1. 緑色植物の色素体の特徴を述べよ
・一次葉緑体
・クロロフィルa + b 他の色素に覆い隠されることはない
・2重膜で囲まれる
・チラコイドは重なってラメラを形成
・光合成性の場合は葉緑体、非光合成性は白色体やアミロプラスト
・カロテノイド: ふつうβカロテン、ルテイン、ネオキサンチン、ゼアキサンチンなど
・色素体、ピレノイドの数や形態はさまざま
・ピレノイド: 主にルビスコからなり、おそらくCO2濃縮機構に関与
・ピレノイドの形態は重要な分類形質
・デンプンを色素体ストロマ内に貯蔵
4. 不等毛植物門に属する藻類の色素体の特徴を説明せよ
・二次葉緑体
・クロロフィルa/c
・4枚の膜で囲まれる
・3層のチラコイドが重なってラメラを形成
・1個のラメラが他のラメラを包む→ガードルラメラ
・最外膜にはリボソームが付随し、ERや核膜とつながる→⾊素体ER
1. ハプト藻の色素体の特徴を説明せよ。
・二次葉緑体
・クロロフィル a / c
・4枚の膜で囲まれる
・3枚のチラコイドが重なってラメラを形成
・ガードルラメラなし
・最外膜にはリボソームが付随し、ERや核膜とつながる → 色素体ER
・フコキサンチンと特異なその派生色素
・色素体核様体は散在
2. 緑藻植物(Chlorophytes)とストレプト植物(Streptophytes)の違いを鞭毛装置に着目して述べよ。
3. 緑藻植物(Chlorophytes)とストレプト植物(Streptophytes)の違いを核・細胞質分裂に着目して述べよ。
4. オオヒゲマワリ(Volvox)の体制および生殖について説明せよ。
・オオヒゲマワリはふつう群体とよばれるが、実際には多細胞
・栄養細胞と生殖細胞の分化、栄養細胞間の分化、個体としての統一性
・細胞分化による生殖
・無性生殖と有性生殖を行う。
・一部は同形配偶、異形配偶
1. ヌクレオモルフをもつ系統群を2つ答えよ。また、ヌクレオモルフとはどのようなもので、細胞内のどこに存在するのかを色素体の由来および色素体包膜の枚数と絡めて説明せよ。
共生者の残存核で、DNAを持つ。
クリプト藻、クロララクニオン藻。
PPCに存在する。
二次共生により、4枚の膜を持つ。
2. 二次共生によって誕生した藻類群(二次植物)6つすべて答えよ。また、それぞれの色素体の由来(紅藻も
しくは緑藻)を答えよ。
紅藻:
クリプト藻
ハプト藻
不等毛藻
渦鞭毛藻
緑藻:
ユーグレナ藻
クロララクニオン藻
4. クロミスタ仮説およびクロムアルベオラータ仮説について説明せよ。
クリプト藻、ハプト藻、不等毛藻の3群は、紅藻との二次共生によって葉緑体を得た共通祖先を持つという説。
クロムアルベオラータ仮説は渦鞭毛藻も含んだもの。
1. クリプト藻に最も近縁な従属栄養性鞭毛虫の属名を答えよ。
ゴニオモナス、カタブレファリス類
2. クリプト藻の射出体について説明せよ。
l 小胞の中にロール状のタンパク質リボン
l 刺激でリボンがほどける
l 繊毛虫共生細菌のタンパク質に相同
1. クロララクニオン藻が含まれるスーパーグループおよび門を答えよ。
リザリア、ケルコゾア門
2. クロララクニオン藻に最も近縁な従属栄養性生物の属名を答えよ。
ミノリサ属
3. クロララクニオン藻に最も近縁な従属栄養性生物の特徴を説明せよ。
・色素体なし
・細菌食性
・プランクトン性
5. ⻩金色藻の栄養様式について説明せよ。
・多くの黄金色藻は光合成性
Ø ただしその多くは食作用能ももつ
→混合栄養性
Ø さらに一部の黄金色藻は光合成能を失った
→従属栄養性
Ø これら従属栄養種は非光合成性の色素体(白色体)を残している
Ø ヘム、鉄硫黄クラスター、システイン合成、脂質代謝のため
6. ラフィド藻のうち赤潮構成種を学名で答えよ。
Chattonella antiqua
7. 褐藻の細胞壁成分と原形質連絡について説明せよ。
セルロースとアルギン酸。
細胞質をつなぐ、細胞壁の穴。
8. 渦鞭毛藻の色素体の特徴を説明せよ。
多様である。
色素体を持たない種、盗色素体現象、藍藻共生、ペリディニン型、ハプト藻型、緑色植物型など。
9. 渦鞭毛藻の核の特徴を説明せよ。
ü 多量のDNA、ヌクレオソームなし
ü 染色体は常に凝縮
ü 特異な核タンパク質(ウィルスのものに相同)
10. 緑の渦鞭毛藻(Lepidodinium sp., MGD株, TGD株)における盗色素体化について説明せよ。
捕食によって、色素体を有している生物を取り込み、それを維持するためにもう一度取り込むことで安定化させ、光合成すること。葉緑体の恒常的な獲得過程を示している可能性がある。
11. 繊毛虫の有性生殖の特徴について説明せよ。
繊毛虫同士が接合する
↓
小核が減数分裂する
↓
小核を交換する(n)
↓
小核が融合する(2n)
↓
小核が分裂し、一つは大核になる
↓
体細胞分裂して増える
2. ハプトネマの特徴について説明せよ。
・小胞体で囲まれた単管微小管からなる
・センサー、付着と滑走運動、エサ粒子の捕獲
1. アメーボゾアの特徴について説明せよ。
・多くは肉質虫(アメーバ)
・葉状仮足(または刺状仮足などその変形)
・ミトコンドリアクリステは管状(分枝)、一部は退化(マイトソーム)
2. タマホコリカビ類の生活環について説明せよ。
有性生殖と無性生殖を行う。
栄養が豊富なときは単細胞性のアメーバ
↓環境が悪化すると
アメーバ同士が集合する
↓
子実体が形成される
↓
胞子が発芽し、単細胞のアメーバとして生活する
1. オピストコンタ(後方鞭毛生物)の特徴について説明せよ。
細胞後端から後方へ伸びる鞭毛
(基本1本)
ü ミトコンドリアクリステは板状
ü コラーゲン、キチンの存在
ü EF-1遺伝子への長い挿入
ü ESCRT-0(小胞輸送系の複合体)
ü オピストコンタの中には菌類・動
物以外にもいくつかの原生生物群
2. かつて“鞭毛菌類”と呼ばれた菌類が現在所属している6つの門をすべて答えよ。
・クリプト菌門
・ネオカリマスチクス門
・サヤミドロモドキ門
・ツボカビ門
・コウマクノウキン門
・フクロカビ門
3. かつて“鞭毛菌類”と呼ばれた菌類の特徴を説明せよ。
ü 生活環の一部に鞭毛を持った運動性の胞子
(遊走子)を生じる時期のある菌類
ü 細胞の後端から後方に伸びる鞭毛を1本持つ遊走子
ü 細胞壁の主成分はキチン
ü 多くは腐生菌、難分解性の基質(セルロース、ケラチン、キチンなど)を用いるのものも
ü 寄生性の種も多い
ü 寄生性の”ツボカビ類”は淡水生態系で重要。
4. 接合菌類の特徴を説明せよ。
ü 遊走細胞を欠く
ü 多核管状体の菌糸
ü 配偶子嚢の接合により接合胞子を形成(休眠後、接合胞子内で減数分裂)
ü 原則として無性生殖時に「胞子嚢胞子」と呼ばれる内生胞子を形成
ü 栄養摂取様式は多様
5. 担子菌類の特徴を説明せよ
・子実体(きのこ)の形成
・胞子は担子器の表面で形成される
・担子器の核が合体すると減数分裂によって担子胞子を作る。一次菌糸体が作られると、無性生殖の場合はここから分生子を切り離してそれが増殖する。有性生殖では菌糸融合が起こり二次菌糸体が形成され、モザイク状の菌糸分布が生じ、分生子を作って増殖する場合と子実体を作る場合に分かれる。子実体からは担子器が作られて生活環が一周する。
6. 子嚢菌類の特徴を説明せよ。
。担子菌よりも大型の子実体を作る菌類。
・1つの子嚢の中には8個の胞子が作られます(減数分裂+1回の体細胞分裂)。
・一次菌糸体が他の子嚢胞子と融合して二次菌糸体になる。核が接合して減数分裂が起こり、子嚢内で胞子が作られる。
・菌根菌、植物病原菌、地衣類などがいる。
二界説→五界説
リンネの二界説。動物界・植物界
↓
オーウェン。原生動物門を原生動物界に格上げ
↓
ハックウェル。三界説。原生動物と原生植物を統合し、原生生物界にした。
↓
ホイタッカー。五界説。多細胞の植物界、菌界、動物界。単細胞の原生生物界、モネラ界。
五界説、3ドメイン説、六界説の表
六界説とは
原核生物→細菌界
原生生物を二分。
クロミスタ界は二次共生による葉緑体の獲得。
単系統群とは
1つの共通祖先から派生したすべての子孫を含む群
側系統群とは
ある単系統群から、その一部の子孫を除いた群
真核生物のスーパーグループ6つ
アメーボゾア
オピストコンタ
アーケプラスチダ
エクスカバータ
クロムアルベオラータ
リザリア
オピストコンタの特徴
後生動物であり、後方に一本の鞭毛を持つ遊泳細胞を持つ。
後生動物、菌類からなる。
アーケプラスチダの特徴
一次共生で二重膜の葉緑体を持つ
クロムアルベオラータの特徴
色素体を紅藻から2次的に獲得
アルベオラータ、クロミスタからなる。
真核生物のスーパーグループ5つ
アメーボゾア
オピストコンタ
アーケプラスチダ
エクスカバータ
SAR
アモルフォアの特徴
ユニコンタ→アモルフォアに。
一本の鞭毛は平行進化したとする。
SARの特徴
ストラメノパイル、アルベオラータ、リザリアをまとめた。
↓
クロムアルベオラータの消失
後生動物の門、古典的な形態による分類。
相称性はなにがある?
放射相称
左右相称
無相称
放射相称、左右相称、無相称の動物門?
放射相称;刺胞動物門、有櫛動物門
左右相称;多くの動物門
無相称;海綿動物門、平板動物門
後生動物の門、古典的な形態による分類。
発生様式は?
旧口動物、新口動物
旧口動物、新口動物の特徴?
旧口動物、
・原口が口に
・らせん卵割
・モザイク卵
・トロコフォア幼生
新口動物
・原口が肛門に
・放射卵割
・調整卵
・ディプリュールラ幼生
後生動物の門、古典的な形態による分類。
体腔の構造?
無体腔、偽体腔、新体腔
無体腔、偽体腔、新体腔の特徴
無体腔;扁形、顎口、紐型、曲形動物門。
偽体腔:胞胚腔が残ったもの。腹毛動物門
新体腔:中胚葉由来の上皮細胞で囲まれた空間。
新体腔の種類
裂体腔、腸体腔
裂体腔、腸体腔の特徴
裂体腔:中胚葉の内部にできる→軟体動物門など
腸体腔:腸の膨らみからできる→新口動物門
海綿動物と平板動物はOOOと呼ばれる事がある
側生動物
中生動物とは?
・原生動物と後生動物の中間。
・現在は二胚動物門と直泳動物門に二分化
後生動物の新しい括りは?
真正後生動物=
後生動物ー(側生動物+中生動物)
ヘッケルが提唱した動物門間の説
ガストレア起源説
;襟鞭毛虫の集合・群体から進化した仮想の動物”ガストレア”を後生動物の共通祖先とする説。
動物門間の説2
二分岐説
;途中で旧口動物と新口動物の系統に大きく分かれる説
分子系統解析の結果、旧口動物は2つのグレードに→
体腔の発達とは無関係。
・冠輪動物
・脱皮動物
冠輪動物
脱皮動物の種類?
冠輪動物;環形動物、軟体動物
脱皮動物;節足動物、線形動物
冠輪動物の特徴?
・苔虫動物門が持つ触手冠
・トロコフォア幼生
・移動や摂食に繊毛を使う
脱皮動物の特徴?
・外骨格を分泌し、脱皮。
・らせん卵割ではない。
どれが最も祖先的な門かはまだ未解決→近年はOOOが優性
有櫛動物門
系統
鳥類が進化する前→
爬虫類は単系統群
現在、OOOために、爬虫類はOOOに
鳥類が進化した
側系統群
OOOは時間とともにOOOに変わり得る
単系統群
側系統群
魚類はOOO→状況によりOOOをOOOとして許容
側系統群
側系統群
分類群
サットが提唱した新体型?
脊索動物の3亜門を門に格上げ。
頭索動物門、尾索動物門、脊索動物門。
この3つを脊索動物上門とし、棘皮動物門+半索動物門を水腔動物上門に。
無相称の動物の種類と特徴
海綿動物門
扁平動物門
側生動物と言われる
海綿動物門の特徴?
・海水を体内に循環させ、呼吸・捕食する水溝系
・胃腔の内壁に鞭毛を持つ襟細胞が一列に並ぶ
扁平動物門の特徴?
腺細胞が酵素を分泌して、体外で原生生物を消化吸収する
放射相称の動物の種類と特徴
刺胞動物門
有櫛動物門
二胚葉性
刺胞動物門の特徴?
・クラゲとポリプの二型
・刺胞細胞
・刺胞に似る極嚢(ミクゾゾア動物の場合)
有櫛動物門の特徴?
・櫛板で泳ぐ
・粘着性の膠胞こうほう