児のそら寝
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Haru
2024年05月14日
カード43
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つれづれ
することがなく退屈な、てもちぶさただ
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心よせ
心を寄せること、ひいきすること、期待すること
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さ(然)
その通り
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わろし
劣っている、あまりよくない
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さだめて
必ずきっと、決して~
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驚く
びっくりする、突然それと気づく、目を覚ます
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これも今は昔、比叡の山に児ありけり
これも今となっては昔のことだが比叡の山に児がいた
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僧たち、宵のつれづれに、「いざ、かいもちひせむ。」と言ひけるを、
僧たちが、宵の手持ちぶたさにさあぼたもちを作ろうと言ったのを、
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この児、心寄せにけり。さりとて
この児は、期待して聞いた。そうはいっても
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しいださむを待ちて寝ざらむも、わろかりなむと思いて、
出来上がるのを待って寝ないのもよくないだろうと思って、
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片方に寄りて、寝たるよしにて、出て来るを待ちけるに、
部屋の片隅に寄って、寝たふりをして、ぼたもちが出て来るのを待っていたところ
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すでにしいだしたるさまにて、ひしめき合ひたり。
既に出来上がった様子で、僧たちが騒ぎあっている。
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この児、定めて驚かさむずらむと待ちゐたるに、僧の、
この児は、きっと起こすだろうと待っていると、僧が、
定めて=きっと 驚かさむ=起こす むずらむ=推量の助動詞「むず」の終止形+現在推量の助動詞「らむ」の終止形
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「もの申しさぶらはむ。驚かせたまへ。」と言ふを・
「もしもし、お起きなさいませ」と言うのを、
たまへ=なさる(尊敬)
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うれしとは思へども
児はうれしいと思ったが、
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時代
鎌倉時代
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ジャンル
説話集=短い物語が集まった作品
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児
公家や武士などの子弟
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ただ一度にいらへむも、待ちけるかともぞ思ふとて、
児はただ一度に返事するのも、僧が待っていたのかと思うと困る
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今一度声呼ばれていらへむと、念じて寝たるほどに、
もう一度呼ばれて返事をしようと 寝ていると
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「や、な起こしたてまつりそ。幼き人は寝入りたまひにけり。」
「おい、お起こしするな。幼き人は寝てしまった」
な~そ=否定(~するな)
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と言う声のしければ、あなわびしと思いて、
と言う声がしたので、児は、ああ悲しいと思って、
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今一度起こせかしと、思ひ寝に聞けば、
もう一度起こしてくれよと、思いながら寝て聞いたところ
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ひしひしとただ食ひに食ふ音のしければ、すべなくて、
むしゃむしゃと食べる音がしたので、どうしょうもなくて、
食ひに食ふ
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無期の後に、「えい。」といらへたりければ
長い次男の後に「はい。」と答えたので、
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僧たち笑ふことかぎりなし。
僧たちは笑うことがこのうえもなかった。
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いらえ(ふ)
答える、返事する
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念ず
神仏に祈る、こらえる、我慢する
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わびし
せつない、満たされずつらい、心細い、苦しいつらい、みすぼらしい、つまらない、やりきれない、迷惑だ
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すべなし
方法がない、どうしようもない
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無期
期限のない、時間が長い、いつ終わるかわからないこと
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限りなし
果てしない、際限(さいげん)がない
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そら寝
寝たふり
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ひしめき合ひ
一緒に騒ぎ立てる
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「比叡」、「無期」を現代仮名遣いで
比叡「ひえ」 無期「むご」
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「いざ、かひもちせむ」を、誰がこのように言ったかをふまえて現代語訳
:僧たちが、「さぁ、ぼたもちを作ろう」
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「しいださむ」の主語
僧たち
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「寝ざらむも、わろかりなむ」を現代語訳
寝ずにいるの、もよくないだろう
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「定めておどろかせむずらむ」の主語と現代語訳
僧たちが、きっと子供を起こしてくれるだろう
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「いま一声呼ばれていらへむ」と思った理由を文中から抜き出せ
ただ一度にいらへむも、待ちけるかともぞ思ふ
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「な起こしたてまつりそ」を現代語訳
お起こし申し上げるな
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子供が「あなわびし」と思った理由
起こしてもらわないとぼたもちを食べることができないのに、僧たちが「寝てしまわれたのだからお起こし申し上げるな」といって起こしてくれないから。
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「笑ふこと限りなし」とあるが、なぜ僧たちは笑ったのか。
寝たふりをしていたものの、ぼたもちがなくなってしまうと思って、「えい」と変なタイミングで答えた児がほほえましいと思えたから。
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