d:リーメンビューゲル装具は先天性股関節脱臼治療の第 1 選択であり,多くの場合は装着により脱臼は整復される。
    e:腰椎椎間板ヘルニアには骨盤牽引がしばしば行われる。
  • 次の保存療法の選択について誤っているのはどれか。2つ選べ。

    a. 骨粗鬆症-選択的エストロゲン受容体モジュレーター製剤
    b. 変形性膝関節症-生物製剤
    c. 先天性内反足-ギプス固定
    d. ペルテス病-リーメンビューゲル装具
    e. 環軸椎回旋位固定-頸椎牽引
    b. 変形性膝関節症-生物製剤
    d. ペルテス病-リーメンビューゲル装具

    a:選択的エストロゲン受容体モジュレーター製剤はエストロゲン低下を補う薬であり、閉経後骨粗鬆症の第一選択薬である。
    b:生物学的製剤は関節リウマチに使用される。
    c:先天性内反足はギプス固定して矯正する。
    d:リーメンビューゲル装具は先天性股関節脱臼治療の第 1 選択であり,多くの場合は装着により脱臼は整復される。ペルテス病は大腿骨頭に生じる無腐性壊死である。
    e:痛みがそれほど強くない場合には頸椎カラーなどの装具で頸部を安静にすると1週間程度で症状が改善することが多いです。しかし痛みが長引く場合は激烈な痛みで日常生活が困難となる場合には、入院し頸椎牽引(持続的に首を
    引っ張る治療)が必要となることがあります。
  • 運動器疾患の保存治療法について正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 患者自身の自己治癒力を補助する。
    b. 局所の安静が必要な場合,患部以外も安静に保つことが肝要である。
    c. 高齢者の場合,積極的にリハビリテーションを行ってはならない。
    d. ブロック療法は手術的治療の一つに分類される。
    e. 安静も保存療法の選択肢に数えられる。
    a. 患者自身の自己治癒力を補助する。
    e. 安静も保存療法の選択肢に数えられる。

    b:機能低下を最小限とするために患部以外は積極的に動かす。
    d:ブロック療法は保存療法の一つである。
  • 関節液について正しいもの

    a. 正常関節液は淡黄色である。
    b. 正常関節液は粘稠度が低い
    c. 正常関節液の白血球は 200/mm3 以下
    d. 化膿性の関節液は混濁している。
    e. 関節内骨折では関節液に脂肪滴はない
    a. 正常関節液は淡黄色である。
    c. 正常関節液の白血球は 200/mm3 以下
    d. 化膿性の関節液は混濁している。

    脂肪滴を含む関節内血腫をみた場合,この脂肪は骨髄由来であるため,関節内骨折を疑うということになる。
  • 関節液について誤っているのはどれか。2つ選べ。

    a. 正常関節液は淡黄色である。
    b. 正常関節液は粘稠度が低い
    c. 正常関節液の白血球は 2000/mm3 以下
    d. 化膿性の関節液は混濁している。
    e. 関節内骨折では関節液に脂肪滴が見られる
    b. 正常関節液は粘稠度が低い
    c. 正常関節液の白血球は 2000/mm3 以下
  • 非ステロイド系消炎鎮痛剤についての記述で正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 鎮痛作用と抗炎症作用はあるが解熱作用はない。
    b. 外傷後の仏痛には用いられない。
    c. 主な副作用には胃腸障害,腎障害,肝障害がある。
    d. 塩基性薬物の代表例としてエモルファゾンがある。
    e. 酸性非ステロイド系消炎鎮痛剤はその副作用のためにあまり用いられることはない。
    c. 主な副作用には胃腸障害,腎障害,肝障害がある。
    d. 塩基性薬物の代表例としてエモルファゾンがある。

    a:鎮痛,抗炎症,解熱の3つの作用がある。
    b:主な適応は,変形性関節症,関節リウマチ,腰痛症,肩関節周囲炎,外傷後の仏痛などである。
    c:副作用としては胃腸障害,腎障害,肝障害,薬物アレルギー,出血傾向など
    d:エモルファゾンは塩基性の非ステロイド系消炎鎮痛剤の代表である。
    e:プロピオン酸系などの酸性非ステロイド系消炎鎮痛剤が多く用いられている。
  • ヒアルロン酸ナトリウム注射薬が使用される疾患について適当なものはどれか。2つ選べ。

    a. 変形性肘関節症
    b. 肩関節周囲炎
    c. 変形性膝関節症
    d. 腰椎すべり症
    e. 手根管症候群
    b. 肩関節周囲炎
    c. 変形性膝関節症

    ヒアルロン酸ナトリウムの関節内注射が適応となっている疾患は,変形性膝関節症・肩関節周囲炎・関節リウマチの3疾患がある。
  • 薬物療法に関する組み合わせで正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 非ステロイド性抗炎症薬- COX 阻害
    b. ヒアルロン酸-骨代謝改善
    c. ビスフォスフォネート-骨吸収抑制
    d. ステロイド薬-関節リウマチに禁忌
    e. 生物学的製剤-抗菌作用
    a. 非ステロイド性抗炎症薬- COX 阻害
    c. ビスフォスフォネート-骨吸収抑制

    a:酸性 NSAIDs の共通作用機序は,プロスタグランジン(PG)の合成酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害して,PG の産生を抑制し,消炎鎮痛効果を示す。
    b:骨代謝改善作用はなく,関節内において潤滑や衝撃緩衝作用を示す。
    c:強力な骨吸収抑制作用を示し,骨粗鬆症の治療剤となる。
    d:高度の炎症を示す場合や他の薬剤が奏効しない関節リウマチに投与される。
    e:強い抗炎症作用と関節破壊抑制作用を示すが,抗菌作用はない。
  • 次の手術療法の選択について標準的でない手術法はどれか。2つ選べ。

    a. 脛骨骨折-引き寄せ鋼線締結
    b. 大腿骨骨幹部骨折-髄内釘
    c. 下腿開放骨折-創外固定
    d. 大腿骨頚部内側骨折(ガーデン分類 stageIV 型)-プレートとスクリュー固定
    e. 骨折後偽関節-遊離骨移植
    a. 脛骨骨折-引き寄せ鋼線締結
    d. 大腿骨頚部内側骨折(ガーデン分類 stageIV 型)-プレートとスクリュー固定

    a:引き寄せ鋼線締結は張力がかかる部位を鋼線で締結する固定法であり,肘頭骨折や膝蓋骨骨折などに用いられる。脛骨骨折の場合はより強固であるプレートや髄内釘が選択される。
    b:長管骨骨幹部は髄内釘固定の良い適応である。大腿骨では近位または遠位からの髄内釘挿入により骨折型によっては早期荷重歩行も可能。
    c:下腿開放骨折で組織損傷と汚染が軽度で(ガステロ分類 type I,時に type II)golden period 内であれば内固定可能であるが,組織損傷と汚染が高度である場合(type III)または golden period を超えたものは原則として創外固定を行う。
    d:大腿骨頸部骨折(Stage IV)では人工骨頭置換術が一般的に行われる。骨接合を行っても骨癒合を得られる可能性は低く,骨頭壊死を生じる可能性も高いためプレートとスクリュー固定は標準的な手術法ではない。
    e:偽関節は保存療法では骨癒合の可能性がない。一般には硬化または萎縮した偽関節部を新鮮化して血流のある骨を露出した後に骨移植を併用した骨接合術を行う。
  • 開放骨折の golden time は受傷後何時間か。1つ選べ。

    a. 1 時間
    b. 3 時間
    c. 6 時間
    d. 12 時間
    e. 24 時間
    c. 6 時間
  • 運動器疾患の手術治療に関する記述で誤っているのはどれか。2つ選べ。

    a. 失われた機能を再建することが目的である。
    b. 術後のリハビリテーションまで一貫した計画のもとに実施する。
    c. 内視鏡下手術など最小侵襲手術が普及し始めている。
    d. 無菌操作は必ずしも必要ない。
    e. 保存療法よりも手術療法が優先する。
    d. 無菌操作は必ずしも必要ない。
    e. 保存療法よりも手術療法が優先する。

    c:膝関節や肩・手関節の鏡視下手術に加えて手根管症候群・肘部管症候群に対する内視鏡下手術,脊椎内視鏡や足関
    節鏡も普及し始めており術後早期社会復帰が可能となった。
    d:人工関節やインプラントを使用する場合は厳密な無菌操作が必要である。
    e:特に小児では手術療法よりも保存療法が優先されることが多い。成人においても鎖骨骨折や前距腓靭帯断裂,アキ
    レス伳断裂などは保存療法が選択されることが多い。
  • 運動器疾患の手術治療に関する記述で誤っているのはどれか。2つ選べ。

    a. 失われた機能を再建することが目的である。
    b. 術後のリハビリテーションまで一貫した計画のもとに実施する。
    c. 内視鏡下手術など最小侵襲手術が普及し始めている。
    d. 周術期の抗菌薬の予防投与は術直後に行う。
    e. 整形外科手術で感染の予防投与に用いられる抗菌薬は第一世代セフェム系である。
    d. 周術期の抗菌薬の予防投与は術直後に行う。
    e. 整形外科手術で感染の予防投与に用いられる抗菌薬は第一世代セフェム系である。

    周術期の抗菌薬の予防投与は術後感染の発症を防止するために行うものなので,術直後では遅い。
    多分第3セフェムや4セフェム
  • 手術療法に関して正しいのはどれか。2つ選べ。
    a. 人工関節手術は若年者から積極的に行うべきである。
    b. 骨接合術に使用した内固定材は骨癒合したら抜去することがある。
    c. 近年,内視鏡下手術などの最小侵襲手術が普及してきている。
    d. 術後の感染予防には抗生物質を長期間投与することが重要である。
    e. 手術療法は保存療法よりも骨癒合が早い。
    b. 骨接合術に使用した内固定材は骨癒合したら抜去することがある。
    c. 近年,内視鏡下手術などの最小侵襲手術が普及してきている。

    a:人工関節手術は一般に 60 歳以上の関節疾患患者に行われる。
    b:若い患者や内固定材料が刺激症状を呈したりしている場合は抜釘することがある。
    d:抗生物質は短期間使用し薬剤耐性が生じないようにする。
    e:手術を行っても遷延治癒骨折や偽関節を呈することがあり,一概には言えない。
  • 手術療法に関して正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 脊椎ではまだ内視鏡手術はない。
    b. 創外固定器を用いた仮骨延長術が普及してきている。
    c. 関節鏡を股関節に行うことはできない。
    d. 骨移植は自家骨よりも人工骨の方が優れている。
    e. 関節固定術は疼痛除去と支持性の獲得を目的に行う。
    b. 創外固定器を用いた仮骨延長術が普及してきている。
    e. 関節固定術は仏痛除去と支持性の獲得を目的に行う。

    b:創外固定器で脚延長したり,四肢の矯正を行うことは整形外科の基本手術の1つである。
    c:股関節手術は一般化している
    d:自家骨は病変部位と関係ない腸骨部に傷をつけ,採骨部をきたす弊害があるが,人工骨は骨誘導能や骨伝導能では自家骨に劣る。
    e:関節固定すると疼痛除去効果が得られ,不安定感が和らぎ支持性が増す。
  • 手術療法に関して正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 人工関節手術は若年者から積極的に行うべきである。
    b. 創外固定器を用いた仮骨延長術が普及してきている。
    c. 手術療法は保存療法よりも骨癒合が早い。
    d. 骨移植は自家骨よりも人工骨の方が優れている。
    e. 関節固定術は疼痛除去と支持性の獲得を目的に行う。
    b. 創外固定器を用いた仮骨延長術が普及してきている。
    e. 関節固定術は疼痛除去と支持性の獲得を目的に行う。
  • 伳の手術について誤っているのはどれか。2つ選べ。

    a. 腱縫合術-腱の断裂に対する処置
    b. 腱延長術-腱縫合ができない断裂に対して自己の他の伳を利用して再建する
    c. 腱移行術-重要な筋の麻痺に対して,麻痺がなく重要性の少ない筋の腱を利用し麻痺筋の機能を代償
    d. 腱移植術-筋拘縮に起因する変形や運動制限の改善のために行う
    e. 腱切離術-痙性麻痺などで変形の原因となっている腱に対する処置
    b. 腱延長術-腱縫合ができない断裂に対して自己の他の伳を利用して再建する
    d. 腱移植術-筋拘縮に起因する変形や運動制限の改善のために行う

    伳は腱の文字化け

    伳縫合術:伳の断裂に対する手術で端々縫合,端側縫合,側側縫合など行う
    伳延長術:筋肉拘縮などに対して伳の Z 延長術などを行う
    伳移行術:重要な筋の麻痺に対して,麻痺がなく重要性の少ない筋の伳を利用し麻痺筋の機能を代償
    伳移植術:伳の欠損が大きい場合は他の伳を採取して移植する
    伳切離術:痙性麻痺などで変形の原因となっている伳に対する処置
  • 外傷に関する記述で正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 重度外傷の時には,外傷の状態把握のために検査を最優先に行う。
    b. 開放骨折の重症度診断には,ガードの診断基準である。
    c. 播種性血管内凝固は,重度外傷の合併症の一つである。
    d. 多発骨折では脂肪塞栓症候群に注意する。
    e. 脊椎圧迫骨折では血管損傷や尿管損傷をきたしやすい。
    c. 播種性血管内凝固は,重度外傷の合併症の一つである。
    d. 多発骨折では脂肪塞栓症候群に注意する。

    a:必ずしも適切ではない。全身状態が不良では多くの検査を行うことは時間を多く費やすことにもなるからである。
    全身状態の把握と同時に処置(生命維持)が重要であることから全身状態不良では全身状態を評価し,許容される時間を考慮し,必要な検査内容,検査の施行順番と時期を適切に判断する。
    b:ガードの診断基準は脂肪塞栓症におけるものである。
    d:多発骨折では脂肪塞栓症候群に注意する。
    e:脊椎圧迫骨折では血管損傷や尿管損傷をきたすことは稀。脊椎体後壁破綻を伴うような高度の脊椎骨折では脊髄損傷をきたすこともある。
  • 正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 骨折とは骨の連続性が断たれた状態のことを言う。
    b. 若木骨折は老人に生じやすい骨折である。
    c. 骨腫瘍などによる骨脆弱性によって生じる骨折を脆弱性骨折という。
    d. MRI よりも CT の方が不全骨折の診断には有用である。
    e. 骨挫傷の診断には CT よりも MRI が有用である。
    a. 骨折とは骨の連続性が断たれた状態のことを言う。
    e. 骨挫傷の診断には CT よりも MRI が有用である。

    b:若木骨折は小児に見られる。骨膜が厚く,若木のような状態を呈する。
    c:脆弱性骨折とは老人で骨強度が低下した骨に軽微な外力が加わって生じた骨折である。病的骨折が骨腫瘍などにより罹患骨における局所の骨強度が低下したために生ずる骨折である。
    d:MRI は不全骨折の診断に有用
    e:骨挫傷の診断には CT よりも MRI が有用である。骨挫傷とは X 線では骨折とは認識できないものの,MRI で骨内出血が確認できることから診断には MRI が有用である。
  • 骨折について誤っているのはどれか。2つ選べ。

    a. 骨折線が複雑に入り組んだものを複雑骨折という。
    b. 疲労骨折は健常な骨への繰り返す負荷によって生じる。
    c. 病的骨折は骨腫瘍などによる局所の骨強度低下が原因で生じる。
    d. 不顕性骨折は単純 X 線で検出できない。
    e. 不顕性骨折は MRI より CT で有用である。
    a. 骨折線が複雑に入り組んだものを複雑骨折という。
    e. 不顕性骨折は MRI より CT で有用である。
  • 小児の骨折に関して誤っている記述はどれか。

    a. 小児の骨は自家強制力が旺盛である。
    b. 骨端線損傷には,一般的にはソルター・ハリス分類を用いる。
    c. 小児の骨折の治療は,原則として保存療法である。
    d. 高齢者に比べ小児は骨形成が旺盛である。
    e. 大腿骨顆上骨折ではフォルクマン拘縮を合併することが多い。
    e. 大腿骨顆上骨折ではフォルクマン拘縮を合併することが多い。

    b:骨端線損傷には,一般的にはソルター・ハリス分類を用いる。
    c:小児の骨折の治療は原則として保存療法である。骨形成が旺盛で自家矯正力もあり長期臥床にも比較的耐えられることから保存療法を原則とする。
    d:高齢者に比べ小児は骨形成が旺盛である。
    e:大腿骨ではなく,上腕骨です。
  • 骨折の手術前,術後の管理として正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 十分な固定ができたら,早期に運動療法を開始する。
    b. 術後静脈血栓塞栓症の予防にはフットポンプや弾性ストッキングを使用する。
    c. 脊椎の手術後には,静脈血栓塞栓症の予防に積極的にヘパリンを用いる。
    d. 人工関節手術の術後血栓症発症のリスクは中程度である。
    e. 術後は必ず装具を使用する。
    a. 十分な固定ができたら,早期に運動療法を開始する。
    b. 術後静脈血栓塞栓症の予防にはフットポンプや弾性ストッキングを使用する。

    c:脊椎の手術後においても,静脈血栓塞栓症の予防に努める。脊椎手術は中リスクであることから中リスクに応じた対策が推奨される。
    d:人工関節手術の術後血栓症発症のリスクは高リスクに分類される。股関節手術は高リスクであることからガイドラインでは低分子ヘパリン療法も十分に考慮されるように推奨される。
    e:術後は必要に応じて装具を使用することとし,血栓予防の観点からはできるだけ早期の離床,運動が理想である。
  • 開放骨折に関する記述で正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 複雑骨折と同義である。
    b. Gustilo(ガステロ)の分類が利用される。
    c. 開放骨折で受傷 6 時間以内での内固定は禁忌である。
    d. 受傷 6 時間以内に創処置完了なら十分な抗生物質の投与が必要でない。
    e. 皮膚欠損部には皮弁を用いてはならない。
    a. 複雑骨折と同義である。
    b. Gustilo(ガステロ)の分類が利用される。

    b:Gustilo(ガステロ)の分類が利用される。創の大きさ,軟部組織の損傷の程度を含めての評価である。
    c:開放骨折で受傷時間以降での内固定は原則として禁忌である。一方,いわゆる Golden Period 受傷から 6 ~ 8 時間以内であれば適切なデブリドマン,洗浄を伴う処置を行ったのち,内固定の適応が選択される。
    d:開放により,外界と交通ができたことになり,受傷 6 時間以内の創処置完了においても抗生剤投与が望ましいと思われる。
    e:皮膚欠損部に骨・軟骨・伳が露出している場合,flap(筋弁,筋皮弁,皮弁)で創を被覆する。
  • 開放骨折に関する記述で正しいのはどれか。3つ選べ。

    a. 受傷 6 時間以内に創処置完了なら十分な抗生物質の投与が必要でない。
    b. 開放創は十分に洗浄する。
    c. 受傷後 6 時間以内に適切な処置を行ったのちであれば創部閉鎖および内固定を行う。
    d. Gustilo(ガステロ)の分類が利用される。
    e. 皮膚欠損部には皮弁を用いてはならない。
    b. 開放創は十分に洗浄する。
    c. 受傷後 6 時間以内に適切な処置を行ったのちであれば創部閉鎖および内固定を行う。
    d. Gustilo(ガステロ)の分類が利用される。
  • 高齢者に発生しやすい骨折で誤っているのはどれか。

    a. 大腿骨頚部骨折
    b. 橈骨遠位端骨折
    c. 上腕骨外科頚骨折
    d. 鎖骨骨折
    e. 腰椎圧迫骨折
    d. 鎖骨骨折
  • 高齢者に発生しやすい骨折で誤っているのはどれか。

    a. 大腿骨近位部骨折
    b. 橈骨遠位端骨折
    c. 骨盤骨折
    d. 鎖骨骨幹部骨折
    e. 腰椎圧迫骨折
    d. 鎖骨骨幹部骨折
  • 化膿性脊椎炎について正しいのはどれか。

    a. 起因菌は連鎖球菌が最も多い。
    b. 発熱を伴うことは少ない。
    c. 椎間腔が狭小化することが多い。
    d. 外科的治療が第 1 選択である。
    e. 若年者での発症が増加してきている。
    c. 椎間腔が狭小化することが多い。

    a:起因菌は黄色ブドウ球菌が最も多い。
    b:んなわけあるかーい
    c:画像検査所見の特徴は椎間腔が狭小化することであり,椎間腔が温存される脊椎腫瘍との重要な鑑別点となる。
    d:化膿性脊椎炎の治療の基本は抗生剤投与と局所の安静であり,椎体破壊が高度なもの,神経症状を呈するもの,保
    存療法に抵抗するものが手術適応となる。
    e:発症年齢は 40 歳以上に多く,高齢者やコンプロマイズド・ホストの発症が増加している。
  • 次の項目のうち,関節リウマチの診断基準(アメリカリウマチ学会,1987 年)に含まれるものを2つ選べ。

    a. 血沈 20mm 以上の高値
    b. 対称性関節腫脹(6 週間以上持続)
    c. 大関節の X 線異常所見
    d. 血清リウマトイド因子陽性
    e. CRP 陽性
    b. 対称性関節腫脹(6 週間以上持続)
    d. 血清リウマトイド因子陽性

    関節リウマチの診断基準
    1. 少なくとも1時間以上持続する朝のこわばり(6 週以上持続)
    2. 三個以上の関節炎(6 週以上持続)
    3. 手関節あるいは中手指関節(MP)または近位指関節(PIP)の関節炎(6 週以上持続)
    4. 対称性関節腫脹(6 週以上持続)
    5. 手・指の X 線異常所見
    6. リウトマイド結節
    7. 血清リウトマイド因子の陽性
  • 次の関節のうち、関節リウマチで関節炎がみられないのはどれか。1 つ選べ。

    a. 遠位指節骨間関節
    b. 股関節
    c. 手関節
    d. 中手指節関節
    e. 中足趾節関節
    a. 遠位指節骨間関節

    PIP 関節(近位指節間関節)と MP 関節(中手指節関節)がメインである。DIP 関節(遠位指節間関節)は障害されないことが多い。
  • 関節リウマチに関する記述で誤っているのはどれか。2つ選べ。

    a. 関節破壊は発症早期から進行する。
    b. 現在治療に最も広く用いられている有効な薬剤はメトトレキサートである。
    c. ステロイド薬は低用量ならば長期投与でも問題ない。
    d. 抗 TNF-α作用を示す薬剤は,結核の発症を誘発する危険がある。
    e. 強力な抗リウマチ薬の出現によって関節の手術は激減した。
    c. ステロイド薬は低用量ならば長期投与でも問題ない。
    e. 強力な抗リウマチ薬の出現によって関節の手術は激減した。

    a:大きな関節破壊が発症後2~4年以内で起こるのでこの時期の初期治療が重要である。
    b:methotrexate は関節リウマチのアンカードラッグである。
    c:低用量でも骨粗鬆症や免疫力低下などの問題を引き起こす。
    d:免疫力低下による結核の誘発が問題となる。
    e:生物製剤により緩解率は上がっており将来は手術件数の減少が予測されるが,現時点での手術は過去の治療体系に基づいているため,まだ「激減」とまでは至っていないそう。
  • 関節リウマチ患者に生じやすい骨・関節変化について正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 外反母趾
    b. Charcot(シャルコー)関節
    c. Heberden(ヘバーデン)結節
    d. 手指橈側偏位
    e. 環軸椎亜脱臼
    a. 外反母趾
    e. 環軸椎亜脱臼

    a:外反母趾は関節リウマチでよく見られる変形である。
    b:シャルコー関節は脊髄空洞症,糖尿病,先天性無痛覚症などで見られる神経病性関節症であり高度な関節破壊を認める
    c:ヘバーデン結節は DIP の変形性関節症である。
    d:関節リウマチでは手指の尺側偏位をみる
    e:環軸椎亜脱臼は進行した関節リウマチで見られる上位頸椎病変である。
  • 関節リウマチで最も頻繁に変化の見られる組織はどれか。1つ選べ。

    a. 骨組織
    b. 肺
    c. 滑膜組織
    d. 心内膜
    e. 腎糸球体
    c. 滑膜組織
  • 伳板を構成していない筋はどれか。1つ選べ。

    a. 肩甲下筋
    b. 大円筋
    c. 棘上筋
    d. 小円筋
    e. 棘下筋
    b. 大円筋

    腱板を構成している筋
    肩甲下筋,棘上筋,棘下筋,小円筋
  • 末梢神経と支配筋の組み合わせで誤っているのはどれか。2つ選べ。

    a. 僧帽筋-副神経
    b. 三角筋-腋窩神経
    c. 棘上筋-肩甲背神経
    d. 棘下筋-長胸神経
    e. 上腕二頭筋-筋皮神経
    c. 棘上筋-肩甲背神経
    d. 棘下筋-長胸神経

    c,d:棘上筋,棘下筋は肩甲上神経
    その他
    • 肩甲下筋-肩甲下神経
    • 小円筋-腋窩神経
    • 大円筋-肩甲下神経
    • 上腕三頭筋-橈骨神経
  • 肩関節の疾患について正しい記述はどれか。

    a. 肩伳板断裂の多くは棘下筋伳断裂である。
    b. 五十肩では挙上運動のみ制限されることが多い。
    c. 肩峰下インピンジメント症候群では有痛弧徴候(painful arc)が特徴的な所見である。
    d. 外傷性の肩関節脱臼は前方脱臼に比べ後方脱臼の頻度が高い。
    e. 高齢者の外傷性肩関節前方脱臼は若年者に比べ反復性となりやすい。
    c. 肩峰下インピンジメント症候群では有痛弧徴候(painful arc)が特徴的な所見である

    a:肩伳板の断裂は,加齢や繰り返す機械的刺激や外傷などが原因で発生する。特に棘上筋伳は肩峰下でインピンジメントを受けやすく,変性や損傷を受けやすいので,多くの伳板断裂は棘上筋伳で発生する。
    b:五十肩の定義は明確でなく,50 歳代を中心に加齢を基盤に発症する肩関節周囲炎の俗称である。肩関節周囲の仏痛と関節拘縮を主症状としており,痛みは夜間や寒冷時に強く,拘縮は全可動域に生じ,特に結髪・結帯動作が制限される。
    c:肩峰下インピンジメント症候群では伳板(棘上筋伳)と肩峰下滑液包が,烏口肩峰アーチに繰り返し衝突して損傷や炎症を生じる病態であり,特に衝突が強く生じる外転 60 度~ 120 度の間で痛みを訴える有痛弧徴候(painful arc)が特徴的な所見の一つである。
    d:外傷性肩関節脱臼の約 90% が前方脱臼であり,肩関節に外転・外旋強制力が加わって前方要素に破断が生じて前方に脱臼する。後方脱臼は,前方に比して少なく,外転・内旋位で上肢をついて転倒した時やてんかん発作でも生じる
    ことがある。後方脱臼は,単純 X 線正面像では見逃すことがあるので注意を要する。
    e:肩関節脱臼は,脱臼時の関節包や伳板などの軟部組織の損傷や不適切な処置・後療法によって,肩関節の不安定性が残存して反復性脱臼を生じる。特に,活動性の高い若年者はその頻度が高いので,整復後 3 週間は肩関節を固定する必要がある。
  • 関節可動域で内旋および外旋を測定する関節はどれか。2つ選べ。

    a. 肩関節
    b. 手関節
    c. 股関節
    d. 膝関節
    e. 足関節
    a. 肩関節
    c. 股関節
  • 肩関節脱臼について正しいのはどれか。

    a. 外傷性脱臼は後方脱臼が多い。
    b. 大結節骨折や腱板断裂を伴うことがある。
    c. 腋窩神経麻痺は頻度が高い合併症である。
    d. 脱臼整復法のひとつに Bankart 法がある
    e. 高齢者では高頻度に反復性に移行する。
    b. 大結節骨折や伳板断裂を伴うことがある。

    b:肩関節脱臼では,腱板付着部にも強い牽引力が加わるため,大結節の裂離骨折や伳板断裂を合併することがあり,特に高齢者に多い。
    c:詳しくは例題 65 の解説を参考のこと。ただ,そこまで頻度が高い合併症ではない。
    d:肩関節前方脱臼の代表的な脱臼整復法には,Koche法,Hippocrates 法,垂直下垂法(Stimson 法)などがあるが,無麻酔下での無理な整復は新たな損傷等を生じさせることにもなりかねないので避けるべきである。
    e:高齢者ではなく,若年者の方が反復性肩関節脱臼に移行しやすい。
  • 肩関節脱臼について正しいのはどれか。

    a. 外傷性脱臼は前方脱臼が多い。
    b. 大結節骨折や腱板断裂を伴うことがある。
    c. 橈骨神経麻痺は頻度が高い合併症である。
    d. 脱臼整復法のひとつに Stimson 法がある
    e. 高齢者では 60-70% が反復性に移行する。
    a. 外傷性脱臼は前方脱臼が多い。
    b. 大結節骨折や腱板断裂を伴うことがある。
    d. 脱臼整復法のひとつに Stimson 法がある
  • キーンベック(Kienböck)病について正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 月状骨の無腐性壊死のことである。
    b. 若い女性に多い。
    c. 病期が進行すると手根骨の配列異常が起こる。
    d. 手関節の可動域制限をきたすことはない。
    e. 多くの症例で両側に発症する。
    a. 月状骨の無腐性壊死のことである。
    c. 病期が進行すると手根骨の配列異常が起こる。

    a:単純 X 線像によるリヒトマン分類(詳しく覚える必要はないと考えられる)が用いられる。MRI では X 線像の変化よりも早く T2 低輝度を認める。
    b:青壮年の男性で手を酷使する職業に多い。男女比は 4:1
    c:病期が進行すると月状骨が圧潰し,有頭骨が近位に偏位し手根骨の配列異常が起こる
    d:手関節背側の腫脹と圧痛,運動時痛,可動域制限をきたす。
    e:約 70% は利き手に発症する。
  • キーンベック(Kienböck)病について正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 舟状骨の壊死のことである。
    b. 青壮年より高齢者に多い。
    c. 女性より男性に多い。
    d. 両側性より片側性が多い。
    e. 阻血性の壊死である。
    c. 女性より男性に多い。
    d. 両側性より片側性が多い。

    聞き手に多い
    月状骨の無腐性壊死
  • 肘の機能と解剖に関し正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 肘関節は腕橈関節,腕尺関節,近位橈尺関節で構成される。
    b. 上腕二頭筋の内側に尺骨神経と上腕動脈が走行する。
    c. 外反肘は上腕骨外側顆骨折後の偽関節に生じやすい。
    d. 野球肘では肘関節外側上顆に圧痛をきたしやすい。
    e. 肘関節の正常可動域は伸展 5°,屈曲 120°である。
    a. 肘関節は腕橈関節,腕尺関節,近位橈尺関節で構成される。
    c. 外反肘は上腕骨外側顆骨折後の偽関節に生じやすい。

    a:正しい。
    b:上腕二頭筋の内側に正中神経と上腕動脈が走行する。尺骨神経は上腕骨内側上顆後方の尺骨神経溝を走行する。
    c:上腕骨外側上顆には前腕伸筋群が付着しているため外側顆骨折で骨片が転移しやすく偽関節となる。
    d:野球肘には外側型,内側型,後方型がある。外側型は上腕骨小頭の離断性骨軟骨炎で,同部に圧痛を認める。
    e:肘関節の正常可動域は伸展 5°,屈曲 145°である。
  • モンテジア(Monteggia)脱臼骨折について正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 尺骨骨折と橈骨頭脱臼
    b. 橈骨骨折と尺骨遠位の脱臼
    c. 橈骨頭は前方に脱臼するものが多い。
    d. 尺骨は後方に脱臼するものが最も多い。
    e. 橈骨遠位端の骨折を高頻度に合併する。
    a. 尺骨骨折と橈骨頭脱臼
    c. 橈骨頭は前方に脱臼するものが多い。

    b,e についてはガレアッチ骨折についての記述である。d は全く関係ない。
  • 肘関節を伸展させる筋はどれか。

    a. 内側広筋
    b. 薄筋
    c. 三角筋
    d. 上腕二頭筋
    e. 上腕三頭筋
    e. 上腕三頭筋

    肘屈筋:上腕二頭筋,上腕筋,腕橈骨筋
    肘伸筋:上腕三頭筋,(肘筋)
  • 小児の肘周辺の骨折について正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 上腕骨顆上骨折は偽関節になりやすい。
    b. 上腕骨外側顆骨折は関節外の骨折である。
    c. 上腕骨顆上骨折は内反肘変形を起こしやすい。
    d. 上腕骨外側顆骨折は外反肘変形を起こしやすい。
    e. モンテジア(Monteggia)骨折では尺骨頭が脱臼する。
    c. 上腕骨顆上骨折は内反肘変形を起こしやすい。
    d. 上腕骨外側顆骨折は外反肘変形を起こしやすい。

    a:上腕骨外側顆骨折は起始部を持つ手関節伸筋の牽引により骨片が転位し偽関節となりやすいが,顆上骨折は偽関節となることは稀で変形治癒による内反肘が問題となる。
    b:上腕骨外側顆骨折は関節内骨折である。
    c:上腕骨顆上骨折では末梢骨片が内反内旋しやすいため,整復が不十分だと内反肘をきたしやすい。
    d:上腕骨外側顆骨折は骨片が転位し偽関節となりやすく,偽関節になると外側の成長障害のため,外反肘変形をきたす。
    e:橈骨頭脱臼の誤りである。
  • デュピュイトラン(Dupuytren)拘縮について正しいのはどれか。

    a. 糖尿病に合併する。
    b. 障害は母指,示指に多い。
    c. 最終的に自然治癒することが多い。
    d. 女性に多い。
    e. 原因は浅指屈筋伳の異常である。
    a. 糖尿病に合併する。

    a:皮下に硬結や索状物を触れ,進行性に手指の屈曲拘縮をきたす疾患。糖尿病に合併することが多い。
    b:環指と小指が罹患しやすい。次に中指。
    c:自然治癒は期待できない。Table top test(手掌をテーブルにおくと屈曲拘縮がある指が浮く)陽性は手術適応である。PIP 関節の罹患では術後に変形再発の率が高い。
    d:中年以降の男性に多い。
    e:病態は手掌伳膜の縦走線維および指掌伸筋伳の肥厚による進行性屈曲拘縮であり,原因不明。発症には遺伝的素因が関係し,白人に比べて日本人では頻度は低い。
  • デュピュイトラン(Dupuytren)拘縮について正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. DIP 関節の屈曲拘縮
    b. 40% が両側性である。
    c. 障害は環指,小指に多い。
    d. 女性に多い。
    e. 保存療法が著効する。
    b. 40% が両側性である。
    c. 障害は環指,小指に多い。
  • ド・ケルバン病(de Quervain)病について正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. バネ現象が見られる。
    b. 小児に多い。
    c. フィンケルシュタイン(Finkelstein)テストが陽性である。
    d. 長母指伸筋腱の狭窄性腱鞘炎である。
    e. 橈骨茎状突起に痛みがある。
    c. フィンケルシュタイン(Finkelstein)テストが陽性である。
    e. 橈骨茎状突起に痛みがある。

    a:ドケルバン病は第 1 区画の狭窄性腱鞘炎であり,母指外転や手関節尺屈で仏痛を生じるがバネ現象はみられない。
    バネ現象がみられるのはバネ指である. バネ指は屈筋腱の腱鞘炎で,MP 関節部で腱に対する腱鞘の相対的な狭小化が起こり, 指の伸展の際に弾発現象をおこす. ×
    b:中高年に多い。
    c:フィンケルシュタインテストは母指を握り込んで手関節の尺屈を矯正するテストであり,手関節の橈側に疼痛を誘発すれば陽性である。アイヒホッフテストとも呼ばれる。
    d:伸筋腱腱鞘の第1区画を走行する長母指外転筋伳と短母指伸筋伳の狭窄性腱鞘炎である。
    e:伸筋腱腱鞘の第 1 区画が走行する橈骨茎状突起部に痛み,圧痛を感じる。
  • 舟状骨骨折について誤っているのはどれか。2つ選べ。

    a. 手根骨骨折で最も多い。
    b. MRI は無効である。
    c. 嗅ぎタバコ窩に圧痛がある。
    d. 若年男性に多い。
    e. 骨癒合しやすい。
    b. MRI は無効である。
    e. 骨癒合しやすい。

    a:手根骨骨折で最も多い。手掌を強くついた事による受傷が多い。
    b:MRI は骨折線が見えない初期から骨折線を描出でき,早期診断に有用である。
    c:背側の嗅ぎタバコ窩(snuff box)や掌側の舟状骨結節に圧痛があれば本骨折を疑う。
    d:若年男性が背屈を強制されて受傷することが多い。
    e:骨膜がない,関節内骨折で血腫が骨折部に止まらない,近位骨片の血行が悪い,などの理由から骨癒合しにくい骨折の一つである。
  • 手舟状骨骨折について誤っているのはどれか。2つ選べ。

    a. 手関節部尺側に圧痛がある。
    b. 転位がないと、単純 X 線写真で骨折線が分かりにくい。
    c. 転位がなければ手術はしない。
    d. 転位が 1mm 以上なら手術適応がある。
    e. 舟状骨部中央 1/3 の骨折は、遠位 1/3 より骨癒合が得られやすい。
    a. 手関節部尺側に圧痛がある。
    e. 舟状骨部中央 1/3 の骨折は、遠位 1/3 より骨癒合が得られやすい。
  • 上肢の解剖について正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 肘関節は腕橈関節,腕尺関節,近位橈尺関節で構成されている。
    b. 肘の安定性に最も重要なのは腕橈関節と内側・外側側副靱帯である。
    c. 上腕遠位では上腕二頭筋の内側を尺骨神経と上腕動脈が走行している。
    d. 上腕骨外側上顆には手指・手関節の屈筋群が付着してる。
    e. 橈骨骨軸の延長線は上腕骨小頭の中心を通る。
    a. 肘関節は腕橈関節,腕尺関節,近位橈尺関節で構成されている。
    e. 橈骨骨軸の延長線は上腕骨小頭の中心を通る。

    b:蝶番関節である腕尺関節と内側・外側側副靱帯が重要。
    c:上腕二頭筋の内側を走行するのは正中神経と上腕動脈である。
    d:上腕骨外側上顆には手指・手関節伸筋群が付着している。
  • 問題に答えよ
    解答は
    1:c
    2:b
    3:d
    4:f
  • ばね指について誤っているのはどれか。2つ選べ。

    a. 手指 PIP 関節が伸展困難で突然伸展可能になるバネ現象を示す。
    b. PIP 関節掌側に圧痛と腫瘤を触知する。
    c. MP 関節レベルで屈筋腱が腱鞘に絞扼。
    d. ステロイド局注が有効。
    e. 示指と小指に多い。
    b. PIP 関節掌側に圧痛と腫瘤を触知する。
    e. 示指と小指に多い。

    a:女性,右手に多く,主訴は手指のこわばりや弾発現象。
    b:MP 関節掌側に圧痛と腫瘍を触知。
    c:患者は PIP 関節の病変を訴えるが,MP 関節レベルにて屈筋腱が伳鞘に絞扼され,同部に圧痛があり腫瘤を触知する。
    d:ステロイド局注が有効で,無効例には腱鞘切開術を行う。
    e:発生頻度は母指,中指>環指>示指>小指の順である。
  • 上腕骨外側上顆炎について当てはまるものを 2 つ選びなさい

    a. 腕橈関節の異常が関連している
    b. 発生には手関節背屈動作が関連している
    c. Middle finger extension test は仏痛誘発テストの一つである。
    d. Apley テストは仏痛誘発テストの一つである
    e. 手術療法を必要とする。
    b. 発生には手関節背屈動作が関連している
    c. Middle finger extension test

    疼痛誘発試験に Thomson テスト,Middle finger extension test,chair test がある。
  • 野球肘の記述で正しいのはどれか.2 つ選べ.

    a. 診断には肘関節伸展位で X 線正面像を撮る
    b. 早期発見には超音波検査が有用である。
    c. 早期発見したら 1 ヶ月程度の投球制限を行う。
    d. 成長後の over use が原因である。
    e. 予防のために専門医による定期検診が望ましい。
    b. 早期発見には超音波検査が有用である。
    e. 予防のために専門医による定期検診が望ましい。

    X線は肘を屈曲させる
    投球制限は6カ月以上
    発育期における使い過ぎが原因
  • 変形性股関節症の X 線所見として誤っているのはどれか。

    a. 軟骨下骨の骨硬化
    b. 関節裂隙の開大
    c. 骨嚢胞
    d. 二重臼底像
    e. 骨棘形成
    b. 関節裂隙の開大
  • 変形性股関節症について誤っているのはどれか。2つ選べ。

    a. 本邦では二次性が多い。
    b. X 線像で臼蓋底突出を認めることはない。
    c. 股関節外転筋力の訓練が有効である。
    d. 本邦では X 線像で股関節の亜脱臼を認めることが多い。
    e. 40 歳以下での症例でも積極的に人工股関節置換術を行う。
    b. X 線像で臼蓋底突出を認めることはない。
    e. 40 歳以下での症例でも積極的に人工股関節置換術を行う。

    a:本邦では先天性股関節脱臼や寛骨臼形成不全に続発する股関節形成不全から徐々に変形性股関節症に進行する二次性の変形性股関節症が多い。女児,初産児に多く,骨盤位分娩もリスクである。
    b:進行期から末期の X 線像では,関節裂伱の消失・骨棘および骨嚢腫の形成とともに,大腿骨頭の上外側への脱臼とともに臼蓋底は突出してきて,二重底を呈する。
    c:患側の股関節周囲筋群の筋力低下が進行し,中殿筋機能不全からトレンデンベルグ骨徴候を示すようになる。進行防止に股関節周囲筋の筋力訓練,特に外転筋力の訓練を指導する。
    d:a の解説を読めば理解できるはず。
    e:若年者は活動性も高く,余命も長いことからできるだけ人工股関節置換術を行う時期を遅くするように関節温存手術を選択する。人工股関節置換術は一般的に 60 歳を目安としてその適応を決定する。
  • 股関節を外転する筋はどれか。2つ選べ。

    a. 大腿直筋
    b. 中殿筋
    c. 大腿二頭筋
    d. 腸腰筋
    e. 大腿筋膜張筋
    b. 中殿筋
    e. 大腿筋膜張筋
  • 成人における特発性大腿骨頭壊死症の危険因子はどれか。2つ選べ。

    a. 先天性股関節脱臼
    b. アルコール大量愛飲歴
    c. 股関節臼蓋形成不全
    d. 外傷性股関節脱臼
    e. ステロイド大量投与歴
    b. アルコール大量愛飲歴
    e. ステロイド大量投与歴

    特発性大腿骨頭壊死症は,非外傷性に大腿骨頭の無菌性,阻血性壊死をきたし,大腿骨頭の圧潰変形を生じて最終的に二次性股関節症に至る疾患である。外傷性股関節脱臼や大腿骨頸部骨折後などの明確な原因が存在して生じる大腿骨頭壊死症は,症候性大腿骨頭壊死症に分類されて,特発性大腿骨頭壊死症とは区別される。
    特発性大腿骨頭壊死症は青壮年期に多く発症し,アルコール大量愛飲歴やステロイド大量投与歴のある患者に多く発生するが,その発症機序は未だあまりよくわかっていない。ステロイド性は特に移植手術後や膠原病治療などで短期大
    量投与療法を受けた患者に多く発症し,半数以上が両側性である。
  • 特発性大腿骨頭壊死症の診断基準に含まれるものを2つ選べ。

    a. 関節裂隙の狭小化
    b. 骨端異形成症
    c. 骨頭圧潰
    d. 骨シンチグラムで骨頭の hot 像
    e. MRIT1 強調像にて骨頭内帯状低信号域
    c. 骨頭圧潰
    e. MRIT1 強調像にて骨頭内帯状低信号域
  • 特発性大腿骨頭壊死症の診断基準に含まれるものを3つ選べ。

    a. 関節裂隙の狭小化
    b. 骨端異形成症
    c. 大腿骨頭の圧潰
    d. 骨シンチグラムで大腿骨頭内の cold in hot 像
    e. MRIT1 強調像にて骨頭内帯状低信号域(バンド像)
    c. 大腿骨頭の圧潰
    d. 骨シンチグラムで大腿骨頭内の cold in hot 像
    e. MRIT1 強調像にて骨頭内帯状低信号域(バンド像)
  • 急性破壊型股関節症について誤っているのはどれか。2つ選べ。

    a. 短期間に急速に関節破壊が進行する。
    b. 若年者に多く発症する。
    c. 変形股関節症や特発性大腿骨頭壊死症が先行病変となることがある。
    d. 可動域制限は軽度であることが多い。
    e. 寛骨臼側の破壊が生じることは少なく,人工大腿骨頭置換術が治癒の原則である。
    b. 若年者に多く発症する。
    e. 寛骨臼側の破壊が生じることは少なく,人工大腿骨頭置換術が治癒の原則である。

    a:急性破壊型股関節症は,短期間(1年以内)に急速に関節破壊が進行する原因不明の股関節症の総称である。
    b:本疾患は,高齢女性に多く発症する傾向がある。
    c:本疾患の発症原因は明確ではなく,急速に進む関節破壊という特徴的な臨床症状と X 線経過をきたす疾患の総称であり,発症前にはほぼ正常の股関節所見である。ただし,軽度の臼蓋形成不全の存在を伴う変形性股関節症や特発性大
    腿骨頭壊死症の亜型として骨頭破壊が急速に進行する可能性も考えられる。
    d:拘縮を生じるよりも急速に破壊が進行するため,可動域制限は軽度であることが多い。ただし,破壊の進行によって著しい仏痛・歩行痛や歩行困難が急速に出現する。
    e:短期間に急速に股関節の破壊が進行し,大腿骨頭だけでなく臼蓋にも骨軟骨破壊が生じる。そのため,選択される術式の多くは骨頭・臼蓋の双方を置換する人工股関節全置換術となる。
  • 急性破壊型股関節症について正しいのはどれか。3つ選べ。

    a. 1 年以内の経過で急速に関節破壊が進行する。
    b. 若年者より高齢者に多い。
    c. 病初期より可動域は高度に制限される。
    d. 多くは人工股関節全置換術の適応となる。
    a. 1 年以内の経過で急速に関節破壊が進行する。
    b. 若年者より高齢者に多い。
    d. 多くは人工股関節全置換術の適応となる。
  • 急性破壊型股関節症について正しいのはどれか。

    a. 経過は比較的長期間で,関節破壊はゆっくりと,しかし確実に進行する。
    b. 若年者に発症することが多く,発症には臼蓋形成不全の関与が考えられている。
    c. 病初期より可動域は高度に制限される。
    d. 多くは人工股関節置換術の適応となる。
    e. HBV や HCV のキャリアは本疾患の発症率が高い。
    d. 多くは人工股関節置換術の適応となる。

    a:急性破壊型股関節症は,短期間(1年以内)に急速に関節破壊が進行する原因不明の股関節症とされており,股関節の破壊は急速に進むため,「ゆっくり進行する」という記述は誤り。
    b:本疾患は,比較的高齢女性に多く発症する傾向がある。一般的に高齢者ほど関節破壊の進行が早く,軽度の臼蓋形成不全の関与はない。
    c:主症状は急速な骨頭の破壊による股関節痛であり,股関節の可動域は比較的保たれることが多い。
    d:大腿骨頭だけでなく臼蓋側にも破壊が及ぶため,人工大腿骨頭置換術ではなく人工股関節全置換術が選択されることが多い。
    e:ウイルス性肝炎や肝炎ウイルスと本疾患の関連は報告されていない。
  • 左股関節を図の矢印の向きに動かす。このとき主に働く筋はどれか

    a. 腹直筋
    b. 腸腰筋
    c. 大殿筋
    d. 縫工筋
    e. 大腿二頭筋
    b. 腸腰筋
  • 77 歳の女性。自宅の玄関で倒れているところを家人に発見され、痛みで立ち上がれないため救急車で搬入された。普段は近所のコンビニエンスストアまで杖をついて買い物に行っている。既往歴に高血圧がある。右股関節を動かすと痛がる。右下腿に腫脹を認めず圧痛もはっきりしない。上肢の筋力低下を認めない。四肢の腱反射は正常である。感覚の左右差はない。骨盤エックス線写真を別に示す。
    この疾患に対する治療として適切なものを選べ。

    a. 保存療法
    b. ギプス固定
    c. 骨接合術
    d. 人工大腿骨頭置換術
    e. 人工股関節置換術
    d. 人工大腿骨頭置換術

    手術は大きく分けて骨接合術、あるいは大腿骨頭置換術が基本です。大腿骨頭壊死という病気を起こす恐れがあるため、転位の大きい内側骨折は高齢者では主に大腿骨頭置換術を行います。転位の少ない内側骨折と転子部、転子下の外側骨折は骨折した骨を引き寄せて金具で止める骨接合術を行います。
  • 人工膝関節置換術後の肺塞栓症に関する記述で誤っているのはどれか。2つ選べ。

    a. 本邦でのリスクレベルは高リスクである。
    b. 高度肥満の患者ではリスクは高くなる。
    c. 予防法として間欠的空気圧迫法が用いられる。
    d. 弾性ストッキングは無効である。
    e. 術後の積極的運動はリスクを高める。
    d. 弾性ストッキングは無効である。
    e. 術後の積極的運動はリスクを高める。

    a:人工膝関節手術の施行は静脈血栓塞栓症,肺塞栓症の高リスク群に入る。
    b:高度肥満の患者は静脈血栓塞栓症の高リスクとなる。
    c:人工膝関節置換術後の肺塞栓症の予防として,間欠的空気圧迫法や抗凝固療法が通常行われる。
    d:弾性ストッキングは静脈血栓塞栓症の予防に有用である。
    e:術後の早期離床,積極的運動は予防につながる。
  • 人工膝関節置換術後の肺塞栓症に関する記述で誤っているのはどれか。3つ選べ。

    a. 本邦でのリスクレベルは低リスクである。
    b. 高度肥満の患者ではリスクは高くなる。
    c. 予防法として間欠的空気圧迫法が用いられる。
    d. 弾性ストッキングは無効である。
    e. 術後の積極的運動は控えた方が良い。
    a. 本邦でのリスクレベルは低リスクである。
    d. 弾性ストッキングは無効である。
    e. 術後の積極的運動は控えた方が良い。
  • 膝靭帯損傷と徒手検査の組み合わせに関する記述で正しいのはどれか。

    a. 前十字靱帯損傷-マックマレー(McMurray)テスト
    b. 前十字靱帯損傷-ラックマン(Lachman)テスト
    c. 後十字靱帯損傷-アプレー(Aplay)テスト
    d. 内側側副靭帯損傷-回旋不安定性(N テスト)
    e. 外側側副靱帯損傷-前方引き出しテスト
    b. 前十字靱帯損傷-ラックマン(Lachman)テスト

    a:マックマレーテストは半月板損傷
    b:前十字靱帯損傷による前方不安定性はラックマンテストや前方引き出しテスト
    c:Apley テストは半月板損傷
    d:内側側副靱帯損傷による不安定性の診断には外反強制テスト。N テストは前十字靱帯損傷による回旋不安定性。
    e:外側側副靱帯損傷による不安定性の診断には内反強制テスト。
  • 筋,支配神経,筋の作用の関係が誤っているものはどれか。2つ選べ。

    a. 中殿筋-中殿神経-股関節の屈曲
    b. 大腿四頭筋-大腿神経-膝関節の伸展
    c. 大腿二頭筋-閉鎖神経-膝関節の屈曲
    d. 腓腹筋-脛骨神経-足関節の底屈
    e. 長母趾伸筋-深腓骨神経-第 1 趾の伸展
    a. 中殿筋-中殿神経-股関節の屈曲
    c. 大腿二頭筋-閉鎖神経-膝関節の屈曲

    a:中殿筋は上殿神経支配であり,主な作用は股関節の外転。
    b:大腿直筋は股関節を屈曲する作用がある。
    c:長頭は脛骨神経支配で,短頭は総腓骨神経支配である。股関節の伸展,内転と膝関節の屈曲作用がある。長頭には股関節外旋作用もある。
    d:足部の内がえし作用もある。
    e:そのほかに,足関節の背屈と弱いが足部の内がえし作用がある。
  • 変形性膝関節症に関する記述で正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 60 歳代後半の中年男女性に多く,関節軟骨の変性と摩耗を主病変とする退行性膝関節疾患である。
    b. 安静時痛および夜間痛を主症状として認める。
    c. 可動域では伸展拘縮を認めることが多い。
    d. X 線で半月板や関節軟骨の石灰化像が特徴的。
    e. 減量,大腿四頭筋訓練,装具療法などの保存療法を優先。手術には高位脛骨骨切り像,単顆片側置換術,人工関節置換術などがある。
    a. 60 歳代後半の中年男女性に多く,関節軟骨の変性と摩耗を主病変とする退行性膝関節疾患である。
    e. 減量,大腿四頭筋訓練,装具療法などの保存療法を優先。手術には高位脛骨骨切り像,単顆片側置換術,人工関節置換術などがある。

    a:退行性膝関節疾患として最も多く,60 歳代後半の女性に好発する。
    b:運動時痛が主症状で,仏痛は安静により軽減するのが特徴的。夜間痛は特発性膝骨壊死に特徴的である。
    c:可動域制限として屈曲拘縮を生じる場合がある。
    d:関節裂隙の狭小化や骨棘形成が特徴的である。半月板や関節軟骨の石灰化像は偽性痛風に見られる。
    e:その他,関節内ヒアルロン酸注射などの保存療法を行い,改善しない場合に手術療法を行う。
  • 膝関節疾患に関する記述で正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 特発性膝骨壊死は小児の膝関節に激しい疼痛を伴い発症し,男女比は 1:3 で女性に多い。
    b. シャルコー(Charcot)関節をきたす基礎疾患として脊髄癆,糖尿病性末梢神経炎,脊髄空洞症
    c. 特発性膝関節内出血は高齢者で膝の腫脹と疼痛を愁訴とし,関節穿刺で純血性の関節液を頻回に排出する。
    d. 偽性痛風(結晶性滑膜炎 crystal synovitis)は尿酸ナトリウム結晶の沈着により生じる結晶性滑膜炎である。
    e. 膝離断性骨軟骨炎は中高年の膝関節に生じる疾患である。
    b. シャルコー(Charcot)関節をきたす基礎疾患として脊髄癆,糖尿病性末梢神経炎,脊髄空洞症
    c. 特発性膝関節内出血は高齢者で膝の腫脹と疼痛を愁訴とし,関節穿刺で純血性の関節液を頻回に排出する。

    a:特発性膝骨壊死は中高年の女性に好発する。
    b:近年では糖尿病性末梢神経炎が基礎疾患として非常に多くなっている。その他としては先天性痛覚減弱症,悪性貧血などがある。
    c:2回以上の膝穿刺により 20mL 以上の純血性様関節液を認め,2 週以上にわたり持続する。
    d:尿酸ナトリウムではなく,ピロリン酸カルシウム結晶の沈着により生じる。
    e:10 ~ 20 歳代の若年者に好発する。
  • 特発性膝骨壊死について(多分正しいものを)2つ選べ

    a. 60 歳女性に多い
    b. 緩徐に発症。
    c. 安静時痛を認めない。
    d. 大腿骨内側顆に多い。
    e. 血流異常が原因。
    a. 60 歳女性に多い
    d. 大腿骨内側顆に多い。
  • アキレス腱断裂に関する記述で誤っているのはどれか。2つ選べ。

    a. スポーツ活動中に発生する。
    b. 10 歳代に好発する
    c. 後ろから蹴られたような痛みを自覚する。
    d. 足関節の自動底屈は不能になる。
    e. トンプソンテストが陽性となる。
    b. 10 歳代に好発する
    d. 足関節の自動底屈は不能になる。

    a:アキレス伳断裂はジャンプやダッシュなどによる過剰な力がアキレス腱によって加わることによって発生することからバレーボールやバスケットボールなどのスポーツ活動中に発生しやすい。
    b:アキレス腱の変性を基盤とし,これに伳への過剰な力が発生することほとんどである。よって 10 歳代での発生はまれ。
    c:後方から蹴られたような痛みを感じたとする患者が多い。
    d:通常足底筋腱は断裂せず,非荷重位での自動底屈は可能である。
    e:トンプソン(把握)テストとは,腓腹筋を把握しても足関節の底屈が起こらない現象である。アキレス腱に連続性がある場合には,腓腹筋を強く掴むと足関節の底屈が起こる。
  • アキレス腱断裂に関する記述で誤っているのはどれか。2つ選べ。

    a. 30 歳代に好発する
    b. トンプソンテストが陽性である。
    c. 後ろから蹴られたような痛みを自覚する。
    d. 足関節の自動底屈は不能になる。
    e. 保存治療と手術治療では保存治療の方が再断裂の可能性が高い。
    d. 足関節の自動底屈は不能になる。
    e. 保存治療と手術治療では保存治療の方が再断裂の可能性が高い。

    アキレス腱断裂は 30 歳代に多い。
  • Freiberg 病について誤っているのはどれか。1つ選べ。

    a. 骨端症の1つである。
    b. 第 2 中足骨に好発する。
    c. 13 歳ごろに好発する。
    d. 男児に多い。
    e. 足趾の背屈を繰り返す動作で発症しやすい。
    d. 男児に多い。

    中足骨の骨端症(第 2 中足骨に好発)で,13 歳ごろに発症する。女児に好発。足趾の背屈を繰り返すスポーツに多いのが特徴である。治療として,頸部楔状骨切りがあり,これは底側の正常軟骨面を前方へ回転させる術式である。
  • 中足骨骨折について誤っているのはどれか。

    a. 骨頭骨折は底側に転位しやすい。
    b. 骨幹部骨折は保存療法が原則である。
    c. 基部骨折は第5中足骨に発生しやすい。
    d. 行軍骨折は第4中足骨に発生しやすい。
    e. ジョーンズ(Jones)骨折は第5中足骨骨折である。
    d. 行軍骨折は第4中足骨に発生しやすい。

    a:骨頭骨折はその解剖学的特徴から底側に転位しやすい。
    b:骨幹部骨折は保存療法が原則である。転位が大きい場合や整復が不安定な場合には観血治療を考慮する。
    c:基部骨折は骨折の機序や解剖学的特徴から第5中足骨に発生しやすい。
    d:疲労骨折は中足骨の長さが長い第 2 あるいは第 3 中足骨に発生しやすい。長距離歩行後に発生することもあり,行
    軍骨折という。
    e:ジョーンズ骨折は第五中足骨基部に発生する骨折の一種である。遷延治療や偽関節あるいは再骨折などが起こりや
    すく,主に観血治療が行われる。
  • 外反母趾について正しいのはどれか。

    a. 罹病率は男性1に対して女性は5倍高い。
    b. 母趾の短い人に発生しやすい。
    c. 先細のハイヒール靴で症状が改善する。
    d. 第 1 中足骨が内反していることと密接な関係がある。
    e. 保存治療により変形は容易に矯正される。
    d. 第 1 中足骨が内反していることと密接な関係がある。

    a:本症はハイヒール靴の装用習慣などとの関連から圧倒的に女性に多く発症する。男性:女性= 1:10
    b:本症の内的要因として,母趾が長い場合,すなわちエジプト型と呼ばれる足部形態や第 1 中足骨が過剰に内反していることなどが挙げられる。
    c:解説 a を参照。
    d:解説 b および図 1 を参照。
    e:保存療法としてはホーマン(Hohmann)体操などの運動療法や靴の選択,生活指導とともに各種の装具療法が行われる。しかし,変形が固定化し簡潔治療を要するものも少なくない。
  • 外反母趾について正しいものを2つ選べ。

    a. 罹病率は男女比が 1:10 である。
    b. 家族歴がある。
    c. 第1中足骨の内反が関連している。
    d. 合併奇形として凹足がある。
    e. 保存治療により変形は容易に矯正される。
    a. 罹病率は男女比が 1:10 である。
    c. 第1中足骨の内反が関連している。
  • Morton 病について誤っているものはどれか。1つ選べ。

    a. 趾神経の神経痛による。
    b. 底屈により疼痛が増強する。
    c. 女性の方が多い。
    d. 高齢者に多い。
    b. 底屈により疼痛が増強する

    指の間を底側から圧迫したり足趾を他動的に背屈すると疼痛が増強する
  • 踵骨骨折に関する記述で正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 足根骨骨折の中で,距骨骨折についで多い。
    b. 血行が悪いために無腐性壊死を起こしやすい。
    c. 足関節の捻挫が原因として多い。
    d. 脊椎骨折の合併を念頭におく。
    e. 整復の指標としてベーラー角がある。
    d. 脊椎骨折の合併を念頭におく。
    e. 整復の指標としてベーラー角がある。

    a:足根骨骨折中,最も多いのは踵骨骨折
    b:無腐性壊死が生じやすいのは距骨骨折
    c:発生機序としては高所からの転落が多い。
    d:本骨折の約 10% に脊椎椎体の圧迫骨折を合併する。これは,高所からの転落が原因として一番多いことからも推測可能であろう。
    e:整復の指標としては,ベーラー角が有用。(正常 20 ~ 40°)
  • 頚椎椎間板ヘルニアについて正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 30 ~ 50 歳代の女性に多い。
    b. 好発部位は C5/6 である。
    c. 神経根症を生じるが,脊髄症は生じない。
    d. 診断が確定したら,すぐに手術をすべきである。
    e. 発育性の脊柱管狭窄を合併すると神経症状が出やすい。
    b. 好発部位は C5/6 である。
    e. 発育性の脊柱管狭窄を合併すると神経症状が出やすい。

    a:頚椎椎間板ヘルニアは 30 ~ 50 歳代の男性に多い。頚部脊椎症は 50 歳以後に多い。
    b:椎間板ヘルニアは力学的負荷を受ける部位に発症しやすい。頚椎においては最も多いのが C5/6(第5~6頚椎間)で次に多いのが C4/5,C6/7 である。
    c:頚椎椎間板ヘルニアの症状はヘルニアの突出方向によって異なり,神経根症,脊髄症いずれも発生しうる。一般的には左右どちらかに偏って突出することが多く,その場合は脊髄から分岐した神経根を圧迫することによって,片側上
    肢への放散痛,痺れや筋力低下を生じる(=神経根症)。一方,正中に突出して脊髄を圧迫すると,巧緻運動障害,歩行障害,膀胱直腸障害などの症状が生じる(=脊髄症)。
    d:治療は,保存的加療(消炎鎮痛薬内服,頚椎カラー装着,頸椎牽引など)を第 1 選択とする。神経症状が明らか,かつ保存的治療に抵抗する場合は手術を考慮する。神経根症は保存的加療で約 80% が軽快する。
    e:発育性の脊柱管狭窄(単純 X 線側面像で脊柱管前後径が 13mm 以下)を合併すると神経症状,特に脊髄症が発症しやすい。これは他の頚椎疾患でも同じことが言える。
  • 頚椎椎間板ヘルニアについて正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. C5/6 が最多である
    c. 神経根症を生じるが,脊髄症は生じない
    d. 診断が確定したら,すぐに手術をすべきである。
    a. C5/6 が最多である
  • 強直性脊椎炎に関して誤っているのはどれか。

    a. X 線上,bamboo spine(竹節様脊柱)がみられる。
    b. HLA-B27 の陽性率が高い。
    c. 虹彩炎,潰瘍性大腸炎,クローン病などと合併することが多い。
    d. 運動により改善する腰痛を特徴とする。
    e. 10 歳代後半から 20 歳代の女性に好発する。
    e. 10 歳代後半から 20 歳代の女性に好発する。

    年齢はあっているが男性に好発
  • 強直性脊椎炎に関して誤っているのはどれか。2つ選べ。

    a. X 線上,bamboo spine(竹節様脊柱)がみられる。
    b. 仙腸関節炎を併発するのは稀である。
    c. 体幹,四肢に多発性付着部炎を発症することがある。
    d. 安静により改善する腰痛を特徴とする。
    e. 10 歳代後半から 20 歳代の男性に好発する。
    b. 仙腸関節炎を併発するのは稀である。
    d. 安静により改善する腰痛を特徴とする。
  • 後縦靱帯骨化症における所見で誤っているのはどれか。2つ選べ。

    a. 単純 X 線像でわかりにくい場合,CT が有用である。
    b. 胸椎には発生しない。
    c. 連続型,分節型,混合型,その他の 4 型に分類される。
    d. 50 歳前後の男性に好発する。
    e. 骨化が進行しても脊髄症状を呈することは少ない。
    b. 胸椎には発生しない。
    e. 骨化が進行しても脊髄症状を呈することは少ない。

    b:胸椎にも発生する。
    e:必ずしも後縦靱帯骨化症の患者の全てが脊髄症を呈するわけではないが,骨化が進行し脊髄が圧迫されれば脊髄症状を呈することが多い。狭窄率(骨化の厚み/脊柱管前後径)が 40% を超えると脊髄症が発生しやすいと言われている。
  • 後縦靱帯骨化症(OPLL)における所見で誤っているのはどれか。2つ選べ。

    a. 単純 X 線像でわかりにくい場合,CT が有用である。
    b. 胸椎には発生しない。
    c. 連続型,分節型,混合型,その他の 4 型に分類される。
    d. 50 歳前後の女性に好発する。
    e. 骨化が進行し脊髄が圧迫されると脊髄症状を呈することがある。
    b. 胸椎には発生しない。
    d. 50 歳前後の女性に好発する。
  • 頚椎症性脊髄症の特徴について誤っているのはどれか。2つ選べ。

    a. スパーリング(Spurling)テストが陽性である。
    b. 巧緻運動障害を呈する。
    c. 痙性歩行が特徴的である。
    d. 四肢の伳反射の亢進を認める。
    e. 近位筋の筋萎縮を特徴とする。
    a. スパーリング(Spurling)テストが陽性である。
    e. 近位筋の筋萎縮を特徴とする。

    a:頚椎症性脊髄症とは,頚椎症によって脊髄症を呈した病態。頚椎症によって神経根症をきたす場合もあるが,脊髄症と神経根症は異なる病態であり,両者の鑑別が重要である。スパーリングテストはジャクソンテストと同じく,神経根症の診断に有用な誘発テストである。
    b:手指巧緻運動障害は脊髄症としてみられる。具体的には箸が使いにくい,「ボタンがけ」がしにくい,ものを掴もうとして落とすなどの症状が出現する。
    c:脊髄症では痙性歩行となる。
    d:頚椎症に限らず,頸部で脊髄圧迫が生じると障害髄節高位よりも下位の髄節によって支配される深部伳反射は低下(減弱)する。例えば,C5 髄節高位で脊髄症が発症すると,上腕二頭筋伳反射(C5 支配)は低下するが,上腕三頭筋腱反射(C7,8 支配),膝蓋腱反射(L3,4 支配),アキレス腱反射(S1,2 支配)は亢進する。
    e:頚椎症性脊髄症では手内在筋の萎縮を見ることが多い。
  • 頚椎症性脊髄症の特徴について誤っているのはどれか。2つ選べ。

    a. 足クローヌスを認める。
    b. 指離れ兆候を認める。
    c. Ronberg 徴候陰性
    d. Wartenberg 反射陽性
    e. 10 秒テスト 20 回以上である
    c. Ronberg 徴候陰性
    e. 10 秒テスト 20 回以上である

    Romberg 徴候とは、両足を揃えて立った状態で目をつぶると、体が動揺して著しく不安定になる現象。脊髄性運動失調症の症状の 1 つで、位置覚の障害を示す。
    足クローヌスは軽度の刺激で足首や膝の間接がぴくぴく
    10秒テストは10秒間ぐーぱー
  • 脊椎損傷に関する記述で正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. ハングマン骨折(hangman’s fracture)は軸椎の骨折である。
    b. 多くの圧迫骨折では脊椎の安定性は保たれる。
    c. チャンス骨折(Chance fracture )は多椎間にわたる脊椎骨折である。
    d. 幼少時期には脊椎破裂骨折はよくみられる。
    e. ジェファーソン骨折(Jefferson fracture)では脊髄麻痺を生じやすい。
    a. ハングマン骨折(hangman’s fracture)は軸椎の骨折である。
    b. 多くの圧迫骨折では脊椎の安定性は保たれる。

    a:ハングマン骨折は軸椎関節突起間での骨折である。
    b:圧迫骨折ではデニスの提唱する middle column が温存されており,通常安定性が保たれている。
    c:チャンス骨折は骨折線が椎体から椎弓,棘突起に水平に走る骨折のことである。
    d:小児脊柱は可動性が高く脊椎の損傷が生じる前に脊髄が伸展され骨傷のない脊髄損傷がしばしばみられる。
    e:ジェファーソン骨折は環椎の破裂骨折であり脊髄損傷を伴うことは稀である。
  • 脊髄損傷後の褥瘡の予防として正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 両肢位保持
    b. 関節可動域訓練
    c. 頻回な体位変換
    d. 低蛋白血症改善
    e. 自己導尿訓練
    c. 頻回な体位変換
    d. 低蛋白血症改善

    脊髄損傷の合併症の1つである褥瘡を予防するには,頻回の体位変換,マットやクッションなどの予防具の使用,皮
    膚清拭,低蛋白血症改善などが必要である。
  • 側弯症に関して正しいのはどれか。

    a. コブ(Cobb)角が 25°以上では手術療法が行われる。
    b. 思春期側弯症は女性よりも男性に多くみられる。
    c. 側弯症の大部分は先天性側弯症である。
    d. 側弯症における肋骨隆起を見るために前屈テストが用いられる。
    e. リッサー(Risser)サインは手の X 線写真を用いて判定する。
    d. 側弯症における肋骨隆起を見るために前屈テストが用いられる。

    a:コブ角 25°以上で進行兆候が見られる場合には装具療法が適応
    となる。手術療法はコブ角 45°~ 50°以上で適応となることが多い。コブ角 60°以上では呼吸機能障害,腰背部痛,日常生活機能低下,成長終了後も側弯進行が見られる。コブ角 40°未満では問題ない。
    b:思春期側弯症とは 10 ~ 17 歳に発生する特発性側弯症である。側弯進行に関係する因子は身長の伸び(身長が伸びている時期に進行),初潮時期(初潮前の方が進行),リッサーサイン(骨成熟度が低い方が進行)などである。
    c:側弯症の80%が原因不明の特発性である。
    d:側弯症を発見するために前屈テストを行い,肋骨隆起または腰部隆起の有無をみる。その他のチェックポイントは立位における脇線の左右差,肩の高さの左右差,肩甲骨の突出と位置の左右差である。
    e:リッサーサインは骨盤の X 線写真(腸骨稜骨端線による骨成熟度)を用いて判定する。腸骨稜の骨端線骨化は前上腸骨棘に始まり後方に向かう。
  • 側弯症に関して正しいのはどれか。3つ選べ。

    a. 前額面でのコブ角が 30°以上を側弯症と定義する。
    b. 思春期側弯症は女子よりも男子に多くみられる。
    c. 側弯症の 80% が特発性側弯症である。
    d. 側弯症における肋骨隆起を見るために前屈テストが用いられる。
    e. 小学校から高校の運動器検診の対象となっている。
    c. 側弯症の 80% が特発性側弯症である。
    d. 側弯症における肋骨隆起を見るために前屈テストが用いられる。
    e. 小学校から高校の運動器検診の対象となっている。

    こぶ角10度以上で側弯症
  • 腰部脊柱管狭窄症に特徴的な症候を2つ選べ。

    a. 間欠跛行
    b. 姿勢による症状の変化
    c. 膝蓋腱反射低下
    d. クローヌス
    e. SLR テスト陽性
    a. 間欠跛行
    b. 姿勢による症状の変化

    a:間欠跛行とは歩行することにより腰部,臀部,下肢の痛み・痺れなどが生じ,歩行できなくなる症状で,しゃがんで膝を抱えるような姿勢をとって腰椎を前屈させると症状が軽減して再び歩けるようにあるのが特徴である。
    b:腰部脊柱管狭窄症では腰椎伸展位で立位をとっているだけで,歩行時と同じ症状が出現することもある。腰椎伸展位では黄色靭帯が弛緩して厚くなるので,馬尾の圧迫により神経内の虚血が生じることが原因とされている。この場合も腰椎前屈位をとり馬尾を弛緩することで症状が出現しにくくなったり,和らいだりする。
    c:膝蓋伳反射は L3,L4 髄節レベルに反射弓があるので,腰部脊柱管狭窄症では低下していることが多い。しかし,疾患に特徴的な症候とは言えない。
    d:クローヌスとは筋を受動的に急激に伸展させた際に,律動的な筋収縮を繰り返す現象で錐体路障害(脊髄レベルでの障害)を示す。
    e:SLR(下肢伸展挙上)テストは下位腰椎椎間板ヘルニア(L5,S1 神経根障害)における神経根障害の仏痛誘発テストで,下肢を伸展させたまま挙上させることにより 70°未満で下肢痛が誘発されれば陽性。腰部脊柱管狭窄症ではほとんどの場合,陰性となる。
  • 腰部脊柱管狭窄症に関しての記述で正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 閉塞性動脈硬化症との鑑別が重要となる。
    b. 脊柱管の狭窄因子として一般的には,椎間板の膨隆,椎間関節の肥厚,硬膜の肥厚が重要である。
    c. 腰部脊柱管狭窄による間欠性跛行は立ち止まるだけで改善する。
    d. 高度の狭窄例では膀胱直腸障害が出現する。
    e. 腰椎の前屈制限が特徴的である。
    a. 閉塞性動脈硬化症との鑑別が重要となる。
    d. 高度の狭窄例では膀胱直腸障害が出現する。

    a:腰部脊柱管狭窄症と閉塞性動脈硬化症(ASO)はどちらも間欠跛行が代表的症状なので,両者の鑑別が重要である。腰部脊柱管狭窄の場合は姿勢因子が症状に関与し,歩行による下肢の痺れや痛みが前屈位をとる(立ち止まって腰をかがめる,座り込む)ことで和らぐ。自転車を漕ぐ,推しぐるまを押しながらの(腰椎を前屈させての)歩行では症状が出現しにくい。閉塞性動脈硬化症では間欠跛行に姿勢因子が関与しない。下肢の冷感やチアノーゼ,動脈の拍動減弱を伴うことも特徴である。
    b:脊柱管の狭窄因子として,椎間板の膨隆,椎間関節の肥厚,黄色靭帯の肥厚が重要である。腰部脊柱管狭窄症で周囲から圧迫を受けた硬膜は菲薄化していることが多い。×
    c:前述の通り,腰部脊柱管狭窄では姿勢因子が症状発現に関与し,閉塞性動脈硬化症による間欠跛行は立ち止まるだけで改善する。×
    d:正しい。失禁や尿閉を呈する場合は早急に手術したほうが良い。
    e:腰部脊柱管狭窄症において,伸展位よりも前屈位の方が黄色靭帯による脊柱管圧迫が少なくなり,症状も出現しにくい。したがって,患者は自然に前屈位を取るようになる。×
  • 腰部脊柱管狭窄症に関しての記述で正しいのはどれか。3つ選べ。

    a. 閉塞性動脈硬化症との鑑別が重要となる。
    b. 脊柱管の狭窄因子として一般的には,椎間板の膨隆,椎間関節の肥厚,黄色靭帯の肥厚が重要である。
    c. 腰部脊柱管狭窄による間欠性跛行は立ち止まるだけで改善する。
    d. 高度の狭窄例では膀胱直腸障害が出現する。
    e. 腰椎の前屈制限が特徴的である。
    a. 閉塞性動脈硬化症との鑑別が重要となる。
    b. 脊柱管の狭窄因子として一般的には,椎間板の膨隆,椎間関節の肥厚,黄色靭帯の肥厚が重要である。
    d. 高度の狭窄例では膀胱直腸障害が出現する。
  • 腰椎脊椎分離症について正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 腰椎単純 X 線像で診断するのは困難なことが多い。
    b. すべりを伴わない場合は保存療法が第 1 選択であるが,すべりを伴う場合は手術療法が打1選択となる。
    c. すべりを伴う場合,その程度は腰椎単純 X 線像を用いてのMeyerding 分類で評価する。
    d. 保存療法の結果,脊椎分離が残存しても,症状がおさまればスポーツ復帰は可能である。
    e. 多くの症例はコルセットによる固定によって分離部が自然癒合する。
    c. すべりを伴う場合,その程度は腰椎単純 X 線像を用いてのMeyerding 分類で評価する。
    d. 保存療法の結果,脊椎分離が残存しても,症状がおさまればスポーツ復帰は可能である

    a:腰椎部単純 X 線斜位像で関節突起間部の分離(「犬の首輪」と形容)が診断されることが多い。
    b:すべりを伴う伴わないにかかわらず,治療の第 1 選択は保存療法である。消炎鎮痛薬投与,コルセット装着,日常生活指導などを行う。
    c:腰椎すべり症は上位腰椎が下位腰椎に対して前方にすべっている状態をいう。脊椎分離に続発する分離すべり症と,腰椎の退行変性を基盤に発生する変性すべり症に分類される。どちらも単純 X 線側面像で Meyerding の分類によりすべりの程度を評価することが多い。
    d:脊椎分離症は高度のスポーツ活動を行う 10 歳前後の男子に多い。一種の疲労骨折であると考えられている。腰痛・臀部痛を訴えることもあるが,無症状例が多い。仏痛を伴う例に対して保存療法を行い,結果症状がおさまれば画像上脊椎分離が残存しても運動能力に支障をきたすことはない。
    e:小児で分離初期であれば,ギプスやコルセット装着により分離部が骨癒合することもある。しかし,多くの症例では分離が残存する。保存療法の結果,腰殿部の仏痛や下肢神経症状が残る場合には手術(神経除圧や脊椎固定術)が適応となる。
  • L4/5 高位での腰椎椎間板ヘルニアに関する所見で正しいのはどれか。

    a. 膝蓋伳反射低下
    b. 下肢伸展挙上(SLR)テスト陰性
    c. 下位腰椎椎間板ヘルニアで最も頻度が高い。
    d. 好発年齢は 50 ~ 60 歳代
    e. ほとんどが手術加療を要する。
    c. 下位腰椎椎間板ヘルニアで最も頻度が高い。

    a:L4/5 高位で腰椎椎間板ヘルニアが存在する場合,ほとんどの場合,後側方脱出なので,障害される神経は L5 神経根である。膝蓋伳反射の反射弓は L3, L4 髄節レベルなので,L5 神経根が障害されても反射が低下することはない。
    b:下肢伸展挙上テストは下位腰椎椎間板ヘルニア(L5/S1 神経根障害)における神経根障害の仏痛誘発テストで,下肢を伸展させたまま挙上させることにより 70°未満で下肢痛が誘発されれば陽性
    c:腰椎椎間板ヘルニアで最も頻度が高いのは L4/5,次に L5/S,L3/4 の順である。
    d:好発年齢は 20 ~ 40 歳代である。
    e:腰椎椎間板ヘルニアの多くは保存療法で軽快する。脱出したヘルニアが自然消退を示す場合もある。保存療法には薬物療法(消炎鎮痛薬や筋弛緩薬など),理学療法(骨盤牽引,装具療法,運動療法,体幹筋筋力強化,ストレッチングなど),ブロック療法(硬膜外ブロック,選択的神経根ブロックなど)があり,2~3ヶ月を目安に行う。
  • L3/4 高位での腰椎椎間板ヘルニアについて正しいのはどれか。2つ選べ。
    a. L4/5 のヘルニアよりも高頻度に起こる。
    b. 下肢内側に感覚異常を生じる。
    c. 腓骨筋の筋力低下を生じる。
    d. 大腿神経伸展テスト陽性
    e. 手術を要することが多い。
    b. 下肢内側に感覚異常を生じる。
    d. 大腿神経伸展テスト陽性

    腓骨筋はL4/5のヘルニアで筋力低下
    L3/L4は大腿四頭筋
  • 27 歳女性。突然発症した両側下垂足と尿失禁に対し MR 検査を施行したところ,L4・5 に巨大な椎間板ヘルニアを認めた。行うべき対応はどれか。

    a. 腰痛体操の指導
    b. 硬膜外ブロックを繰り返す
    c. 可及的早期の手術療法
    d. 椎間板ヘルニアの徒手整復
    e. 体幹ギプス固定
    c. 可及的早期の手術療法

    a:腰痛体操は腰部周辺の筋肉を強化して柔軟性を養うための体操で,腰痛予防を目的としている。×
    b:硬膜外ブロックは腰下肢痛の軽減や下肢血流障害の改善を目的として行う。×
    c:膀胱直腸障害(便秘,頻尿,排尿遅延,残尿感→高度になると失禁,尿閉)の場合は早期に手術を行い神経の除圧を図る必要がある。
    d:椎間板ヘルニア徒手整復は医科診療報酬点数表にも記載されている治療法である。しかしながら,本例のように著明に脱出して神経症状を伴うヘルニアに対してマニュプレーションを行うことは,神経症状をさらに悪化させる危険性
    があり,極めて危険である。
    e:体幹ギプス固定は脊椎圧迫骨折や脊椎固定術後に脊柱の動きを制限する目的で行う。
  • 38 歳の男性。職場で床に落ちた書類を拾おうと屈んだところ、腰痛と右下腿痛が出現したため受診した。既往歴に特記すべきことはない。身長 165cm、体重 58kg。体温 36.7 °C。脈拍 80/分、整。腰椎エックス線写真で異常を認めず、腰部単純 MRI で第 4 腰椎と第 5 腰椎間の右側に椎間板ヘルニアを認めた。この患者で認め
    られないのはどれか。

    a. アキレス伳反射の亢進
    b. 会陰部の異常感覚
    c. 右下腿外側の感覚鈍麻
    d. 右母趾背屈筋力の低下
    e. 右下肢伸展挙上テスト陽性
    b. 会陰部の異常感覚

    第 4 腰椎と第 5 腰椎間の右側に椎間板ヘルニア☞ L4/5 間のヘルニアであり、多くのケースで L5 神経根が障害される。

    a:L5 神経根は足の筋や感覚も支配している。そのため、障害されることで仏痛が生じ、跛行をみる。
    b:誤り。S2 ~ 4 の障害でみられる。
    c:L5 神経根の感覚支配領域である。
    d:L5 神経根の支配する長母指伸筋の働きが低下することでみられる。
    e:SLR テストとも呼ばれ、腰部椎間板ヘルニアの検査として知られる。
  • 脊髄腫瘍に関する記述で正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 髄膜腫は髄内発生が多い。
    b. 神経鞘腫は硬膜内髄外に多く発生する。
    c. 椎間孔の内外に広がる腫瘍を砂時計腫という。
    d. 上衣腫は硬膜外に多く発生する。
    e. 脳脊髄液検査は脊髄腫瘍の鑑別診断に有用である。
    b. 神経鞘腫は硬膜内髄外に多く発生する。
    c. 椎間孔の内外に広がる腫瘍を砂時計腫という。

    a:髄膜腫は硬膜内髄外に多く発生する。
    b:神経鞘腫は硬膜内髄外に多く発生する。
    c:椎間孔を通って脊柱管の内外にまたがる腫瘍を砂時計腫(dumbbell-typed tumor)という。
    d:上衣腫は髄内に多く発生する。
    e:脳脊髄液検査にて脊髄腫瘍の鑑別診断を行うことは不可能である。
  • 硬膜内髄外腫瘍で頻度が高い腫瘍はどれか。2つ選べ。

    a. 神経鞘腫
    b. 髄膜腫
    c. 上衣腫
    d. 星状細胞腫
    e. 血管芽腫
    a. 神経鞘腫
    b. 髄膜腫

    a:神経鞘腫は硬膜内髄外腫瘍で最も頻度が高い。
    b:髄膜腫は硬膜内髄外腫瘍で神経鞘腫についで頻度が高い。
    c:上衣腫は髄内腫瘍で頻度が高い
    d:星状細胞腫は髄内腫瘍で頻度が高い。
    e:血管芽腫は髄内腫瘍で頻度が高い。
  • 紋扼性神経障害でないのはどれか。

    a. 手根管症候群
    b. 胸郭出口症候群
    c. 肘部管症候群
    d. 尺骨神経管症候群
    e. モートン(Morton)病
    b. 胸郭出口症候群

    a:手根管と横手根靭帯に囲まれた手根管における正中神経の障害。
    b:腕神経叢と鎖骨下動脈が,前斜角筋,中斜角筋,第一肋骨,鎖骨,小胸筋などにより圧迫されることにより生じる神経・循環障害
    c:肘部管での尺骨神経の紋扼性神経障害
    d:手関節尺側部で掌側手根靭帯に覆われた尺骨神経管(ギオン管)における尺骨神経の紋扼性障害
    e:中足骨頭による足底神経への断続性圧迫の結果生じる紋扼性神経障害(entrapment neuropathy)
  • 腕神経叢損傷について正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 分娩麻痺は分娩時の腕神経叢の牽引によって生じる。
    b. 上位型では上腕二頭筋に麻痺が生じる。
    c. ホルネル(Horner)徴候が出現することはない。
    d. 緊急手術の適応となる。
    e. 受傷直後から筋電図検査で脱神経電位が見られることが多い。
    a. 分娩麻痺は分娩時の腕神経叢の牽引によって生じる。
    b. 上位型では上腕二頭筋に麻痺が生じる。

    a:分娩麻痺の受傷機転は成人の腕神経叢麻痺と同様に牽引によって起こる。受傷には生下時の過剰体重,難産,頭部と骨盤の不適合,鉗子分娩などの共通の状況が存在する。保存的加療が中心であり,機能障害が残存した場合,学童期に機能再建手術を行う。生後3~6ヶ月で麻痺回復の可能性がない症例に対して手術を行う施設もある。
    b:損傷範囲により上位型(C5,6 型,C5,6,7 型),下位型(C8,T1 型,C7,C8,T1 型),全型に分類される。損傷された神経根により麻痺筋が異なる。上腕二頭筋は C5,6 の神経支配であるため,上位型の神経障害で麻痺となる。
    c:C8,T1 神経根引き抜き損傷で交感神経障害が起こると Horner 徴候をきたす。主に,重症の全型や下位型の腕神経叢損傷に出現する。
    d:手術時期は経過を慎重に観察し自然回復の有無を判定して決める(受傷後3週間から3ヶ月の早期手術,3~6ヶ月の時期,6~ 12 ヶ月の陳旧性の時期)
    e:神経のワーラー変性がある場合,筋電図で線維自発電位,陽性鋭波などの脱神経電位を認める。このような変化が起こるのは受傷後数週間後である。
  • 腕神経叢損傷について誤っているのはどれか。2つ選べ。

    a. 上位型は C5,6,7 の神経損傷により起こる。
    b. 下位型は肩甲上神経の麻痺が起こる。
    c. 引き抜き損傷は男性より女性に多い。
    d. ホルネル徴候は C8,T1 の引き抜き損傷で見られる。
    e. ホルネル徴候では縮瞳が見られる
    b. 下位型は肩甲上神経の麻痺が起こる。
    c. 引き抜き損傷は男性より女性に多い。

    調べた限りだと,引き抜き損傷は男性の方が多いらしい。
    ホルネル徴候では,眼球陥没,眼瞼下垂,縮瞳が見られる。これは C8,T1 レベルの引き抜き損傷である。
  • 手根管症候群に関する記述で誤っているのはどれか。2つ選べ。

    a. 橈骨神経が障害される。
    b. アミロイドが原因となる
    c. 母指対立運動が障害される。
    d. 下垂手を生じる。
    e. ファーレン(Phalen)テストが陽性になる症例が多い。
    a. 橈骨神経が障害される。
    d. 下垂手を生じる。

    正中神経が障害される。
    下垂手は橈骨神経の障害で生じるので違う。
    ファーレンテストは正中神経を調べるテスト
    アミロイドが手根管に沈着して起こることもある
  • 手根管症候群に関する記述で正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 手根管での正中神経の代謝性神経障害である。
    b. 重症例では猿手変形を生じる。
    c. 重症例では指の内転・外転運動が困難となる。
    d. 重症例では母指球筋が萎縮し,母指対立運動が困難となる。
    e. 電気生理検査で運動神経の終末潜時は延長しない。
    b. 重症例では猿手変形を生じる。
    d. 重症例では母指球筋が萎縮し,母指対立運動が困難となる。

    a:紋扼性神経障害だ。手根管内には正中神経と9本の屈筋腱が走行しており,紋扼性神経障害を生じやすい。
    b:重症例では母指球筋が著明に萎縮し,猿手となる。
    c:指の内転・外転運動が困難となるのは肘部管症候群である。尺骨神経麻痺により骨間筋の機能障害が起きるためである。
    d:母指対立運動が困難となるため,母指と示指で “O” を作ることが困難となる。
  • 肘部管症候群でみられる手指の所見はどれか。2つ選べ。

    a. 鷲(かぎ爪)指変形
    b. 猿手変形
    c. 母指球筋の萎縮
    d. 母指から環指橈側の知覚障害
    e. 環指尺側と小指の知覚障害
    a. 鷲(かぎ爪)指変形
    e. 環指尺側と小指の知覚障害

    a:尺骨神経障害により環指・小指の骨間筋,虫様筋がともに麻痺するため,MP 関節過伸展,PIP/DIP 関節屈曲位となり,鷲(かぎ爪)指変形を呈する。
    b:猿手は正中神経傷害により起こる。母指球筋の萎縮に伴い,母指対立運動が不可能となる。
    c:母指球筋の萎縮は手根管症候群などの正中神経麻痺により起こる。
    d:母指から環指橈側掌側の知覚は正中神経支配であり,手根管症候群により障害される。
    e:小指と環指尺側の掌背側は尺骨神経支配であり肘部管症候群で障害される。Guyon(ギオン)管症候群では背側の知覚は障害されない。

    正中神経→サル
    尺骨神経→ワシ
    橈骨神経→下垂手
  • 救急外来に上腕骨幹部骨折患者が受診した。合併損傷の頻度が高い末梢神経はどれか。

    a. 正中神経
    b. 尺骨神経
    c. 橈骨神経
    d. 筋皮神経
    e. 腋窩神経
    c. 橈骨神経

    橈骨神経は上腕骨の中 1/3 で骨に接しながら,背側の橈骨神経溝を通る。そのため,上腕骨幹部骨折患者では橈骨神経麻痺を合併することが多い。
  • 上腕骨骨幹部骨折に合併する神経麻痺により制限される運動はどれか。1つ選べ。

    a. 手指屈曲
    b. 手指伸展
    c. 手関節屈曲
    d. 前腕回内
    e. 肘関節伸展
    b. 手指伸展

    橈骨神経麻痺でできなくなる
  • 末梢神経損傷について正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. ワーラー(Waller)変性は髄鞘の変性である。
    b. 神経が切断されると筋を電気刺激しても反応しない。
    c. 麻痺域では発汗が増加する。
    d. 神経の再生速度は平均 1 日約 1mm である。
    e. Tinel 徴候の末梢方向への進行は神経の再生を示す。
    d. 神経の再生速度は平均 1 日約 1mm である。
    e. Tinel 徴候の末梢方向への進行は神経の再生を示す。

    a:切断部より遠位の軸索は神経細胞体から連続が断たれるため,切断された軸索や髄鞘は変性に陥る。この変化はワーラー変性という。
    b:神経が切断されても筋を電気刺激すると反応する。
    c:麻痺域では発汗が減少する。
    e:神経切断後に近位断端から再生軸索の萌芽が生じ,徐々に髄鞘に取り囲まれる。しかし,先端のまだ髄鞘に覆われていない部位を叩打すると,その神経支配領域に「ピリッと」した感じが出現する。これを Tinel 徴候と呼び,神経の再生に伴いその位置は末梢へ移動する。
  • 正中神経麻痺で生じる知覚障害の範囲に関する記述で正しいのはどれか

    a. 主に手背の橈側
    b. 主に手背の尺側
    c. 主に手掌の橈側(母指から環指橈側)
    d. 主に手掌の尺側(中指から小指)
    e. 手関節より末梢全て
    c. 主に手掌の橈側(母指から環指橈側)
  • 下肢の神経障害に関する組み合わせで正しいのはどれか。

    a. 後脛骨神経麻痺-不良肢位やギプスによる圧迫
    b. 総腓骨神経麻痺-下垂足
    c. 足根管症候群-足背のしびれと仏痛
    d. モートン(Morton)病-外反母趾
    e. 梨状筋症候群-閉鎖神経麻痺
    b. 総腓骨神経麻痺-下垂足

    a:総腓骨神経麻痺の原因の一つに不良肢位やギプスによる腓骨頭部で腓骨神経圧迫がある。
    b:足関節と足趾の伸筋群の筋力低下により下垂足が生じる。
    c:後脛骨神経が脛骨内果後方の靭帯性トンネルで圧迫される紋扼性神経障害。足趾,足底部の痺れと疼痛を生じる。
    d:中足骨頭による足底神経への断続性圧迫の結果生じる紋扼性神経障害。歩行時に足指の痺れ,仏痛を生じる。外反母趾とは関係ない。
    e:坐骨神経が梨状筋出口で圧迫される紋扼性神経障害で,坐骨神経痛が主症状である。
  • 下肢の神経障害に関する組み合わせで正しいのはどれか。1つ選べ。

    a. 後脛骨神経麻痺-不良肢位やギプスによる圧迫
    b. 総腓骨神経麻痺-下垂足
    c. 足根管症候群-足背のしびれと仏痛
    d. モートン(Morton)病-外反母趾
    e. 梨状筋症候群-上殿神経麻痺
    b. 総腓骨神経麻痺-下垂足
  • 良性骨腫瘍に関する組み合わせで誤っているのはどれか。

    a. 骨軟骨腫-軟骨帽
    b. 類骨骨腫-すりガラス状 X 線像
    c. 骨巨細胞腫-石鹸泡沫状陰影(soap bubble appearance)
    d. 非骨化性線維種-辺縁硬化像
    e. 内軟骨腫-オリエ(Ollier)病
    b. 類骨骨腫-すりガラス状 X 線像

    a:骨軟骨腫は骨突起部の上部に軟骨帽がある。(図 1)
    b:すりガラス状 X 線像は線維性骨異形成症などに見られ,類骨骨腫は骨幹部の骨皮質の肥厚した硬化像と円形の透亮像が特徴的である。
    c:骨巨細胞腫は骨幹端部の多房性の石鹸泡沫状陰影が見られる。
    d:非骨化線維種は良性疾患であり,腫瘍周囲を取り囲むように辺縁硬化像が見られる。(図 2)
    e:オリエ病は多発性内軟骨腫のこと。
  • 骨肉腫について正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 10 歳代の男性に好発する。
    b. 脊椎に多発することが多い。
    c. 化学療法は奏効しにくく放射線治療が選択される。
    d. 予後を左右する大きな因子は肺転移の有無である。
    e. 5年生存率は 10% 以下である。
    a. 10 歳代の男性に好発する。
    d. 予後を左右する大きな因子は肺転移の有無である。

    b:大腿骨遠位,脛骨近位に多い。
    c:術前化学補助療法が選択され,ときに放射線治療が選択される。
    d:肺転移の有無により予後は大きく左右される。
    e:集学的治療により5年生存率 60% まで改善されてきている。
  • 骨腫瘍の特徴的 X 線所見の記述に関する組み合わせで正しいもの2

    a. 線維性骨異形成症-石灰化を伴う硬化性病変
    b. 類骨骨腫-骨皮質肥厚硬化像と円形透亮像
    c. 単発性骨嚢腫-偏心性の溶骨像と骨膜反応
    d. 多発性骨髄腫-すりガラス状 X 線像
    e. ユーイング肉腫-虫食い状骨吸収と骨膜反応
    b. 類骨骨腫-骨皮質肥厚硬化像と円形透亮像
    e. ユーイング肉腫-虫食い状骨吸収と骨膜反応

    a:線維性骨異形成症の特徴的 X 線像はすりガラス状 X 線像である。
    b:類骨骨腫は反応性の骨皮質肥厚硬化像と nidus 部分の円形透亮像が特徴的である。
    c:単発性骨嚢腫の特徴的な X 線所見は比較的境界明瞭な中心性骨透亮像である。
    d:多発性骨髄腫は多数の透明巣,頭骨打ち抜き像(punched-out lesion)が特徴的。
    e:ユーイング肉腫は蚕食状骨吸収像,虫食い状骨吸収と玉ねぎの皮様骨膜反応などの像が特徴的である。
  • 骨腫瘍の画像診断について、誤っているものを 2 つ選べ。
    a. X 線画像で周りに反応性の骨硬化像があれば良性である。
    b. X 線画像で虫食い像があれば悪性である。
    c. X 線画像でスピキュラがあれば良性である。
    d. MRI で腫瘍周囲に浮腫像があれば良性である。
    e. タリウムシンチグラムは腫瘍の良悪性の判断に有用である。
    c. X 線画像でスピキュラがあれば良性である。
    d. MRI で腫瘍周囲に浮腫像があれば良性である。

    骨シンチグラム:骨形成能評価
    タリウムシンチグラム:腫瘍の良悪の判断
    PET:がんのステージ決定

    Codman三角、spicula、たまねぎ皮様反応は悪性
  • 癌の骨転移についての記述で正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 前立腺癌の骨転移は X 線でしばしば骨硬化像を伴う。
    b. 多発骨病変の検索には骨シンチが診断に有効である。
    c. 脊椎への転移は稀である。
    d. 骨転移病変に対する手術の適応はない。
    e. 骨転移病変に対する放射線治療の適応はない。
    a. 前立腺癌の骨転移は X 線でしばしば骨硬化像を伴う。
    b. 多発骨病変の検索には骨シンチが診断に有効である。

    a:前立腺癌の骨転移は骨硬化型が多い。
    b:骨シンチは骨への多発転移巣の検索に有用である。
    c:骨への転移は脊椎,骨盤,大腿骨に多い。
    d:生命予後が良い骨転移には QOL を考えて手術を行うこともある。
    e:手術ができない時や,仏痛対策として放射線療法を行う。
  • 癌の骨転移についての記述で正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 骨転移が最も多いのは肺癌,2番目に多いのは前立腺癌である。
    b. 前立腺癌の骨転移は X 線でしばしば骨硬化像を伴う。
    c. 多発骨病変の検査には骨シンチが診断に有効である。
    d. 脊椎への転移が最多である。
    e. 骨転移病変に対する手術の適応はない。
    b. 前立腺癌の骨転移は X 線でしばしば骨硬化像を伴う。
    c. 多発骨病変の検査には骨シンチが診断に有効である。
  • 骨腫瘍の好発部位に関する記述で誤っているのはどれか。

    a. 骨軟骨腫-骨幹端
    b. 線維性骨異形成症-骨端
    c. 骨肉腫-骨幹端
    d. ユーイング肉腫-骨幹
    e. 軟骨芽細胞腫-骨端
    b. 線維性骨異形成症-骨端

    線維性骨異形成症-骨幹
  • 骨腫瘍の好発部位に関する記述で誤っている組み合わせはどれか。2つ選べ。

    a. 巨細胞腫-骨幹
    b. 骨軟骨腫-骨幹端
    c. 骨肉腫-骨幹端
    d. 軟骨芽細胞腫-骨幹
    e. 類骨骨腫-骨幹
    a. 巨細胞腫-骨幹
    d. 軟骨芽細胞腫-骨幹

    巨細胞腫ー骨幹端
    軟骨芽細胞腫-骨端
  • ユーイング(Ewing)肉腫についての記述で正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 小円形細胞である。
    b. 局所の発赤,熱感,赤沈亢進,CRP の陽性など炎症症状は認めない
    c. EWS-FL11 など異常な融合遺伝子が報告されている。
    d. 骨突起表面の軟骨帽が特徴である。
    e. 治療には掻爬+人工骨移植が行われる。
    a. 小円形細胞である。
    c. EWS-FL11 など異常な融合遺伝子が報告されている。

    a:横紋筋肉腫などと同じく小円形細胞肉腫の一つである。
    b:炎症症状(局所の発赤,熱感,赤沈亢進,CRP の陽性)を認めることがある
    c:EWS-FL11 など異常な融合遺伝子が報告されている。
    d:骨突起表面の軟骨帽は骨軟骨腫に特徴的な構造である。
    e:治療は広範囲切除,化学療法,放射線治療が選択される。
  • ユーイング(Ewing)肉腫についての記述で正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 小円形細胞である。
    b. 局所の発赤や熱感は見られない。
    c. 化学療法は著効しにくいため,選択されない。
    d. 赤沈亢進,CRP 陽性など炎症症状を認める。
    e. 原発巣は骨幹端部の発症が多い。
    a. 小円形細胞である。
    d. 赤沈亢進,CRP 陽性など炎症症状を認める。

    骨幹部の発症が多い
  • 骨粗鬆症の治療についての記述で誤っているのはどれか。

    a. 治療の基本は薬物療法であり必要に応じて栄養,運動療法が考慮されている。
    b. カルシウム推奨所要量は一日 600mg である。
    c. 骨吸収抑制剤にはビスフォスフォネート,選択的エストロゲン受容体修飾薬,カルシトニンがある。
    d. ステロイド性骨粗鬆症の薬物治療で第 1 選択薬はビスフォスフォネートである。
    e. 骨代謝マーカーは骨粗鬆症の治療効果判定に有用な指標である。
    a. 治療の基本は薬物療法であり必要に応じて栄養,運動療法が考慮されている。

    治療の基本は栄養,運動療法である。
  • 骨粗鬆症についての記述で正しいのはどれか。

    a. 骨粗鬆症と診断するには骨質が問題で骨密度は問題ない。
    b. 骨密度を検査し YAM 値が 70% 以上なら骨粗鬆症と診断される。
    c. 骨密度を検査し YAM 値が 70% 未満なら骨粗鬆症と診断される。
    d. 骨折が少なくとも一つなければ骨粗鬆症と診断できない。
    e. 骨密度の測定部位は腰椎のみである。
    c. 骨密度を検査し YAM 値が 70% 未満なら骨粗鬆症と診断される。

    a:骨粗鬆症は骨強度の低下に基づく骨折リスクが高まった状態である。
    b,c:骨密度を検査し YAM 値が 70% 未満なら骨粗鬆症と診断される。
    d:原発性骨粗鬆症の診断基準は2つのカテゴリーからなる。1脆弱性骨折あり,2脆弱性骨折なし。従って骨折のない例においても骨強度の低下があれば骨粗鬆症と診断される。
    e:原則として腰椎で測定する。しかし,適切でない例では大腿骨骨頸部などの部位での測定を行い,その骨密度値により評価する。
  • 骨粗鬆症についての記述で誤っているのはどれか。2つ選べ。

    a. 脆弱性骨折(大腿骨近位部骨折または椎体骨折)の既往を持つ患者は骨密度にかかわらず骨粗鬆症と診断
    される。
    b. 脆弱性骨折があり、骨密度を検査して YAM の 80% 未満であれば骨粗鬆症と診断される。
    c. 上皮小体機能亢進症では、骨吸収が促進されて骨粗鬆症になり得る。
    d. 癌転移に伴う骨密度の低下は、原発性骨粗鬆症の原因となる。
    e. 骨の強さは骨密度が 90%、骨質 10% で規定される。
    d. 癌転移に伴う骨密度の低下は、原発性骨粗鬆症の原因となる。
    e. 骨の強さは骨密度が 90%、骨質 10% で規定される。

    d は続発性骨粗鬆症の誤り。
    e について骨の強さは骨密度が70%、骨質 30% で規定される。
  • 骨代謝マーカーのうち骨吸収を示すマーカーはどれか。3 つ選べ。

    a. 血中骨型アルカリフォスファターゼ (BAP)
    b. 血中・尿中I型コラーゲン架橋 C-テロペプチド (CTx)
    c. 血中・尿中I型コラーゲン架橋 N-テロペプチド (NTx)
    d. 血中I型プロコラーゲン N-ピロペプチド (P1NP)
    e. 血中酒石酸抵抗性酸フォスファターゼ (TRACP-5b)
    b. 血中・尿中I型コラーゲン架橋 C-テロペプチド (CTx)
    c. 血中・尿中I型コラーゲン架橋 N-テロペプチド (NTx)
    e. 血中酒石酸抵抗性酸フォスファターゼ (TRACP-5b)
    は骨吸収

    a. 血中骨型アルカリフォスファターゼ (BAP)
    d. 血中I型プロコラーゲン N-ピロペプチド (P1NP)
    は骨形成
  • 原発性骨粗鬆症に対する食事療法において摂取するべきではないものはどれか。2 つ選べ。

    a. ビタミン D
    b. ビタミン K
    c. カルシウム
    d. リン
    e. カフェイン
    d. リン
    e. カフェイン

    摂取すべき栄養素としては,カルシウム・ビタミン D・ビタミン K・タンパク質がある。摂取を控えるべき栄養素として,リン・食塩・カフェイン・アルコールがある。
  • 先天性内反足の記述で正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 下腿の内旋を伴うことが多い。
    b. 尖足変形がない場合がある。
    c. 予後は良好で保存療法によって治癒する。
    d. 片側例が多数を占める。
    e. 手術療法ではアキレス伳延長術を必要とする。
    a. 下腿の内旋を伴うことが多い。
    e. 手術療法ではアキレス伳延長術を必要とする。

    a:先天性内反足は前足部の内転変形,踵骨内反変形,尖足変形,凹足変形に加えて,下腿の内捻を伴う。
    b:尖足変形は必ず合併する足部変形である。
    c:足根骨の形態異常とともに各足根骨の配列異常と拘縮が存在し,保存療法で変形が永続的に矯正できるものは決して多くはない。
    d:約半数が両側例である。
    e:早期ギプス矯正のあと,変形が遺残する場合には手術療法を行うことがあるが,この場合,ほとんどアキレス腱延長術を含めた後下軟部組織の解離手術が必要となる。
  • 発育性股関節形成不全 (先天性股関節脱臼) のリスク因子として誤っているものはどれか。2つ選べ。

    a. 男児
    b. 家族歴
    c. 帝王切開
    d. 骨盤位分娩
    e. 夏季生まれ
    a. 男児
    e. 夏季生まれ

    発育性股関節形成不全 (先天性股関節脱臼) のリスク因子は女児,家族歴,骨盤位分娩,帝王切開,冬季
    生まれなどがある。
  • 先天性筋性斜頸についての記述で誤っているのはどれか。2つ選べ。

    a. 原因は胎生時の細菌感染と考えられている。
    b. 右筋性斜頸では頸部は左に側屈,右に回旋している。
    c. 予後は良好で多くは自然治癒する。
    d. 胸鎖乳突筋の腫瘤を触れる。
    e. 筋性斜頸を放置すると脊椎側弯や顔面側弯を生じる。
    a. 原因は胎生時の細菌感染と考えられている。
    b. 右筋性斜頸では頸部は左に側屈,右に回旋している。

    a:原因不明
    b:右の筋性斜頸では頭頸部は右に側屈し,左に回旋する。
    c:予後は良好で,生後6~9ヶ月で胸鎖乳突筋の腫瘤は消失し,多くは自然治癒する
    d:胸鎖乳突筋の胸骨枝,鎖骨枝の分岐部付近に腫瘤を触れる。
    e:斜頸位が改善せず放置すると顔面の変形(顔面側弯)や脊柱側弯が生ずることがある。
  • 先天性筋性斜頸についての記述で誤っているのはどれか。2つ選べ。

    a. 胸鎖乳突筋の線維化が原因である。
    b. 多くは自然治癒する。
    c. 顔面に側弯が見られる。
    d. マッサージが有効である。
    e. 保存的治療を行わず,手術することが多い。
    d. マッサージが有効である。
    e. 保存的治療を行わず,手術することが多い。

    マッサージは禁忌
    自然治癒することが多いから保存的治療
    放っておくと顔面に側弯
  • 大腿骨頭すべり症について正しい記述はどれか。2つ選べ。

    a. 幼児期に発症することが多い。
    b. 単純 X 線で診断可能である。
    c. 通常大腿骨近位骨端部が前下方へ転位する。
    d. ドレーマン(Drehmann)徴候が陽性となる。
    e. 慢性型では徒手整復後ピンニングを行う。
    b. 単純 X 線で診断可能である。
    d. ドレーマン(Drehmann)徴候が陽性となる。

    a:10 歳以降の肥満男児に好発。
    b:単純 X 線正面像では骨端部の高さの減少,骨端線の拡大や朦龍化などが見られ,側面像では骨端部の後方への転位が明らかとなる。側面像から計測した後方すべり角は転位の指標として有用。
    c:大腿骨近位骨端部は後方に転位する。
    d:ドレーマン徴候とは,患側股関節の屈曲に伴って股関節が外転外旋する現象をいい,本症の代表的臨床所見である。
    e:慢性型では徒手整復は不可能であり,無理に行うと骨頭壊死発生の危険がある。
  • 大腿骨頭すべり症について正しい記述はどれか。2つ選べ。

    a. 5 歳前後の男児に好発する。
    b. 股関節屈曲時に内転する。
    c. ドレーマン(Drehmann)徴候が陽性となる。
    d. 通常大腿骨近位骨端部が前下方へ転位する。
    e. 保存療法はほとんど行われない。
    c. ドレーマン(Drehmann)徴候が陽性となる。
    e. 保存療法はほとんど行われない。

    a:10 歳以降の肥満男児に好発。
    b:股関節屈曲時の外転・外旋をみる(=Drehmann 徴候)
    d:大腿骨近位骨端部は後方に転位する。
    e:原則として手術治療を!! 整復は禁忌!! 無理な整復は返って悪い結果をもたらすことがある。安定型(軽症~中等症)であれば,In Situ(そのまま) pinning を行うくらいでこの際に整復はしない。
  • 化膿性股関節炎について誤っている記述はどれか。

    a. 1 歳未満の乳幼児に好発する。
    b. 股関節の腫脹,発赤,運動時痛が主症状である。
    c. 起炎菌は黄色ブドウ球菌が多いが,最近では多剤耐性菌の頻度が高くなってきている。
    d. 早期では X 線像にて異常が見られないことが多い。
    e. 保存療法にて治療成績は良好である。
    e. 保存療法にて治療成績は良好である。

    a:新生児、乳幼児に発生しやすい。
    b:股関節周辺の腫脹,発赤,熱感があり,股関節の自動運動が少なく,他動運動では痛みのため啼泣する。
    c:起炎菌は黄色ブドウ球菌が多いが,MRSA など抗生剤抵抗性菌種によるものも増加しつつある。
    d:早期には X 線像上,異常は見られないが,経過とともに亜脱臼が明らかとなってくる。
    e:治療は早期診断,手術などによる確実な早期排膿と的確な抗生剤の投与である。
  • 化膿性股関節炎について正しい記述はどれか。2つ選べ。

    a. 乳児に最も多く好発する
    b. 股関節の腫脹,発赤,運動時痛が主症状である。
    c. 起炎菌は肺炎球菌が多い。
    d. 早期では X 線像にて異常が見られないことが多い。
    e. 保存療法にて治療成績は良好である。
    b. 股関節の腫脹,発赤,運動時痛が主症状である。
    d. 早期では X 線像にて異常が見られないことが多い。

    新生児、未熟児に発生しやすい
    起炎菌は黄色ブドウ球菌
    保存療法じゃなくて手術で排膿して抗生剤
  • ペルテス病について正しいのはどれか。2つ選べ。
    a. 大腿骨頸部の特発性阻血性壊死である。
    b. 男児にやや多く,両側例と片側例はほぼ同数である。
    c. 装具療法では,股関節を外転内旋位で免荷する。
    d. MRI T1 強調像では,壊死部は高信号となる。
    e. 手術療法には大腿骨内反骨切り術やソルター骨盤骨切り術がある。
    c. 装具療法では,股関節を外転内旋位で免荷する。
    e. 手術療法には大腿骨内反骨切り術やソルター骨盤骨切り術がある。

    a:ペルテス病は大腿骨近位骨端部に発生する特発性阻血性壊死である。
    b:6~8歳の男児に好発し,両側発症例は 15 ~ 20% である。
    c:装具療法は通常,股関節を外転内旋位として求心性を維持しつつ,免荷する。○
    d:MRI T1 強調像では,壊死部は無~低信号となる
    e:代表的な手術には大腿骨内反骨切り術やソルター骨盤骨切り術がある。
  • スポーツ外傷に伴う局所の腫脹,疼痛に対する処置として誤っているものはどれか。

    a. 挙上
    b. マッサージ
    c. 安静
    d. 冷却
    e. 圧迫
    b. マッサージ

    RICE
    安静 冷却 圧迫 拳上
  • スポーツ障害と発生部位との組み合わせで誤っているのはどれか。2つ選べ。

    a. オスグット・シュラッター(Osgood-Schlatter)病-脛骨結節
    b. 行軍骨折-第 2 中足骨
    c. ジョーンズ(Jones)骨折-足関節外果
    d. テニス肘-上腕骨外上顆
    e. ジャンパー膝-大腿骨内顆
    c. ジョーンズ(Jones)骨折-足関節外果
    e. ジャンパー膝-大腿骨内顆

    b:疲労骨折の一つであり,第 2,3 中足骨に発症する。
    c:ジョーンズ骨折は第5中足骨近位骨幹部に発症する疲労骨折。
    d:手指・手関節伸筋群,回外筋の起始部である上腕骨外上顆周囲の痛みを生じる。主に手関節運動時に仏痛が出現し,肘関節の運動時痛はない。
    e:膝蓋骨上下端部の仏痛を主訴とし,膝蓋伳や大腿四頭筋付着部の慢性的ストレスにより発症する。
  • バーセルインデックス(Barthel Index)の評価項目にないのはどれか。

    a. 食事動作
    b. 言語能力
    c. 歩行能力
    d. 排便・排尿動作
    e. 着衣動作
    バーセルインデックスは,摂食・整容動作,歩行などの移動能力,トイレ・入浴動作,排便・排尿,着衣動作などで評価。
  • 装具に関する記述で正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 装具の目的は,固定,変形予防や矯正,機能の補助・代償などである。
    b. 装具は,資格を有する義肢装具士が処方を作成する。
    c. 義足は,装飾用義足と治療用義足に分類できる。
    d. PTB 短下肢装具は,下腿や足部の免荷を目的とした装具である。
    e. シューホン型短下肢装具は,免荷を目的とした装具である。
    a. 装具の目的は,固定,変形予防や矯正,機能の補助・代償などである。
    d. PTB 短下肢装具は,下腿や足部の免荷を目的とした装具である。

    b:医師が装具の処方を作成。
    c:義足には作業用義足と常用義足がある。機能再建が困難で義足のようにズボンや靴下・靴などで隠すことができず,人前に晒す機会の多い義手に装飾用義手がある。
    d:PTB 短下肢装具は,下腿や足部の免荷を目的とした装具であり,下腿や足部の骨折やその術後に使用することが多い。
    e:シューホン型短下肢装具は,尖足の矯正や防止を目的に使用することが多く,片麻痺や腓骨神経麻痺の症例に対して処方・作成する。
  • 運動器リハビリテーションに関する記述で正しいのはどれか。2つ選べ。
    a. 理学療法には,運動療法と作業療法がある。
    b. 温熱療法は,物理療法である。
    c. 持続的他動運動装置(CPM 装置)は,関節可動域訓練の一手法である。
    d. 作業療法では,筋力訓練が主な訓練である。
    e. 装具療法は義肢装具士が訓練を行う。
    b. 温熱療法は,物理療法である。
    c. 持続的他動運動装置(CPM 装置)は,関節可動域訓練の一手法である。

    a:運動器リハビリテーションの治療法は,理学療法と作業療法に大別され,理学療法には運動療法と物理療法があるとされている。
    b:物理療法は,生体に物理刺激を適応することで,種々の生体反応を導き出して治療に利用するもので,温熱療法は物理療法の代表的な治療法の1つである。
    c:持続的他動運動装置(CPM 装置)は,機械によって行う他動的関節可動域訓練の一手法である。手術の直後から関節拘縮の予防や可動域の維持の目的で用いられることが多く,下肢の訓練用の器械が広く普及している。
    d:作業療法は図工や工作活動などの作業を通じて応用動作や社会的適応能力の回復を図るもの。
    e:装具は,医師が処方し,義肢装具士が作成し,それを用いた状態で理学療法士や作業療法士が訓練を行う
  • 運動器リハビリテーションに関する記述で正しいのはどれか。2つ選べ。

    a. 理学療法には,運動療法と作業療法がある。
    b. 温熱療法は,物理療法である。
    c. 持続的他動運動装置(CPM 装置)は,主に下肢の関節可動域訓練に用いられる。
    d. 作業療法では,筋力訓練が主な訓練である。
    e. 装具療法は義肢装具士が訓練を行う。
    b. 温熱療法は,物理療法である。
    c. 持続的他動運動装置(CPM 装置)は,主に下肢の関節可動域訓練に用いられる。
  • リハビリテーションに関する記述で誤っているのはどれか。

    a. 関節可動域訓練は関節拘縮を予防する。
    b. 廃用症候群では骨密度は減少する。
    c. 等尺性抵抗運動では関節を動かさない。
    d. ADL とは独立した日常生活を営む中で毎日繰り返して行う一連の身体的動作である。
    e. バーセル指数は認知障害の状態を評価する。
    e. バーセル指数は認知障害の状態を評価する。

    a:関節拘縮を予防することはリハビリテーション治療において非常に重要であり,そのためには患者の状態が許す限り,可及的早期からの関節可動域訓練が必要である。
    b:廃用症候群では,運動器だけでなく,循環器,精神・知能などにも機能低下をきたす。特に運動器の機能低下を生じると,筋萎縮を伴う筋力低下や荷重負荷の低下から骨萎縮が進行し,骨密度は低下する。
    c:等尺性筋収縮運動とは,筋長を一定に保った状態,すなわち関節を動かすことなく筋収縮動作をして筋力訓練をすること。
    d:ADL は Activity of Daily Living(日常生活動作)の略で,日常生活を営む上で毎日繰り返して行う一連の身体的動作のことをいう。ADL は,バーセル指数(Barthel Index)や FIM(Functional Independence Measure:機能的自
    立度評価法)などで評価する。
    e:d の解説を読めば誤りであることがわかるはず。
  • 図に示す装具が適応となる疾患はどれか。2つ選べ。

    a. 下垂足
    b. 外反母趾
    c. 内反尖足
    d. 股関節脱臼
    e. 膝蓋骨脱臼
    a. 下垂足
    c. 内反尖足
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