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「ぬ」の活用形として最も適当なものを一つ選びなさい。
見[ぬ]人はすくなくこそあらめ。(『枕草子』)
連体形
「ぬ」は助動詞「ず」の本活用の連体形である。
「(ず)/ざら・ず/ざり・ず・ぬ/ざる・ね/ざれ・ざれ」と活用する。
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「ざら」の活用形として最も適当なものを一つ選びなさい。
命ばかりはなどか生き[ざら]む。(『徒然草』)
未然形
「ざら」は助動詞「ず」の補助活用の未然形である。
「(ず)/ざら・ず/ざり・ず・ぬ/ざる・ね/ざれ・ざれ」と活用する。
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「ね」の活用形として正しいものを選びなさい。
山なら[ね]ども、これらにも、猫の経へ上がりて猫またになりて、……。
已然形
「ね」は打消の助動詞「ず」の已然形。
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次の空欄に入れるのに最も適当なものを一つ選びなさい。
もし心に( )ぬ事あらば、やすく外ほかへ移さむがためなり。(『方丈記』)
ア かなは(未然形)
イ かなひ(連用形)
ウ かなふ(連体形)
エ かなへ(已然形)
ア かなは(未然形)
助動詞「ず」は未然形に接続する。
空欄の直後に助動詞「ず」の連体形「ぬ」があるので、直前は未然形になる。
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「見知ら」の活用形として最も適当なものを一つ選びなさい。
京には見えぬ鳥なれば、みな人、[見知ら]ず。(『伊勢物語』)
未然形
助動詞「ず」は未然形に接続する。
傍線部の直後に助動詞「ず」があるので、直前の語は未然形になる。
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「せ」の活用形として最も適当なものを一つ選びなさい。
まことにさらに音おと[せ]ざりき。(『枕草子』)
未然形
「ざり」は助動詞「ず」の連用形。助動詞「ず」は未然形に接続するため、傍線部はサ変動詞「す」の未然形であるとわかる。
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「し」の活用形として最も適当なものを一つ選びなさい。
京より下りしときに、みな人子どもなかりき。(『土佐日記』)
連用形
「し」は過去の助動詞「き」の連体形。
「せ・〇・き・し・しか・〇」と活用する。
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「しか」の活用形として最も適当なものを一つ選びなさい。
まことによき人の、したまひしを見しかば、心づきなしと思ふなり。(『枕草子』)
已然形
「しか」は過去の助動詞「き」の已然形。
「せ・〇・き・し・しか・〇」と活用する。
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「あり」の活用形として最も適当なものを一つ選びなさい。
今は昔、竹取の翁といふ者ありけり。(『竹取物語』)
連用形
過去の助動詞「けり」は連用形に接続する。
傍線部の直後に助動詞「けり」がついているので、直前の語は連用形になる。
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「侍り」の活用形として最も適当なものを一つ選びなさい。
いとあはれなる事も侍りき。(『方丈記』)
連用形
過去の助動詞「き」は連用形に接続する。
傍線部の直後に助動詞「き」がついているので、直前の語は連用形になる。
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現代語訳として最も適当なものを一つ選びなさい。
去こ年ぞ生まれたまひし男をとこ御み子こに、(『栄花物語』)
ア 去年お生まれになった
イ 去年お生まれになったのだろう
ウ 去年お生まれになるはずがない
エ 去年お生まれになろうとした
ア 去年お生まれになった
傍線部は助動詞「き」の連体形「し」で、経験過去を表し、「~た」と訳す。
「せ・〇・き・し・しか・〇」と活用する。
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現代語訳として最も適当なものを一つ選びなさい。
人の与ふる恥にあらず。(『徒然草』)
ア 人の与えた恥であった。
イ 人の与えた恥であればいいなあ。
ウ 人の与えた恥であるのだろう。
エ 人の与えた恥ではない。
エ 人の与えた恥ではない。
助動詞の「ず」は打消の意味を表す。
「~ない」と訳す。
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「食はざりける人なり」の現代語訳として最も適当なものを一つ選びなさい。
選択肢
ア 食べない人である
イ 食べなかった人である
ウ 食べない人であった
エ 食べなかった人であった
イ 食べなかった人である
「ざり」は打消の助動詞「ず」の連用形。「なり」は体言に接続しているので断定の助動詞と判断する。
過去の助動詞「けり」が「食はざり」につながっているため、「食べなかった」と訳す。
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「いかがありし」(尋ねている)の現代語訳として最も適当なものを一つ選びなさい。
ア どうなるのだろうか
イ どうなっているのか
ウ どうなさっているのか
エ どうだったか
エ どうだったか
「いかが」は「いかにか」が転じたもので、疑問や反語の意を表す副詞。
この場面は、博定が元正に尋ねており、疑問。「し」は過去の助動詞「き」の連体形。「いかが」の結びは連体形になる。
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「めでたくうけたまはりき」の現代語訳として最も適当なものを一つ選びなさい。
選択肢
ア すばらしいとお聞きになった
イ すばらしいとお聞きになっている
ウ すばらしいと拝聴した
エ すばらしいと拝聴している
ウ すばらしいと拝聴した
「めでたし」は賞美すべき対象に強く心ひかれる意を表し、「すばらしい・立派だ・祝うべきだ」といった意味を持つ。
「うけたまはる」は「受く・聞く」の謙譲語で、「いただく・拝聴する」といった意味を持つ。
「き」は過去の助動詞。
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