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内裏に御遊び始まるを、ただいま参らせ給へ。
宮中
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内裏にも聞こし召し嘆くことかぎりなし。
天皇
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うへ、殿上に出でさせ給ひて、御あそびありけり。
天皇
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うへは、宮の失せたまひけるをり、さま変へたまひにけり。
奥様
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うへより下るる途に、弁の宰相の君の戸口をさしのぞきたれば、昼寝したまへるほどなりけり。
御座所
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御方しも、受領の妻にて品定まりておはしまさむよ。
身分
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世に仕ふるほどの人、たれか一人ふるさとに残りをらむ。
古都
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人はいさ心もしらずふるさとは花ぞ昔の香ににほひける
なじみのある土地
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このふるさとの女の前にてだに、つつみはべるものを、さる所にて才さかしいではべらむよ。
実家
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そのほどの心ばへはしも、ねんごろなるやうなりけり。
心遣い
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あまたあらむ中にも、こころばへ見てぞ率てありかまほしき。
性格
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岩に生ひたる松の根ざしも心ばへあるさまなり。
趣
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ひまひまより見ゆる灯の光、螢よりけにほのかにあはれなり。
すき間
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雪すこし隙あり。
絶え間
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御文奉らむ。よきひまなり。
機会
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鶴の大臣殿は、童名たづ君なり。鶴を飼ひ給ひける故にと申すは、僻事なり。
間違い
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かつあらはるるをも顧みず、口に任せて言ひ散らすは、やがてうきたること聞こゆ。
根拠のない
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よろづのとがあらじと思はば、何事にも誠ありて、人を分かず、うやうやしく、言葉少なからんにはしかじ。
欠点
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世治まらずして、凍餒の苦しみあらば、とがの者絶ゆべからず。
罪
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世に語り伝ふること、まことはあいなきにや、多くはみなそらごとなり。
嘘
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こはいかに。御消息奉りつるは、御覧ぜざりつるか。
手紙
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門さしつ。死ぬるなりけり。消息いひ入るれど、なにのかひなし。
訪問
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かからむ世には、雲居に跡をとどめても何かはし候ふべき。
宮中
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越路をさして帰る雁の、雲居におとづれ行くも、をりふしあはれにきこしめす。
天上
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長き夜をひとり明かし、遠き雲居を思ひやり、浅茅が宿に昔をしのぶこそ、色好むとは言はめ。
遠く離れた所
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限りなく喜びかしこまり申す。
お礼
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え参らぬ由のかしこまり申し給へり。
お詫び
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頭の弁うれへさへ申されたりければ、その折にぞ、御かしこまりにて、しばし籠もり居給へりし。
謹慎
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心憂きものは世なりけり。
男女の仲
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昔、男ありけり。歌は詠まざりけれど、世の中を思ひ知りたりけり。
男女の仲
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はかなき御なやみと見ゆれども、かぎりのたびにもおはしますらむ。
最期
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罪のかぎり果てぬれば、かく迎ふるを、翁は泣き嘆く。
すべて
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門のかぎりを高う造る人もありけるは。
だけ
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さが尻をかき出でて、ここらの朝廷人に見せて、恥を見せむ。
たくさん
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それが玉を取らむとて、そこらの人々の害せられむとしけり。
たくさん
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かたみに思ひあふことかぎりなし。
たがいに
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わざとかねて外のをも散らして、庭に敷かれたりけるにや。
わざわざ
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わざとめでたき草子ども、硯の箱の蓋に入れておこせたり。
特別に
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わざとの僧膳はせさせ給はで、湯漬けばかり給ふ。
本格的な
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うたて、なにしに、さ申しつらむ。
いやなことに
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死期はついでを待たず。死は前しよりしも来たらず。かねて後ろに迫れり。
前もって
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五日かねては、見むもなかなかなべければ、内にも入らず。
前から
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人の臥したるを、奥の方よりやをらのぞいたるも、いとをかし。
そっと
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二十八日、よもすがら雨やまず。今朝も。
一晩中
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御よろこびなど言ひおこする人も、かへりては弄ずる心地して、ゆめうれしからず。
まったく ない
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関白をばしだいのままにせさせ給へ。ゆめゆめ違へさせ給ふな。
決して てはいけない
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この事、あなかしこ人に披露すな。
決して てはいけない
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冬枯れのけしきこそ、秋にはをさをさ劣るまじけれ。
ほとんど ないだろう
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あなかま、人に聞かすな。いとをかしげなる猫なり。
しっ、静かに
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仁和寺にある法師、都市夜まで石清水を拝まざりければ、心憂くおぼえて、ある時思ひ立ちて、ただひとりかちより詣でけり。
歩いて
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木霊などいふ、けしからぬかたちも現るるものなり。
異様だ
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けしかる法師のかくしれがましきよ。
変だ
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昔、若き男、けしうはあらぬ女を思ひけり。
悪くはない
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