高濁度原水時の急速ろ過
暗記
karan
2025年04月26日
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豪雨により河川で高濁度が発生した際の対策を検討するにあたり、調査・検討すべき事項とその内容
1 高濁度原水対策に関する調査・検討内容
豪雨により原水が高濁度になった際の対策を講じるため、以下のことについて調査・検討を行う。
(1)基本情報の調査
施設の形式、構造、能力等の諸元、河川の流量、水質、雨量の測定点を調査する。また、過去に発生した豪雨の降水量、濁度上昇の経過、フロックの状態、取水量、薬品注入率等の情報を把握する。
(2)評価・分析
雨量と原水濁度の関係を分析し、今後の高濁度原水を推定する。凝集処理の撹拌混合能力、薬品注入可能量、沈澱処理の表面負荷率、排泥可能量、排水処理のスラッジ貯留可能量等が、高濁度原水に対応できるか評価する。さらに、配水量と配水池容量から取水停止可能時間を把握する。
(3)対応策の検討(事前対応と事後対応)
①事前対応
平常時における事前対応として、混和池やフロック形成池の撹拌強度の変更、薬品注入位置の変更等を実施する。さらに強化策が必要な場合、原水調整池、スラッジ緊急貯留槽、二段凝集設備の整備、高塩基度PACの使用等を実施する。
②事後対応
非常時における事後対応は、原水濁度が上昇する前と、上昇した後に分けて対応策を検討する。
上昇前は、配水池水位の確保、ろ過池の事前洗浄、沈澱池の事前排泥、排水処理の先行運転等を行う。水源水質の監視を強化し、適宜、薬品注入量の増加を行い、急激な濁度上昇を整える。
上昇後は、浄水処理の強化とピークカットを行う。浄水処理の強化については、原水濁度やpH等を頻繁に確認し、濁度上昇に追従できるよう速やかに薬品注入量を増加する。濁度監視を強化し、適切に沈澱池の排泥、ろ過池の洗浄を実施する。ピークカットについては、取水量を減少させた後、薬品注入可能量を超過する前に取水停止を行う。
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業務の手順と留意点・工夫点
業務は上述の(1)〜(3)の手順で実施する。
基本情報の調査は、図面や資料の確認だけではなく、現場確認を行い業務に反映する。また、他都市の高濁度原水の事例を調査し、参考にすることも重要である。
評価・分析において、浄水場職員の技術力、非常時における組織体制等を確認する。また、施設の老朽化が進むことにより、浄水処理に支障をきたすため、施設の健全性についても評価を行う必要がある。
対応策の検討において、濁度計の上限値を超過する可能性があることから、現地採水による手分析の準備を整える。高濁度原水に対応した薬品注入方法を確立する。原水濁度が低下する時に薬品注入トラブルが発生しやすいため特に注意を要する。取水停止が長時間に及んだ場合に備え、配水区域の切替えについて検討する。
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